紫式部ダイアリー
パルコ・プロデュース
JMSアステールプラザ 大ホール(広島県)
2014/12/27 (土) ~ 2014/12/27 (土)公演終了
満足度★★★★
当て書きの面白さですかね。
最初は退屈で、紫式部を演じる長澤まさみのキャラが少し鼻につきましたが、途中から当て書きらしい二人の役者の本音暴露的な、噛み合うような噛み合わないような言葉の応酬が楽しかったです。
三谷幸喜でさえ、古いとか中身がないとか昔の方が良かったとか散々言われることもあるのかなと・・・ふと思っちゃいました。
いや、クドカンとときどき比較されるんでしょうね。。
すらすらと流れるような衣装はワダエミさんで洒落てました。
ただふたりのキャラは、舞台にはまだ弱いかなぁ、どうだろう。
あと、大ホールには不向きな舞台だと思いました。
市ヶ尾の坂
lambent
山小屋シアター(広島県)
2014/12/06 (土) ~ 2014/12/14 (日)公演終了
満足度★★★★
面白くて2回観ました。。。
劇的な事件が起きるわけでもないので、
「えっ、これで終わり?」っていうひともいたのかもしれないけど。。。
芝居に出てくる登場人物たちの奥底に流れるざわざわとする心の動き。。。
そして、ちょっとした表情、しぐさ、動き。。。
物語と一緒に、それらを色々読み取りながら観るのがほんと楽しかったです。
舞台も、妙にアットホームな感じの空間で、落ち着いて見れました。
三男を演じていた松井さんが良い味を出してたかなと思います。
あと、安藤さんの前半の衣装が奇抜で良かったです。
ただ、観終わって随分と経つので、的確な感想なのかどうか。。。
もっと、色々あったのだけど。。。
脳の森
PROJECT Fe
広島市南区民文化センター スタジオ(広島県)
2014/11/27 (木) ~ 2014/11/28 (金)公演終了
満足度★★★★
傷口を癒す絆創膏のような優しさ。
あらすじとキャストの構成からして、予想してた感じの舞台だったのですけれど、それでも全編丁寧なつくりで観ていて、ほんと面白かったです。
一番最初の山田さんの声を聴いたときは、「ひげよ・・」の時とは別人のような男の子の声でビックリしたのですが、それと同じで他の役者さんたちも、それぞれの役をきちんと作り込んでいたかなぁ……と思います。
ほかでは、みんな良かったけど、素直じゃないようで実は素直なシンジを演じていた堀田さんは強く印象に残りました。
舞台装置も空間も、透明感があって良かったです。
鷗外の怪談
ニ兎社
J:COM北九州芸術劇場 中劇場(福岡県)
2014/11/24 (月) ~ 2014/11/24 (月)公演終了
満足度★★★★
会話劇の中に空恐ろしさを感じた。
最後の方は観ていて吸い込まれるよう。
言葉のテンポとか掛け合いは、ほかの作品とテイストは違っても永井さんらしさは変わらない感じ。。。
重いテーマなんだけどユーモアを混じえた、長丁場だけど飽きない良い舞台でした。。。
ただ、個人の倫理さえも吹き飛ばしてしまう集団主義の恐さを、この芝居を通して目の当たりにしてしまい、 さして右でも左でもない自分の立場で今の時代の流れを肌で感じているイマ、この舞台の会話劇の中に空恐ろしさを感じました。
HAPPY
ブルーエゴナク
海峡ドラマシップ(福岡県)
2014/11/07 (金) ~ 2014/11/09 (日)公演終了
満足度★★★★
キレイは汚ない、汚いはキレイ。
少し爽やかな感じのチラシに騙されたかなぁ・・・。
ただ、観終わって、いま一度良く見てみると眼差しはそうでもない。
途中までは、色んな個性を持つ役者さんが演じる恋愛群像劇を、ふつうに楽しんで見てたんだけど、妙に眩しい純子の座ってる場面を見たあたりから、それがずっと頭から離れなくて・・・。
そのあと目の前で起こっている若者たちの起こす情景、場面を、なんともやるせない気持ちで最後まで眺めてました。
戯曲「マクベス」の中の魔女の言葉で
「キレイは汚ない、汚いはキレイ。・・・・・」っていう言葉があるけど、
恋愛だけに限らず、同じものでも見方によっては 全然違うものに見えてくる、あらゆるものが持つ二面性というか・・・・・
もちろん、それぞれの「HAPPY」にも言えるんだろうけど・・・
そんなことを教えてもらった感じ。。
音楽があまりにも普通になじみすぎてましたよね。。
侮っていたわけではないんだけど、今回は空中列車のふたりが思ってた以上に良くて、このふたりの頑張りが周りの役者さんたちに良い刺激になって、この舞台がより良くなったのかな・・・と思ったりする。
深田さんも良い味出してたなぁ。
コロニー
劇団Tempa
広島市東区民文化センター・ホール(広島県)
2014/11/14 (金) ~ 2014/11/16 (日)公演終了
満足度★★★★
身近な感情にたくさん触れた。。。
今回のTempaは、ひとの気持ちに寄り添うような丁寧な芝居で、 見終わった後ほんと心地良かったです。
劇場に入り観劇すると、今とは違う世界が目の前には確かにあって、そのリアルじゃないもうひとつの世界を観ながら、より確かで身近な感情にたくさん触れた・・・・という感じですか。。。
前からいる劇団員さんが良いのはもちろんだけど、去年の秋の演劇祭からTempaで芝居を始めた劇団員さんたちが、この1年で随分と上手くなっていたので、今回はほんと安心して観れました。(…ということは、去年は少し不安だった。。汗))
なぜに、舞監の木村くんと衣装の北風さんが役者なのか、観る前は疑問だったけど、観終わったあとは納得。この芝居には欠かせませんでした。
めちゃくちゃ満足はしてるけど、まだもっと観たい先もあるので。。。
芝居の面白さに役者が追いついて来ているのかな。
姐さん女房の裏切り
千葉雅子×土田英生 舞台製作事業
JMSアステールプラザ 多目的スタジオ(広島県)
2014/11/09 (日) ~ 2014/11/09 (日)公演終了
満足度★★★★
哀愁を帯びた調べ。。。
なんなんでしょうね・・・・良くある陳腐なお話で、ラストも見えてる感じなのに、それでも面白いというか・・・・こういうのを他のひと達がやると、すぐに「古い!」って思っちゃうんでしょうが・・・。
今まで二人が芝居で積み重ねてきた上での安定した凄みなんでしょうか。
全編、うしろで哀愁を帯びた調べが流れてるかのような、なんとも言えない切ない時間でした。。。
ファーム
サンプル
J:COM北九州芸術劇場 小劇場(福岡県)
2014/10/11 (土) ~ 2014/10/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
いつまでも終わらないで欲しいと思った。
劇場へ入った瞬間のピーンと張り詰めた空気感が良かったぁ。
あと、こういう舞台装置も照明の使い方も好き。。
近未来のような現実じゃないような、でも、現実のような、
そんな狭間で描かれてる実は市井の人々が生きてる時間がとてもいとおしく感じて、舞台がいつまでも終わらないで欲しいと思った。。。
屋上庭園/かんしゃく玉
schop
北九州芸術劇場 創造工房(福岡県)
2014/10/10 (金) ~ 2014/10/12 (日)公演終了
思ったより少し違ったかなぁ。
最初に自分が岸田戯曲はこんな感じ……
というイメージを持って観に行ったのが良くなかったかぁ。
思ったより、少しテンポが速くて、少し騒々しかったので
なかなか芝居に入り込めなかった。。
表現過多っていう感じもしたけど、これは好みだろうからなぁ。。
延々とさざ波のような時間が流れる中、
ふと少し大きめの波の中に本音がのぞく
……っていうイメージだったのだけどね。。。
こんかいはいろんな意味で保留かなぁ。
ほかにも、もっと岸田戯曲に触れてからだ。。。
ぼっけえ、きょうてえ
いちえプロジェクト
広島県 縮景園 清風館【茶室】(広島県)
2014/10/02 (木) ~ 2014/10/05 (日)公演終了
満足度★★★★
粘りつくような怖さ。。。
観に行く前に想像していた怖さと少し違ってたかな…
…キャ~怖い…っていうよりも…(汗)
わるい夢でも見てるような、闇に吸い込まれるような
忘れたと思っても記憶の裏側にいつまでもこびりついてそうな、
じとじとした粘りつくような怖さというか。。。
あの蒸し暑くて薄暗い独特の部屋の雰囲気も忘れそうにないなぁ。
また、こういう感じの芝居があれば観てみたいというか体験してみたいです。
≪不思議の国のアリスの≫帽子屋さんのお茶の会
北九州芸術劇場
J:COM北九州芸術劇場 中劇場(福岡県)
2014/10/04 (土) ~ 2014/10/04 (土)公演終了
満足度★★★★
楽しかった言葉の遊びとリズム。
もともとが、好きな戯曲ということもあって、その戯曲の面白さを、身体から発せられる”言葉の遊び、リズム。”が際立たせていたので、観ていて、そして聞いていて楽しかったです。
良かったなぁ…と思った役者さんは、
使者の寺田さん、帽子屋の椎木さん、三月兎の高野さんかなぁ。
椎木さんは動きが良くて、高野さんは特徴ある話し方が良かったぁ。
ただ、全体的にいろんなところで、まだブラッシュアップできる余地があると思うので、切れっきれに仕上げて東京へ持って行ってほすいな。
この戯曲、最後がほんとせつない。
『カルメン』
ひろしまオペラ・音楽推進委員会
JMSアステールプラザ 大ホール(広島県)
2014/09/27 (土) ~ 2014/09/28 (日)公演終了
満足度★★★★
青の炎の情熱
去年観たときは、明るいきらきらした中の燃える赤い情熱っていう
陽のイメージが強かった記憶があるんですけど、
今回はなんとなく青の炎の情熱というか……少し影を含むというかぁ。
歌唱、合唱、楽団の演奏は、相変わらず素晴らしいです。
前回の頃は、まだオペラ歌手さんたちの演技等が少しおざなりな感じもありましたが、最近はもうそんなことも無くなってきましたね。。
あと二幕の演出は素人目にも良かったかなぁ。
窓から射し込む光の感じとか角度とか色彩とかひとが包まれる感じとか陰影とか演技のたび映し出される人影の動きとか場所とか。。。
昔、「ラ・ボエーム」のラストあたりでも似たようなことを感じたような気もするけど。
良かったです。
ビルのゲーツ
ヨーロッパ企画
JMSアステールプラザ 中ホール(広島県)
2014/09/25 (木) ~ 2014/09/25 (木)公演終了
満足度★★★★★
余計なものを削ぎ落とした面白さ
個人的にヨーロッパ企画の面白さって、面白い台詞やネタ、物語をガンガン重ねて重ねて笑いをとる
……っていうところだと思ってるんだけど…。
で、今回は過去の「冬のユリゲラー」、「サマータイムマシン・ブルース」
のように、どちらかというと物語を重視してるタイプじゃなく
「ブルーバーズ・ブリーダーズ」のように、重ねて重ねて
……ということに特化した舞台なのかなと…。
アイデアの勝利もあるけど、その余計なものを削ぎ落としたことが、面白さを際立たせてるというか…。
物語もラストも役者の使い方もすべてにおいて潔いというかぁ…。
個人的に、こういう舞台かなり好きなんですよ。
遭難、
劇団B-LUCKS♪
レイノホール(広島県)
2014/09/13 (土) ~ 2014/09/14 (日)公演終了
満足度★★★★
好きな戯曲が生で観れて楽しかった。
好きな戯曲が生の舞台で観れて楽しかったぁ。
演劇ならではの配役の妙もあったりして…。
ほんと、ありがとうです。
ミモココロモ
LAY-OUT
子どもの館HOW?内「子どもホール」(北九州市八幡西区黒崎三丁目 15番3号 COMCITY 7階)(福岡県)
2014/09/12 (金) ~ 2014/09/13 (土)公演終了
満足度★★★★★
最悪やけど最高に面白かった。
最悪やけど最高に面白かったです。
最初は、”こういうやつ、おるおる。。”、”こういうこと、あるある。。”
って、軽い気持ちで観てたのが、
途中から知らないうちに、
激しい嵐の中へ一緒に引きずり込まれていたというか‥。
観てる間なぜかずっと、からだ中の五感がヒリヒリしてました。
こういう戯曲は好きですし、
こういうひどい状況の中で、
ひと‥っちゅうものを浮き彫りにさせていく芝居も好きです。
ただ、少しひきずるし、
時々思い出すと 無性に悲しい気持ちになるので、
もし、もう一度見るならば、かなり間隔を開けてじゃないと
観たくないかも‥‥。
役者さんたちは、
荒削りだったような気もするけど、
勢いがあって良かったです。
ここ最近見た舞台のなかでも、
かなり激しく心を揺さぶられた舞台でした。
青空カラー
劇団こふく劇場
広島市東区民文化センター・ホール(広島県)
2014/09/10 (水) ~ 2014/09/11 (木)公演終了
椿姫
シアターユニット抹茶ウーロン
東区民文化センター スタジオ2(広島県)
2014/08/22 (金) ~ 2014/08/24 (日)公演終了
満足度★★★★
古典へのストレートなアプローチ
「椿姫」の中でも、特にマルグリット、アルマンの愛に焦点を当てた舞台だったかなぁ。
音楽は、おもに場面転換で用い、あとは演技とセリフのみで、古典へ勝負をのぞんだ感じ。
このタイプの芝居になると、観る側も真剣勝負になるので、
途中、少し集中力が切れたわたしは、それに負けた感じかぁ。
泣いてるお客さんもいたし、清らかで水々しい舞台でした。
主役の久保幸代さんは、多分
オペラ・ミニコンサート 『 ザネット 』で観たことがあって、
あの時はとても面白かったのだけど、
どちらかというとクラシック畑のひとが、
芝居の「ストレート・プレイ」はどうなんだろう?って、
少し心配な感じもあったのですが、
今回の「椿姫」は、とても良かったです…っていうか、一番良かった。
これを糧に、また新たな抹茶ウーロンになってください。
海と日傘
演劇ユニット体温
JMSアステールプラザ 多目的スタジオ(広島県)
2014/08/01 (金) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★★
観る側に委ねられた舞台
つくる側は決めてるんでしょうけど、
戯曲自体は、夫婦のそれぞれの思い、
夫婦の場面々々での微妙な気持ちとかは、
観る側にかなり委ねられてる感じはしました。
同じ自分が観たとしても、
年齢によって、経験によって、変わってくると思うし、
夫、妻、(担当編集だった女) それぞれの立場で観ると
また別のものが見えてくるかもしれない…。
そこが面白いというかぁ。
古原史麗さんと山川愛美さんの芝居はとても良かったです。
あと、ある意味、狂言回し的な位置での、外輪親憲さんの活躍が目立ちました。
交互に光る動物
ブルーエゴナク
王子小劇場(東京都)
2014/08/01 (金) ~ 2014/08/03 (日)公演終了
満足度★★★★
少しまとまり過ぎてたのかなぁ。
スタイリッシュな群像劇の面白さは変わらないんだけど、
北九州で観たのとは、 別ものを観てるようだった……
っていう思いがどこから来てるのかなぁ…っていうのがずっと良く分からなくてねぇ…。
役者さんの演技で、前より役の深みが増した…とも思うし、
3回目での慣れかなぁ…とも思うし、
今回は、ボヘミアン、宗教のひと、堤君以外を中心に少し観てみたぁ…ってのもあるかもしれないし…。
ただ、少しまとまり過ぎてたのかなぁ。
ギスギスした感じや、刺激的な感じが少し薄まったような感じもするし…。
気のせいかなぁ…。
好きな劇団で、また観に行くことには変わりないのだけど…。
今後も、何に対しても臆することなく攻めて欲しいね。
鎌塚氏、振り下ろす
森崎事務所M&Oplays
はつかいち文化ホール・さくらぴあ(広島県)
2014/08/09 (土) ~ 2014/08/09 (土)公演終了
満足度★★★★
練られたプロの笑い
どうも最近は、天然ボケとか偶然性の笑いの方が重宝されてるような気もするが、やはりプロによってきちんと練られた洒落てスマートな笑いをたまには楽しみたい…。
そういう思いを満たしてくれる舞台かなぁ。
三宅弘城氏のキャラは最高だし、
今回は、妙にダメダメなベンガル氏が面白かった…(笑)
楽しかったです。
もう少し小さいホールでやった方が良い舞台かなぁ。