
命名騒動!
劇団おおたけ産業
北池袋 新生館シアター(東京都)
2014/06/27 (金) ~ 2014/06/29 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
正統派の「匂い」を守れるか
「イメージ・チェンジ」
昨日まで、特売のレトルト食品で一杯だったお買い物袋は、いつしかルイヴィトンになっていた。「Y」とか「X」の英文字が、雑踏の商店街を後にする。
昨日まで確かにあった「匂い」は何だろう。
「カレー粉」、「じゃがいも」、「人参」、「玉ねぎ」。文房具屋の隣に営業する、創業40周年だというスーパー。「今晩はライス・カレーですかな」
ラムネの夏空に、蝉が鳴くことをやめない。まるで蜜柑果汁をかき混ぜ棒でグルグルするかのように、少しづつ、爽やかな炭酸ガスが宇宙へ向け、蒸発していく。
空き地には野球する少年たち。「キーン」「カーン」「コーン」。町中のブロック塀が すぐさま反応してしまう。土埃に染まる洋服。どんなプロ野球団の それより、君たちの身体に合うユニフォームだった。
私に とって、『劇団おおたけ産業』が「イメージ・チェンジ」するとは、こういうことである。
「正統派」の夕日丘三丁目を再開発し、ショッピング・モールと高層マンションの「エンタメ」を建設するらしい。
「技量」は 不足気味だろう。
しかし、「エンタメ化」した街にも、私はこの「匂い」を感じたいのである。

毒婦二景「定や、定」「昭和十一年五月十八日の犯罪」
鵺的(ぬえてき)
小劇場 楽園(東京都)
2014/06/12 (木) ~ 2014/06/23 (月)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
世間を「あっ」と言わせた女の奇妙な対立
売春婦・阿部 定が事件を起こした1936年。当時32歳。女性に選挙権がない時代だから、世間にとってみれば猛烈にセンセーショナルである。
抑圧者としての男と非抑圧者としての女、貞節としての女と本能としての女、情愛と売春など、相互に対立し合う意義をもつ。
『毒婦二景』はAプログラム『定や、定』とBプログラム『昭和十一年五月十八日の犯罪』の長編 同時上演。12日間にわたり、『鵺的』が阿部定を追う。
「その後」の数十年と「事件後」の数日間を描く点において興味深い。普通ならAプログラムとBプログラムが逆転するはずだ。どんな演出意図があるのだろう。
対立し合うのにもかかわらず、阿部定事件は二項対立論が応用できない。「善」と「悪」ではないからだ。
私は50年代以降のソ連演劇に その答えを探求したく思う。
【公式にはソ連社会からは対立が消滅したとされていたので、現実の対立を取り上げるのはタブーであり、残る対立は、善と より大きな善との間の対立だけであった】(『ヨーロッパ現代史―西欧・東欧・ロシア〈2〉戦後欧州社会と東西の動向』
ウォルター ラカー, Walter Laqueur, 訳 加藤 秀治郎, 河原地 英武, 永山 博之, 藤井 浩司, 他
芦書房)
「偏向」かもしれない。しかし、「善」が対立するならば、必ず「勝者」と「敗者」が決まるわけだ。それは真の対立である。
例えば、日本の大阪府立高校の鬼教頭と不良生徒は どうだろうか。「対立関係」に思われるのが一般的だが、むしろ その「暴力性」において「依存関係」であることは明らかだ。
80年代「カウンター・カルチャー」の先導者・尾崎豊。彼は「盗んだバイクで走り出す」のだという。
その歌詞は反権力だが、実のところ、「権力」が絶対的に機能し続けるシステムを認めた延長線上の「反抗」に過ぎず、まるでファザーコンプレックそのものだ。
鬼教頭は どうか。「秩序を守る」というガバナンス・コミットメントにより、一定の権力が教育委員会、校長、教員指導部、保護者、地域住民から非公式に授与される。
つまり、「盗んだバイクで走り出す」生徒が0になれば、あるいは依存しなければ、教師による体罰は ただの「暴力」になってしまう。権力も喪失する。
ソ連演劇の「善と善の対立」は こうした依存関係の否定だ。
私はAプログラムを観劇しようと思う。阿部定と、彼女を生涯にわたり財政支援した男Aとの「奇妙な対立」が その理由である。

骨相学特別篇 Kaleido Fluid
劇団メリケンギョウル
荻窪小劇場(東京都)
2014/06/06 (金) ~ 2014/06/08 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
「想い」で、物理学を塗り替えろ
人は誰しも「タイム・マシーン」を所有している。
こう記載するとシルバー・メッキの精密機械を連想してしまうが、実は「記憶」である。
高田純次 氏も こう述べていた。
「人は思い出の中で過去にタイム・スリップできる」のだと。
単に再現するのなら、Blu-rayのごとく、繊細かつ、高音質に臨場感を得るだけであろう。
なぜ、「記憶」が「タイム・マシーン」か。それは「思考」と「感情」がセットだからである。
「あらすじ」=「ある男のシナプスが光速を超えたとき、現実と空想が逆転する」らしい。
シナプスが電気信号である以上、物理学的に光速を超える速度は 考えづらい。
しかし、高田純次理論上、そのタイム・スリップは可能だ。
毎回、『荻窪小劇場』で公演する劇団。
過去のチラシを拝見すると コギャル女子が表紙を飾っているが…

サラエヴォの黒い手【ご来場ありがとうございました!!】
劇団チョコレートケーキ
駅前劇場(東京都)
2014/06/11 (水) ~ 2014/06/15 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
この日を境に何が終わって、何が始まったのか…
歴史に「if」が派生しうるなら、21世紀の大事件は ほぼ「霧」に終わった。
1968ロバート・ケネディ(弟)暗殺は、同氏支持者による混乱を避ける目的で急遽、ホテルの裏口ではなく、レストラン従業員用の通路を利用したためであるし、1989ドイツ東西統一は政府報道官が過労気味だったゆえの誤情報が発端だ。
ニュースの中心人物に蚊が吸い付き、「うっとおしいんですけど」という感情が露わになれば、未来の歴史教科書は一変する。これが「if」だ。「if」とは、軍事バランス、ポリティカル・パワー、大衆世論より、むしろ「人間」の影響下にあるシーソーだ。
我が国の政治においても、「失言」から閣僚が追い込まれると、次の日には「辞任ドミノ現象」が開始されている。その「失言」はクーラーが故障して室内が かなり高温だったことが原因かもしれない。
『劇団チョコレート ケーキ』が1914年6月28日を舞台化する。
それは、「if」ではない。
日澤、古川が 参考文献を買い漁り、新聞記事や実際のインタビューを緻密に再構成した社会派である。
演劇ならではのインクで示せば「ifの人間らしさ」にフォーカスする描写だろう。
しかし、彼らの解釈はセンチメンタリズムではない。役者が歴史の事実を そのまま背に負うファクターであり、退屈な形式論を正当化する演技をしてくれる。
「事実」と「if」
帝国劇場ミュージカル『エリザベート』(東宝)のように、ハプスブルク家の栄光、凋落、悲劇のドラマを描く舞台は煌びやかだ。
だから、私は 進言する。
『劇団チョコレート ケーキ』らしい、灰色がかった社会派エッセンスを、100年前の{オーストリア、ハンガリー、ボスニア・ヘルツェゴビナ}に投影せよ。

鬼泪-キルイ-
ELEGY KING STORE
TACCS1179(東京都)
2014/05/21 (水) ~ 2014/05/25 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
因縁の英雄…
《鬼》の正体は大衆が恐れる巨人だろう。
戦中プロパガンダの「鬼畜米英」が分かり易い使用例かもしれない。
紹介文にあるとおり、岡山県岡山市の吉備津神社には、《鬼伝説》を示す史跡が散乱する。
例えば、吉備津彦名がその矢を置いたという矢置石、ネタバレになってしまうため詳しくは記載できないが温羅の史跡も残存している。
岡山県観光連盟によれば、「鳴釜神事」という、焚き上げる釜の鳴る音で占う神事があるらしい。
「ジュワー」か、「ブクブク」か…。
もし、この神事に新垣さんのような「ゴーストライター」が潜み、「釜の音」を操作していたとしたら、鬼に申し訳ない…。
そんなことないだろうが。
さて、「《鬼》は弱者なんです逆説」は、演劇界だとそれは通説であろう。
だから、《鬼》のメッセンジャー、新教育概念も期待したいのだが、「アクション・エンターテイメント悲劇!」の一言を、その殺陣で発揮するべきだ。
キャスト陣は20名に及ぶ。

1812
ロデオ★座★ヘヴン
ワーサルシアター(東京都)
2014/05/21 (水) ~ 2014/05/25 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
祖国とはなんぞや?
「1812」。
この数字をクラシック・ファンが聴けば、チャイコフスキーの名を答えるだろう。
「大序曲1812年」
1812年、ナポレオンがフランス軍の大隊列を率い、帝政ロシアへ遠征。
しかし、《冬将軍》に味方されたロシア軍は、ついにナポレオンを追いやった。
舞台『1812』がチャイコフスキーの名曲をモチーフとする作品か どうかは知らない。
ただ、歴史史実に基づく、戦意高揚の、スラブ・ナショナリズムを代表するメロディーであり、その点だと《政治》である。
解説文を読んだところ、「国家の独立と血」から逃げない作品だと思う。
「X―QUEST」や「北区AKTSTAGE」は 特徴的な劇団だ。
もっとも、その劇団員が 世界観、作風、思想、技巧を背負う義務はない。
一方、やはり前者は身体パフォーミング(日大芸術学部母体)が期待されるし、後者は つかこうへいの社会派的表現に立脚する。
つまり、この劇団の劇団員が主要キャストを務める情報から、「こういう舞台だろうな」なる空想はできるわけだ。
私はチャイコフスキー・ファンだ。
法律家を志し、やがて音楽家となり、「現代バレエ」を築いたロシア知識人だ。
果たして、「1812」を超え、「ウクライナ情勢」に関与する、そんなアンチテーゼは発揮するのだろうか。

1812
ロデオ★座★ヘヴン
ワーサルシアター(東京都)
2014/05/21 (水) ~ 2014/05/25 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
祖国とはなんぞや?
「1812」。
この数字をクラシック・ファンが聴けば、チャイコフスキーの名を答えることだろう。
「大序曲1812年」
1812年、ナポレオンがフランス軍の大隊列を率い、帝政ロシアへ遠征。
しかし、《冬将軍》に味方されたロシア軍は、ついにナポレオンを追いやった。
舞台『1812』がチャイコフスキーの名曲をモチーフとする作品か どうかは知らない。
ただ、歴史史実に基づく、戦意高揚の、スラブ・ナショナリズムを代表するメロディーであり、その点だと《政治》である。
解説文を読んだところ、「国家の独立と血」から逃げない作品だと思う。
「X―QUEST」や「北区AKTSTAGE」は 特徴的な劇団だ。
もっとも、その劇団員が 世界観、作風、思想、技巧を背負う義務はない。
一方、やはり前者は身体パフォーミング(日大芸術学部母体)が期待されるし、後者は つかこうへいの社会派的表現に立脚する。
つまり、この劇団の劇団員が主要キャストを務める情報から、「こういう舞台だろうな」なる空想はできるわけだ。
私はチャイコフスキー・ファンだ。
法律家を志し、やがて音楽家となり、「現代バレエ」を築いたロシア知識人だ。
果たして、「1812」を超え、「ウクライナ情勢」に関与する、そんなアンチテーゼは発揮するのだろうか。

1812
ロデオ★座★ヘヴン
ワーサルシアター(東京都)
2014/05/21 (水) ~ 2014/05/25 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
祖国とはなんぞや?
「1812」。
この数字をクラシック・ファンが聴けば、チャイコフスキーの名を答えることだろう。
「大序曲1812年」
1812年、ナポレオンがフランス軍の大隊列を率い、帝政ロシアへ遠征。
しかし、《冬将軍》に味方されたロシア軍は、ついにナポレオンを追いやった。
舞台『1812』がチャイコフスキーの名曲をモチーフとする作品か どうかは知らない。
ただ、歴史史実に基づく、戦意高揚の、スラブ・ナショナリズムを代表するメロディーであり、その点だと《政治》である。
解説文を読んだところ、「国家の独立と血」から逃げない作品だと思う。
「X―QUEST」や「北区AKTSTAGE」は 特徴的な劇団だ。
もっとも、その劇団員が 世界観、作風、思想、技巧を背負う義務はない。
一方、やはり前者は身体パフォーミング(日大芸術学部母体)が期待されるし、後者は つかこうへいの社会派的表現に立脚する。
つまり、この劇団の劇団員が主要キャストを務める情報から、「こういう舞台だろうな」なる空想はできるわけだ。
私はチャイコフスキー・ファンだ。
法律家を志し、やがて音楽家となり、「現代バレエ」を築いたロシア知識人だ。
果たして、「1812」を超え、「ウクライナ情勢」に関与する、そんなアンチテーゼは発揮するのだろうか。

1812
ロデオ★座★ヘヴン
ワーサルシアター(東京都)
2014/05/21 (水) ~ 2014/05/25 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
祖国とはなんぞや?
「1812」。
この数字をクラシック・ファンが聴けば、チャイコフスキーの名を答えるだろう。
「大序曲1812年」
1812年、ナポレオンがフランス軍の大隊列を率い、帝政ロシアへ遠征。
しかし、《冬将軍》に味方されたロシア軍は、ついにナポレオンを追いやった。
舞台『1812』がチャイコフスキーの名曲をモチーフとする作品か どうかは知らない。
ただ、歴史史実に基づく、戦意高揚の、スラブ・ナショナリズムを代表するメロディーであり、その点だと《政治》である。
解説文を読んだところ、「国家の独立と血」から逃げない作品だと思う。
「X―QUEST」や「北区AKTSTAGE」は 特徴的な劇団だ。
もっとも、その劇団員が 世界観、作風、思想、技巧を背負う義務はない。
一方、やはり前者は身体パフォーミング(日大芸術学部母体)が期待されるし、後者は つかこうへいの社会派的表現に立脚する。
つまり、この劇団の劇団員が主要キャストを務める情報から、「こういう舞台だろうな」なる空想はできるわけだ。
私はチャイコフスキー・ファンだ。
法律家を志し、やがて音楽家となり、「現代バレエ」を築いたロシア知識人だ。
果たして、「1812」を超え、「ウクライナ情勢」に関与する、そんなアンチテーゼは発揮するのだろうか。

1812
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ワーサルシアター(東京都)
2014/05/21 (水) ~ 2014/05/25 (日)公演終了
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祖国とはなんぞや?
「1812」。
この数字をクラシック・ファンが聴けば、チャイコフスキーの名を答えるだろう。
「大序曲1812年」
1812年、ナポレオンがフランス軍の大隊列を率い、帝政ロシアへ遠征。
しかし、《冬将軍》に味方されたロシア軍は、ついにナポレオンを追いやった。
舞台『1812』がチャイコフスキーの名曲をモチーフとする作品か どうかは知らない。
ただ、歴史史実に基づく、戦意高揚の、スラブ・ナショナリズムを代表するメロディーであり、その点だと《政治》である。
解説文を読んだところ、「国家の独立と血」から逃げない作品だと思う。
「X―QUEST」や「北区AKTSTAGE」は 特徴的な劇団だ。
もっとも、その劇団員が 世界観、作風、思想、技巧を背負う義務はない。
一方、やはり前者は身体パフォーミング(日大芸術学部母体)が期待されるし、後者は つかこうへいの社会派的表現に立脚する。
つまり、この劇団の劇団員が主要キャストを務める情報から、「こういう舞台だろうな」なる空想はできるわけだ。
私はチャイコフスキー・ファンだ。
法律家を志し、やがて音楽家となり、「現代バレエ」を築いたロシア知識人だ。
果たして、「1812」を超え、「ウクライナ情勢」に関与する、そんなアンチテーゼは発揮するのだろうか。

1812
ロデオ★座★ヘヴン
ワーサルシアター(東京都)
2014/05/21 (水) ~ 2014/05/25 (日)公演終了
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祖国とはなんぞや?
「1812」。
この数字をクラシック・ファンが聴けば、チャイコフスキーの名を答えることだろう。
「大序曲1812年」
1812年、ナポレオンがフランス軍の大隊列を率い、帝政ロシアへ遠征。
しかし、《冬将軍》に味方されたロシア軍は、ついにナポレオンを追いやった。
舞台『1812』がチャイコフスキーの名曲をモチーフとする作品か どうかは知らない。
ただ、歴史史実に基づく、戦意高揚の、スラブ・ナショナリズムを代表するメロディーであり、その点だと《政治》である。
解説文を読んだところ、「国家の独立と血」から逃げない作品だと思う。
「X―QUEST」や「北区AKTSTAGE」は 特徴的な劇団だ。
もっとも、その劇団員が 世界観、作風、思想、技巧を背負う義務はない。
一方、やはり前者は身体パフォーミング(日大芸術学部母体)が期待されるし、後者は つかこうへいの社会派的表現に立脚する。
つまり、この劇団の劇団員が主要キャストを務める情報から、「こういう舞台だろうな」なる空想はできるわけだ。
私はチャイコフスキー・ファンだ。
法律家を志し、やがて音楽家となり、「現代バレエ」を築いたロシア知識人だ。
果たして、「1812」を超え、「ウクライナ情勢」に関与する、そんなアンチテーゼは発揮するのだろうか。

1812
ロデオ★座★ヘヴン
ワーサルシアター(東京都)
2014/05/21 (水) ~ 2014/05/25 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
祖国とはなんぞや?
「1812」。
この数字をクラシック・ファンが聴けば、チャイコフスキーの名を答えることだろう。
「大序曲1812年」
1812年、ナポレオンがフランス軍の大隊列を率い、帝政ロシアへ遠征。
しかし、《冬将軍》に味方されたロシア軍は、ついにナポレオンを追いやった。
舞台『1812』がチャイコフスキーの名曲をモチーフとする作品か どうかは知らない。
ただ、歴史史実に基づく、戦意高揚の、スラブ・ナショナリズムを代表するメロディーであり、その点だと《政治》である。
解説文を読んだところ、「国家の独立と血」から逃げない作品だと思う。
「X―QUEST」や「北区AKTSTAGE」は 特徴的な劇団だ。
もっとも、その劇団員が 世界観、作風、思想、技巧を背負う義務はない。
一方、やはり前者は身体パフォーミング(日大芸術学部母体)が期待されるし、後者は つかこうへいの社会派的表現に立脚する。
つまり、この劇団の劇団員が主要キャストを務める情報から、「こういう舞台だろうな」なる空想はできるわけだ。
私はチャイコフスキー・ファンだ。
法律家を志し、やがて音楽家となり、「現代バレエ」を築いたロシア知識人だ。
果たして、「1812」を超え、「ウクライナ情勢」に関与する、そんなアンチテーゼは発揮するのだろうか。

1812
ロデオ★座★ヘヴン
ワーサルシアター(東京都)
2014/05/21 (水) ~ 2014/05/25 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
祖国とはなんぞや?
「1812」。
この数字をクラシック・ファンが聴けば、チャイコフスキーの名を答えるだろう。
「大序曲1812年」
1812年、ナポレオンがフランス軍の大隊列を率い、帝政ロシアへ遠征。
しかし、《冬将軍》に味方されたロシア軍は、ついにナポレオンを追いやった。
舞台『1812』がチャイコフスキーの名曲をモチーフとする作品か どうかは知らない。
ただ、歴史史実に基づく、戦意高揚の、スラブ・ナショナリズムを代表するメロディーであり、その点だと《政治》である。
解説文を読んだところ、「国家の独立と血」から逃げない作品だと思う。
「X―QUEST」や「北区AKTSTAGE」は 特徴的な劇団だ。
もっとも、その劇団員が 世界観、作風、思想、技巧を背負う義務はない。
一方、やはり前者は身体パフォーミング(日大芸術学部母体)が期待されるし、後者は つかこうへいの社会派的表現に立脚する。
つまり、この劇団の劇団員が主要キャストを務める情報から、「こういう舞台だろうな」なる空想はできるわけだ。
私はチャイコフスキー・ファンだ。
法律家を志し、やがて音楽家となり、「現代バレエ」を築いたロシア知識人だ。
果たして、「1812」を超え、「ウクライナ情勢」に関与する、そんなアンチテーゼは発揮するのだろうか。

1812
ロデオ★座★ヘヴン
ワーサルシアター(東京都)
2014/05/21 (水) ~ 2014/05/25 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
「1812」。
この数字をクラシック・ファンが聴けば、チャイコフスキーの名を答えるだろう。
「大序曲1812年」
1812年、ナポレオンがフランス軍の大隊列を率い、帝政ロシアへ遠征。
しかし、《冬将軍》に味方されたロシア軍は、ついにナポレオンを追いやった。
舞台『1812』がチャイコフスキーの名曲をモチーフとする作品か どうかは知らない。
ただ、歴史史実に基づく、戦意高揚の、スラブ・ナショナリズムを代表するメロディーであり、その点だと《政治》である。
解説文を読んだところ、「国家の独立と血」から逃げない作品だと思う。
「X―QUEST」や「北区AKTSTAGE」は 特徴的な劇団だ。
もっとも、その劇団員が 世界観、作風、思想、技巧を背負う義務はない。
一方、やはり前者は身体パフォーミング(日大芸術学部母体)が期待されるし、後者は つかこうへいの社会派的表現に立脚する。
つまり、この劇団の劇団員が主要キャストを務める情報から、「こういう舞台だろうな」なる空想はできるわけだ。
私はチャイコフスキー・ファンだ。
法律家を志し、やがて音楽家となり、「現代バレエ」を築いたロシア知識人だ。
果たして、「1812」を超え、「ウクライナ情勢」に関与する、そんなアンチテーゼは発揮するのだろうか。

語り芝居 百夜語り 第一夜
オトナの事情≒コドモの二乗
スタジオ空洞(東京都)
2014/05/21 (水) ~ 2014/05/23 (金)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
江戸のカタリズム
役者は「台詞を言う」ので あって、「台詞を語る」ではない。
逆に、講談師や落語家、漫才師に「枕」があるが、これは舞台でいうところの「前説」に該当し、本編にはない。
「語り芝居」とは、どうやら役者の技量が100倍 試される芸事である。

蟻の女王
タッタタ探検組合
ザ・ポケット(東京都)
2014/05/14 (水) ~ 2014/05/18 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
日本一ラフな政治劇が観れそう…
この劇団は、映画上映前にスクリーンを流れる予告編のように、巧みなPV(プロモーション・ビデオ)を作成する。
秋コレクションで『蟻の女王』PVを拝見したが、海底に眠る巨大地下帝国を探索したい、そんな少年の心をくすぶる断片図であったと思う。
働きアリ、兵隊アリ、女王アリが 、つまりは身分社会である。そして、働きアリ、兵隊アリをクローズアップすれば、2割以上が仕事を放棄し、王国(巣)に義務を果たさぬ寅さんらしい。
そんなコミカルな「蟻」たちに期待する私も当然いる。
谷口 有×岡田茂のツートップは安心だ。週末マチネは「ちびっこウェルカム ステージ」が開催されるようで、演劇の裾野を広げるコンタクトにもなることだろう。
「さあ、昆虫好きの良い子のみんな、集まれ〜!」である。

ラ・ボエーム(La Bohème日本語公演)
RAINBOW-STUDIO シアター・カンパニー
ムーブ町屋・ムーブホール(東京都)
2014/05/14 (水) ~ 2014/05/15 (木)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
オペラに、ミュージカル形式を逆輸入する?
なぜ日本にオペラは定着しないのだろう。
藤原歌劇団と二期会が 日本におけるオペラの両巨頭であろう。
近頃だと、ヤマハホール『銀座オペラ』のように、字幕ハイライト版を上演することで客層の幅を拡張しようと試みる公演も多い。
だが、新国立劇場に足を運ぶ紳士・貴婦人は なお別次元だろう。
その答えが「あらすじ」に 記されていたように思う。
つまり、「リアルな演技でストーリーを追い、歌詞が聞こえる!
オペラを日本語で「歌劇」と呼ぶならば、その正しい姿が、今ここに!!」
どうだろう、この挑発的な文面は。
しかし、「リアルな演技」という、「オペラ」が邪魔をしないアクティズムは、オペラの盲点を突いている。
元々、イタリアが発祥の地であるオペラは、フランスに輸入される過程を辿った結果、「演劇」「歌唱」「戯曲」「思想」がブレンドされた総合舞台芸術へ進化した。
もちろん、イタリア・オペラからすると「あんなものオペラじゃねえ!」だろうが、藤原歌劇団や二期会がミュージカル・ファンを吸収できていない要因は、ストーリーを一時停止してしまう「断絶する舞台」だろう。
その点、本作『オペラ「ラ・ボエーム」』が 自己陶酔する「あらすじ」を読むと、これはもう「新・オペラ」に期待したい。
会場『ムーブ町屋ムーブホール』へは一度だけ伺ったことがある。
荒川少年少女合唱団の定期公演で、たしか区長も来賓挨拶されていた。
オペラ劇のキャパシティとしては小規模である。
だが、少年少女合唱団定期演奏会のようにコンサート・ホール利用が頻繁であり、音響・残響面の評価は安心だ。
プッチーニは「近代オペラの父」である。
フレッシュな歌手、俳優が どう「リアルな演技」をするのか。
藤原歌劇団も二期会も参考にしては いかがか。

おやすみカフカ
ttu【2017年5月末解散】
STスポット(神奈川県)
2014/05/09 (金) ~ 2014/05/11 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
未来羽(フューチャー・フライ)が、動き出す
昆虫は宇宙から飛来してきた生命体らしい。
ヒトを含む哺乳類とDNA構造上は大差ないが、「“血液”が流れていないではないか」、という。
このSF研究者に編集作業を任せれば、細菌や微生物も「外来」とする 生物図鑑が出版されてしまう。
SFではない「昆虫博士」を代表する人物は漫画家・手塚治虫だ。
なぜなら、ご自身のペンネーム「虫」は昆虫の それ(テントウ虫)であり、1950年代に立ち上げた会社名も「虫プロダクション」であった。
未だ手塚治虫・専属マネージャーを勤める近藤さんは、その教養ぶりを「大陸ごとの歴史を紀元前に遡ってパッといえる」レベルだと、どこかのインタビューに紹介していた。
しかし、ご自身が「虫」であるのにもかかわらず、手塚治虫は昆虫に関し、何も知識がなかったに等しい。地球に生息する昆虫のうち、ヒトが学術名をつけた種すら「数%」だからである。
フランツ・カフカのハエのような「千里眼」飛行に観客を招待する。
アリのようにミクロな舞台世界でありながら、トンボの ごとくダイナミック・ビューを映し出す。
そんなこと、きっと昆虫にはできない。

永遠にムーン
合同会社シザーブリッツ
サンモールスタジオ(東京都)
2014/05/01 (木) ~ 2014/05/11 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
ムーンに代わってお仕置きよ!
フランス人女性がセーラー・ムーン姿で街角を歩く。
そんな光景、一度は観たことが あると思う。
彼女たちは「クールジャパン」という名のアニメーションに夢中となり、それゆえ通販で衣装を取り揃えたのだろうか。
たしかに その一面は ある。だが、パリ・セーヌ川の『陽』(+南仏=太陽)を対比させる『陰』(月)の日本思想に 多少は ほろ酔いしたはずだ。
その代表作こそ言わずとしれた『若草物語』である。
主人公が「現代女性」だとすれば、私はそこに儚さを要求したい。
楽しみだ。

オムニー6
劇団K助
野方区民ホール(東京都)
2014/04/30 (水) ~ 2014/05/04 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
オムニバスは環礁だ
オムニバスは、地政学から説明するとマーシャル諸島だろう。
飛び石のようにクルーザーで移動できるが、白人が居住する要塞島があれば、半裸に違い原住民が暮らす小島も ある。
もちろん、島によりその文化はグラデーションする。その「差」も内包した地政学的な環礁、国民のアンデンティーティが、すなわち「真珠の首飾り」と称されるマーシャル諸島なのである。
『オムニー6』は、普通のオムニバスのみならず、なんと作・演も短編ごと別個に上演する機会が与えられたらしい。
マーシャル諸島でいえば白人の島あり、原住民の島あり といった様相か。
だが、オムニバスの良いところは「完結」する点に ある。「真珠の首飾り」のように一つひとつの真珠を繋ぎ合わせ、高級なオムニバスを披露してほしい。