すずなの観てきた!クチコミ一覧

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ヘンリー四世 第一部 ‐混沌‐・第二部 ‐戴冠‐

ヘンリー四世 第一部 ‐混沌‐・第二部 ‐戴冠‐

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2016/11/26 (土) ~ 2016/12/22 (木)公演終了

満足度★★★★★

第一部 -混沌-
通しで観てきました。劇場内の世界観がまず素晴らしい、半円形を役者たちもよくよく理解しているお芝居。こちらに近付きすぎず、かといって遠すぎもしないちょうどいい距離感。

「リチャード三世」で観た岡本健一さんは、今回は反乱軍。燃え滾っていてたいへん恰好よかったです。激しかった。フォールスタッフ佐藤さんの小気味よさやヘンリー四世中島さんの哀愁など、言葉では説明されない個性の空気。ジョン王子も凛々しくて素敵でした。放蕩息子であるハル王子が、決戦の場において途端に振る舞いが変わるのは、王家の血筋とでも言うのかな。生まれ持ったものを感じさせられました。たっぷりの時間をストレスなく過ごせたことで、いいお芝居を観た、という満足感に浸れました。

ジャージー・ボーイズ

ジャージー・ボーイズ

東宝

シアタークリエ(東京都)

2016/07/01 (金) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

RED初日
1幕途中(具体的には「Oh What a Night」から)号泣が止まらず……。観る前から演出が好みだと舞台設置で知っていました。目にしたらもう分かる。

中川晃教さんをきちんと観るのは初めて。噂にたがわぬパワーと繊細さ。彼を観られて彼の歌を聴けるだけで充分というところはあるのに、舞台としての作りも誠意に満ちています。歌詞が日本語なのがまたきちんとミュージカルとして作られています。英語・日本語と入り混じっているのも、日本ではわりと日常的なので違和感なし。栄光の瞬間は、眩しくて眩しくて思わず目を細めてしまうくらい。矢崎ボブは厭味のない知性と才能がしっくり同居。初日のご挨拶で矢崎さんご本人が「ファンについてコメントするセリフがあるけど、やっと初日で客席を前に落とし込める部分があった」とのこと。説得力のあるお芝居でした。

ジャージー・ボーイズ

ジャージー・ボーイズ

東宝

シアタークリエ(東京都)

2016/07/01 (金) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

White初見
まさかの最前列センターだったので(セットが3階建てなこともあり)ちょっと不安だったんですが、終わってみれば中川フランキーの歌や表情がガツンと来てただただ素晴らしいだけでした。

中河内トミーは嵌り役、海宝くんボブはまるで変化のなさにボブの持つ天才の片鱗を感じ取れました。変わらないし、ブレない。映画でもそうでしたが、ニック脱退時の2人への「大丈夫、俺がいなくなったことにも気付かないだろう」が耳に残って切ない。ナンバーも耳に残り、各々の表情も残り、あらゆる余韻がたっぷりな舞台です。

虚仮威

虚仮威

柿喰う客

本多劇場(東京都)

2016/12/28 (水) ~ 2017/01/09 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/01/06 (金)

できればクリスマスの時期に観たかったと思いつつ観劇始めです。
七味さんvs玉置くんは最高か……!となるし、深谷さんの迫力にびびるし、夏さんは可愛く小憎たらしいし、葉丸さんとのスペクタクル対決見応えあるし、長尾さんは可哀想だし、いろんなものが詰まった駆け抜ける90分でした。牧田はほんとうに上手くなったね……(怒鳴る演技を見て)

ネタバレBOX

「彼女」は昔「彼」だったかもしれないことを考えると、夫婦の不仲と彼女はそこまで関係していなかったのかな? 時代は変われども、両親のエゴは変わらない。子どもの身勝手も変わらない。七味さんの男でも、女でもない雰囲気は独特でした。サンタには思いっきり笑ったけどな……。
冒頭で多少の違和感を感じさせつつも(男は普通父親を憎むものだ!父親を愛するのは娘だとか。よく考えたら最強のネタばれ)吹っ飛ばすような疾走感の玉置くんは流石です。種明かしからの繰り返しのセリフがまるで違うものに聞こえます。このあたりは、玉置くんが女子高生を演じた「いまさらキスシーン」を観ておいてよかったかも。必要以上にしっくりきました。ウエディングドレスを抱きしめる一太郎かわいい。ラストはホラー。結局子どもの望むものはなんだったのか? 両親が欲しかったから閉じ込めたのか、要らなかったからプレゼントに詰めたのか。

アフタートーク
中屋敷さん、永島さんと時々深谷さん
・舞台上の動きや止めなどどうやって決めているのか?
→あんまり読み稽古はしない。台本を渡した瞬間に動く。いつの間に決まったんだっけ?ということが結構あるそうです。誰がやり始めたかわからない動きなのに、ズレるとなぜか怒られる。動いてないとサボってると思われるので、互いにがんじがらめにしちくそうです。
・メイクが特徴的だけど?
→ピエロ(道化師)のニュアンスでデザイナーと相談。片方だけ赤かったり眉が曲がっていたり、敢えてズラしている。落ちれば落ちるほど気持ち悪くなるようにまだらに塗っているそうです。平成の人はシンメトリーで薄化粧。大正だけアシンメトリーの厚塗りだそうです。
書く女

書く女

ニ兎社

世田谷パブリックシアター(東京都)

2016/01/21 (木) ~ 2016/01/31 (日)公演終了

満足度★★★★

永井愛脚本×黒木華主演×世田谷パブリックシアター
いうことで、期待ばかりで出かけてきました。期待以上の完成度。万能ピアノに繰り返しを自然に演じる俳優陣。ノーストレスでひたってきました。

ネタバレBOX

一葉が作品を生み出すときに漏らす笑い声の正体が後半で知れ、才能とは本当に紙一重でおそろしいものだと感じさせられました。恋を出して出して出したその先には何が残るのか。

黒木華さんはむろんのこと、ほかの俳優陣も手堅く、愛嬌があり、愛らしくて切ない。たくさんの女性が出てきて、様々な生き方をこちらに示してきます。お母さんの生き方、妹の生き方、友人たちそれぞれの生き方。全部がまるで違うのに、時代は女をひとまとめにする。それに真正面から抗った舞台にも思えました。一葉の視点だからでしょうか、女よりも男のほうがわりと似たタイプとして表現されているようにも感じ、それがまた皮肉だなあと思いつつ。
太陽

太陽

イキウメ

シアタートラム(東京都)

2016/05/06 (金) ~ 2016/05/29 (日)公演終了

満足度★★★★

濃厚な空間
初イキウメ「太陽」でした。
差別とか憧憬とか憎しみとかでもう板の上はぐっちゃぐちゃ。男性と女性もそうですけど、へたに同じヒト型をしているから期待をしたり裏切られたりしてしまうんですよね。分かり合えないとしても、すべては付き合い方。劇団ならではの俳優力を堪能してきました。

ネタバレBOX

あれだけ考えていた様子の結がノクスに変わったあとの様子は、想像できても実際に見ると悲しさをおぼえます。悪気なく深く傷つける。森繁は生粋なのであんまりそういう意味の毒はない。
また逢おうと竜馬は言った

また逢おうと竜馬は言った

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2016/05/28 (土) ~ 2016/06/12 (日)公演終了

満足度★★★★

ブラックver.
キャラメル先行でまさかの最前どセンターを堪能してきました。「パスファインダー」の劇中劇でほんの少し目にしただけで、本編で観るのははじめてです。

岡達さんの竜馬はさすが、道に入ってる感があります。抜くところは抜いて締めるところは締める。陣内との息もぴったり。その陣内は、どうしたってあのお顔なのに、なぜイケメンに見えないのだろうか……。情けない男で一瞬で乗り物酔いはするし振られてばっかりだし決めるとこ決められないし。でも変わっていく。人間性根はそう簡単には変えられないけど、顔つきが変わっていくんですよね。さじ加減がとてもよかった。

もうひとりのお目当ての山田くんも久しぶり。楽しそうにやっていてよかったです。頑固で義理堅い男、ていねいにきっちり演じられていました。

新・幕末純情伝

新・幕末純情伝

ネルケプランニング/Grick

紀伊國屋ホール(東京都)

2016/07/06 (水) ~ 2016/07/17 (日)公演終了

満足度★★★★

とにかく若い!
凄くフレッシュさの伝わる幕末純情伝でした。土方も桂も勝も若いし、沖田も瑞々しさを感じさせるものだったからでしょうか。そのため、ドロドロしておらずいっそ爽やかささえ感じられる仕上がりでした。池田屋がこんなにラブシーンに思えたのは初めて。もの凄くときめきました。石田彰さんどんなもんだろうと思っていたら、どうしてよく口が回る回る。つか作品の中で、ダントツせりふが好きな演目なので安心して滾れました。松井さんも、自分がどう観られるのかというのをよく分かっていらっしゃるようで、強みだなあと思いました。ときめいたからこその反動で、号泣でした。

ヘンリー四世 第一部 ‐混沌‐・第二部 ‐戴冠‐

ヘンリー四世 第一部 ‐混沌‐・第二部 ‐戴冠‐

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2016/11/26 (土) ~ 2016/12/22 (木)公演終了

満足度★★★★

第二部 -戴冠-
引き続き第二部。ヘンリー四世とハル王子のやり取りときたら、歴代の重みを感じさせます。ラストシーンに高みに上るハル王子の孤独さときたら。一部の終わりでも思ったけど、振る舞いが求められるときに、なんの躊躇もなくそれを入れられるのは血筋。フォールスタッフに分からないのは仕方ないかな……。

しかし、セットで観るとS席が1280円もお得。もともとのチケット代もさすが新国立でたいへん良心的ですが、どうせ観るならまとめてですよね。終日堪能しました。

ゴールデンスランバー

ゴールデンスランバー

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2016/12/10 (土) ~ 2016/12/25 (日)公演終了

満足度★★★★

スピード感満載
でも、ていねいに描くべきところはきちんと描かれている。キャラメルボックスらしい緩急でした。伊坂幸太郎さんの作品はどれも幸せと不幸せの配合が絶妙で、それも舞台にしっかり反映されていました。加えて、舞台ならではの視点(というか語り口)に、異例の本番中に携帯での写真撮影OKタイム。舞台の楽しさがたっぷり。キルオ一色さんはすごかったので、また機会があればぜひ観たい。

「痴漢は死ね」の書き初めお手紙からの「浮気してますよ」からの「たいへんよくできました」の容赦ない流れは、知っていても泣ける。
車の中のメモ、「俺は犯人じゃない」に対してあれは「だと思った」でなければいけなかったんだなあと何となく思いました。「知ってる」や「知ってた」ではだめだったような気がします。いい舞台納めでした。

レディエント・バーミン

レディエント・バーミン

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2016/07/12 (火) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★

ブラックな夢の家
白井演出なので、やろうとしたらもっとガチガチに後味悪い感じにいくらでも出来るだろうに、そうしないのは客層とのさじ加減の部分もあるんだろうな、と思いました。客席との融合っぷりときたら!!(相変わらず開演前の注意アナウンスも、ブザーもありません。すごい)

時間の経過とかドアと階段の通過とかはやったりやらなかったりのざっくり具合のくせに、地図を横にして見る奥様のリアルさ。あの奥様は相当愛される。なにせ無邪気。100人殺しても汚れを知らないのである。そしてこれからも殺し続けるのでした。あっリフォームし続ける、か。「パーティプレゼント」を準備して「パーティ」をするマーキュリー・ファーと、「リフォーマー」を招き入れて「リフォーム」し続けるレディエント・バーミン。

吉高由里子さんあんまり得意じゃなかったんですけど、全然気にならなかったです。奔放で可愛げもあり、ちょっと我儘。終盤、2人で何人もの登場人物を目まぐるしく切り替えるシーンは見応え以外の何ものでもなかった。人は慣れる生き物である。

お気に召すまま

お気に召すまま

ワタナベエンターテインメント

本多劇場(東京都)

2016/10/14 (金) ~ 2016/10/30 (日)公演終了

満足度★★★★

初日を観てきました
いいバランスであっという間の2時間でした。
西井幸人くんちょうひさしぶりに観ましたが(もしかしたら生で観るのは初めて??)、印象とちょっと違ってびっくりしました。しかし横を通る時にたいへんいい匂いがしました。一番心配していたのは牧田のタッチストーンだったんですけど、どうしてこれがいい塩梅でした。お話の邪魔をせずにいいアクセントになっていた。見直したのでもう暫く褒めていきたい次第です。あと、遠藤さんのオードリーめっちゃ好きです。あの表情の作り方ときたら!!
鈴木さんは存分に歌ったし(ぜいたく!)とても楽しい空間でした。

スカーレット・ピンパーネル

スカーレット・ピンパーネル

梅田芸術劇場

東京国際フォーラム ホールC(東京都)

2016/11/24 (木) ~ 2016/11/29 (火)公演終了

満足度★★★★

よいミュージカルでした
チケット手配に動いた時には既に手遅れで、なんとか凱旋の国際フォーラムに滑り込んできました。会場が会場なだけに、音が素晴らしかった……。ワイルドホーンは演目によって、何度か聴かないと入ってこないものが(個人的に)あるんですが、今回は馴染み良い。かなり冒頭ですれ違うふたり。もだもだや三角関係をストレスなく見守ることができ、たいへん楽しかったです。

矢崎さんは今年2度目の弟。姉を思い大切にする部分と、青年らしく義憤に萌えパーシーを慕う姿がとても良かったです。アルマンちょっと間抜けすぎるけどね……。でも、ある意味お坊ちゃんの弟らしい様子と覚悟が共存してました。石丸パーシーは、自分の中で一番近くに観たモンテ・クリスト伯のイメージが残っていたため、こんなに軽快な繊細な役!と改めて感服しました。石丸・安蘭・石井でナンバーを聴ける贅沢さ。切なかったり腹を立てたり笑ったり、そして最後にはスカッとする素敵なミュージカルでした。

エリザベート

エリザベート

東宝

梅田芸術劇場メインホール(大阪府)

2016/09/11 (日) ~ 2016/09/30 (金)公演終了

満足度★★★★

たいへん楽しかったです
東京公演が取れずに大阪まで出掛けてきました。一番のお目当ては成河ルキーニ。高嶋ルキーニも山崎ルキーニも観たことがありますが、どれとも違い、固定概念だったルキーニをぶち壊された感じがして鳥肌が立ちました。すごかった。
井上トートの安定感、古川ルドルフうまくなった、田代フランツ後半がたまらない、など種々非常に満足しました。蘭乃シシィは歌もお芝居もところどころブレるかな??と気になりましたが、個人的に花總シシィがハマり過ぎたからかもしれない。

ミュージカル「グランドホテル」

ミュージカル「グランドホテル」

梅田芸術劇場

赤坂ACTシアター(東京都)

2016/04/09 (土) ~ 2016/04/24 (日)公演終了

満足度★★★★

RED team
成河さんが観たく、東京千穐楽に駆け込んできました。お歌を聞いたことは何度かあったので、とても初のミュージカルとは思えぬ馴染みよう。伊礼彼方は驚きのハマり役で、観ながら非常にむずむずしました(ほめてる)/草刈民代にグルシンスカヤを演じさせるというおそろしさ/真実の愛に目覚めた時は、一瞬とても信じられなかったです。ただまあ、それが有りうるのがミュージカルである/そりゃあ社長も美人局だと疑うわ/フレムシェンは「完璧にわかってるわ」と言ったはずなんだけどな?? そういう意味では現実を知っているかもしれないけど、世間を知っているわけではなかったのかも/彼女が「ただのフレムシェンよ(女優っぽくてすてき)」と自己紹介をするたびに、本人の意図とはまるで違う意味の「"なんでもない(何にもなれない)"フレムシェン」と受け取れてしまい、何とも言えない気持ちになる/オットーと男爵の財布のやりとりは本当によかった......(しみじみ) そりゃあ男爵も煙草ケースを差し出したくなるわ/出番がものすごく多いわけではないのに、ただようオットーの雰囲気が決して消えないので、ラストもしっくり来ます/

艶情☆夏の夜の夢

艶情☆夏の夜の夢

柿喰う客

吉祥寺シアター(東京都)

2016/08/04 (木) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

安定の女体シェイクスピア
艶やかで華やか、女性8人とはとても思えない弾けっぷりでした。領主夫婦⇔妖精夫婦のキャスティングと男女交換はお見事。葉丸さんも夏さんもかわいそうかわいい。長尾さんは決まりきらないちょっと情けない男がよく似合う(ほめてる)
女体シェイクスピアで初の喜劇とのことで、テイストとしては軽くて気兼ねなく心から楽しめました。

アフタートーク---
シェイクスピアに出てくる女性は、すごいブスかすごい美人か、魔女。
女子会にしたかった。
恰好についてはあらゆるタイプの祭り。パックは夏フェスだし、妖精たちは縁日のガラの悪さ。
髪の色が様々なのも、ただの和装美人たちではなく、祭りの浮かれた感じを出したかったからだそう。
演目にも流行りがあって、「真夏の夜の夢」もいろいろなところで上演される。これを観たから他のはいいか、ではなくて色んなものを観てほしいとのこと。
シェイクスピアは、筋からずれなければ自由度が高い。力を貸してくれる。ただ、ずれると途端にそっぽを向く(中屋敷さんらしい考えだと思いました)

ミュージカル「ビッグ・フィッシュ」

ミュージカル「ビッグ・フィッシュ」

東宝

日生劇場(東京都)

2017/02/07 (火) ~ 2017/02/28 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/02/24 (金)

切なくて温かい、大きな大きな愛のお話でした。川平慈英さんの底抜けの明るさが奇想天外なキャラクターに合致していて、舞台に朗らかな歌声が響きました。随所での魚の映像がとても綺麗で、あんなに映像を効果的に使うのに、告白のシーンでの黄色い水仙はきちんと黄色い水仙を用意する。舞台の強みを存分に活かしていました。演出は「ペール・ギュント」寄りかな?賑やかでところどころちょっとシュールな空想の世界観でした。浦井くんもとっても良かったです。ご本人は天然の香りが拭えないのに、どうして役作りはあんなに繊細なのか……。

アフタートークには白井さん・川平さん・霧矢さん・ROLLYさんがご出演。
白井さんはやはり熱心な方で、幕が開いてもこまめに見てダメ出しをするとか、映画と舞台の脚本が同じ方なので変更点があっても納得しながら作れたとか、霧矢さんが「歩き方が恰好良すぎる」と白井さんに指摘されまくったとか、そんなお話でした。

ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」

ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」

梅田芸術劇場

赤坂ACTシアター(東京都)

2017/01/15 (日) ~ 2017/02/14 (火)公演終了

満足度★★★★

初の馬場ベンヴォ、本日は他のキャストはすべて観たことのあるキャストだったので集中することができました。お調子者感はあれども、どこか頭の切れる印象。馬場徹は無頼の足りないところを埋めるお芝居をする俳優さんなので、単品の満足感はもしかしたら(もちろん贔屓目もあるでしょうが)矢崎さんの方があるのかもと思いました。でも平間マキュと合わせるなら、振り回される感の少ない馬場ベンヴォかな〜。

ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」

ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」

梅田芸術劇場

赤坂ACTシアター(東京都)

2017/01/15 (日) ~ 2017/02/14 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/01/25 (水)

(Wキャスト)ロミオ 大野拓朗/ジュリエット 生田絵梨花/ベンヴォーリオ 矢崎広/マーキューシオ 小野賢章/ティボルト 渡辺大輔/死 大貫勇輔

3度目で初めて観るのは、賢章くんのマーキューシオと生田絵梨花さんのジュリエット。中性的だった平間マーキューシオと違い、とても少年らしい雰囲気のマーキューシオでした。最期に「なんで飛び出してきたんだ、お前のせいで刺されたんだぞ」とロミオに言うところは、平間くんは糾弾する言い方でしたが、賢章くんは優しい調子で受け入れてるようにも感じられました。元ひまわり同士なこともあるのか、矢崎さんとの声の相性がよかったようにも感じました。大野ロミオ・矢崎ベンヴォ・小野マキュはとてもバランスがいい。きちんと幼なじみ三人で仲が良さそう。

生田ジュリエットは、一生懸命でとても好感。お芝居や歌に気持ちが乗っかってくるともっと良くなるんじゃないかなあと期待です。そしてとにかく可愛らしいので、特にロミオとのデュエットは観ていてニコニコします。

そして本日も渡辺ティボルトの迫力。一見の価値ありです。あと今日は矢崎さんのソロナンバー「どうやって伝えよう」がものすごく良かったので、次回が楽しみ。

ブラック メリーポピンズ

ブラック メリーポピンズ

キューブ・東宝芸能・シーエイティプロデュース

世田谷パブリックシアター(東京都)

2016/05/14 (土) ~ 2016/05/29 (日)公演終了

満足度★★★★

再演を待っていた甲斐がありました!
アンナが中川翔子さんと知ったときはどうなるのかいまいち想像がつきませんでしたが、全然問題なかった!すごくよかったです。歌はまだミュージカルっぽい感じではなかったけど、体当たりで堂々と好演。

ネタバレBOX

あの、ヘルマン→アンナへの感情の揺れときたら。直接的な言葉は少ないのに、どれほど彼女をたいせつに思っているのかがびしばし伝わってきます。だからこそ、彼女に反射で拒否をされた時の、驚き~悲しみ~怒り~苦しみの流れが秀逸。セリフもないし、ほんの数秒なのに全部わかる。初演と同じく、あのシーンでは胸が引き絞られるようでした。

それから一路真輝さんの存在感。すごくすごく出番が多いわけではないのに、子どもたちを縛り付ける「メリー」の思い出。あの夜、ソファをちらりと見てたじろぐ様子、あんなに一瞬なのにとても印象的でした。総じてその「一瞬」の印象づけ方が上手い舞台。その一瞬たちが積み重なって大きな作品を作っています。ヨナスの良知さんの振れ幅だったり、小西ハンスの言葉上ではない「長男らしさ」だったり(最後の「幸せになるために」「喜んで」受け入れます、は本当に素晴らしい)、セリフだけでない部分の説得力が素晴らしい作品でした。続けて観るのは精神的に辛すぎるんですけど、定期的に観たい作品です。

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