monzansiが投票した舞台芸術アワード!

2013年度 1-10位と総評
『うれしい悲鳴』/『太陽とサヨナラ』(終演しました! ご来場ありがとうございました!)

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『うれしい悲鳴』/『太陽とサヨナラ』(終演しました! ご来場ありがとうございました!)

アマヤドリ



階級を越えた、普遍的な「愛の形」を、爽快なダンスとともに届ける再演舞台。「政治劇」における組織支配の有りようもリアリズムを忘れず描く。多くの観客が涙を流したのは、孤独なヒロインの「強がり」だろう。『アマヤドリ』に入団したかった彼女の、あの 姿は…演劇史に残る。

刹那

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刹那

劇26.25団

10周年らしい。『観てきた!』にも ほぼ登録がなかったが、より認知されるべき劇団だろう。それは、人間の影を 静かに示す「囁き」である。この迫真に、次なる『劇団チョコレートケーキ』を確信した。

ショッキングなほど煮えたぎれ美しく×アイロニーの夜

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ショッキングなほど煮えたぎれ美しく×アイロニーの夜

KAKUTA

懐かしい。青春の一夏を、われわれも追体験できる。これはイリュージョンかもしれない。郊外の寂れた街…どうしようもない大人。そこに、この国の安心感を捉えるのは私だけだろうか。

蝶を夢む

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蝶を夢む

風雷紡

娘役のキャストがすべて だ。彼女の足音は、まるで「ちょうちょ」。母という名の少年が揺らす網に捕まりたい昆虫である。終戦後焼け野原で起こる、もう一つの日常風景だった。

極東の地、西の果て

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極東の地、西の果て

TRASHMASTERS

再演。作・演出の中屋敷氏自らが「これが最高傑作」と紹介するだけあり、「経済中心システムの明日」を暗示した大パノラマ。3時間だが、固唾を飲む。

『タガタリススムの、的、な。』

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『タガタリススムの、的、な。』

舞台芸術集団 地下空港

革新性と映画的ストーリーが見事に融合している。スタイリッシュな動きが、それを可能とする。
暗号文のような、童話ともとれる歌詞は、観劇中にさまよう余韻だ。

伯爵のおるすばん

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伯爵のおるすばん

Mrs.fictions

暗転を効果的に利用し、たいして面白くない台詞さえも、爆笑を誘う。時代ごとにドラマがある。主人公と観客が「火の鳥」旅行ツアーの参加者か。

銀色の蛸は五番目の手で握手する

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銀色の蛸は五番目の手で握手する

ポップンマッシュルームチキン野郎

コメディの切り口がPMCでしか再現しえない独自性だ。サッカー・長友選手や実在する女優の名を作品に取り入れる力…。そして、「笑えるって ことは、人間なんよ」という台詞をキーワードとして温存した力…。
作・演出の吹原氏は 人間じゃない。

ハルメリ2013

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ハルメリ2013

世の中と演劇するオフィスプロジェクトM

再演であるが、今回はTwitterを取り上げ、より日本人のリアリスティックな生態を躍動感とともに示してくれた。つまり、それは、生身の身体へ再考を促すメッセージである。現代社会を ここまで皮肉られたら、私たちは赤面するほかない。

飲み会死ね(ご来場下さいまして、誠にありがとうございました!!!!!!!!!)

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飲み会死ね(ご来場下さいまして、誠にありがとうございました!!!!!!!!!)

宗教劇団ピャー! !

断言できるのは、完成度としては大きく平均を下回った。その下ネタは、上演禁止レベルである。ただし、「劇場に入る前と、劇場を出た後の〈私〉は同じか?」という疑問を抱かせる、人生観を変える演劇だった。そこを評価したい。

総評

今年2013年は、懐かしさ漂う舞台に巡り合えた。ここには記していないが、『アシメとロージー』の「歴史の天使と住宅事情」もそうだ。
あるいは、高校演劇を見渡しても、80年代の少女がタイムスリップしてSNSの人間関係に戸惑う作品が発表されている。


『ハルメリ2013』は、Twitterという、何万の手の内にあるスマートフォンから発信されるイノベーションを扱いながら、〈違和感〉を同時に示す。
こうした試みは、『タガタリススムの、的、な。』でも、「熱しやすく覚めやすい」日本人をディフォルト化する形に伴い、やはり示している。


つまり、「懐かしさ」を時代ではなく、個々人に置き、ここ2、3年のソーシャルメディアの浸透を皮膚感覚から浮き彫りにするアプローチだ。

一方、東日本大震災・福島第一原子力発電所事故に関係した舞台は、数える程度しかなかった。この災害は「日本は どうなるか?」というテーマと結びついており、社会派舞台からすれば、「絆」だとか、抽象的な題材は もはや扱いにくい。
そこで出した答えが、中屋敷氏は 領土問題だったし、他の劇団、作家、演出家も「時代の空気」を批判する舞台を量産した。


ランキングに言及すると、今回は小劇場公演にプレミアを付けた。
私は2013年、帝国劇場で『レ・ミゼラブル』を観劇したが、当然ながらトップテンに入るべきミュージカルである。しかし、果たして東宝は、1位になったところで「バナー権」を使用するだろうか。
『ハルメリ2013』等の話題作も入れたが、「バナー権」を行使するか、または劇団ページを持っいるか、を最低基準にした。


「この世に つまらない舞台はない!」がモットーである。
だから、ランキング順位付けするのは抵抗感が 大きかった。

しかし、評価を得れば宣伝効果にもなり、かつての『劇団チョコレートケーキ』のような陽の目を期待できる。特にギャラリー公演母体である『劇団26.25団』を指す。


さあ、次は 明日である。

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