udonの観てきた!クチコミ一覧

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ゴーストライターズ!!

ゴーストライターズ!!

企画演劇集団ボクラ団義

SPACE107(東京都)

2014/02/28 (金) ~ 2014/03/09 (日)公演終了

満足度★★★★

グレードアップ?
主に見た目がゴージャスになってます。
会場で初演のDVDも売ってますのでどうぞ。

というのも、最も目立つ違いである客演さんの方向性という意味で。
話題性や動員力はあるんでしょうけども、ボクラ団義を見たい層と、その客演を喜ぶ層に若干の乖離が感じられるのです。

客席も含めて公演。

あ、見慣れたらそうでもないかも?

ネタバレBOX

そもそものタイトルがミスリード。
ものすごく大ざっぱに言ってしまえば久保田SHOWですわ。
「ハイライトミレニアム」
「ハンズアップ」
「遠慮がちな殺人鬼」
「さよならの唄」
等、時間いったりきたり+家族・後悔の三題噺みたいな怒濤の伏線回収劇。ボクラ団義らしい作品。

と、これだけで表現できるところ、まったく違ういくつもの作品にできてしまうのがここの団体のすごさ。
紙片の王国

紙片の王国

PocketSheepS

TACCS1179(東京都)

2014/02/06 (木) ~ 2014/02/09 (日)公演終了

満足度★★★★

満足はできるが物足りなさも残る
善くも悪くも、いつものポケシといった感じ。
過不足なく、ややコンパクトな、すこしふしぎワールド。

で、直近4作品ぐらい観てきて、どこに物足りなさを感じるのかが大体わかってきたので、一応書いてみようかと思う。
まず男性キャストが弱い。というよりむしろ女性にパンチが効いてる人が多いと言うべきか。今回は植草みずき、船津久美子、渡辺珠己が出色。

思うに、僕は小泉匠久がド中心にいる世界にいまいち入り込めない。
見た目で華のあるタイプの役者さんではない…と思う、ので、何かこう、もっといい配役があるだろうに、彼自身の魅力がいまいち発揮できていない。ここがどうにかなれば作品自体もっと輝きを増す余地があるし、ポケシという団体が一皮むける要素のように思う。

もうひとつは小劇場特有の記号的表現の古さ。
主にドタバタバタバタっと展開するところが中途半端にリズムがいいわりにいまいち洗練されていない印象を受ける。20年ぐらい前に友人がやっていた学生演劇を思い出す。

まったく伏線が張られずに展開してきたことが逆に伏線として機能する、というプロットは新鮮で楽しめた。

ついでにチケット安すぎ。
2,500円は映画など他の娯楽に比べても手ごろだが、仲間内で見せ合うためにやってんの?と思われてしまう金額。もうちょっとだけ高くした方が、ちゃんとした公演であるという自信が伝わるだろうし、それで動員が伸びないということはない。きっと。

最後に…
返す返すも、この舞台に泉亜樹が立っていないことが本当に残念でならない。

※敬称略

ネタバレBOX

「三日月形のあざが」
「えっ!」
紅蓮、還る

紅蓮、還る

ACRAFT

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2013/10/17 (木) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★

オール客演状態
これは善くも悪くも、明らかにボクラ団義の作品ではありませんね。
「ハイスクールミレニアム」のように、制作まで含めて総力戦という感じはしましたけども。

原作の梶研吾氏が「今の若い方にはピンと来ないかもしれません」とパンフに書いているのがすべて。今年不惑を迎え若者とはいえない僕もプログラムピクチャーというものがよくわかりません。井口昇とか河崎実みたいな感じだろうか。

かつて「花のあすか組」というマンガがありまして、一度80年代に実写化されたんです。まだスクールウォーズ世代の残り香が感じられた時代ね。それを00年代も後半に入ってリメイクしたんですが、これが…。だって出演してる人たちのほとんどはそんな時代を経験してないんですよ。僕たちが想像で学生運動の映画を撮るようなもんですよ。
これはもう企画の時点で無理があって、どうやったってリアルとリアリティのどちらにもならない。誰かの力量うんぬんとは別次元の話。

さて。
やってる人たちはすごく真剣に丁寧に作り上げてる感じは伝わってきました。
見知ってる人がたくさん出てるのに、いつもとまったく違う世界の作品というのも、手塚治虫のスターシステムみたいなもんで僕は楽しめました。

ところで会場の仕切りが手際よくて気分よく観られるのはいつものボクラ団義。これは制作チームの特筆すべき仕事。

ネタバレBOX

ひとつ前のクチコミに言いたいことがほとんど書かれてしまっているので、えーと、
…ちーちゃんがムチムチですな。。。若い娘さんはあれくらいでいいでしょう。
OVER SMILE

OVER SMILE

企画演劇集団ボクラ団義

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/09/30 (月)公演終了

満足度★★★★

動員とキャストの惜しさについて考える。
2年前、僕がボクラ団義に出会った作品の再演。
再演?これは再演なのか?
すべてにおいてグレードアップしている。
ここの作品はとにかく伏線とその回収が数多く仕込まれていて、なかなか一度では把握しきれないストーリーも、初演に比べて平易な表現に改められている。(リッチモンドの「能力」について等)

これは実はボクラ団義のアイデンティティに関わる重大な要素。
小劇場の分野でトレンドをリードしながら、動員(パブリシティからマネタイズへ)という数字に本気で向き合っている数少ない団体。ならばひとつの公演でリピーターを期待したくなるところ、今作はPlay Againであり、新規ファン開拓のためにぐっとこらえた勇気を称えるべき。

ただし、初演と変更されたキャストは好き嫌いが分かれると思う。むりやり優劣を語っても劣るということはないと思うが、分かれる…はず。というか僕は初演オリジナルキャストの方が好きなのです。

動員につながる豪華キャストと、既存のファン的な贅沢キャストに乖離が生じはじめている部分の例。

フォンチーのスーちゃんは、表情に「情報」がある。それを手話で伝えるよ、という「意思」が感じられる。足立梨花のスーちゃんは表情のバリエーションが極端に少なくて、感情を伴わない、とにかくこっち向いて話してくれたら何言ってるか大体わかるし、伝わるかどうかは別として手話を見てもらえる、という儚さがあふれるオーバースマイルだった。ように思う。

総合MVP:平山空(ジーナ・ローレン+衣装!)

ネタバレBOX

喫茶店の壁にかかってる絵、どっかで見たことありませんか?
こういう小ネタがいくつも仕掛けられているそうですよ!

この手の公演、平日初日は関係者だらけの半ばプレスデー。
観客として大村彩子さん(放送作家じゃなくて役者さんの方)と野中美智子さんを見かけました。
千年の狐と小さな嘘

千年の狐と小さな嘘

PocketSheepS

TACCS1179(東京都)

2013/06/13 (木) ~ 2013/06/16 (日)公演終了

満足度★★★★

草食?
ポケシお得意の「すこしふしぎ」ワールド。こういうの大好きです。
今回は冨士枝千夏が出色。

全体的には21世紀の演劇といったテイでおもしろかったんだけども、役者さんの一部は90年代の学生演劇みたいな地味さ。もちろんどちらも悪いものではないのに、その擦り合わせがいまいち、で、詰めが甘い印象を受けました。決して完成度が低いわけではなくて。
喩えるならば、ライトノベル原作を独立U局のアニメでなくフィルムで実写映画にしたような違和感とでも言いましょうか。

思うに、動員とかPublic Relationsといった点で控えめというか、野心を感じないのですね。自分たちが納得できる作品を上演できればいい、というような。

会場の仕切りももひとつでした。
開演後に入ってきた客を最前列の前の補助席まで通すって。。。

ネタバレBOX

「小さな嘘」が何だったのかわからないのです…。

「私の容姿をほめろ。」笑
こういうの観ると、けがした小動物を見つけたときどうしようか考えちゃうね〜。
さよならの唄

さよならの唄

企画演劇集団ボクラ団義

六行会ホール(東京都)

2013/05/30 (木) ~ 2013/06/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

二回観た。
序盤こそ広い舞台を持て余している?感あったものの、あとはもう今までのボクラ団義の作品
「わラワレ!」
「嘘つきたちの唄」
「オーバースマイル」
「ハンズアップ」
あたりのボクラ団義らしい要素(時間や空間の扱い方、見せ方)をひたすら集めてきて濃縮したようなつくり。
映像、ダンスのシーンは従来に比べると少し控えめ?

ただ、あいかわらず一回ではわからない!
一回目は話の筋というか理屈を追いかけることになるべく専念し、二回目でやっとキャラクターの心の動きを感じられる点もいつも通り。二回目はもうOPのダンスのシーンあたりから涙目。。。

脳みそ変態こと主宰・久保田唱が創り出す魅力あふれるキャラクターと、それを具現化する役者たち、さらにはそれを「作品」に作り上げていく制作チームがいい仕事をしているのでしょう。

出演だけでなく衣装も担当している平山空も◎
アンケートの、特によかった部分の項目が、どうにもまとめきれなくて書くのをあきらめました。

ネタバレBOX

「秘技!神の声!」

ふつうにお客さんとして観にきてた真凛ちゃんと三田寺理紗さんと木村昴さん(天才劇団バカバッカ)に会えました。
「オーバースマイル」に出演していた足立梨花ちゃんに至ってはふつうに物販にいてびびりった。いわく「昼の一回観て、あと夜まで少し時間あるからDVDでも売ろうかなと思って」ですって!
あと堀越のりさんは「堀越のりカルタ」おぼえてました。

始まり方からして「ハンズアップ」を連想させるので、そういうことなんだろうな、と思ってたらその点だけ予想が当たってた。
遠慮がちな殺人鬼

遠慮がちな殺人鬼

企画演劇集団ボクラ団義

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2013/04/03 (水) ~ 2013/04/08 (月)公演終了

満足度★★★★

どこまで行くのか。
昼夜2公演連続で観ました。
全体の流れや感想は、先に書かれてるお二人とほぼ同じなので、あまり詳しくは言及しません。

思うに、最近のボクラ団義はひとつの作品ごとにひとつのジャンルを制圧しにいっているのではないかと。山登りに喩えると、世界の七大陸最高峰登頂記録みたいなの。今3つか4つ制覇した感じ。これ7つ全部(いや7つかどうか知らんけど)登頂しちゃったら、今度はどこに連れていかれちゃうんだろう。意外に高尾山あたり攻めたりすんのか?

もうひとつ。
これ、どれくらいの割合の人が一回で物語の全貌を理解できるんでしょ?
会話のおもしろさや、感動的なエピソードが部品として小出しにされてくる中で、観客はそれを拾い集めて頭の中で組み立てる作業が必要になるタイプの作品です。このパズルのピースがあるとき脳内でバチーンと組み上がると、全容の理解+感動で「うーわーーーーー!!!!!」と立ち上がって叫びそうになってしまう瞬間が訪れるのですが、これは前作「忍ぶ阿呆に 死ぬ阿呆」のときと同様、二回目に観たときでした。
みんな一回でバチーンとくるの?
それともみんな二回も三回も観てるの?

あまり先鋭化して観客を選ぶような方向へ進まないといいなぁ。

ネタバレBOX

誰も悪くないということ。
納得できなくても、受け容れるしかない現実。

こういったことじゃないでしょうか。今回のまとめ。
嘘ツキタチノ唄

嘘ツキタチノ唄

企画演劇集団ボクラ団義

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2013/01/18 (金) ~ 2013/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★

入れない話。
結論から言うと、おもしろいかおもしろくないかと問われれば相当におもしろいけれども、僕がボクラ団義に期待している、エンターテイメント性の中から垣間見える強烈なメッセージ性を読み取れませんでした。

つかみの部分は比較的フツウの演劇的なもの?と思わせておいて、相変わらず中盤から縛っていた糸がスルリと解けてパタパタッとパズルのピースがはまり始め、結末まで突っ走る抜群のスピード感は独特。

これ紙の本、たとえば小説なんかで読んだら「そんなベタな!」と思ってしまう類の話だと思う。それをパズルのピースがはまっていく快感に泣きの要素を重ねてくるあたりはさすがとしか言いようがない。

ただし、この作品に関しては、あるキャラクターに序盤から惹き込まれる、巻き込まれるように観客側がある程度視点をコントロールする必要があり、ここでイマイチ加速度に乗れないと、結末まで観たところで
「うーん…そうね、まあそういうことだよね」
と冷静かつ安全に下車するはめになってしまう。

また、ストーリーテラーが多すぎて、(初演と同数であるにもかかわらず)内輪の小競り合いが煩わしく感じる。羽田成田はバッサリ切り捨てるくらい手を入れてもよかったのではないか。

余談だが、ボクラ団義の公演には過去に客演した役者さんたちがたくさん訪れていて、終演後に気づくと上原マリカ、鷹野百合(綿美)、佐知川幸子、水月沙矢、スーちゃん等ものすごい豪華メンバーに囲まれているというような非日常不思議体験がかなり高い確率で起こる。
彼女らと良好な関係を保てているということは、つまり今後にも期待できると考えてしまうのは短絡的すぎるだろうか。

(敬称略)

追記:22日に行われた「鏡に映らない女 記憶に残らない男」の生コメンタリーイベントはすばらしかった。★7つ。
サイコモンスター水月沙矢は、いつまでも僕の中で生き続けるだろう。

ネタバレBOX

僕がこの物語にいまいち入り込めなかったのは、結局のところ「必要のない嘘をつくタイプ」の神谷雪子というキャラクターにシンパシーを感じにくい、という点に尽きると思う。

まず前提として神谷雪子に無条件で相当な魅力を感じないと、なぜ周辺の人たちから強烈に愛され、ときに同じくらい強烈に憎まれたのかが入ってこないうちに物語が進展して収束に向かってしまう。
なぜ事件が起きたのか(ある意味意図的に)ワンサイドな視点、また、なぜ周辺の人々が力を会わせて解決へ向かって物語を動かしていくのかという心の動きが見えてこない。

ついでに神谷雪子に惹き込まれないまま進んでいくと、いまいちキャラクター的な背景が語られないまま、逃走した大柳を刺すという、神谷真知子(雪子の母)の行為がいささか唐突に感じられる。

なぜここまで高水準のものを期待して厳しい評価をするのかといえば、それは過去に神懸かり的に高い水準の作品を連続で上演した団体だから。今年もハイペースで公演の予定があるようなので新作に期待。
忍ぶ阿呆に 死ぬ阿呆

忍ぶ阿呆に 死ぬ阿呆

企画演劇集団ボクラ団義

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2012/12/07 (金) ~ 2012/12/09 (日)公演終了

満足度★★★★

大阪に持っていくべき作品?
ボクラ団義を何作か観ている人にとっては「いつものやつ」がさらにグレードアップして時代モノを作り上げた!と楽しめる。
一度しか観ないのはもったいない。

ただし大阪で上演すべき作品かというと、そこは少し疑問がある。いくら近年すごい勢いとはいえ、まだ大阪で観たことがある人=ボクラ団義の「文法を読める」人が多くないところへ持っていったら、なんかすげえ怒濤の伏線回収だな、という感想で終わっちゃうんじゃないかと。なので作品自体とは別のところで星ひとつ減点。

ただ信長を暗殺しても時代は変わらない、世の民に時代が変わることを強烈に印象づける事変を起こす必要がある、という視点はいかにも演劇っぽくてそれほど新しい切り口ではないのかもしれないが、この完成度で見せられたらただ驚くしかない。

ネタバレBOX

お市と風花が入れ替わるところはわりとわかりやすい、伏線の伏線が用意されているものの、これは久保田唱お得意の「誤誘導」すなわち天唾の術。流れ自体はこの方向性で合ってる。そして信長の正体が明らかになったところで、そこかー!という驚きと楽しみが待ってる。
星霜ナイト

星霜ナイト

PocketSheepS

アイピット目白(東京都)

2011/06/16 (木) ~ 2011/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

らっくす!
すーぱーりっち!(笑)

泉亜樹さんのJK姿が予想以上に大丈夫だったので満足です。
破滅のベガを「ちょっと恥ずかしい…」という温度で演じている空手女子。堪能いたしました。

ワラワレ

ワラワレ

企画演劇集団ボクラ団義

新宿シアターモリエール(東京都)

2012/09/12 (水) ~ 2012/09/17 (月)公演終了

満足度★★★★★

ボクラ without 超常現象
ボクラ団義は毎回「こういうのもできるんだ!」という驚きがあります。今回は個人的に僕に初めて「超常現象的なことが起きない(あるいは、そういったことをテーマにしていない)」作品でした。

今回も豪華客演(ネームバリュー的な意味も含めて、かつ本物の芸人とアイドル!)を迎えつつ、舞台上ではボクラメンバーが互角以上に渡り合っているのが愉快。

このクオリティの作品がキャパ200程度の小劇場で見られるというのは本当に文化的に豊かな体験だと思う。

ネタバレBOX

会場で販売していた初演のDVDを購入、比べてみると、キャストと後半のストーリーに手を入れた以外に明確な違いを指摘するのは難しい。それでも、初演当時すでに決して低いとは言えなかった完成度が圧倒的に上がっていることに驚嘆を覚える。むしろ大神の天王寺や平山の七瀬はこれはこれですばらしい。ダブルキャスト公演が観たいくらい。
オリジナルと同じキャストの竹花・内田・大音(ラファーズ)と春原(アイドルのマネージャ)も地味ではあるが重要な位置をガッチリ固めていて好感。
ここいくつかの公演で少し変態キャラが定着してきた山田、前作「ハンズアップ」でもスターを演じた添田のキレのあるダンス等、本当に役者が揃っているとしか言いようがない。

(敬称略)
一歩先、君に出会う日

一歩先、君に出会う日

PocketSheepS

TACCS1179(東京都)

2012/10/11 (木) ~ 2012/10/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

伏線回収もの
最近こういうの流行ってます?
演劇というか物語のネタとしては定番中の定番、時間巻き戻しモノ。
脚本の太田友和さんは30代半ばということで(公式サイトのプロフィールより)、演劇にかぎらず映像作品やゲーム内での演出などもバランスよく吸収してきた世代の作品という感じがする。濃すぎず薄すぎず、適度に脂っこくて観やすい。

今回、初めてマチソワ連続で観てみたら2回目になって気づくことも多かった。ただ結末を知っていると楽しげなOPのダンスのシーンから涙目になっている自分がいたのです。。。

三人(!)のミカンを演じた二人の女優さんがすばらしかった。ここが強烈に魅力的なキャラクターじゃなければ物語がまったく成立しないところ、共通点と相違点を巧みに演じ分けていた。こういう役はとかく勢いだけで押しがちだが脚本・演技双方の確かな技術に裏付けられている。
ストーリーの根幹に関わるキャスト5人組*2チームも、それぞれリアリティのある男女混成。

ファミコン(カセット)、シャイダー、テッカマンなどの世代特定ネタが単純に「昔のもの」として扱われていたのは、もうちょっと詰める余地があったように思う。

ネタバレBOX

ポンタの会社の経理課のOLさん(最年少だそうですよ!)や細田アニメ版「時をかける少女」における魔女叔母さんの位置の人など、単純に数が多いという点を差し引いても全体的に女性キャスト優勢。
努力しないで出世する方法

努力しないで出世する方法

スタンダードソング

笹塚ファクトリー(東京都)

2011/03/08 (火) ~ 2011/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★

震災による中断(後半中止)が残念。
天災じゃしょうがない。
まずは、余震が続く中で中止を決断された勇気に賞賛を。

2012年2月に一部キャストそのままで再演されたのと両方観ました。
いわゆるシットコム?舞台じゃなく映像として見ても楽しめそう。

脚本家役の高島広芳さんをはじめいわゆる舞台人が服装(そう、衣装というより服装!)からしてパブリックイメージそのままのリアリティがおもしろかったです。たぶんリアルそのものではないんでしょうけど。会話のテンポ、リズムと身体表現がかなり高い水準。

オリジナルと再演の両方に出演されてた泉亜樹さんは劇団員アカリちゃんが役名の通り光ってました。「一応合格点」を取れる役者さんはまあいるでしょうけども、それを大きく上回る、作品全体に説得力を持たせるとともに魅力あるキャラクターにしてしまうのがこの人のすごいところ。

贋作水滸伝

贋作水滸伝

スタンダードソング

俳優座劇場(東京都)

2011/11/02 (水) ~ 2011/11/06 (日)公演終了

満足度★★★★

飽食。
芝居以外にもダンスやら演武(?)やら盛り沢山すぎる。。。
総合舞台芸術もしくはザ・ショウビジネスといった感じ。
他の方も指摘されてる通り、水滸伝そのものをよく知っている人ならより楽しめたと思う。

ネタバレBOX

近年で最も「普通のかわいらしい女の子」を演じた泉亜樹さんがよかったので満足。
ハンズアップ

ハンズアップ

企画演劇集団ボクラ団義

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2012/05/23 (水) ~ 2012/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

時間と空間の扱い方が独特。
「オーバースマイル」で出会い、
「鏡に映らない女 記憶に残らない男」で打ちのめされました。

絶対的な時間軸と、その中の事象にキャラクターが「気づく」「思い出していく」流れ、そして「キャラクターが思い出したこと」に「観客が気づく」ことによって、眼前で行われている「演出された芝居」とは別に、観客の脳内で物語がどんどんと組み上がっていく快感は何ものにも代えがたいものがある。
回想シーン等の見せ方も、これは従来の演劇や映画等に加えてマンガやゲームを体験して育った世代でないとおそらく不可能な手法。
ボクラ団義はすでにひとつのジャンルを確立しつつあると思う。かつての中年が理解不可能な若者を「新人類」「ゆとり世代」などと呼んだように、最大限の賛辞を込めて「ゆとり演劇」という呼称を提案したいくらい新しい。

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