yocyaの観てきた!クチコミ一覧

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夫婦

夫婦

ハイバイ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2016/01/24 (日) ~ 2016/02/04 (木)公演終了

満足度★★★★

終演後に涙が
劇場を去った後にじわじわと涙が込み上げて来る、そんな作品でした。

主人公の岩井さんと暴力的な父親との関係を描いているように見えて、初めは何故このタイトルなのだろうと思いながら観ていましたが、最後に全て理解できました。

終盤、幼少の頃に散々父親の暴力を受けていた岩井さんが成長し、年老いた父親と言い争う場面。「勝手に荷物を置くな」と怒る息子に「そんなに老いぼれを苛めるなよ」という父親。「俺が何も出来ないガキだった頃、お前は俺に何をした!」と息子に突き飛ばされても、父親は抵抗も出来ずに崩れ落ちる。そんな親子の様子に、胸が締め付けられる思いでした。

劇の稽古シーンとして描かれるその場面で見せる、父親への最期の敵意。そして続くラストシーンで見せる、父親へ最期の敬意。本当に見事でした。

えのもとぐりむ作品集 第11部 人の類い、十二の亜種

えのもとぐりむ作品集 第11部 人の類い、十二の亜種

株式会社Legs&Loins

Geki地下Liberty(東京都)

2016/01/26 (火) ~ 2016/01/31 (日)公演終了

満足度★★★

演劇的表現に拘ったとのことですが…
今回は演劇的表現に拘ったとのことですが、やはり一度観ただけでは理解しきれず、少々置いてきぼりを感じました。

満席の会場、Twitterに溢れる絶賛コメントの数々から、きっと理解できる方にとっては良い作品なのでしょう。おそらく複数回観劇する事でかなり印象の変わる作品なのだと推測します。

若いメンバーばかりの劇団のようですが、そのせいか少々情熱が先走っているように感じました。もう少し腰を据えた丁寧さが欲しいとは思いました。

あと、途中の笑いの場面は少々長過ぎかと。息抜きの機能もあまりくどいと舞台世界を壊してしまいます。

変なところが気になったのですが、途中に出てくるキーアイテムの黒い林檎は作り物の小道具なのに、冒頭に出てくる赤い林檎は何故本物が使われていたのでしょう? 最初に役者が赤い林檎を実際に齧って見せた為に、以降の黒い林檎の登場場面では、それが作り物であることが余計に際立って感じてしまいました。

ゲスト出演者の山本萌花さんの演技はとても良かったです。

鶴かもしれない2016

鶴かもしれない2016

EPOCH MAN〈エポックマン〉

OFF OFFシアター(東京都)

2016/01/20 (水) ~ 2016/01/24 (日)公演終了

満足度★★★★

一人芝居である事を忘れる程に
角度を変えて2度観劇。夢を語る恋人の声に聞き入る鶴子の表情から、彼女が何を考えているのかが伝わってきた時、ただ胸が苦しくなりました。どうしてそんな方法しか選べなかったのかと。

小沢さんの所作は、自動再生される音声との会話のやり取りだけでなく、まな板に包丁を下ろすタイミングの一つ一つまで完璧に効果音と一致させる細かさ。

そして音声相手の会話から小沢さんの一人二役に切り替わった瞬間にも、その男女の演じ分けの巧みさに息を飲み、それが一人芝居である事を忘れる程でした。

終演時には汗やら何やらで顔中びっしょりの小沢さん。

「鶴の恩返し」という古めかしい題材に新たな命が吹き込まれるのを目の当たりにした55分でした。

錆色の瞳、黄金の海 2016

錆色の瞳、黄金の海 2016

劇団ショウダウン

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2016/01/21 (木) ~ 2016/01/24 (日)公演終了

満足度★★★★

今後も見逃せない! 劇団ショウダウン
昨年の『パイドパイパー』ですっかり心を掴まれた劇団ショウダウンの待望の公演は、やはり期待を裏切らないものでした。

たった7人で回しているにもかかわらず、一人複数役でもほとんど違和感が無く、主演の林遊眠さんをはじめとする役者さんたちの熱演には、本当にそこにゴーレムがいるかのように感ました。

自然と涙が頬を伝いました。もっと多くの人に観て欲しい作品です。

ただどうしても、作品のスケール感と劇場の大きさが釣り合っていないように感じます。本作にあまり小さな舞台は相応しくありません。もっともっと大きな劇場で上演されるべき作品です。

同劇団のチラシのビジュアルも毎回素晴らしいので、(実際、自分が初めて『パイドパイパー』を観に行ったきっかけも、仮チラシのビジュアルの良さに惹かれての事でした。) もっと折り込みチラシの部数を増やすなどして宣伝に力を入れて欲しい。もっと多くの人に知って欲しい。心からそう願います。

劇団ショウダウン、やはり今後も見逃せません。

レプリカ

レプリカ

d-contents

笹塚ファクトリー(東京都)

2016/01/13 (水) ~ 2016/01/17 (日)公演終了

満足度★★★★

再演を強く希望します。
今年最初の涙。

当日券飛び込みキャンセル待ちでしたが望外の良席で観られ、2時間半休憩無しでも全く問題無く楽しめました。しかし、確かに落涙必至の作品ではあったものの、少々脚本の粗が目につき、主人公への感情移入はしきれませんでした。

物語の大前提となるのは、 アンドロイドだと判明する事が日常を剥奪される事を意味するという必然性なのですが、その大前提が共有されず、観客を置き去りにしたままで物語が進行してしまっているように感じました。

そもそもの疑問ですが、何故アンドロイドは処分されなければならなかったのでしょうか? 劇中ではその理由は「政府の決定」としか語られず、何故その決定に到ったのか、アンドロイドが人類にどのような災禍をもたらす恐れがあるのかの説明が全くありません。

それ故、枕崎刑事が何故一般人に銃を向ける程ヒステリックにアンドロイドを憎み、恐れるのかが判らないので、どうしても彼の方が不当な暴力を振るう絶対悪のようにしか見えず、一人浮いているように感じました。結末に直に繋がるキーパーソンの行動には、それなりの理由付けが無いと物語の説得力を持ち得ません。

そこは、実際にアンドロイドの暴走によって起きた事例、例えば過去に枕崎刑事の家族が暴走したアンドロイドに殺されたなどのエピソードがあれば、アンドロイドを処分しようとする側の正義も説得力を持ち、観客は正義と倫理の狭間で葬られなければならない主人公の悲しみに、もっと寄り添えたのではないかと思いました。

ラストも「?」が残る少々釈然としないものでした。

とは言え、 劇中何度も涙腺が緩み、上倉刑事が感情を露わにする場面ではついに決壊に到りました。 いろいろと惜しい点はありましたが、心に残る作品である事に違いはありません。多くの人に観て欲しい舞台です。再演を強く希望します。

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余談ですが、パンフレットは2000円という値段にしては写真ばかりで内容が薄いですね。もっと作品の内面に踏み込んだ文章などが欲しかったです。あと、あそこまで豪快にネタバレするなら終演後のみの販売にするべきだと思います。

《大千秋楽・31日14時開演、当日券ございます!》キルミーアゲイン

《大千秋楽・31日14時開演、当日券ございます!》キルミーアゲイン

劇団鹿殺し

本多劇場(東京都)

2016/01/09 (土) ~ 2016/01/31 (日)公演終了

満足度★★★★

電車は行くよ 僕を乗せて
登場人物とエピソードの多さと時系列の行き来に置き去りにされかけながらも何とか食らい付き、ラストでは本当に鳥肌が立ちました。

シンプルかと思われたセットも終盤には劇的に変化し、照明の使い方も効果的で、改めて総合芸術としての演劇の楽しさを感じました。

あの楽団の音が聞こえると、あぁ、鹿殺しだなぁと込み上げてくるものがあります。

ネタバレBOX

エンディングは『無休電車』を彷彿とさせるものでしたが、あれはセルフオマージュだったのでしょうか?
陽のあたる庭

陽のあたる庭

演劇ユニット狼少年

小劇場B1(東京都)

2016/01/06 (水) ~ 2016/01/11 (月)公演終了

満足度★★★★

泣けなかったのが悔しい
ショータが怪力の大男という設定でしたが、どうしてもそれほどまでには見えず、多少の違和感はありました。大きな荷物を軽々と運ぶ様子など、セリフだけでなく舞台上でも表現した方が良かったかなとは思いました。ともあれ、ショータ役の曽我部洋士さんの演技はとても良かったです。

公演公式サイトもTwitterも見つからず、情報を得るのに困りましたが、ある女優さんがブログで絶賛されているのを見て観劇を決め、観に行って本当に良かったです。

この作品のラストで泣けなかったのは本当に悔しい。

花より男子 The Musical

花より男子 The Musical

東宝・キューブ・ネルケプランニング

シアタークリエ(東京都)

2016/01/05 (火) ~ 2016/01/24 (日)公演終了

満足度★★★★

加藤梨里香さんの表現力の高さ
主人公「牧野つくし」役の加藤梨里香さんの表現力の高さにすっかり魅了され、心打たれ続けました。

10代~20代の若い女性のみの演劇集団「劇団ハーベスト」の一員でもある彼女。
幼少の頃から舞台に立ち続けているだけあり、その歌唱力と演技力の素晴らしさは、客席を魅了し尽くして余りあるものでした。

より大きな舞台へと飛躍し続ける彼女の輝きはとても眩しくて、次の出演舞台が楽しみで仕方ありません。

今年の良い観劇初めとなりました。

ミュージカルの楽しさがたっぷり詰まった約3時間。お薦めです。

MIRACLE8

MIRACLE8

劇団ハーベスト

劇場MOMO(東京都)

2015/08/05 (水) ~ 2015/08/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

大きな壁乗り越え掴んだ奇跡を
どうして演劇をやっている女の子たちはあんなに輝いて見えるんだろう?

千秋楽で広瀬咲楽さんの歌う自作主題歌を聴きながら、全てを出し切ったメンバーたちの清々しい表情を見ながら、今この時がいつまでも続けばいいと思いました。この公演期間は本当に楽しかったです。

舞台は基本的には一期一会。それでも今回は5回観劇しました。その楽しさの成分には確かに舞台そのもの以外の部分も含まれます。しかし、恒例だった終演後のお見送りが無くても楽しさに些かの陰りも感じなかったのは、その演劇公演としてのクオリティの高さの何よりの証でしょう。今回も、彼女たちがまた一つ大きな壁を乗り越えるのを目の当たりにしました。そして、それは涙が出そうなほどに眩しいものでした。

季節が変わる度に、劇団ハーベストは更なる輝きを魅せてくれます。それは回を重ねるごとに眩しさを増していきます。眩しくて眩しくて、何だか少し切なくなります。

次回公演を心から待ち遠しく思います。

明日の君とシャララララ

明日の君とシャララララ

劇団ハーベスト

シアター711(東京都)

2015/03/25 (水) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

STEP UP TO THE NEXT STAGE
劇団ハーベストとは、その名の通り劇団であり、定期的な演劇公演を活動の主とする演劇集団です。数ある劇団の中で際立つ最大の特異性としては、メンバー全員が高校生から20歳以下の若い女性であるという点が第一に挙げられます。

「劇団」と名乗ってはいるものの、ルックスにも恵まれた若い女の子たちのグループである以上、世間からある程度はアイドルグループであるかのような眼差しを受けてしまう事は免れません。実際、Twitterに公演の感想を書いているアカウントのプロフィールを見ると、アイドルグループのファンと想われる方が多く見受けられます。また、開演を待つ間の客席ではアイドルに関連した会話が聞こえてくることも多く、劇団ハーベストは特にアイドルファンの間で愛好されている劇団と言えそうです。

今日のアイドルという芸能ジャンルを特徴づけるものの一つに、ファンとメンバーとのコミュニケーションが楽しまれているという点があります。多くのアイドルグループでは、握手会をはじめとしたイベントでの直接の会話や、SNSやブログのコメントなどを通じたやりとりによって、ファンはメンバーにライブの感想や励ましの言葉を送り、またメンバーもそれに応えるというように、ファンとメンバーとの間で生じるコミュニケーションが大きな楽しさの一つとなっています。

劇団ハーベストでも、特にそれを外部に向けて訴求してはいないものの、メンバー自身によるグッズ販売や、終演後のメンバー全員によるお見送りといった、観客が直接メンバーと会話したり、公演の感想を伝えたりという機会が用意されています。公式ブログは高い頻度で更新され、メンバーの公演に対する意気込みや、公演直前直後の率直な心情の吐露などがファンに共有されています。演劇公演そのものだけでなく、メンバーの心情や成長過程を見守ったり、メンバーの奮闘を垣間見たり、メンバーとコミュニケーションしたりという楽しまれ方が劇団ハーベストの特徴の一つでもあり、それは劇団というよりもアイドルグループのそれに近似しています。

では、劇団ハーベストとは歌やダンスではなく演劇をメインの活動としたアイドルグループの一種なのでしょうか? 今作「明日の君とシャララララ」は、同劇団がその問いに対して改めてNOを表明した公演でした。

アイドルグループが行う演劇、所謂アイドル劇は、通常の演劇とは異なり、作品そのものよりも出演するメンバー自身を訴求力とし、企画そのものがメンバーの出演ありきで成り立っているものが多くあります。そのため、セリフ量に差はあったとしても、大抵はメンバー全員に役が与えられ、何らかの見せ場が用意される場合が殆どです。(劇団ハーベスト初期の作品である第3回公演「位置について!~girls start up!~」はそちら寄りの構成だったように思えます。)

しかし本作では、メンバー全員に役が与えられる事はありませんでした。オーディションにより出演者を選考し、その結果、本編の舞台に立てたのは13人のメンバーのうち8人のみでした。劇団員である以上、本当は一人の例外なく全員が本編の舞台に立ちたかった事でしょう。しかし、メンバー全員を出演させることよりも作品の完成度を第一としたこのストイックさは、決してアイドル劇のものではありません。

これまでの同劇団の公演とは大きく方向性を変え、出演者を絞り込んだというのは、かなり思い切った決断であったと推測します。しかし、この公演を通して観客に何を伝えたいか、何を創りたいかという、一本芯の通ったブレない軸があったからこそ、作り手もメンバーも恐れるものは無かったのでしょう。考えてみれば、劇団員全員が毎公演で必ず役を得られる訳では無いのは普通の劇団なら当然です。オーディションに落選して前座のみの出演となったメンバーも、自ら裏方を志願したメンバーも、皆が一丸となって作り上げた本作品を通じて、劇団ハーベストは美少女演劇集団と呼ばれるような存在ではなく、当たり前の、普通の劇団へと大きく歩みを進めたと言えるでしょう。

もちろん、本公演がアイドル劇ではないという裏づけはそれだけに限りません。もしもアイドル劇を想像しながら劇場を訪れた人、あるいは女の子だけの劇団というだけでクオリティに疑問符をつけながら観劇に臨んだ人がいたなら、本公演の完成度の高さに必ずや驚いたことでしょう。脚本にはメンバーへの当て書きやファン向けの内向きの要素などは一切ありません。本作で重点が置かれているのは純然たるメッセージ性であり、描かれているのは「命」と「自立」の物語です。実際に公演を観た人の感想は、アイドル劇にありがちな、どのメンバーが可愛かったとか、誰々が頑張ってたなどというところに収斂するものではありません。物語が進行するにつれて、客席のあちこちで聞こえてくるすすり泣く声。それに交じって自分も中盤からは涙が止まりませんでした。ラストシーンの満開の桜と共に、この作品を観て流した涙はいつまでも心の奥に咲き続ける事でしょう。

これだけ演劇ファンにも充分届き得るようなクオリティの高い公演を打ちながら、ある一定の客層だけが客席を占めている現状は非常に勿体無い。次回の夏の公演が開催される中野の劇場MOMOの客席数は90席で、今回のシアター711と同程度です。ここのところ小さな劇場での興行が続いているのは、単に劇団の台所事情なのか、それとも何らかの意図があっての事なのかは判りません。しかし、メンバーとのコミュニケーションをはじめとした、アイドル的な楽しみ方をするファンには、同じ公演を何度もリピート観劇するという特性があります。ここから危惧されるのは、もしこのまま小さな劇場だけでの公演を続けているのでは、既存のファンで客席が占められたまま、新しいファンを劇場に入れることができないのではないか、また、アイドル的な楽しみ方を求めるファンが多くなれば、一般的な演劇ファンに敬遠されやすいのではないかという事です。

今回の公演で劇団ハーベストは普通の劇団に一歩近づいたと先ほど書きました。しかしその事と、終演後のお見送りや自ら物販を行うようなアイドル的な振る舞いを続ける事とは些かの齟齬を感じます。観劇後に直接メンバーに感想を伝えられるのは得がたい機会ですし、この上なく楽しいものです。自分自身それを楽しんでいますし、メンバー達も楽しんでいるものと信じます。しかし、彼女達の魅力はコミュニケーションの往還にこそあるわけではないはず。そういった要素が無くとも、これだけクオリティの高い公演を見せることができるならもう充分なのではないでしょうか。

劇団ハーベストはどこへ向かい、今後どうなっていくのか。遠からぬ将来、女優として巣立っていくメンバーも出てくることでしょう。メンバーの卒業・加入を繰り返しながらさらなる高みを目指していくのか、それともいつか泡沫の夢として消えてしまうのか、それは誰にも判りません。

劇団ハーベストの創る舞台のクオリティは非常に高いものですが、それだけでなく、メンバーとのコミュニケーションの楽しさも大きな魅力の一つとなっています。しかし、そうした要素を楽しみながらも、彼女らがそれを訴求力としない場所へと早く歩みを進めることを、作品のクオリティのみで勝負できる、当たり前以上の劇団になることを心から願って止みません。

ランドスライドワールド【本日大千秋楽!!14時の回 当日券ございます!!】

ランドスライドワールド【本日大千秋楽!!14時の回 当日券ございます!!】

劇団鹿殺し

本多劇場(東京都)

2015/01/11 (日) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★★

物語の軸が見えにくい
「無休電車」以来久しぶりの劇団鹿殺し。あの楽団や独特のカオスな感じには懐かしささえ覚えました。
ただし、今回はそのカオスさ故に、物語の軸が見えにくかったように思えます。

ネタバレBOX

序盤に登場してはいたものの印象の薄かった人物が、最後に突如現れてあの結末をもたらすというのは、物語の流れからは唐突に思えました。そこに至る過程がもっと丁寧に描かれていれば良かったのですが。
裏と表とコーヒーフロート

裏と表とコーヒーフロート

劇団ハーベスト

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2014/07/30 (水) ~ 2014/08/07 (木)公演終了

満足度★★★★

原点回帰の次へ
今回は前作「反重力ガール -starting over!!-」と違い、明確な主役脇役を据えるのではなく、2チームに分けた上でメンバー全員の役の大きさを概ね均等にし、全員に見せ場を作っていました。それによって前作のような物語への吸引力や疾走感は薄くなり、途中までは少々散漫かなという印象はありましたが、その分、今までの公演で気付くことのできなかったメンバーの魅力を発見する良い機会になりました。

コーヒーチーム、フロートチームの両公演を観劇させて頂きましたが、今回最も印象に残ったのは広瀬咲楽さん。演技力も表情も一番光っていました。もちろん彼女以外のメンバーも、過去の作品とは違う新たな印象で魅せてくれました。作品ごとに成長を続ける彼女たち全員に、心からの拍手を送りたい。

当日パンフレットの人物相関図の助けもあり、今回でメンバー全員の名前を覚えました。今度はもっと大きな会場で劇団ハーベストの公演を観られることを願ってやみません。

心のデトックスをありがとうございます。今作で初心に立ち戻った彼女たちは、次はどんなステージを創り出してくれるのか。

次回公演を心から楽しみにしております。

反重力ガール

反重力ガール

劇団ハーベスト

SPACE107(東京都)

2014/03/26 (水) ~ 2014/03/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

楽しかった! もう一度観たい!
「楽しかった! もう一度観たい!」
お芝居を観て、ここまで純然たる気持ちで楽しいと思えたのは、本当に稀有な観劇体験です。

何か難しいテーマを押し付けたり、メッセージや感動が心に残るような作品ではありません。それでも、舞台上の「劇団ハーベスト」メンバーたちは本当にキラキラと輝いていて、その眩しさに思わず涙がこぼれました。女の子たちが最も輝くのはお芝居をしている時なのではないか、とさえ思います。

今回も山本萌花さんを中心としたメンバーの溌剌としてテンポの良い演技は観ていて気持ちが良く、物語のスピード感とも相俟って、観客を舞台に惹き込む大きな推進力となっていました。

青山美郷さんの貫録には驚きました。初めは青山美郷さんだとわからず、どこの客演女優かと思ったぐらいです。

前作で感じたような映像の使い方の不自然さもなく、あっという間の約2時間でした。

作品を重ねるごとに格段の進化を遂げていく彼女たちを、早くもう一度観たい。
次回公演を心から待ち遠しく思います。

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開演前には客席でメンバーによるグッズ販売があったのですが、弓木菜生さんらが僕の前でTシャツを見せてくれた時には、あまりに可愛くて、危うくお財布を出すところでした。今思えば買えば良かったかな。この次は何か買ってあげよう。

独り芝居『審判』

独り芝居『審判』

多田直人案

吉祥寺シアター(東京都)

2014/01/15 (水) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★

観客もまた誇りを持って
「観劇してきた」というよりは、「陪審員として裁判を体験してきた」という方が相応しいでしょう。

敵軍の捕虜となったロシア軍の将校7人は、地下牢に閉じ込められ、水も食料も与えられないまま置き去りにされてしまいます。60日後、ようやく味方に救出された生存者は2人。彼らはいかにして生き残ったのか。生存者の1人ヴァホフ大尉の証言によって、仲間を1人ずつ殺し、その肉を食らって生き延びてきた様子が、時に生々しく、時に激しさを持って語られます。

人が人を殺して肉を削ぎ、貪り食う極限状態の描写。そのあまりの凄惨さのせいでしょうか。途中退席する人や、体調を崩して倒れてしまう人が現れるほどでした。今後の上演に当たっては、そうした描写が苦手な人のケアや事前の注意は必要かもしれません。

セットも小道具も最低限に抑えられたシンプルな舞台でたった一人、2時間強の間、一瞬も緊張感を落とす事無く訴え続ける気迫には圧倒されるばかりでした。

多田直人の演劇人生のターニングポイントになるだろうというこの舞台。観客もまた近い将来、本作品を観たことを誇りを持って思い出すことでしょう。

夢も希望もなく。

夢も希望もなく。

月刊「根本宗子」

駅前劇場(東京都)

2014/01/10 (金) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★

あの繊細さを最後まで持続できれば
本作品では、登場人物の過去と未来が時系列に描かれるのではなく、舞台の下手上手に設置された同じ間取りの部屋で、同時並行で描かれます。つまり、同じ人物の過去と未来を、それぞれ二人の役者が、時にはシンクロしながら同時に演じるという、独特の手法がとられています。下手(10年前)での行動が、上手(10年後)にいかに作用するかや、登場人物の10年間の変化(もしくは変わらなさ)を同時に見つめるその手法は、ある時は未来の暗示のようでもあり、ある時は回想シーンのようにも見えます。「テレビや映画じゃ観られないものを作りたくて演劇をやっている」という、パンフレットの根本宗子の言葉通り、まさに演劇以外では成し得ない表現方法といえるでしょう。

舞台が二つに分かれている以上、観客の意識は常にそのうちどちらか一方に向けられていることになりますが、スポットが当たっていない方の舞台でも芝居は続行されます。その、台詞の無い「間」の部分に至るまで行き届いた細かい描写は、複数回観劇することでさらに気付くこともあり、作品の奥行きを増していました。何気ない台詞や所作の一つ一つまで繊細で丁寧なのもまた、根本宗子作品の魅力の一つでしょう。だからこそ、最終場面の、「今、私は~と感じています!」と、まくし立てるように半ば強引に纏めてしまう締め方は本当に勿体ない。あの繊細さを最後の最後まで持続できるか。そこだけは今後に残された課題なのではないかと思います。

次回作は是非、もっと大きな劇場で、もっと多くの人の目に触れて欲しい。これからも根本宗子作品は一作品たりとも見逃したくありません。

見切り発車シスターズ

見切り発車シスターズ

劇団ハーベスト

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2013/08/07 (水) ~ 2013/08/11 (日)公演終了

満足度★★★★

格段の進化を遂げた劇団ハーベスト
まさか前作「位置について!~girls start up!~」よりも、ここまで格段に良い作品が観られるとは思ってもいませんでした。

前作で感じた抑揚の無さや人物の判別しにくさなどは全て解消され、テンポも良く、明確な主人公を据えたことで、すぐに物語に惹き込まれました。主演の山本萌花さんをはじめ、出演者全員が溌剌として台詞も聞きやすく、前作よりも役者の個性が確立されていました。(不覚にも「アンジェラ・アキ」で笑ってしまいました。) 抱腹絶倒は言い過ぎですが、彼女らの輝きを受けて元気になれる、そんな舞台です。

ひとつ演出上の難点を上げるとしたら、いくつかの場面で、物語の進行が舞台上から映像へと完全に切り替わってしまったこと。それにより、映像の中という、舞台上とは分離された別の世界ができてしまい、観客はその都度舞台から現実に戻されてしまいます。とりわけ映像で表現する必然性のあるシーンとも思えませんでしたし、季節感を出す意図があったのかもしれませんが、お芝居の演出としてはちょっと反則かと。

おそらく物語自体はごくありふれたものです。しかしそのありふれた結末に向かい、有り余る青春のエネルギーを持って一直線に全力疾走するこの爽快感は他ではまず見られません。

今後、少女歌劇の分野で天下を取るのは彼女たちかも知れません。
次の公演が心から待ち遠しい。

しばらくはこの「劇団ハーベスト」から目が離せそうにありません。

雨と夢のあとに

雨と夢のあとに

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2013/07/27 (土) ~ 2013/08/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

まさに滂沱の涙
中盤からは涙が止まりませんでした。
キャラメルボックスの舞台はどれも心に残る作品ばかりです。
吉田里琴さんの演技も素敵でした。

「ずっと二人で歩いてきた」もぜひ観たいです。

ミュージカル「ひめゆり」2013 ご来場ありがとうございました。

ミュージカル「ひめゆり」2013 ご来場ありがとうございました。

ミュージカル座

THEATRE1010(東京都)

2013/07/25 (木) ~ 2013/07/30 (火)公演終了

満足度★★★★

圧巻の歌唱でした。
台詞のほとんどが歌唱によるもので、
前半は多少単調に感じましたが、後半は圧巻でした。

舞台「The Fake Time Machine Story ~ウソヘノトビラ~」

舞台「The Fake Time Machine Story ~ウソヘノトビラ~」

トライフルエンターテインメント

ザ・ポケット(東京都)

2013/06/26 (水) ~ 2013/07/07 (日)公演終了

満足度★★★

テンポが良く伏線が巧みなコメディ
前作「バレルナキケン」同様、こちらのカンパニーの舞台はテンポが良く、時間を忘れて何も考えずに楽しめます。ストーリーは多少強引ですが、伏線の回収も巧みで気持ちがいいです。客席で何度も大爆笑が起きてました。

ごがくゆう

ごがくゆう

大人の麦茶

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2013/06/12 (水) ~ 2013/06/17 (月)公演終了

満足度

次回作に期待しております。
モーニング娘。をはじめ、ハロプロメンバーにはもう少し演技力向上の為に使う時間を増やして欲しいと思います。

http://yocya.fakefur.jp/mille-feuille/archives/387

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