すずなの観てきた!クチコミ一覧

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ジャージー・ボーイズ

ジャージー・ボーイズ

東宝

シアタークリエ(東京都)

2016/07/01 (金) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

White初見
まさかの最前列センターだったので(セットが3階建てなこともあり)ちょっと不安だったんですが、終わってみれば中川フランキーの歌や表情がガツンと来てただただ素晴らしいだけでした。

中河内トミーは嵌り役、海宝くんボブはまるで変化のなさにボブの持つ天才の片鱗を感じ取れました。変わらないし、ブレない。映画でもそうでしたが、ニック脱退時の2人への「大丈夫、俺がいなくなったことにも気付かないだろう」が耳に残って切ない。ナンバーも耳に残り、各々の表情も残り、あらゆる余韻がたっぷりな舞台です。

ジャージー・ボーイズ

ジャージー・ボーイズ

東宝

シアタークリエ(東京都)

2016/07/01 (金) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

RED初日
1幕途中(具体的には「Oh What a Night」から)号泣が止まらず……。観る前から演出が好みだと舞台設置で知っていました。目にしたらもう分かる。

中川晃教さんをきちんと観るのは初めて。噂にたがわぬパワーと繊細さ。彼を観られて彼の歌を聴けるだけで充分というところはあるのに、舞台としての作りも誠意に満ちています。歌詞が日本語なのがまたきちんとミュージカルとして作られています。英語・日本語と入り混じっているのも、日本ではわりと日常的なので違和感なし。栄光の瞬間は、眩しくて眩しくて思わず目を細めてしまうくらい。矢崎ボブは厭味のない知性と才能がしっくり同居。初日のご挨拶で矢崎さんご本人が「ファンについてコメントするセリフがあるけど、やっと初日で客席を前に落とし込める部分があった」とのこと。説得力のあるお芝居でした。

また逢おうと竜馬は言った

また逢おうと竜馬は言った

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2016/05/28 (土) ~ 2016/06/12 (日)公演終了

満足度★★★

ホワイトver.
1週間ぶりに見てきたダブルキャストのもう片方。好みの問題なので諸々あるかと思います。こちらの方がちょっとコミカルな仕上がりになっているかな?と感じました。三津谷くんすごく頑張ってました。陣内の土方は、ずるいやつ。

また逢おうと竜馬は言った

また逢おうと竜馬は言った

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2016/05/28 (土) ~ 2016/06/12 (日)公演終了

満足度★★★★

ブラックver.
キャラメル先行でまさかの最前どセンターを堪能してきました。「パスファインダー」の劇中劇でほんの少し目にしただけで、本編で観るのははじめてです。

岡達さんの竜馬はさすが、道に入ってる感があります。抜くところは抜いて締めるところは締める。陣内との息もぴったり。その陣内は、どうしたってあのお顔なのに、なぜイケメンに見えないのだろうか……。情けない男で一瞬で乗り物酔いはするし振られてばっかりだし決めるとこ決められないし。でも変わっていく。人間性根はそう簡単には変えられないけど、顔つきが変わっていくんですよね。さじ加減がとてもよかった。

もうひとりのお目当ての山田くんも久しぶり。楽しそうにやっていてよかったです。頑固で義理堅い男、ていねいにきっちり演じられていました。

愛情の内乱

愛情の内乱

ティーファクトリー

吉祥寺シアター(東京都)

2016/05/12 (木) ~ 2016/05/25 (水)公演終了

満足度★★★

まさに「愛情の内乱」
根っこはどうやら「カラマーゾフの兄弟」だそうで、ただこちらは母親であるために余計にタチが悪いと思います。父親は殺せるのに、異母兄弟は殺せるのに、母親殺しがいつまでも出来ない3兄弟。それぞれの内部で母親への愛と憎しみが渦巻いています。

白石加代子さんの存在感がすべての軸。あの母親で、ああいう笑いを誘えるのがもうすごい。母の望む通りを演じる長男、傍観している(傍観を装うでもいいけど)次男、母の愛から逃げ出し戻ってくる三男、とそれぞれの兄弟の特徴が非常によく出ていたと思います。怖い。あとは演出で、ふすまのプロジェクトマッピングだったり掘り返す土のにおいだったり、随所で強く印象に残らせるつくりでした。

太陽

太陽

イキウメ

シアタートラム(東京都)

2016/05/06 (金) ~ 2016/05/29 (日)公演終了

満足度★★★★

濃厚な空間
初イキウメ「太陽」でした。
差別とか憧憬とか憎しみとかでもう板の上はぐっちゃぐちゃ。男性と女性もそうですけど、へたに同じヒト型をしているから期待をしたり裏切られたりしてしまうんですよね。分かり合えないとしても、すべては付き合い方。劇団ならではの俳優力を堪能してきました。

ネタバレBOX

あれだけ考えていた様子の結がノクスに変わったあとの様子は、想像できても実際に見ると悲しさをおぼえます。悪気なく深く傷つける。森繁は生粋なのであんまりそういう意味の毒はない。
ブラック メリーポピンズ

ブラック メリーポピンズ

キューブ・東宝芸能・シーエイティプロデュース

世田谷パブリックシアター(東京都)

2016/05/14 (土) ~ 2016/05/29 (日)公演終了

満足度★★★★

再演を待っていた甲斐がありました!
アンナが中川翔子さんと知ったときはどうなるのかいまいち想像がつきませんでしたが、全然問題なかった!すごくよかったです。歌はまだミュージカルっぽい感じではなかったけど、体当たりで堂々と好演。

ネタバレBOX

あの、ヘルマン→アンナへの感情の揺れときたら。直接的な言葉は少ないのに、どれほど彼女をたいせつに思っているのかがびしばし伝わってきます。だからこそ、彼女に反射で拒否をされた時の、驚き~悲しみ~怒り~苦しみの流れが秀逸。セリフもないし、ほんの数秒なのに全部わかる。初演と同じく、あのシーンでは胸が引き絞られるようでした。

それから一路真輝さんの存在感。すごくすごく出番が多いわけではないのに、子どもたちを縛り付ける「メリー」の思い出。あの夜、ソファをちらりと見てたじろぐ様子、あんなに一瞬なのにとても印象的でした。総じてその「一瞬」の印象づけ方が上手い舞台。その一瞬たちが積み重なって大きな作品を作っています。ヨナスの良知さんの振れ幅だったり、小西ハンスの言葉上ではない「長男らしさ」だったり(最後の「幸せになるために」「喜んで」受け入れます、は本当に素晴らしい)、セリフだけでない部分の説得力が素晴らしい作品でした。続けて観るのは精神的に辛すぎるんですけど、定期的に観たい作品です。
ミュージカル「グランドホテル」

ミュージカル「グランドホテル」

梅田芸術劇場

赤坂ACTシアター(東京都)

2016/04/09 (土) ~ 2016/04/24 (日)公演終了

満足度★★★★

RED team
成河さんが観たく、東京千穐楽に駆け込んできました。お歌を聞いたことは何度かあったので、とても初のミュージカルとは思えぬ馴染みよう。伊礼彼方は驚きのハマり役で、観ながら非常にむずむずしました(ほめてる)/草刈民代にグルシンスカヤを演じさせるというおそろしさ/真実の愛に目覚めた時は、一瞬とても信じられなかったです。ただまあ、それが有りうるのがミュージカルである/そりゃあ社長も美人局だと疑うわ/フレムシェンは「完璧にわかってるわ」と言ったはずなんだけどな?? そういう意味では現実を知っているかもしれないけど、世間を知っているわけではなかったのかも/彼女が「ただのフレムシェンよ(女優っぽくてすてき)」と自己紹介をするたびに、本人の意図とはまるで違う意味の「"なんでもない(何にもなれない)"フレムシェン」と受け取れてしまい、何とも言えない気持ちになる/オットーと男爵の財布のやりとりは本当によかった......(しみじみ) そりゃあ男爵も煙草ケースを差し出したくなるわ/出番がものすごく多いわけではないのに、ただようオットーの雰囲気が決して消えないので、ラストもしっくり来ます/

ナミヤ雑貨店の奇蹟

ナミヤ雑貨店の奇蹟

ネビュラプロジェクト

Zeppブルーシアター六本木(東京都)

2016/04/21 (木) ~ 2016/05/01 (日)公演終了

満足度★★★

たのしかった!
とても丁寧で、じっくり盛り上げて、まさに奇跡に立ち会った気分になりました。菊地美香さんがあまり得意でないと思っていたんですが、今回は周囲とのバランスのためか歌も含めてとてもよかったです。セットの店がくるんと回転するたびに場面も時代もそっくり本当に入れ替わる感じ。目まぐるしくありつつも、登場人物それぞれに深みが感じられるのと決めるところのツボを外さないので見やすかったです。なので、2時間15分休憩なしでもストレスにならず。

松田くんは観るたびに安定感を増している気がします。鮎川くんはもうちょっと頑張れるといいよね。久しぶりに観たくじらちゃんは、歌の前に向ける視線が、もう優しさと愛に満ちていてそれだけでこみ上げるものがありました。たいへん素敵な舞台でした。余談ですけどブルーシアターという劇場が思っていたよりずっときちんとした劇場で、事前イメージで判断したことを反省しました。

1789 -バスティーユの恋人たち-

1789 -バスティーユの恋人たち-

東宝

帝国劇場(東京都)

2016/04/09 (土) ~ 2016/05/15 (日)公演終了

満足度★★★

テーマの割に軽い後味でした。
キャスト(敬称略)
ロナン 加藤和樹
オランプ 神田沙也加
マリーアントワネット  花總まり

もうちょっとミュージカルが歌える人がいるとより良かったんですが、現代的なナンバーとダンスだったのでそこまで気にならずに楽しめました。古川雄大はこれくらいだと凄くいい立ち位置でした。また、1幕2幕ともにソニンちゃんのソロが堪能できたので大変満足です。展開も、若干急激感は残るものの、まあそうなるだろうなといったところ。1幕のロナンとオランプが甘酸っぱくて非常にむずむずします。「なぜだか気になっちゃう」ってやつ、嫌いじゃない。

ウェストサイド物語

ウェストサイド物語

劇団四季

四季劇場 [秋](東京都)

2007/09/08 (土) ~ 2008/01/20 (日)公演終了

満足度★★★

ザ・ダンスミュージカル!
人体とはなんと雄弁なのかと感じさせられる舞台でした。セリフがない場面でも感情や状況がくっきり分かる。バルコニーは、作品によってもちろん違えども、やはりバルコニーですね。

魔術

魔術

関西テレビ放送

本多劇場(東京都)

2016/03/27 (日) ~ 2016/04/10 (日)公演終了

満足度★★

俳優さんは素晴らしかった!
目新しさはないお話がずるずる進んでいく印象で、100分でも長く感じました。シチュエーションを変えて若返りさせたら、もう少し寄り添えたのかも。四人芝居で、俳優さんは全員素晴らしかったです。パーツは好みだったんだけどな。

ETERNAL CHIKAMATSU

ETERNAL CHIKAMATSU

梅田芸術劇場

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2016/03/10 (木) ~ 2016/03/27 (日)公演終了

満足度★★★

美しい融合でした
最初と最後が締まっていて、あとは素晴らしいリズムと画があれば、途中「ん?」と思う部分があったとしても後味は満足となります。深津絵里さんは多少声を荒げたところで品を失わない。矢崎さんは得意めの役な気もしますが、「男」の方もよかったです!

家庭内失踪

家庭内失踪

森崎事務所M&Oplays

本多劇場(東京都)

2016/03/11 (金) ~ 2016/03/23 (水)公演終了

満足度★★★

日常の軋み
違和感というか、漂う居心地の悪さはさすがです。風間杜夫さんは凄い人でした(間が絶妙)小泉今日子さんはそこに存在しているだけで雰囲気勝ちですね。

引退屋リリー

引退屋リリー

RUP

紀伊國屋ホール(東京都)

2016/02/18 (木) ~ 2016/03/07 (月)公演終了

満足度★★★

熱と渦と馬場徹でした
タイトルで全部といえば大体そんな感じ。犯人とか真相とか嘘とかはさて置いて、エネルギーを体感する2時間でした。感情はセリフについてくくる。祐真キキさんは、さすがに終盤一部息切れしてるかな?というところもありましたが、充分に見応えがありました。あとの見所は何と言っても中央で椅子に足を組んで腰掛け、状況をただ眺める二階堂刑事です。

Opera club Macbeth

Opera club Macbeth

オペラシアターこんにゃく座

吉祥寺シアター(東京都)

2016/02/05 (金) ~ 2016/02/14 (日)公演終了

満足度★★★

王道マクベス
本筋のマクベスはほとんど変わらず、現実世界部分は匂わせるくらい。ただ演じられているステージが劇場ではなくクラブなので、だから拍手が無くて、だから終わることが出来ないのかなとうすら寒くなりました。赤い幕が取っ払われるシーンは、端的で象徴してるなとも。

カサネ

カサネ

ワタナベエンターテインメント

赤坂RED/THEATER(東京都)

2016/01/26 (火) ~ 2016/01/31 (日)公演終了

満足度★★

雰囲気勝負
脚本があんまりに素人くさいと思っていたところ、当日のアフタートークで3年ほど前まで芸人活動をしていた演出家さんが、事務所舞台のために3週間程度で書き上げたものだと発覚。あーだから......と、そういう目で見れば致し方ないのかも知れない。ただ、笑いが取れずに芸人を辞めたのであれば、ちょこちょこと笑いを挟まない方が懸命だったのでは。

登場人物たちもいまいち中途半端。初舞台で明らかに技量の足りない高城亜樹さんに、あんな性格の定まっていない女の子を演じさせるのはあまりに可哀想。一生懸命やっていたのは分かるんですけど、ただの口汚い妹でした。

ネタバレBOX


カサネの仕事内容・種明かしがあまりに稚拙で引いていたところ、それはトラップということが発覚。いやそれにしてもお粗末なんですけど。そのあとの妹のハガシを暴くシーンも心理学をただ羅列するだけ、兄が妹を信じる理由「家族だから」も、それまでの妹の口汚さや品のない態度をただ許容していたので深みが感じられない。相手方をあっさり殺すシーンも安易すぎる。曰く、そうしないといけない理由はあったそうなんですけど、特に伝わってはきませんでした。遠藤さん酒井さんは安定感あり。今野さんのお芝居も、わりと好きです。
書く女

書く女

ニ兎社

世田谷パブリックシアター(東京都)

2016/01/21 (木) ~ 2016/01/31 (日)公演終了

満足度★★★★

永井愛脚本×黒木華主演×世田谷パブリックシアター
いうことで、期待ばかりで出かけてきました。期待以上の完成度。万能ピアノに繰り返しを自然に演じる俳優陣。ノーストレスでひたってきました。

ネタバレBOX

一葉が作品を生み出すときに漏らす笑い声の正体が後半で知れ、才能とは本当に紙一重でおそろしいものだと感じさせられました。恋を出して出して出したその先には何が残るのか。

黒木華さんはむろんのこと、ほかの俳優陣も手堅く、愛嬌があり、愛らしくて切ない。たくさんの女性が出てきて、様々な生き方をこちらに示してきます。お母さんの生き方、妹の生き方、友人たちそれぞれの生き方。全部がまるで違うのに、時代は女をひとまとめにする。それに真正面から抗った舞台にも思えました。一葉の視点だからでしょうか、女よりも男のほうがわりと似たタイプとして表現されているようにも感じ、それがまた皮肉だなあと思いつつ。

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