I元の観てきた!クチコミ一覧

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モンスターとしての私

モンスターとしての私

刈馬演劇設計社

千種文化小劇場(愛知県)

2015/05/23 (土) ~ 2015/05/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

モンスターズ
 うむむ、終演後は放心でした。息を呑むシーンやセリフが沢山あった。病んでるんだなって思わせたり、そう自覚してもがく絶妙な演技は鈴木亜由子さんの新機軸ですね。今までコミカルな役どころが多いと感じていただけにインパクトありました。
 さて脚本としては、主役のみならず色んなモンスターが取り上げられ、うまく纏め、話が拡げられていきましたが、特に刈馬さんご本人の本作に対する執念と覚悟すらモンスターであるとのモチーフが垣間見え、なんか本作が纏められるプロセスも観たような気がします。
 舞台美術や演出も見応えあるのが多くて、特にビデオカメラ使った"あの"くだりは、緊張感を煽って、心にかなり刺さった。基本、あそこのみ出番の大野ナツコさん、すげえ。撮ってるとこダイレクトで観たかった。

さよならウィキペディア

さよならウィキペディア

劇団ジャブジャブサーキット

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2015/05/21 (木) ~ 2015/05/24 (日)公演終了

満足度★★★★

日常と非日常の心地よい融合
まず舞台美術にびっくり。七ツ寺に異空間出現です。こだわりを感じます。お話はと言えば、どうしてこうなった?って感じで色んな出来事が次から次へと起きる... にも関わらず、それらが実に淡々と進む印象。登場人物にとっては、それもあくまで日常のことか・・・、という生活感を感じる。日常と非日常が心地よく融合している舞台でした。あと、ジャブジャブはキャストの老若のバランスが良いね。

わが星

わが星

ままごと

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2015/05/16 (土) ~ 2015/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

何て多重な味わい
終わって、暫くぽわ〜んとしてました。90分間走り続ける感覚の演劇。リズムと問答とダンスと掛け合いが時を刻むように絶え間なく投げ掛けられ、繰り返され、時にコミカルに楽しく、時に死生観すら問うように深く、何て多重な味わいを与えてくれることか。上京に重なってたまたま観れた幸運に感謝。

地点『かもめ』

地点『かもめ』

地点

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2015/05/09 (土) ~ 2015/05/11 (月)公演終了

満足度★★★★★

進化するかもめ
 全体的に素晴らしく作りが丁寧。パンフによれば、同じ演目を何度もリメイク・再演出しているそうで、さもありなん。客入れの段階から観客を楽しませ、惹き付け、予備知識を与える趣向がふんだんで、極めて観客本位の姿勢です。そのまま、ほぼシームレスに本番突入。
 プレ企画ビデオ上映のコリオレイナスでも感じましたが、独特の発語・セリフ回しで終始楽しめる。・・・たとえ言っていることが理解できなくてもだwww
 実際ちょっと感情移入しづらくて、単発の事象は理解できても全体を解釈できなくて困ったのですが、パンフの解説を読むと、それはあながち間違った感じ方ではないらしい。せめて先にパンフを読んでいれば、また別の楽しみも加わったろうと思うと残念。
 でも再演出の可能性は0ではなさそうと思えば楽しみが残る。「地点のかもめは観たことがあるから」が観ない理由にならない、絶えず進化する劇団のようですね。

ABCDEFGH

ABCDEFGH

FUKAIPRODUCE羽衣

三重県文化会館(三重県)

2015/05/05 (火) ~ 2015/05/06 (水)公演終了

満足度★★★★★

全力のエロいおバカ
エロいおバカ、全力でやってますっ!って感じで良かった〜。これは中々並び立つ者いないっちゅ〜か、オンリーワンってやつですね。ああいう歌は意外に頭に残る… 中毒性高し。名古屋でのミニライブも行けばよかったと今更後悔。アフタートークで「心掛けていることは?」という問いに対して、作演の糸井さんが散々迷った挙句「楽しめるようにすること」としか言えなかったのが、本質じゃないかと思う。

いがいと女子なアナタのためのセステット

いがいと女子なアナタのためのセステット

劇団 いがいと女子

ユースクエア(名古屋市青少年交流プラザ) (愛知県)

2015/05/03 (日) ~ 2015/05/05 (火)公演終了

満足度★★★★

脇役なし
 さすが天野さんの脚本ですね。最初グダグダになりそうな怪しげな雰囲気がありましたが、6人の個性を活かしつつ、しっかりまとめてきましたね。
 選んだ題材も「昔は無かったが今は日常」という距離感なのが面白い。あれなら異質の人間を結びつけ易くて、意外にドラマ向きなのかもしれません。
 また、並行進行しているドラマで、スポットライトが当たらない側も暗転の中で芝居続けている演出も面白い。観る方はすんごい集中力要ってつらいけど(笑)
 あと、「分かる人だけ付いて来い」的な小ネタがたまらないです、面白かった~、付いて行きます(笑)
  6人の役者さんは各々見せ場があって、「脇役がいない!」感じのバランスが良かったですね。ネタ的には幸笑子さんの役が面白かったですが、その名を言うだけで明らかなネタバレなので控えときます(笑)

ホボトラ

ホボトラ

1986年企画

ナンジャーレ(愛知県)

2015/05/01 (金) ~ 2015/05/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

起爆剤・・・ ここから何かが起こる?
 何よりもまず、企画力の勝利ですよね。林じゃない方と今津じゃない方(笑)の両プロデューサーに敬意と感謝を表したいです。オールスター戦みたいで楽しかったぁ。
 そして長谷川さんの作演、アテ書きキャストがドはまりで、なんか名古屋小劇場界の同人誌観ているようでした。良い意味でお約束をキッチリ抑えつつ、観客が欲しいものを与えてくれた感じです。なんかね、本来笑い所じゃない所でクスクス漏れる笑いからそう感じました。
 そしてそれに留まらず、魔術とそれに乗じた本音が入り乱れた緻密な構成と感情の機微が見応えあり、独立した戯曲としてもかなり魅力的です。みんな役者役って訳じゃないのに「みんな上手ぇなぁ」ってセリフが全てを表現してましたね。
 キャストはね、もう誰が良いなんて言い出したらキリがない。敢えて言うとすれば、こういうお祭り的企画は男としては女優さん推しになりがちなところを、男優さんの存在感が凄く強かった。男優さんのブロマイドまで買って帰ることになるとは思わなかった(笑)そのぐらい全員が個の力を遺憾なく発揮して、優れたエンターテインメントを成立させていたということ。アフターのシャッフル・ホボトラ込みで大満足でした。
 この企画の続きを期待するとともに、他の年代への起爆剤になって何か起これば・・・ と思うとドキドキします。

私のペットは食用牛

私のペットは食用牛

劇団 蒼天の猫標識

G/Pit(愛知県)

2015/04/24 (金) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

審査員特別賞おめでとうございました
 G/PITチャレンジフェスティバル2015 審査員特別賞おめでとうございました。
 これは本当に超お買い得の作品でした。チラシでの当初の印象はやや引き気味だったんですが(笑)、何か心に引っ掛かるところがあって、観劇スケジュールにエイッと捻じ込んだのが大正解。完全にコメディだとばかり思い込んでいましたが、かなりしっかり作り込んだシリアスな内容でした。
 脚本も演出も演技も非常に丁寧に、丹念に紡がれている印象で、じんわり心に響いてくる。固定観念を随所でひっくり返していく展開が好みでした。その難しいところを、主演のまといさん、助演のヨシミさん、佐倉さんの丁寧で落ち着いた演技が作品に対する観客の咀嚼を助けた感があります。
 凝った舞台美術も好印象でしたね。

「ラフやライフ~ならやっぱりパラダイス~」

「ラフやライフ~ならやっぱりパラダイス~」

劇団Smile BaKation

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2015/04/25 (土) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★

〇カエル
う〜ん、一言で言えば「ミ〇エル」に全部持っていかれた感がありますね~(笑) 二層構造の舞台は面白かったですが、メイン側の展開がやや目新しさに欠ける印象なので、趣味の問題ではありますが、個人的にはミカ〇ルをはっきり主軸に据えた脚本の方が良かったんじゃないか~と思います

Sの背骨

Sの背骨

劇団B級遊撃隊

姫池052スタジオ(愛知県)

2015/04/10 (金) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★

Sの語りが深い・・・
 戯曲そのものは研究生用のリメイクということで、本来は演技の方にフォーカスされるべきなんでしょうが、私にとっては初見なので一応触れておきます。"S"の存在自体がすごい衝撃的で、それ書いちゃったら、即ネタばれという恐ろしいキャストですね。
 でも別に出オチに留まるというわけではなく、以降の要所の語りが深くて、それが真髄でしょうから見応えありました。おバカキャラで周りを固めているので、そのギャップも楽しかったです。
  総じてですが、全然、研究生公演って感じしませんでしたね、良い意味で。楽しませてもらいました~。

ネタバレBOX

 で、本筋のキャストの方で注目したのはお二人。
 やはり"S"役の梅宮さんのハマりっぷりが素晴らしい。謎生物振りは見事で率直に飼いたいと思った(笑)既に劇団員とのことですが初出演ということで、今後期待大。
 垣本さんは市民演劇「愛・かきつばた姫」以来、名古屋の演劇界に本格的に出てくるのを秘かに心待ちにしていたくらいなので、話の筋とは別にずっと注目してました。序盤で死んだ(?)時は落胆しましたが(笑)、後半にも活躍があって安堵。全般に暗い話の中、彼女独特の多彩な(どちらかというとコミカルな)表情演技が活きるシーンがあって良かったです。
フクロウガスム

フクロウガスム

梟企画

G/Pit(愛知県)

2015/04/01 (水) ~ 2015/04/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

多重に織り込まれた重厚な悲劇
 純粋に演劇の感想としては、少年の悲劇をこんなにも多重に織り込んで纏め上げた構成は素晴らしいと思いました。そこに贅沢なキャスティングで集められた俳優陣入り乱れての熱演には目を奪われましたよ。
 特に多重人格の演出と演技は私のツボにはまりましたし、子役の頑張りも見事で、あんなシーンさせてしまって大丈夫かと心配になるほどの好演でした。総じて、演出と演技には文句のつけようがないです。
 (以下、別にネタバレというほどでもないけど、込み入った話をネタバレBOXに続く・・・)

ネタバレBOX

(続き)・・・ただ、脚本…子ども虐待防止に主眼を置くのであれば、親の心に闇が刺す過程とその時の周りの人達にこそ、もっとフォーカスすべきでしょう。一応触れられていたのは救いですが、本来対処すべきなのは、そこであることは疑うべくもないでしょう。そこにメスを入れなければ、本作は悲劇を悲劇として見せるに留まってしまうと感じました。ただ、「子ども虐待は他所からは見えにくい」とのセリフにもあるように、容易に本質と解決策を指し示せる問題ではないでしょうから、まずは関心を呼ぶというというところから評価すべきなんでしょうね。秀作ゆえの贅沢な注文というべきですかね。
 なお、この運動が広く一般的になった時の危惧を一つ申せば、どこで虐待に線を引くかということでしょう。web上でごく一般的になってしまった見苦しい叩き行為を見れば分かるとおり、この手の匿名での通報は、表面的な情報に基づく、 ごく主観的、身勝手なものになりがちです。「子ども虐待防止」が「親虐待」にエスカレートしないような配慮も必要です。私的な話ですが、夜泣きを虐待と疑われて通報され、警察の訪問を受け、妻がひどくショックを受けた経験を持ちます。100回の通報で1件のリアルな虐待が救えれば良しとすべきかもしれませんが、無為に傷つけてよい親だっていませんから、こういうのはバランスが重要で非常に難しい話です。話を戻しますが、演劇としては非常に秀作で活動自体も理解します。だからこそ、バランスと客観視を忘れないで欲しいです。
試験管ベビーのくるみ割り人形

試験管ベビーのくるみ割り人形

試験管ベビー

千種文化小劇場(愛知県)

2015/03/27 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

徹底したエンターテインメント
 男優、女優ともに色んな意味で体を張っていて、本当にエンターテインメントに徹していますよね。正直、ストーリーに飛び抜けた感じは無いんですが、とにかく見せ方に徹底的に拘っている風で、笑いの小技の数々と相まって安定して楽しめました。
 なお、役者さんとしては、クララ役が頑張ってましたね。遠目からは全然分からなかった(謎) さすがに中盤で疑惑を感じ始めていましたが、声が出るまでの演技が絶品でした(笑)

君のためには死ねない!!

君のためには死ねない!!

劇団アルデンテ

御浪町ホール(岐阜県)

2015/03/27 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

素晴らしく心地よい空間
 一言で表現するならば、「素晴らしく心地よい空間」でした。
 コミカルな部分、恥ずかしいほどに純粋な部分、いずれもストレートに心地よく、あの4人の中に混ざりたいっ!と素直に思わせる舞台でしたね。
 4人の主演・・・敢えて4人で主演と捉えていますが、持ち味を活かしてカルテットとしてうまく機能していました。特に近藤千恵さんは、下手をすれば単なるお飾りのマドンナに成りかねない位置づけの役を、丁寧な演技で人として存在感のある活きた役に昇華していて、存在感強い他の3役とのバランスを保ち、結果、相乗効果でカルテットの魅力をかなり高めたと思います。 
 総じて、面白かった!、ジーンとした!、余韻に浸れる舞台でしたね。

ファイナルカウントダウン

ファイナルカウントダウン

東北大学学友会演劇部

G/Pit(愛知県)

2015/03/14 (土) ~ 2015/03/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

学生No.1は伊達じゃなかった!
 前半のバカ話…それだけでもかなり緻密に作られている感があって、自分が大学生だった頃のサークルでのバカさ加減の懐かしさとの相乗効果で、個人的にもの凄~~~く楽しかったです。
 のみならず、続く中盤の展開を全く想像できていなかったので、意外なシチュエーションにどう落とし前をつけるのかワクワク・ドキドキでしたよ。非常事態の緊張感の中でのバカな拘り・奇行か堪らんです(笑)
 こども(?)役の吉本紗希子さんの飄々とした演技も印象的でした。
 学生演劇がツアーしてくれるのってめずらしいですが、是非また名古屋に来て欲しいと思いました。

ネタバレBOX

 役者が観客にまで絡んできたのには驚きでした。観客の返答次第で話の流れが変わりかねないので、別の答えだったらどうしたのか興味津々でした。観客に仕込んでいたのか、それとも観客が別のこと言っても元の路線に誘導するのか・・・ 別の公演、観てみたかったな・・・
lifetime go round

lifetime go round

tubbing

ナンジャーレ(愛知県)

2015/03/14 (土) ~ 2015/03/15 (日)公演終了

満足度★★★★

多彩な声色と演技は見事
一人芝居で多役ってのはコメディ系に特化するものかと思っていましたが、意外にシリアス重視の話でも見事に成立させてましたね。大沼優記さんの多彩な声色と演技を満喫できる舞台でした。泣いている観客もいましたから、相当なもんです。

新学期神話交響曲

新学期神話交響曲

演劇ニッケル

北方町生涯学習センター きらりホール(岐阜県)

2015/03/07 (土) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

満足度★★★★

スピードと躍動感に溢れる、活き活きとした芝居
 スピードと躍動感に溢れ、役者が活き活きとしていたのが好印象、役者さん達がみんな魅力的。群集劇ながら、各役者の小技がやたら利いていて、セリフ言っている人以外に目がいって注意散漫になる、良い意味で(笑)
 辛いことも言うと、言わんとすることは分かりやすくはあるのだけど、客観的に説得力があるかと言うと疑問でした。広く一般に共通認識であるはず、ということに頼りすぎではないでしょうか。反対側の視点にも寄り添って見てみることも、話を深彫りする上で重要かな~と思いました。

完熟リチャード三世

完熟リチャード三世

柿喰う客

当日精算(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/17 (火)公演終了

満足度★★★★★

シェークスピア演劇のアンサイクロペディア
 演出、照明、役者さん達がものすごく格好良い。それがまず最初の見た目なんですが、その実、とてもテンポ良いコメディの感覚に溢れていると感じました。
 もちろん話の主題はとてもシリアスなんですが、それを逆手にとっているというか、パロディ的というか、格好良い人たちがこれを真剣にやると笑いが増幅される・・・、いわば「シェークスピア演劇のアンサイクロペディア」といった印象でした。

■なお、観たのは大垣公演です。(Corichでチケットが取れない公演だから、会場に出てこないのかな・・・)

カナドール

カナドール

星の女子さん

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2015/02/27 (金) ~ 2015/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

ドール三部作、最後にして一大転換! そして伝説に・・・
 三部作の中じゃ一番ツボにハマった。すっごく心地良い。なんでそう感じたのか、つらつらと考えてみました。
 元々、異色・異世界のキャラ群として魅力を二作積み重ねたドールたち。それだけでも面白くはあったのですが、なんとなく私はこれまで”うわべ”だけしか感じとれていなかった気がします。なんか、気持ちにまで入り込めない・・・まさしく人ならぬ”ドール”としてしか接することができませんでした。
 ところが今回、「不死の者の旅路」という基本コンセプトから、「人として世代を重ねる」という一大転換を果たし、子孫を介してドールたちにとても深みが増し、観ていて入り込めた気がします。
 また、おとぎ話から伝承に形を変えたことで、なんかリアリティが増したような・・・。これは前二作を見て、それが事実であるとの前提に立って観ていたからなのかもしれませんが、二作の積み重ねをうまく活かしていたと思います。
 こうして、人とドールでキャラクターの二面性を、ドールと親と子で時の流れを、一つの舞台にぎゅっと凝縮させることで、役者の魅力を多様に引き出し、所作に大きな付加価値を与え、観客に大河ドラマを感じさせました。また、二面性と時を繋ぐ意味で、ブリジューの存在価値は絶大でしたね。
 これらだけでも充分なところ、ラストの展開とオチは、また予想外というか、予定調和では終わらさないというか、お腹いっぱいですよ、もうwww (ここは、伏線や気持ちの流れを汲み損ねた気がして、DVD化したら是非見返したい。それ次第で意味合い随分変わるな~と。)
 もちろん、充実したコミカルな掛け合いや、印象的な舞台美術、終盤山場に使われた息を呑む照明効果、シームレスなシーン転換等々、単独でも質の高いパーツが舞台を支え、一箇所たりとも手を抜かない周到さ、キャスト・スタッフの意識の高さを感じました。一同に敬意を表します。

ネタバレBOX

ネタバレだよ・・・ ホントにネタバレだよ・・・ 警告したよ・・・
                                                                                                              






ラストの展開、ワラドール=かなえ だけ、なぜドールに戻ったのか。あったのかどうか分からないけど、伏線や気持ちの流れを汲み損ねたので唐突に感じたのですが、3人で最もドール伝説にのめり込んでいた彼女・・・ ドールが人に憧れ人になったように、彼女はドールに憧れて、ドールになることを望み、その名の通りそれを"叶え"たのかな・・・と妄想しています。

そうなら、そういう仕込みがあったはず・・・と確認するため、DVD化を心待ちにしています。
ダブルB面フォノグラフ

ダブルB面フォノグラフ

空宙空地

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2015/02/20 (金) ~ 2015/02/22 (日)公演終了

満足度★★★★

異色の組み合わせの短長編オムニバス、おそるべし
充実の短長編オムニバス、堪能しました。特に「がんばっていきまっショイ!」と「アナログデバイスドライバー」が共存できる座組ってすごいですね(笑) 
■がんばっていきまっショイ!■ ものすごい運動量の一語に尽きます。特に長沼さんの迫力は凄まじいですね~。そして、まさか、まさかのエンディング、ちょっと予想を超えていました・・・ まさかねぇ(笑)
■アナログデバイスドライバー■ 秘かに怖い時代背景だった・・・そしてこれ自体がオチであった元の短編が、より具体的な怖さと、その時代に生きる人の葛藤と衝突を伴って帰って来ましたね。条件は本作設定ほど破天荒ではないでしょうが、人の心情としては現実にもあるんだろうな・・・類似の話。会話劇・・・というよりは、口論劇の印象が強く残る迫力がありましたが、一切噛み合わないのが、かえってリアルでした。
■ LAST TRACK■ アダルトか・・・と言われるとかなり疑問がありますが(笑)、ハチャメチャな口論と背後に潜むシリアスな心情の展開を楽しみました。 同じ舞台に立ちながら、並行した会話を成立させる演出はちょっと面白いなと思いました。なお、碓井さんのキャラがいい味出しすぎです。彼が居ると居ないのとでは全然印象が変わりますよね。

牛乳地獄exact.其の壱「本の虫」

牛乳地獄exact.其の壱「本の虫」

牛乳地獄

G/Pit(愛知県)

2015/02/19 (木) ~ 2015/02/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

やっぱり牛乳地獄さんは集団力
 本を読むということに、こんな表現の仕方があるのかと感心しました。演出家の頭の中って、こんななんかなって印象。
 主演・佐野さんもむっちゃ忙しく、八面六臂の大活躍でしたね。各種アクトも爽快でした。OPアクトで主体の役者さんの周りでサポートする役者さんたちがやる特殊効果がとても好きです。落ちていく佐野さんのスカート?エプロン?をバタバタさせるやつとか。
 桐原工務店さんのまさしく身を削るお話ももちろん良いですが、それを舞台上で現実にする牛乳地獄・役者陣の集団力も相変わらず見事です。踊るように転換していく舞台、好きだな~。

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