満足度★★★★★
時間と空間の扱い方が独特。
「オーバースマイル」で出会い、
「鏡に映らない女 記憶に残らない男」で打ちのめされました。
絶対的な時間軸と、その中の事象にキャラクターが「気づく」「思い出していく」流れ、そして「キャラクターが思い出したこと」に「観客が気づく」ことによって、眼前で行われている「演出された芝居」とは別に、観客の脳内で物語がどんどんと組み上がっていく快感は何ものにも代えがたいものがある。
回想シーン等の見せ方も、これは従来の演劇や映画等に加えてマンガやゲームを体験して育った世代でないとおそらく不可能な手法。
ボクラ団義はすでにひとつのジャンルを確立しつつあると思う。かつての中年が理解不可能な若者を「新人類」「ゆとり世代」などと呼んだように、最大限の賛辞を込めて「ゆとり演劇」という呼称を提案したいくらい新しい。