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殉情わりだす演算子

殉情わりだす演算子

電動夏子安置システム

赤坂RED/THEATER(東京都)

2018/05/23 (水) ~ 2018/05/27 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/05/23 (水)

23日・ソワレの初日舞台(120分弱)を拝見。

ネタバレBOX

サスペンス仕立てのコメディーは、ヒトの動かし方で『場違いの一日前』を、笑いの仕掛けに既知の作品群を、それぞれ想起させられたが、それでも、結局のところ、無抵抗で爆笑するしか術のない、一級品の舞台だった。
ただ、アカリの相神への復讐から、冬子達の2年後の後日談的光景へのラストシーン。
個人的な見方だが、ここまで来て「サスペンス仕立てのコメディー」→「コメディー仕立てのサスペンス」にテイストを変えるんだぁ? コメディーで通した方があと味がよかったのになぁ、とは感じた。

役者陣。
2年前の『男装音楽劇 くるみ割り人形』以来、来月も『野外劇 新譚 糸地獄』で拝見する予定の、高畑亜実さんの、他の方と質感の異なる(コメディーよりもサスペンスな色合いの濃い)佇まいと、「白い服の謎の男女」’Sの紅一点・新野アヤコさんの(開演前にロビーでお見かけした、生真面目な雰囲気とは打って変わっての)可愛らしさ満点の演技が印象に残った。

最後に一つ。最近の大相撲に不案内でも、道井良樹さんの前説は愉しく拝見させてもらった。

【配役】
有端(ありはし)アカリ(資産家の養女。出産後間もない我が子を誘拐された)
…高畑亜実さん
要(かなめ)(ロシア帰り。ある建築家が手掛けた建物を探訪している)
…町屋圭祐さん
埴生(記憶喪失な男性。自分を殺し屋だと思い込んでいたが、実は…)
…片桐俊次さん
千秋(冬子の友人の一人。おっちょこちょい。大海の会社の社員)
…犬井のぞみさん
冬子(交際相手・大海を殺したはずなのに…)
…川島佳帆里さん
春香(冬子の友人の一人。何故か彼氏無し)
…小舘絵梨さん
多夏美(たかみ)(冬子の友人の一人。失踪中の夫とまさかの…)
…本多晴さん
大海(おおみ)(中堅建設会社の跡継ぎ。放蕩の限りを尽くして、その都度、周囲に尻ぬぐいさせている)
…日向翔梧さん
金弥(建物を所有する有端の級友。ある目的のために家族と別れて、この屋敷に…)
…北川竜二さん
相神(さがみ)(建物を所有する有端の級友。建物の管理人と自称するも、実は…)
…渡邊聡さん

不法占有の目的で屋敷に居座っている「白い服の謎の男女」’S
…じょんさん、道井良樹さん、樋口夢祈さん、小原雄平さん、新野アコヤさん
害虫

害虫

劇団普通

ギャラリーLE DECO(東京都)

2018/05/22 (火) ~ 2018/05/27 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/05/22 (火)

22日ソワレの回(90分)を拝見。

ネタバレBOX

昨年、スタジオ空洞で拝見した『帰郷』よりは、血のつながりのあるなしはともかく、兄弟姉妹を題材した作品のせいか、取っ掛かりやすかった。
父親「達」の不在・母親の存在感希薄な「家庭」において、精神的に相互依存な関係にある兄弟姉妹の、食卓?を囲む面子の組み合わせで、それまで銀のスプーンを舐めたような無機質な口調だったのが、急に饒舌になったり・ならなかったり…と、互いの距離を意識した、探り合いのような時間が過ぎていくのだが、そこで展開されるやり取りの蓄積は、観客の側に、あるいはリアルな私生活での不協和音を思い起こさせ、ヒリヒリしたり・腹が立ったりの、大層、シンドイ時間を強いられた。
それゆえに、ラストの喫茶店での、彼ら彼女らが、この先の人生において、自力で光明を見いだしていくのだろう、という期待感の暗示には、正直、ホッと息をつくことができた。

あと、今回、特筆⁈すべきことかもしれないが、カズユキ(演・澤原剛生さん)が、弟のコウスケ(演・榊原美鳳さん)相手に、英国プレミアリーグの話題を熱弁するくだりでは、あろうことか、静謐な不条理劇が特徴の劇団普通さんの芝居とは思えぬほどの、爆笑の不意打ちを喰らわされた。既成観念にとらわれて観ていた身には、まさに油断大敵!の瞬間だった。

最後に配役について記しておく。

タエ(長女。母親の最初の夫との子。不在がちな母親に代わって、長男・次男・三女の面倒をみている)
…菊地奈緒さん
ユキ(次女。二番目の夫との子。長女と一緒に、弟・妹達の面倒をみている。気が強く、ぼんやりした性格のカズユキを嫌っている?)
…菊池真奈美さん
カズユキ(長男。二番目の夫の連れ子。サッカー・英国プレミアリーグの話題になるとイキイキと喋り出す)
…澤原剛生さん
メイ(三女。三番目の夫との子。コウスケを相手にした時だけホンネで話す)
…丹澤美緒さん
コウスケ(次男。四番目の交際相手との子。上の姉たちやカズユキに学校の事を喋っても、あまり相手にされないせいか、感情を殺して無口でいることが多い)
… 榊原美鳳(さかきばら・よしたか)さん
母親(五番目?の男と交際中。家を不在がち)…石黒麻衣さん
真夏の夜の夢

真夏の夜の夢

ヨハクノート

王子小劇場(東京都)

2018/05/17 (木) ~ 2018/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/05/20 (日)

20日午前11時開演の回(110分)を拝見。

ストーリーの基本は踏まえつつも
1)ハーミアの父親等、登場人物の大胆なカット
2)こじゃれた悪ふざけ?!が施された、カジュアルなセリフの数々
3)終盤、ライサンダー以下を客席に座らせ、職人たちの劇中劇に対して好き勝手な感想を浴びせさせる、という斬新な演出
4)質素ながらもゴージャス?な舞台美術
といった諸々の工夫の相乗効果か、随分と身近な感覚の「真夏の夜の夢」を愉しむことができた。

役者陣では、某著名狂言師を思わせる台詞回しに立ち振舞いの神山慎太郎さん、豊かな表情と仕草が魅力的な依田玲奈さんのお二人が個人的にはお気に入り。
あと、昨年11月の『HAMLET be』を拝見した際にも感じたことだが、皆さんの演技から、まるで学生演劇のような新鮮さが伝わってきたのにも、大いに魅了された。これも演出? それとも座組の雰囲気の良さからか?

最後に配役について触れておく。
妖精パック、他…神山慎太郎さん
ライサンダー(ハーミアの父親には嫌われているが、ハーミアとは相思相愛)…秋本雄基さん
ハーミア(ライサンダーの恋人)
…武村理子さん(劇団木霊…って、やっぱり学生さんだったんだぁ♪)
ディミトリアス(ハーミアの父親が選んだ婚約者。ハーミアに片想い)…田島実紘さん
ヘレナ(ハーミアの幼馴染。ディミトリアスに片想い)…納葉(おさむ・よう)さん
テーセウス(アテネの公爵)&妖精の王…黒川知樹さん
ヒポリタ(アマゾン国の女王。テーセウスの婚約相手)&妖精の王妃…内山茜さん
劇中劇を演じる職人1&妖精…依田玲奈さん
劇中劇を演じる職人2&妖精…太田ナツキさん
劇中劇を演じる職人3(魔法で頭部をロバにされる)…山﨑大夢さん

夜明け前、私たちは立ち上がる。

夜明け前、私たちは立ち上がる。

TOKYOハンバーグ

サンモールスタジオ(東京都)

2018/05/16 (水) ~ 2018/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/05/17 (木)

17日ソワレ(110分)を拝見。

ネタバレBOX

福島原発を扱った『KUDAN』から4作目で、再び原発について取り上げるTOKYOハンバーグさんの公演は、実話をもとにしたストーリー。
寂れた漁師町を舞台に、原発建設を巡る反対・推進両派の狭間で、狭い地域社会における人間関係や、経済的困窮に付け込んだ「札束攻勢」に揺れる人々の苦悩を、ごく平凡な若い女性の目を通して描いた作品です。

ハマチの養殖で生計を立てる漁師の娘・伊藤直美役の永田涼香さんを初めとする、役者陣が体現する、心乱れる「市井の人」感が、そのあまりの人間的弱さの故に、かえって尊くも感じられた舞台でした。

ただ…これを言っちゃあ、社会派の芝居なんて出来ねぇよ!と言われるかもしれませんが、養殖業者が多い反対派の経済的基盤を崩すための「養殖ハマチは薬漬け」という噂の流布や、反対派への札束攻撃、諸々の嫌がらせは事実だろうとはいえ、浦島クンという中部電力に就職した地元民のセリフを通して原発推進派の立場からも語らせたとはいえ、自分の友人が勤めている中部電力さんがあまりに「悪役」として描かれていることには、少なからず抵抗を覚えたことも付記しておきます(もっとも、友人がぁ…云々の私事を踏まえたとしても、大層、見応えのある、熱のこもった舞台だったのは確かでした)。

最後に配役について記しておきます。
伊藤直美(当初は原発への賛否よりも、恋人の浦島の方に関心を寄せていたが…)
…永田涼香さん(舞台を拝見するのは4作目ですが、ピュアな佇まいが魅力の女優さんです)
伊藤洋(直美の父。ハマチの養殖を営むが経営は苦しい。反対派の中心)
…内谷正文さん
伊藤洋子(直美の母。町を二分する原発反対・賛成派の争いに居たたまれなくなり、実家に戻る)
…上田尋さん
浦島健一(直美の恋人だったが、中部電力に就職し、原発推進派の先兵となったことで別離)
…谷沢龍馬さん
服部晃(浦島の上司にあたる中部電力社員。原発立地先での住民説得のベテラン)
…小林大輔さん(☜好演!)
岸ゆかり(洋の妹。原発推進派を店から追い出したために、経営するスナックに客が寄り付かなくなる)
…橘麦さん
浅尾幸(反対派。原発推進派のボイコットに遭い、自身の美容院の経営が傾く)
…徳永梓さん
九鬼陽一郎(反対派。洋の世話になった、ハマチの養殖業者だが、経営は思わしくない)
…荻野貴継さん
九鬼香織(反対派。陽一郎の妻)
…吉田由布子
御船勝(反対派だが、娘の結婚祝いその他で、急に大金が必要になり…)
…宇鉄菊三さん
御船恵子(勝の妻。反対派だが、勝共々、その決意が揺れることに)
…竹井京子さん
御船なぎさ(反対派。結婚を控えた御船夫妻の娘。大阪で小学校の教師をしている)
…野村咲さん
浜口博(県の地域振興課職員。洋の親友。中電の札束攻勢を目の当たりにして、明確に反対の立場を取るようになる)
…高須誠さん
13番地のパブロ・ピカソ

13番地のパブロ・ピカソ

新宿公社

サンモールスタジオ(東京都)

2018/05/09 (水) ~ 2018/05/13 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/05/10 (木)

10日ソワレ(2時間)を拝見。

ネタバレBOX

パリでの「バラ色の時代」、南仏での晩年、と第二次世界大戦を挟んだ2つの時代における、天衣無縫な「パブロ・ピカソ」という巨大な怪物に振り回される(ピカソ自身をも含めた)人々を描いた群像劇。

新宿公社さんの前公演、硬派な『ざらば』から一転、肩のリキミが取れたような演出や人物描写による親しみやすいテイストの本作品には、共感を持たれる観客も多かっただろうなと。

個人的には、それまで明るく・強気一辺倒で・あるいは気丈に振舞っていた登場人物達がふと見せる、人間的な弱さに惹かれた。
ピカソ(演・青野竜平さん)や1907年のヒト達もだが、戦争の傷跡が随所に垣間見える1952年の人々には、より一層の共感を抱くことに。とりわけ、夫不在の画廊を守っていたサラ(演・石田迪子さん)が、戦後7年目に夫の戦死通知を受け取った場面では、不意に涙腺に来てしまい…(汗)。
あと、アルルカン(演・工藤彩加さん)。着想もだが、狂言回し的に過度に露出させずに、要所要所で登場させた脚本の巧みさには感心させられた。

役者陣。
多少の強弱はあれど、どの登場人物も割と均等に描かれていた本作において、それでもやはり凡人のワタシがイチバン心惹かれたのは、アラン&マリーの若夫婦役を演じられた、吉澤尚吾さんと青木沙織さんかなぁ。
あと、素人目だが、本作のように、役者陣に目立った穴のない・脇役に至るまでしっかりとした演技をされる方達で固められた役者陣には、ハラハラせずに安心して観ていられるな、と雑感。

最後に、その好演だった役者さん達を配役と共に記しておく。

パブロ・ピカソ…青野竜平さん(☜熱量のある演技!)

【1907年】
ジョルジュ・ブラック(ピカソと同時代のフランスの画家)…谷恭輔さん
アンドレ・ドラン(フランスの画家。後にナチスの協力者とみなされ、戦後、不遇な晩年を送る)…松浦康太さん
マックス・ジャコブ(フランスの詩人。ユダヤ人故に後にナチスの収容所に遅れられ、そこで死去)…久井正樹さん
フェルナンド・オリヴィエ(「バラ色の時代」におけるピカソの恋人)…蓮見のりこさん
アリス・ジェリ(アンドレ・ドランの恋人)…土佐まりなさん
ベルト・ヴィイユ(無名時代のピカソを支えた画商)…松永直子さん
ダニエル・アンリ・カーンワイラー(当代随一の画商)…尾𥔎宇内さん
アルルカン(ピカソの作品のモチーフとなった、16世紀代の仮面劇における道化役。本作品においては、ピカソの内面を象徴する「分身」)…工藤彩加さん

【1952年】
アラン・デュポン(戦争でドイツ兵に撃たれて利き腕が使えなくなった元・画家。今は画商)…吉澤尚吾さん
マリー・ルペーズ(アランの妻。おおらかな性格)…青木沙織さん
ピーター・ルーフォン(アランの戦友。山っ気たっぷりな画商)…浦川拓海さん
フレデリック・カウフマン(ユダヤ系ドイツ人の生真面目な画商)…山本周平さん
サラ・ベルモンド(不在の夫に代わって画商を切り盛りする女性。アランとは戦前からの知り合い)…石田迪子(いしだ・みちこ)さん
ジャクリーヌ・ロック(ピカソの最後の妻)…もなみのりこさん
ラーメン

ラーメン

宇宙論☆講座

スタジオ空洞(東京都)

2018/04/27 (金) ~ 2018/04/30 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/04/30 (月)

30日マチネ(130分)を拝見。

ネタバレBOX

私の前に感想を述べられた皆さんの「汚い!」「食べ物を粗末にするな!」「猥雑!」といった批判の悉くに強く同意します。
登場人物が多過ぎて、整理がついていないという指摘も頷けます。

という訳で、冷静に振り返れば、あの内容⁈で本来ならあり得ないはずなんですが…実は、出演者達の2時間以上の熱演、少なからず胸打たれました。
もっと万人受けする作品にすれば良かったのに!と思わないでもないのですが、過度にカドを取れば、あの「ラーメン二郎」的なゴタゴタした魅力が半減しかねないし…「観客を選ぶ演劇」であり「観客に取捨選択される演劇」なのかなぁと思います。

まっ、いずれにせよ、あのアットホームな空間で、あの強烈な舞台の観客であり続けたため、かなりの気力の消耗を強いられたようです。終演後、スタジオ空洞の近くにある有名店、麺屋 Hulu-lu(フルル)さんで、醤油SOBAをかっ喰らった後は、真っすぐ、おウチに帰りました、とさ♪

溶けない世界と

溶けない世界と

mizhen

d-倉庫(東京都)

2018/04/25 (水) ~ 2018/04/29 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/04/26 (木)

26日ソワレ(110分)を拝見。

ネタバレBOX

チェーホフの『かもめ』に増改築を施したようなストーリーは、様々な立ち位置の登場人物達&蜘蛛!による、恋愛観・人生観のせめぎあい、といった趣きか。
難解なシーンも少なくはなかったが、かといって、決して取っ付きにくいわけでもない。むしろ、理解が充分届かないなりにも、セリフ・身体表現・照明・劇伴から、目や耳や体感で作品のメッセージを感じ取れた気がする。素人にも「演劇観たなぁ!」という実感をもたらしてくれた。

あと、劇中、手話を交わすシーンがあることとの関連か? 最後列の座席に、聴覚障がい者のために、字幕タブレットの用意。小劇場演劇の会場では初めて目にした。
予算的な事情はわかりかねるが、ハンディキャップを持たれた方にも演劇を体感して頂く、こうした対応がもっと広まれば、と強く願う。

最後に配役を記しておく。
蒔田世子(まきた・せいこ。小説家志望。姉に複雑な感情を抱く。モデルは「コースチャ」)
…小角まやさん(アマヤドリさんなどの舞台で何度も拝見している、真摯な演技が印象深い役者さん)
蒔田透子(世子の姉。妹思い。聴覚障がい者。蜘蛛の研究家)
…佐藤幸子さん
新名一平(苦労知らず?な俳優志望。世子→鳥越へ心移り。モデルは「ニーナ」)
…照井健仁さん
鳥越りん(複雑な内面を持つ、売れっ子作家。モデルは「トリゴーリン」)
…佐藤蕗子(さとう・ふきこ)さん(昨年の『哀しい夢すら、忘れてしまう』で知った、声と所作に色気のある役者さん)
有川次男(世子の叔父。著名な名優。モデルは「アルカージナ」)
…安東信助さん(何度も舞台を拝見しているのに、初めて観た『HNG』での役柄が強烈過ぎてwww、その際の印象がなかなか拭えない、個性派俳優!)
志村えみ(世子が宿泊しているペンションホテルのオーナー)
…百花亜希(ももか・あき)さん(qui-co.さんの公演で何度か拝見した役者さん)
志村ほりあき(えみの夫でホテルのシェフ。後天的聴覚障がい者。透子の不倫相手。モデルは「シャムラーエフ」)
…滝寛式(たき・ひろしき)さん
増谷実(ホテルのバイト。世子に片想い)…小林樹(こばやし・たつき)さん
緑ジュンコ(気のいい、スナックの娘。後に実の妻)…前原麻希さん
マリリン(異常に長生きしている蜘蛛)…藤井咲有里さん(本作品のキーパースン? 白眉の「怪」演!)

【追記】
当パンのスタッフリストに、「手話指導」として、忍足亜希子(おしだり・あきこ)さんの名が!
映画『アイ・ラヴ・ユー』のヒロインさんと、ウン十年ぶりにご縁がつながり、ちょこっとだけ胸アツになった。
新宿コントレックスVol.19

新宿コントレックスVol.19

Aga-risk Entertainment

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/04/20 (金) ~ 2018/04/21 (土)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/04/20 (金)

20日ソワレ(95分)を拝見。
出場5団体を登場順に感想を述べると…

『角度の授業』のエンニュイさんは初めて観る団体さんだが、高木健さん扮する「先生」の“自分可愛い“一本鎗なセリフのラッシュ&パワーに大笑いさせられた。
あと、「母親」役の児玉磨利さん。全体終演後の挨拶で、役のイメージよりずっと若い方だったとわかり、大いに驚かされた。

『ななめ島』のくによし組さんは、本公演を数回拝見している団体さんだが、いつものシュールな設定の下で、こんなにも笑いが取れるとは、正直言って予想だにもしなかった。
恐るべし!くによし組!!

なかないで、毒きのこちゃんさんの『キミはボクの光くん。』は、一種のバックステージもの。コミカルも交えた、(実質)独り語り『コーラスライン』の趣き。
上演毎に演じる役者が替わるトリプルキャストとのことで、私は観たのは石澤希代子さんの出演回だったが、観終わっての印象は…石澤さんの豊かな表現力に尽きるかと。

『おもろいフェスティバル』の劇想からまわりえっちゃんさんも初見の団体さん。
関西の団体らしく、押しの強さと、定番ギャグの連続投入の笑い…実は本来、私の苦手な芸風なのだが、そんな個人的嗜好を押し流してしまうほど、素直に笑わせてもらった。

アガリスクエンターテイメントの『エイジ』。
1990年代後半の日テレ土曜9時台のドラマ、『サイコメトラーEIJI』のサイコメトラー能力(物や人に触れるとそれに残った過去の記憶の断片を読み取る能力)を用いたコメディは、同じく、伝説のw日テレ土9ドラマ『聖龍伝説』まで引っ張り出す程の芸の細かさ。
大変ニッチな題材を使いながらも、息をつかせぬ爆笑の連続!…期待通りの緻密な台本にはひたすら感服する限りだった。

人間の感情のうち、恐らく最も個人差の激しい「笑い」。他の方の感想を拝見していても、(あくまでもワタシ個人の価値判断だが)首を傾げたり・大いに頷いたりと様々だが、会場の反応からみて、少なくとも20日ソワレ回は盛況だったと考える。

渦中の花

渦中の花

room42

王子小劇場(東京都)

2018/04/24 (火) ~ 2018/04/29 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/04/25 (水)

24日初日の舞台を拝見(110分)。

ネタバレBOX

家族の構成を変えた以外は、実際の事件(赤城神社主婦失踪事件)を丁寧にトレースしつつも、母親の失踪をきっかけに、それまで、表向き、平穏だった家族関係が急速に崩壊していく様を、家族を知る神社の巫女(☜笑顔の陰に残忍な心がぁ!)・母親のバイト先の若い男(☜ストーカー気質の危ないヒト?!)との関わりも交えて描かれています。

作・演の、烏丸棗(からすま・なつめ)さん。
昨年10月、三鷹市・星のホールで拝見した『Maria』という作品で作風は承知していましたが、今回も期待に違わず?! ヒトの心の奥底にある触れてはならないもの・歪んだものを、痛々しい程に見せつけてくれました。おかげで、終演後、雨は止んでいたにもかかわらず、実に暗澹たる面持ちで会場を後にすることになりました(☜注.褒め言葉デス!)。
ハッピーエンドとは程遠いストーリーですが、とても見応えのある作品でした。

最後に配役を記しておきます。
津川志乃(失業中の夫に代わりパートに出ながら、崇の母の介護も!)…丸本陽子さん
津川崇(志乃の夫。経営していた会社が倒産し、失業中)…山本佳希さん(☜「家庭では何もしない・出来ない昭和の男」を好演!)
津川遼介(津川家の息子。志乃失踪後に湧き出た様々な問題に苦悩する主人公)…野村亮太さん
津川瑞希(凌介の妻。仕事をしながら、志乃失踪後、義父の母親の介護にあたり疲弊)…宮山知衣(みややま・ちえ)さん
法嶋梨子(津川家の娘。妊娠中で何の手助けも出来ず、瑞希に負い目を抱く)…柏尾志保さん
法嶋大樹(梨子の夫。次第に遼介夫婦との間に溝が…)…丸山雄也さん
内海耀(志乃のバイト先の若い同僚。年上の志乃を母親→恋人と思い込む?)…辻井彰太さん
黒宮聡美(神社の巫女。実は昔から遼介達一家を知っている)…今井由希さん(☜ある意味、この作品で一番オイシイ役柄を好演!)
須藤淳一(刑事。遼介の大学時代の先輩)…松本一歩(まつもと・かずほ)さん
フェイクワンダーランド

フェイクワンダーランド

ぱすてるからっと

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2018/04/17 (火) ~ 2018/04/22 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/04/18 (水)

廻チーム・18日ソワレを拝見。

脚本的にディテールで矛盾やご都合主義的展開が見受けられ、さらに、いくら芝居が絵空事とはいえ(ご本人の熱演は大いに認めるものの)物理的に無理が過ぎる配役にも首を傾げざるを得なかった90分。

とはいえ、若いヒト達が懸命に演技し踊る様子に心動かされるものがあったのと、当日運営の皆さんの好感の持てる対応を目の当たりにして、観劇後の印象はすこぶる良かった。

ハムレット

ハムレット

Theatre Company カクシンハン/株式会社トゥービー

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2018/04/14 (土) ~ 2018/04/22 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/04/21 (土)

21日ソワレ(途中休憩10分挟み3時間)を拝見。

ナマの舞台で『タイタス・アンドロニカス』『じゃじゃ馬ならし』、DVDで『カクシンハン版ジュリアス・シーザー』と観ているカクシンハンさん。
でぇ、今回の『ハムレット』、チケット代分は充分愉しめたものの、『タイタス…』程の斬新さは感じられず、さらに、植木等の『スーダラ節』は個人的には「スベってたなぁ」と思わざるを得なかった(ついでに言わせてもらうと、若い客層には『スーダラ節』はピンと来なかったのではないかと)。

なお、従来の真以美さん・のぐち和美さんに加えて登用された女優さん達の存在が、専ら「男芝居」なカクシンハンさんの舞台に、フェミニンな幅を広げていたように映った。多くの舞台で重用される小林春世さんに有田杏子さん、私にとっては今回が初見の寺田みなみさん・多田慶子さんの好演は大変印象深いものがあった。

ブルース・ウイルス~ダイ・ハードな1週間~

ブルース・ウイルス~ダイ・ハードな1週間~

乱痴気STARTER

Geki地下Liberty(東京都)

2018/04/17 (火) ~ 2018/04/22 (日)公演終了

満足度★★

鑑賞日2018/04/22 (日)

22日のマチネ(105分)を拝見したのだが、過去作の『キャプテン・オブ・ザ・コック~お前が匙を取れ~』での「栄養素」達の掛け合いを、ウイルスと体内細菌等のそれにスケールアップした作品かと思っていたが、私が未見の初演版(2012年)があったらしい。
なので、乱痴気STARTERさんの、シリアスな作品(『ゆた』)を除いた、私が観た複数の過去作との比較で述べさせてもらうが…(あくまで22日マチネ回に限っての話かもしれないが)客席の笑いの量は大幅にスケールダウンしたようだ。

私見だが、体内での抗争ネタだけで1時間半を越える上演時間を消化するのは無理があったように感じられた(舞台後半での、客席の何と静まりかえっていたことか!)。
たとえば、ウイルスに侵された人間と医者のやり取りなどを交えるなどして、視点に広がりを持たせた方が、上演後半の単調な進行を回避できたのでは、と思えてならない。

基本、ドタバタコメディーの団体さんなので、脚本に必要以上の「深み」を持たせる必要は無いのだろうが、必要最低限の「(笑いの)密度」は備えさせるべきであろうと強く感じた作品だった。

誰も寝てはならぬ

誰も寝てはならぬ

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2018/04/12 (木) ~ 2018/04/18 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/04/15 (日)

15日マチネ(68分?)を拝見。

ネタバレBOX

10年程前に学生さんが書かれた脚本だということが、にわかに信じられない位、才気と遊び心に溢れた作品。さらに、約70分という上演時間を、過不足なく使い切っている辺りも、作者の非凡なる構成力を感じさせた。

役者陣に関しては、塩原俊之さんが引っ張る座組みのチームワークと、とりわけグレートニュームラマツさんの頑張りに尽きるかな。
それにしても、本作品、学生さんが演じるには、役の説得力という点で浅過ぎるし、かといって、ベテランでは嘘っぽい…本物のJKでも、今、巷で評判の安達祐実さんのセーラー服姿でもなく、今回の坪和あさ美さん演じる「女子高生」が丁度良い塩梅かなぁ。演じ手の旬と作品との幸福な遭遇に感謝したい。

最後に配役を記しておく。
融通の利かない女科学者…福富朝希さん
生真面目なメガネ…伊藤圭太さん
自意識過剰な「王子」役…グレートニュームラマツさん(☜熱演!)
爽やかな青年(だが、闇夜の人違いはマズかったw)…伊藤貴史さん
イリオモテヤマネコ愛の少年?…沼田天音さん
チンピラ…塩原俊之さん(☜座長?!な存在感。終始、舞台のリード役)
実はしたたかなOL…ニシハラフミコさん
ひとくせもふたくせもありそうな「女子高生」…坪和あさ美さん
組曲~touch 2 you~

組曲~touch 2 you~

touch my brassiere? company

上野ストアハウス(東京都)

2018/04/13 (金) ~ 2018/04/15 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/04/13 (金)

13日ソワレ(1時間45分)を拝見。

ネタバレBOX

世俗の垢にまみれた観劇オジさんの目には、観劇中、地回りの兄弟分たちによる終盤の相撲シーンなど、いささか気恥ずかしくなる場面もあったし、全体的に人物描写が大仰過ぎる、思わせぶりなセリフが多いなぁ、とも感じたが…いざ観終わってみると、そんな雑感は不思議と消え去り、心に残ったのは、優しくて・優しくて・只々優しい時間を過ごせたなぁという満足感。良い余韻の残った芝居だった。

ただ、惜しむらくは、劇伴、ずっと流しっ放しだったこと。
あれではメリハリがなさ過ぎるし、ストーリーの良さにも関わらず、安っぽい印象を作品に与えかねないのではないか? もう少し控えた方が良いと強く感じた。
できれば、熱演の役者さん達のセリフ、劇伴の無い、素の状態で、もっと聴かせて欲しかったのだが…。

最後に配役に触れておく。

レオ・筒井比奈さん
キリン・大倉安奈さん
夏子・夕花里咲さん
猿之介・堀米慎さん(好演!)
佑馬・塚本充さん
香・池田奏さん
文子・中西絢子さん
鉄男・青木健人さん
洋・山本未貴さん
一生・楠木多悶さん
しほり・今井美沙希さん
律・佐藤有子さん
敏也・村松和茉さん
修・濱田勝悟さん
将季・尾熊泰輔さん
組長・斎藤健さん
凰花・箕輪菜穂江さん
"男"と"女"の短編集

"男"と"女"の短編集

高円寺K'sスタジオ本館

高円寺K'sスタジオ【本館】(東京都)

2018/04/11 (水) ~ 2018/04/15 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/04/14 (土)

14日ソワレを拝見。4本の短編で計80分の舞台。

ネタバレBOX

最初の『ヂアロオグ・プランタニエ』は、数年前、渋谷で観たことがあるが、その際は、若い女優さんお二人が、作品が生み出された頃の「山の手コトバ」に随分と難儀されていた。
でっ、今回、無理に山の手コトバで全体を通さなかったのは正解だったかな、と由美子役・林佳代さん、奈緒子役・吉見由香さんのやり取りを耳にして、つくづく実感させられた。
なお、何回か舞台を拝見している林佳代さんの佇まいが(贔屓目入ってますけど、汗)作品世界にとてもマッチしていたように感じた。

2本目の『失われた三時間』。F・S・フィッツジェラルドの原作をバブル期の日本に置き換えてのストーリー。往時の社会事象などを会話に織り交ぜての、男・西本泰輔さん、女・小川友子さんのやり取り、私には往年のトレンディドラマの1シーンのよう映った。

3本目の『強がる画家達』。ここまで笑いに徹するとは!…演劇とコントとの境界線は何処?とかクスクスしながらも、ちょっぴり考えさせられた作品。
今回唯一の男・男ペア、日下諭さん・林田航平さんの生真面目な演技、好演!

最後の『プロポーズ』は、現代日本にストーリーを置き換えたとはいえ、そこは原作者チェーホフの頃の時代背景が顔をのぞかせる作品。
主宰でもある柚木佑美さんと室園丈裕さんの丁々発止なやり取り、さすがに巧い。
さらに、室園丈裕さんの「新劇な」声の良さに惚れ惚れした!と個人的な感想を付け加えておく。

4本の短編に仮託させた4つの時代という企画意図、日下諭さんのストーリーテラーぶりには大いに好感を持った。
ところで、この公演、普段、あまり演劇に足を運ばない層を狙ったのかな?と主宰者の方に伺いたくなるほど、観る側には親切な舞台だったなぁと。
現っ、

現っ、

中野坂上デーモンズ

王子小劇場(東京都)

2018/04/04 (水) ~ 2018/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/04/04 (水)

4月4日ソワレを拝見。

前半の、上手・下手の2つの空間がキッチリ分離したうえでのシンクロぶりがあまりに見事だったからこそ、後半からの融合(混沌?)がより鮮明に感じられたのだろうか。グルーブ感溢るる迫力に唯々押し流された90分だった。
正直、今でも理解の度合いはフワフワ状態なのに、また観たい!という強烈な欲求が湧き起こる、危ないクスリのような芝居…これ程の凄い(☜語彙力、笑)作品の後だと、次回作はさぞ大変だろうなぁと、中野坂上デーモンズの憂鬱さんの舞台、初めて観たヒトのくせに、つい余計な心配をしてしまいがちにw

最後に。
「エラく大変だったでしょう?本当に・本当にお疲れ様でした!」と、千穐楽を終えた演者の皆さんに、心の底からお礼の言葉を捧げたい。

これにて、

これにて、

劇団KEYBOARD

北池袋 新生館シアター(東京都)

2018/03/28 (水) ~ 2018/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/31 (土)

31日ソワレ(本編2時間+活動弁士による実演等15分)を拝見。

ネタバレBOX

サイレントからトーキーへの映画の移行期、活動弁士という「芸能」の担い手としての意地と誇りにかけて、時代の波に抗った、人々の物語。
おむすびのような顔いっぱいに喜怒哀楽+照れの表情を浮かべ、存在感抜群だった、市瀬龍司さんを中心に据えたキャスティングに、映像や歌唱を巧みに取り入れた2時間。終演後に行われた、本物の弁士による実演も合わせて、事前に予想していた以上の、充実した時間を過ごせた。

あと、ヒロイン・須磨桜子役の女優さんを「何処か見覚えが…」と思いながら観ていたら、歌唱のシーンで「ねくすぽすとさんで何度か拝見した、冨士枝鈴花さんだぁ!」と記憶が蘇った。その歌唱も勿論だが、上演中、主人公の詩郎を見つめる際の、真っ直ぐな眼差しが、とても印象に残った。

最後に配役を記しておく。
國山詩郎(弁士学校出のシャイで一途な男)…市瀬龍司さん
須磨桜子(詩郎の恋人。後の一流映画女優)…冨士枝鈴花さん
月岡稀声(女性ファンに人気の弁士)…佐藤有朔さん
杉浦春柳(主任弁士)…大沢宗也さん
木暮千鶴子(弁士)…森かなみさん(着物がお似合い♪)
水谷朝子(映画館の場内係、月岡のカノジョ)…小口美雪(おぐち・みゆき)さん
木暮良吉(映写技師、千鶴子の夫)…真原孝幸さん
木村常二郎(映画脚本家)…杉本等さん
大石環(小屋主)…山下華蓮さん
三好双葉(月岡稀声の妻)…髙山実音歌さん
佐伯健太(警察官)…森薗尚也さん
焔~ほむら~

焔~ほむら~

JACROW

駅前劇場(東京都)

2018/03/28 (水) ~ 2018/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/28 (水)

28日初日のソワレ(1時間55分)を拝見。

ネタバレBOX

この件で私に株で大損を喰らわせた三菱自動車の実際の事件を題材に、下請メーカーの悲哀を織り込んだ作品。
業種は異なれど同じ製造業の会社に勤めていた身には「それ、ある!ある!」な組織内部の描写の数々を経て、決してハッピーエンドでは終わらせなかったラストに、胸を締めつけられる思いがした。
メーカの開発ではありがちな「無理を承知で」…結果、斬新な技術・商品が確立・開発できた事例は何件もみているが、モノには限度があることも、現場経験ゼロ(だからこそ平気で言える)経営陣に知って欲しいなと今さらながらに考えさせられた夜だった。
あと、宇都宮ではないが、私が知っている全国各地の、地方のメーカー子会社と比較しても、あの牧歌的な雰囲気、実によく表現されていたと感服。作者は経験者?それとも綿密な取材の成果?

以下、配役を記しておく。
【イチバ自動車】
木須部長(「こんなヒト、いる・いる!」な女性の野心家)…佐々木なふみさん
野中次長…谷仲恵輔さん(ノスタルギヤ』のサッカーライター、『治天ノ君』では明治天皇役の、特徴のある渋い声の役者さん)
立実主任(官僚的大企業では生き残るのが難しい正義感)…狩野和馬さん
張本社員(産休明け、子供を託児所に預けながら働く)…福田真夕さん
別府社員(ヒラメ社員)…芦原健介さん

【カワマツエナジー】
茂弘部長…吉田テツタさん
真野課長…小平伸一郎さん(新宿での『天はすべて許し給う』のストーカーが、下北沢ではこんな善意のヒトに生まれ変わるとは!)
小枡課長補佐…澤井裕太さん
先山社員(下尾社員と付き合っている)…菅野貴夫さん
下尾社員…堤千穂さん(同じく『天はすべて許し給う』の犠牲者が、下北沢では芯の強い、もうすぐ母親に!)
『天国と地獄』

『天国と地獄』

遠吠え

王子スタジオ1(東京都)

2018/03/20 (火) ~ 2018/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/03/25 (日)

25日の大千穐楽(60分)を拝見。

大きな坂道のそばにある迎ヶ谷町(むかえがたにまち)…『凡庸』なワタシでもピンと来た、とある田舎町の高校演劇部を舞台に、学年毎の絆、創作者の苦しみ、伝統と改革との対立、等々を描いた60分。

演出面で言うと、運動会の定番楽曲『天国と地獄』を用いた軽快な劇伴に、時系列の異なるシーンをハンドクラップ一発で瞬時に切り替える場転でのリレーは、高校生活3年間の「駆け抜け感」を思い起こさせてくれて、実に効果的だった。
ノスタルジックなストーリーにテンポの良さも合わさって、高校演劇部出身でないワタシでも今年一番愉しめる作品になったと思う。

あと…永田佑衣さん演じるメロスの創作に苦しむ自問自答ぶり。モデルは木村みちるさんご本人だろうが、私にはフ⚫︎タタ⚫︎⚫︎イ氏が想起させられ(実際、同氏を意識した演出が施されていたそうです)、上演中、ニンマリが止まりませんでした。

最後に配役を記しておく。
セガ(3年生、部長、良い意味でオトナな穏健派)…石黒麻衣さん
よもぎ(3年生、勝気、昔、台本を書いたことがある)…小島望さん
小次郎(3年生、演劇部の伝統への思い入れが強い)…澁川智代さん
アニー(2年生、1年生の秋大会から脚本と演出を担当していたが…)…橋本美優さん
コロネ(2年生、遠慮しがちな次期部長。が、アニーの台本を強く推す)…二ツ森恵美さん
メロス(1年生、アニー休部後の脚・演出。天才肌)…永田佑衣さん
わさび(1年生、自分が入部させたメロスの脚本を強く推す)…大田彩寧さん
演劇部員…木村みちるさん(最後にチョコっと顔を出された、遠吠えの主宰さん)

Cendrillon

Cendrillon

チームジャックちゃん

シアターKASSAI(東京都)

2018/03/21 (水) ~ 2018/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/03/22 (木)

22日ソワレ・ねずみチームの回(120分)を拝見。

ネタバレBOX

2014年の初演時、この作品で初めて知った川添美和さんが同じアナスタージャ役ということだったので、ねずみチームを拝見。そして今宵、4年ぶりに川添さんのアナスタージャを目にした途端、ただただ懐かしさがこみあげてきて…。
さて、初演時は2チーム共、拝見させてもらったが、継母と姉たちの悪女?軍団の役者さんと比べて、役柄の性格以上に、ジャヴォット役を演じる役者さんの受けが弱く感じられた。その点、今宵は、ジャヴォット役に力量のある役者(土佐まりなさん)を迎えたことで、悪女軍団の演技も引き立ち、舞台がより引き締まったように感じられた。
おかげで、個人的には既知のストーリーなのだが、新鮮な気持ちで集中して観ることができた2時間だった。

最後に、ねずみチームの配役を記しておく。
アナスタージャ(トレメイン家・次女)…川添美和さん
ドリーゼラ(トレメイン家・長女)…染谷歩さん
ジャヴォット(トレメイン家・三女)…土佐まりなさん
エリアナ(3姉妹の継母)…安井茉穂さん
ギュスターブ(ジョヴァンニ家、ドリーゼラの夫)…重野祐輝さん
ジョー(ジョヴァンニ家、ギュスターブの弟)…山本恵太郎さん
ジジ(ジョヴァンニ家、ギュスターブの妹)…荒川友香さん
マリー(トレメイン家の侍女、仙女)…齋藤かずえさん
ヴェルナ(トレメイン家の執事、仙女)…竹本優希さん
ゴダール(アナスタージャの婚約者、王家護衛団長)…塩口量平さん
ノエミ(ゴダールの妹、ジョーが好き)…藤田瀬奈さん
ジャン(王家護衛団副長)…内山正則さん
王子ウィレム…井神崚太さん
大臣ファビオ…佐々木雄太郎さん

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