中野の処女がイクッ 公演情報 月刊「根本宗子」「中野の処女がイクッ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    根本節。
    今回の「中野の処女がイクッ」は正直難しかった。根本さん曰く「本当に嫌な、こんな嫌な話観たことがないくらい嫌な話になるだろう」。しかし同時に「そんな中に何か希望を見い出せる気もしている。」というある種の矛盾を抱えながらの演劇であった。それ故に其の評価を自身の中で上手く消化することが出来なかった。だからこそ、「今、出来る、精一杯。」と比して実存性に見劣りを感じた。

    もっとも、今回の演劇で気づいたことは根本さんは、こりっちの感想において、様々な観点あるいは意見が提出されているが、それ以前に非常に基本に忠実(王道)であるということ。これはある味で今回の観劇に関してのもっとも大きな収穫であった。

    その基本を守りながらの根元節。これがやはり「月刊根元宗子」の醍醐味であるのであろう。今回の芝居のキーはアップデート(あるいは上書き)であるのであろう。当人にとって重要なこと(内的な要因)が外的な要因によって「上書き」されていく。しかしながらその「上書き」は傍目から見ている人からすれば何とも言えない(どうでもいい)上書きである。ある種の独断論的な観念論的世界。根本さんはこのことを「希望」でも「ありうる」と述べているが、それは逆説も然りであるようにも感じられた。

    全体的に言えば、根元節(それはサービスシーンも含めての)が前面に出ている芝居であったが、終盤もっとも盛り上がるべきところが、飛躍してしまっているようにも思えた。もう少し展開(尾崎桃子と石澤希代子の)がされていれば、単なるメッセージではない深みを表現することが出来たのではないこと思う。

    なんにしても二回は観て考えるべきだった。しかし、それはそれとして「あの」三匹のペンギンは好きだ。

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    2013/10/21 23:57

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