『垂る』-shizuru-
ポかリン記憶舎
アトリエヘリコプター(東京都)
2009/12/09 (水) ~ 2009/12/13 (日)公演終了
満足度★★★★
何重にも
何重にも折り畳まれた時空。リピートして観てやっとわかってきたけれど、わかってゆく過程もまたポかリンの水気したたる罠だったような。今回ほんと上等な羊羹のようにねっとりと濃かったです。木藤さんの照明が生きて呼吸して時に泣いていました。役者舞台音響照明空間、ひとかたまりの大きな波になって押し寄せて来ました。
音楽とリーディングの夕べ「二十三夜」
ポかリン記憶舎
イギリス館(横浜市指定文化財)(神奈川県)
2009/05/07 (木) ~ 2009/05/08 (金)公演終了
満足度★★★★
産道を遡るような
雨降りの夜、水の気配と柔らかな芯のある声。
弦と鍵盤の響きと闇。
理由の説明が出来ないままに、
涙が幾度か流れました。
優しく喉をしめられて、生まれる前の世界へ連れて行かれたような。
身を委ねてしまえば楽になれるような、
綺麗過ぎて心地良過ぎて抗ってしまうような、
安堵と不安を同時に感じました。
いつも、
次はどんな世界を見せてくれるのだろうという心が残ります。
2日連続の観賞後、
楽曲のクライマックスのところが幾度も、
頭の中で繰り返し響いていました。
夜奏
ポかリン記憶舎
高知県立美術館(高知県)
2007/11/02 (金) ~ 2007/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
高知で観ました
公開稽古も見ましたが、思い切って高知へも。
後半にさしかかったところで、
頭の中の説明の出来ない場所からの涙が溢れ出ました。
言葉が無い分、こちらの想像と蔦のようにからまりあって、
静かに、怖いくらいに深い感情のところをぐっと揺さぶられました。
息・秘そめて
ポかリン記憶舎
こまばアゴラ劇場(東京都)
2007/06/19 (火) ~ 2007/06/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
写真の芯にあるものとは
写真を撮る人は普段、セルフポートレートでもない限り、
その時の自らの姿を見ることが出来ません。
劇という鏡を通して何重奏ものそれを俯瞰することで、
今まで何をしていたのか、
何をしようとしていたのかを
慈さんの目から、もう一度確かめさせられた気がしました。
写真をよく撮る人、撮られることが多い人、
作品や写真集を観る機会が多い人にも。
普段身体の声を聞いている人たちだからこその力技で、すっと。
一瞬、秘密の芯とすれ違えるかもしれません。
あの恐ろしくも懐かしい場所で。