ぺぺぺのぺの観てきた!クチコミ一覧

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長井古種 日月

長井古種 日月

あやめ十八番

d-倉庫(東京都)

2015/04/09 (木) ~ 2015/04/14 (火)公演終了

満足度★★★★★

「ほとんど」最高!
初あやめ一八番。見事な空間。「ほとんど」最高であった。「ほとんど」にはストーリー自体の入り組みと登場人物のキャラ性の複雑さから、消化しきれなかったモヤモヤの謂い。

グローブ・ジャングル

グローブ・ジャングル

虚構の劇団

座・高円寺1(東京都)

2014/04/04 (金) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

満足度★★★

あまりに見事で浮き上がったのは…。
今まで観てきた演劇のうちでもっとも「できている」ものであったがゆえに、演劇の限界のようなものを感じた。見ているものが違う人の見ているもの、正直に言えば、その内容にコミットできなかったときのどうにも耐えられない面白くなさを払拭できなかった。

喇叭道中音栗毛

喇叭道中音栗毛

楽団鹿殺し

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2014/03/27 (木) ~ 2014/04/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

当然二回ね。
4月1日(アフタートーク付き!)観劇。丸尾さんの書くものになぜリンクするのか少しわかったような気がする。当然続けて4月4日も観劇。

あうろらの君

あうろらの君

ヅカ★ガール

秋葉原アトリエ「ACT&B」(東京都)

2014/02/20 (木) ~ 2014/02/23 (日)公演終了

満足度★★★

お誘い頂き、
観劇。
ヅカ★ガールという劇団の今後の展開、発展を感じられる舞台であった。更なる活躍を期待したい。

許して欲しいの

許して欲しいの

劇団競泳水着

高田馬場ラビネスト(東京都)

2014/02/19 (水) ~ 2014/02/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

作家バージョン観劇。
競泳水着初観劇。すばらしかった。俳優バージョンを観て比較することができればよかったなと思いつつ、作家バージョンの個性豊かな演技に満足。とりわけ目に止まったのが名嘉さん。姉漫画家の「成長」を見事に表現していた。シンクロ少女、観に行こう。

アフタートークも非常に面白かった。とりわけ根本さんが指摘して、上野さんが展開した「ジュラシックパーク」と「マンハッタン」の話からの根本さんの話、非常に興味深かった。

文句なく☆5です。

トムソンガゼル

トムソンガゼル

ぬいぐるみハンター

風みどり(新中野)(東京都)

2014/01/28 (火) ~ 2014/03/02 (日)公演終了

満足度★★★

正直うーん。
まず前提としてぬいぐるみハンターのファンであることを言った上で、今回は「普遍的なつまらなさ」を感じたことを率直に感想として書かせて頂きます。続きは「ネタバレ」BOXで。

ネタバレBOX

今回の割と「普遍的なつまらなさ」から思うに、ぬいぐるみハンター(というか池亀さんの脚本・演出)ってやっぱ時間的空間的「移動」の使い方の「妙」に面白さがあるんだな、と気づかされました。
「ベッキーの憂鬱」もそうでしたが、とりわけ「地球の軌道を~」でのあの「楽園」の時間的空間的「移動」の使い方は見事だった。その意味では「晴れ時々~」もそういうところがあったのだけれど、今回はそういう意味での「移動」があまりに気迫だったことが、自らのストロングポイントを自分で潰しに行っている感じがしました。
加えて「アマリリス」にしても「晴れ時々~」にしてもあやかさんとか、片桐さん、後藤さんの「キャラ」性が本公演に対して、希薄にならざるを得ない「移動」の問題を支えていた部分があったのだけれど、今回はそこも弱かったのかなと感じました。
ただ「実験的試み」であったこともあるのでしょうから、今後どう「試み」が成就していく方向に向かうのか、その試行錯誤の過程も込みで期待させて頂きたいと思います。
世迷言

世迷言

柿喰う客

本多劇場(東京都)

2014/01/29 (水) ~ 2014/02/04 (火)公演終了

満足度★★★★

初柿
だったわけなのだが、とても良くできている!と同時に「完成」してしまっていることに少々の物足りなさも。

夢も希望もなく。

夢も希望もなく。

月刊「根本宗子」

駅前劇場(東京都)

2014/01/10 (金) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

結局
三度足を運んでしまったわけだが、観れば観るほど「良く出来ている」という感を禁じ得ない。素晴らしかった。

夢も希望もなく。

夢も希望もなく。

月刊「根本宗子」

駅前劇場(東京都)

2014/01/10 (金) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

これをずっと待っていた。
素晴らしかった。感動した。生きていて良かった。もう一回観に行きたい。つづきはネタバレBOX。

ネタバレBOX

根本さん書くものの良さはラストのひっくり返しのひっくり返しにあると改めて感じた。「わたしはわたしなんだ」と根本さんが言い切ってくる、その最後の最後のところに魂が震える。僕は「今、出来る、精一杯。」と同様、根本さんが演じている役を、だから「夢も希望もなく。」では絵津子を中心に観たいし、絵津子が絵津子自身を信じて抱きしめ合った、そこに根本さんでないと書けないものの魅力があると思っている。その意味で、急遽片桐さんが必要になったのも肯けるし、確かに片桐さんであるべきだった。

とマジレスした上で、今回の10年後(あるいは10年前)を並列させる試みは大変面白かった。話を立体的に構成する推進力になっていたし、なにより同一人物を演じる両演者のシンクロは見応えがあった。
プラトニック・ギャグ

プラトニック・ギャグ

INUTOKUSHI

駅前劇場(東京都)

2013/12/25 (水) ~ 2013/12/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

当選番号は5、7、……
演劇の必要性の存在証明ともいっていい舞台。あまりにも心に響きすぎて感想を書くことすらできない。普通に石澤希代子氏をインカネーションしてしまう。「いかないで、ここにいて」のリフレインが頭から離れない。とにかく手放しで素晴らしかった。


以下私事を書く。
本作品を鑑賞していてすぐに想起されたのはいわゆる「秋葉原事件」である。それも「秋葉原事件」そのものではなく、「秋葉原事件」のその後である。当時、この事件に強い震撼を受けた筆者はその後をなるべく追っていた。そんなある時、「夕方のニュース」で被害者の友人がインタビューされていて、感情を発露して次のように述べていた。「負け組だからってこんなことをしていいわけではない」。被害者の友人がこのように感情を発露させてしまうことはわかる。しかし、その友人の「負け組だからって」と言わせたのは「誰」(具体的な人ではない)なのか。この「誰」にかかわる問題を真っ正面から提出し、フィクショナルに昇華させたモラル氏に深い尊敬の念を覚える。

銀色の蛸は五番目の手で握手する

銀色の蛸は五番目の手で握手する

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターサンモール(東京都)

2013/12/27 (金) ~ 2013/12/30 (月)公演終了

満足度★★★★

実は王道
初観劇。予想以上に面白かったというのが正直なところ。

ふんだんにちりばめられた笑わせる仕掛けも見事に決まっていた。
様々な仕掛けが見事に決まっていたのは、その背後にあるストーリーが王道で、もっといえばべったべたな「ベタ」なものであったからこそか。いずれにせよしっかりとした本の存在を感じ取ることができた。

舞台外でも観客を楽しませようとする心意気が伝わってきて、非常に好感の持てる劇団であった。是非又観に行きたい。

ネタバレBOX

一つだけ気になるのは劇中で描かれる「死」の問題をどう捉えていくか。
木村オサムは周りの人間(非匿名的)の幸福を維持するためにいわば自己犠牲的にその力を発揮するわけだが、その一方でヤドクビッチは匿名の人を死に追いやる。そのことはヤドクビッチにおいては、円陣に加われなかったり(非匿名的レベル)、試合に出ることを拒否したり(非匿名的レベル)、最終的には十字架を背負い、祈ること(匿名的レベル)で抑えようとはされているのだが、オサムの行為と比するとやはり抑えきれてないのではないか、という疑念が残る。
晴れ、ときどき束縛、のち解放/アマリリス

晴れ、ときどき束縛、のち解放/アマリリス

santacreep

RAFT(東京都)

2013/12/24 (火) ~ 2013/12/28 (土)公演終了

満足度★★★★★

ちょっと面白すぎるよ!
「アマリリス」、「晴れ、ときどき束縛、のち解放」の順で観劇。

どちらの作品、立っているキャストが一人いる。というか立てられたキャスト。「アマリリス」ではあやか氏。あやか氏が入ってきた瞬間にスイッチが入り、舞台が回り出す。最後もあやか氏。
「晴れ、ときどき束縛、のち解放」では片桐はづき氏。抜群の演技で花の内面を丁寧に表現していた。

単純な面白さでは「アマリリス」に軍配をあげるが、「晴れ、ときどき束縛、のち解放」の「緊張感のない呑気すぎる監禁事件」であるにもかかわらず、醸し出される緊張感にしびれる。あれにしびれないヤツはどうかしている。そして心の底から笑う場面が。声を出して笑ってしまったのは初めてで、正直パニクってしまった。

今回強く感じたのは、池亀三太氏の作品が持っている健全な想像力を刺激する余白性。いわゆる「別ルート」の可能性を残しながら話が展開していくので、「もし……」と「別ルート」の可能性に思いを馳せながら観ることができるし、帰り道も歩きながら「もし……」、帰宅しても横になりながら「もし……」、今もパソコンに向かいながら「もし……」。

あの空間であの会話劇。濃密な体験だった。

ザ・ランド・オブ・レインボウズ

ザ・ランド・オブ・レインボウズ

天才劇団バカバッカ

六行会ホール(東京都)

2013/12/11 (水) ~ 2013/12/15 (日)公演終了

満足度★★

申し訳ないのですが、、
大変つまらなかった。むしろ不愉快になりました。
言いたいことは沢山有るのだけれど、一点だけ。
演劇ではなくて「サーカス」をやりたいのであればサーカスに失礼。
サカースではなくて「演劇」をやりたいのであれば演劇に失礼。
観劇後、むなしい気持ちで帰途につきました。

デンギョー!

デンギョー!

小松台東

高田馬場ラビネスト(東京都)

2013/12/04 (水) ~ 2013/12/10 (火)公演終了

満足度★★★★★

驚異の完成度。
折り込みチラシを見てこれは絶対に観に行くべきと、初小松台東。
タイトルにも書いた様に驚異の完成度。これこそ、ま・さ・に、THE演劇。

しかしながら、半面観劇後に何か自分にとって響くものがあったかというと正直ない。むしろ、掴もうとしても掴めない何かがあって、掴もうとした手が空を切る。

何でだろうと考えていたのだが、そのヒントはこりっちの「説明」にあった。
すなわち、

「これまでもそうですが、これからも、ぼくが体験してきたことを基本的には作品にしていくつもりでいます。だからと言って、とても劇的な人生を歩んでいる訳ではありません。普通の人生です。なので、小松台東の作品は、奇抜だったりロマンに溢れていたりはしないと思います。普通の日常、人間の機微を丁寧に、ユーモアも忘れず描いていけたらいいなと思っています。」

という松本さん自身の体験性に基盤があったからだ(ろう)。
故に、観劇後に、ある種の救われを感じるわけでも、なければ明日から頑張ろう、とかそういう気持ちになるわけではない。

そこが完成度の高さを「リアル」という点でおさえていると同時に、「リアル」であるが故にどこにも行けない/行かないという閉塞性で止まっている。どちらを強く受けとるかは人それぞれで、その意味で受取手である観客に余白を残している。

地球の軌道をグイッと 【ご来場ありがとうございました!!次回は2014年5月吉祥寺シアターです。】

地球の軌道をグイッと 【ご来場ありがとうございました!!次回は2014年5月吉祥寺シアターです。】

ぬいぐるみハンター

小劇場 楽園(東京都)

2013/11/06 (水) ~ 2013/11/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

っていうのが、僕の2013年11月17日。
前作、『ベッキーの憂鬱』を観て一発にファンになった僕は、あらゆる嫌なことをあっちこっちに放り投げ下北沢「楽園」へ。そして観劇/感激。100点。最高だった。

前作は不在の交換留学生ベッキーを廻る物語であったが、今作は在しているけど在していない神戸ちゃんを廻る物語。どちらも核にあるのは、そもそも最初からあらゆる意味で到達不可能性を「授けられちゃっている」人間の悲しみ、切なさ、ほんのりとした同情。

神戸ちゃんの天才児(しかし元天才児となる)がゆえの圧倒的な「孤独」。それを抱きしめることの出来ない、大人なはずの仲間たち〔僕ら〕。それもそのはず仲間たち自身が仲間たちとすら理解し合えていない、「圧倒的な」すれ違い。

でも、僕らはなんとなくそれでもうまくやっていけている。困った時にはハッピーバースデイ。誕生日には僕らはつながることができる。だってそれは「誕生日」。だから、ハッピーバースデイ。魔法の合い言葉。

でも、「ハッピーバースデイ」で世界に花が咲くわけではない。本質的な所で僕らはわかり合えないという、「授けられちゃった」孤独。だから、もう地球の軌道を「グイッと」変えちゃうくらいのことをしないと。神戸ちゃんだって努力した。降りてきた。IQ低めな方へ。でも、ダメだった。誰も気づかなかった/気づけなかった。でも、それは「授けられちゃっている」人間が初めから持っている悲しみ、切なさ、だからこそほんのりとした同情を僕らは抱く。

前作とは全く別テイストでありながら、「楽園」という場を見事に使い切ったそのパフォーマンスには見事!の一言。とりわけラスト「雨にぬれても」のシーン。見事な「場の共有」の発露。だから「バイバイ」〔さようなら〕もできる。

ぬいぐるみハンター渾身の傑作と評価したい。

モスキート

モスキート

月刊「根本宗子」

BAR 夢(東京都)

2013/11/02 (土) ~ 2013/11/10 (日)公演終了

満足度★★★★

思っていたより
良かったな、というのが感想の第一、それでは背伸びの運動から。

大体さ、「今回はミステリーです」と言われても、そもそも結局「ミステリー」ってなんなのさ?みたいなところってあってさ、親戚のおばちゃんに「私ミステリーとか好きで」と言われて話を聞いていたら、「あれ?それ山村美紗サスペンスじゃね?」みたいなことってしばしばあるじゃん。予想していたのと違うことままあるじゃん。……あ、私だけ?

それはさておき、芝居が始まってアレが流れてきた時、「あーはいはい、これね」ということで、「ミステリー」の内実がわかったので、すっと芝居に集中して入っていくことができた。内容自体はベタなほど上手くまとまっていて、というかむしろちょっと上手くできすぎちゃっているけど、別にそれを観に来たわけじゃねーしな、みたいな。むしろ、だからこそ演者さんたちに集中できた。ゆえに面白かった。

たまにはこういうねもしゅーもたまにはこういうなしきさんも、たまにはこういう大竹さんも……大竹さんは変わらないか……いいよね!そしてあやかさん大活躍。ちなみに前衛的なあの絵、普通にクオリティー高くてじっくり見たかった。一個だけ内容に注文をつけると、なんで血を抜いたのか、もうちょっと詰めて欲しかったかな。「そりゃ復讐ですよ」というのはわかるんですけど、もうちょっと詰めて欲しかったかな。逆に言うと、あそこってすごくねもしゅー的じゃなかったよね。うんうん。

ということで要は「いつもと違う表情、グッとくるよね!」。ミステリーサークル第一回公演ということなので、第二回も楽しみに。でも、やっぱり楽しみなのは本公演だよね。そんな感じ。

BINGO

BINGO

Rising Tiptoe

ザ・スズナリ(東京都)

2013/10/29 (火) ~ 2013/11/03 (日)公演終了

満足度★★

申し訳ないのだけれど……
酷評せざるをえない舞台であった。一言でいうのであれば「手抜き」。その「手抜き」は「分」を超えた(場所的にも、値段的にも)もの起因している。もしこれがもっと小さな劇場で、リーズナブルなチケットであればその「手抜き」の手抜き性を責めることはしないのだが……。

色々言いたいことはあるのだが、そもそも論で脚本・演出、あれはなんなのだろうか。「不条理」ということのもつ内実性をはき違えているように思われた。それは本来の意味・内容も理解していないにもかかわらず、先人たちの血のにじむような労苦を「雰囲気」のみでパラフレーズしてしまうようなネット詩論壇的「詩人」に通ずるもの。

ただ他方で、(すでに他の人の感想にもあるように演者に力量のばらつきはあるものの)何人かの女性「客演」者(ステア)には、キラリと光る可能性を感じたことは、付言しておかなければならない。

無休電車【本日大千秋楽☆10/21(月)14時開演、当日券若干枚ございます!!!】

無休電車【本日大千秋楽☆10/21(月)14時開演、当日券若干枚ございます!!!】

劇団鹿殺し

青山円形劇場(東京都)

2013/09/27 (金) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

初「鹿」
面白い面白いとは聞いたきたが、こんなに面白いとは……。一発でファンになってしまい、思わず(友人に借金をして)二回観て行ってしまった。もっと早く観に行くべきであった。

しかし、それは他方でチョビさんの帰国以後の鹿殺しがどのようになるものか、はっきりいって期待しかない。とても楽しみである。

中野の処女がイクッ

中野の処女がイクッ

月刊「根本宗子」

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2013/10/09 (水) ~ 2013/10/18 (金)公演終了

満足度★★★★

根本節。
今回の「中野の処女がイクッ」は正直難しかった。根本さん曰く「本当に嫌な、こんな嫌な話観たことがないくらい嫌な話になるだろう」。しかし同時に「そんな中に何か希望を見い出せる気もしている。」というある種の矛盾を抱えながらの演劇であった。それ故に其の評価を自身の中で上手く消化することが出来なかった。だからこそ、「今、出来る、精一杯。」と比して実存性に見劣りを感じた。

もっとも、今回の演劇で気づいたことは根本さんは、こりっちの感想において、様々な観点あるいは意見が提出されているが、それ以前に非常に基本に忠実(王道)であるということ。これはある味で今回の観劇に関してのもっとも大きな収穫であった。

その基本を守りながらの根元節。これがやはり「月刊根元宗子」の醍醐味であるのであろう。今回の芝居のキーはアップデート(あるいは上書き)であるのであろう。当人にとって重要なこと(内的な要因)が外的な要因によって「上書き」されていく。しかしながらその「上書き」は傍目から見ている人からすれば何とも言えない(どうでもいい)上書きである。ある種の独断論的な観念論的世界。根本さんはこのことを「希望」でも「ありうる」と述べているが、それは逆説も然りであるようにも感じられた。

全体的に言えば、根元節(それはサービスシーンも含めての)が前面に出ている芝居であったが、終盤もっとも盛り上がるべきところが、飛躍してしまっているようにも思えた。もう少し展開(尾崎桃子と石澤希代子の)がされていれば、単なるメッセージではない深みを表現することが出来たのではないこと思う。

なんにしても二回は観て考えるべきだった。しかし、それはそれとして「あの」三匹のペンギンは好きだ。

お酒との正しい付き合い方

お酒との正しい付き合い方

月刊「根本宗子」

BAR 夢(東京都)

2013/08/15 (木) ~ 2013/08/18 (日)公演終了

満足度★★★

好きだからこそ……。
初めて小劇場演劇を観たのは「今、出来る、精一杯。」だった。素晴らしかった。天才だと思った。bar公演を観に行った。「ひかる君ママの復讐」、やはりこの人は天才だと思った。「お祭り公演」を観に行った。この人はやはりただ者ではないと思った。

そして、今回「お酒との正しい付き合い方」を観た。びっくりした。どうびっくりしたかは、こりっちの「観てきた!」レビュー数を見ればわかるのでは。多分そういうこと。

「くだらない」と「つまらない」の違い。なんだかすごく「淋しかった」。bar公演のもっとも重要な要素であるところの「くだらない」さ、全然なかった。梨木さんの長所も消されていた。根本さんのある種のメッセージ性(魂の叫び的なもの)も展開されなかった。とりわけ今回の主題でもあった「リアル」。それはいわゆる「自然主義的なリアル」でないことは、言うまでもない事であるが、それにしても「リアル」でなかった。いわんや「リアリティのリアリゼーション」からほど遠かった。

大切な事だからもう一度言う。「淋しかった」。

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