銀河時代の観てきた!クチコミ一覧

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無意味な花園

無意味な花園

空想組曲

サンモールスタジオ(東京都)

2014/09/02 (火) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

歪んだ愛の会話劇
空想組曲の番外公演。
まさに会話劇。言葉の一つ一つ、所作の一つ一つに登場人物の思惑が垣間見えて1時間半とは思えない濃密さ。
繰り広げられてる言葉自体はとってもラフで笑える所も多いのに、純文学や上質な海外戯曲のような手触りがある。 

ネタバレBOX

ほさかさんの台詞の巧さ、ストーリー展開の意外さはもはや名人芸。
それに加えて今回は役者達の魅力をこれでもかと堪能させられた。

松本紀保さんの控えめな上品さからの後半の変貌ぶり、瀧川氏の絶妙な気色悪さ(笑)。趣里さんのころころ表情が変わる可愛らしさ。役者一人一人を見ているだけで全然飽きない。
けれど今回個人的に一番魅力的だったのは今年19歳と言う西井幸人。シーンごとに「この子は一体何なんだろう」と良い意味で混乱させられるのに、ラストシーンでは純粋な少年そのものにしか見えなかった。
今、この年齢でしかできないような演技を見させてもらった気がする。

また、かなーりきわどいシーンもこなしており、周りの女性客(彼のファンだろうか?)の息をのむ音が度々聞こえた。
河童

河童

DULL-COLORED POP

吉祥寺シアター(東京都)

2014/07/18 (金) ~ 2014/07/27 (日)公演終了

満足度★★

面白いと感じるところもあるけれど…
随所に寓意がある(と思われる)脚本は興味深かったのだけど、舞台上の表現として具現化できていたかというと…
踊りや歌も一つ一つは素敵なんだけど統制しきれていない感じがして、全体的に長く感じました。
切り口や細かいところのセンスは魅かれる部分もあったので、完成度をあげての再演希望。

ボビー・フィッシャーはパサデナに住んでいる

ボビー・フィッシャーはパサデナに住んでいる

風姿花伝プロデュース

シアター風姿花伝(東京都)

2014/07/15 (火) ~ 2014/07/30 (水)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしき会話劇
肌がひりつくような密度の高い会話劇でした。
派手さはないけど終始目が離せず、息苦しいくらいなのに、まだ終わって欲しくないと思って観劇していました。
昨年の空想組曲さん通いですっかり来慣れたシアター風姿花伝。
このくらいレベルの高い芝居が何本も見れるなら今の倍以上歩かされてもきっと観に来ます。

曲がるカーブ

曲がるカーブ

クロムモリブデン

赤坂RED/THEATER(東京都)

2014/01/09 (木) ~ 2014/01/23 (木)公演終了

満足度★★★★

どこを切っても面白い
クロムらしい、狂ってるとしか思えない展開のぶっ飛び具合が実に爽快。

ネタバレBOX

甲子園の模型が出てきてからは思わず口をあけっぱなしで見てしまいました。
ただ、やぼを承知で言うと、どのシーンも面白いのですがストーリー的な一貫性は感じられず、後半になるにつれて盛り上がっていく、というような感じがなかったのは残念でした。
女王の盲景

女王の盲景

空想組曲

シアター風姿花伝(東京都)

2014/01/08 (水) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

今年初リピート
ほさかさんのアフタートーク(滅多にしないらしい)を我慢出来ず、今年初リピート。
二回目の方が伏線や言葉の意味を深く探ることができて興味深かった。
番外とは言え、そこは空想組曲。複数回見る楽しさがある。

重苦しさのあるストーリーの中で、キャラメルボックスの鍛治本さんが実に良い清涼剤。

ネタバレBOX

ラスト近くの小玉さん演じる草薙の叫びが切なくて泣いてしまった。

アフタートークは神谷ハイジ役の和田さんと。
しっかり受け答えする和田さん、絶妙な返しをするほさかさん。真摯に答え合って、なおかつサービス精神満載な美青年二人。終始劇場が笑いに満ちて、これだけでも見る価値有り。
ほさかさんがこの作品をあえて「番外」と銘打った意図を聞いて実にしっくりきた。
女王の盲景

女王の盲景

空想組曲

シアター風姿花伝(東京都)

2014/01/08 (水) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

空想の新境地
確かにコレは番外!
妄想と現実が入り混じる世界を描く空想組曲の新たなる到達点。

大枠はあくまで現実路線のはずなのに、観客に現実と妄想の曖昧さを疑わせるストーリーテリングと演出はさすがの一言。
設定は複雑ながら、これ以上なら説明過多、これ以下なら置いてけぼりをくらうという絶妙なラインで描き、まるで純文学のような肌触り。

ネタバレBOX

キャストは全員適材適所。特に小玉久仁子さんの演じ分けは圧巻。

ラストの暗闇の中に、台詞でも語られた「孤独と豊かさと祈りに満ちた風景」が劇場空間を越えて広がった気がしました。
アフタートークがある回にすれば良かったとそれだけ後悔。
「空のハモニカ-わたしがみすゞだった頃のこと-」

「空のハモニカ-わたしがみすゞだった頃のこと-」

てがみ座

座・高円寺1(東京都)

2013/08/01 (木) ~ 2013/08/04 (日)公演終了

満足度★★★★

美しい言葉
どの台詞も美しく、胸にしみいるようだった。
特に素敵だったのは序盤の女二人の出会いのシーン。ケンカ腰で来たのに次のシーンでは一気に距離が縮まり親友になる。そこに全く無理がなく、クボカンさん演じる持井の立ち位置も絶妙でした。
演出も全体的に目新しさはないが過不足なく研ぎ澄まされていたように思いました。

変則短篇集 組曲『空想』

変則短篇集 組曲『空想』

空想組曲

シアター風姿花伝(東京都)

2013/07/06 (土) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

三回目
友人を誘って3回目。
終演後に「誘ってくれて本当にありがとう」と涙目で言われた。
誰が観ても絶対に楽しめる公演と言うのは数少ない。その数少ない公演を常に産み出す団体、というか作演ほさかさんに心から感謝。
いくつかの短篇は演出が変わって更にレベルアップしていた。

ネタバレBOX

今日のゲスト短篇「妄執グレーテル」は「やられたー」という感想。
植田圭輔くんの「あの姿」の可愛さに客席が一瞬騒然としていた。
そのどんでん返しの鮮やかさに笑っていたら、ラストにゾワッ。
石澤美和さんというすごい女優さんを発見。

「時をかける晩餐」での堀越涼さんは本当にいい。現在と未来の同時進行の会話の切なさが回を追うごとに増して来る。

三回観てようやく気づいた細かい伏線や演出もたくさん。
「静かな晩餐」のクレームブリュレとか、「しりうすぴかぺら」でのギャルソンさんの机をたたく仕草とか、「静かすぎる晩餐」でのこいけさんと川田さんの一瞬の表情のシンクロとか。
戯曲、演出の緻密さに感嘆。



変則短篇集 組曲『空想』

変則短篇集 組曲『空想』

空想組曲

シアター風姿花伝(東京都)

2013/07/06 (土) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

二回目
初日に観たのが楽しすぎたので思い切って予約チケットを増やして観てきました。ゲスト短篇全部観たいけど無理なので厳選。
加藤良輔さん素敵でした!
ゲスト短篇を抜きにしても、この作家の作品は複数回観る楽しさに溢れている。二回観ないと分からない、じゃなくて二回観ると全く別の作品のよう。

ネタバレBOX

加藤さんのゲスト短篇「作家達の語らい」は前回公演「虚言の城の王子」の主人公『皆瀬』と、「ドロシーの帰還」に登場した小説家『るりこ』によるリレー形式の物語作り。途中まで爆笑させてもらったのに、予想外な角度から一気に感動のラストへと流れ込むと言う見事な展開。ゲスト短篇全部がこのクオリティならほんととんでもない。

「賑やかな晩餐」「サンクチュアリ」他数本は僅かに演出も変わり更に観易くなっていた。間をあけての三回目の観劇が今から楽しみ。
変則短篇集 組曲『空想』

変則短篇集 組曲『空想』

空想組曲

シアター風姿花伝(東京都)

2013/07/06 (土) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

一回では足りない
初演時はオフオフシアターというとても小さな小屋ならではの勢いある見せ方だったが、今回は少し広めの空間を活かした美しい動き(関係性の配置とか時間軸の表現とか)の演出が冴える。今回の役者に合わせて初演から変更された部分がどれも素晴らしく、「大好きな再演を観た」「素敵な新作を観た」といういいとこどりの感想を持てた。多分、この作品は何度観ても飽きない。ていうか一回じゃ足りない。リピーター決定。

ネタバレBOX

ゲストの中田さんと牛水さんの短篇は「なぜ娘が大好きな父親を殺さなければならないのか」というホワイダニットの謎が明かされるラストが秀逸なサスペンス。二人の演技合戦が見応えありました。
他短篇の中では「天使が通る」「アクション、べリテ」が特に好き。
晩餐シリーズは各役者の魅力が発揮されていて大変満足だったし、ファミレスシリーズは鉄板の面白さ。お見事。
プルーフ/証明(谷 演出ver.)

プルーフ/証明(谷 演出ver.)

DULL-COLORED POP

シアター風姿花伝(東京都)

2013/05/24 (金) ~ 2013/05/27 (月)公演終了

満足度★★★

良質な戯曲
噂に聞いたプルーフ初見。展開も会話もすごく面白い。

ネタバレBOX

選曲や場面転換がなんだかちぐはぐな印象で、一幕はぼんやり観てしまった。二幕は最初の親子の会話が素晴らしく、一気に入り込めた。
ただ、キャサリン役の女優さんが、常に感情的なのが若干気になった。
演出の(もしくは戯曲の)指定なのか、天才故のある種の面倒な面、というのは勿論あるのだろうけど、「数学者(天才的に数学の才能がある人物)」という設定が腑に落ち辛かった。
ラジオスターの悲劇

ラジオスターの悲劇

少年社中

吉祥寺シアター(東京都)

2013/05/08 (水) ~ 2013/05/15 (水)公演終了

満足度★★

残念な仕上がり
日替わりゲストがメインキャストをつとめるという、その試み自体は面白いのだが、全体としては散漫な印象。
緩急がついていないのでストーリーが追いづらく、手のこんだ入れ子構造も効果的とは思えず、終始俯瞰して眺めてしまった。
15周年のお祭り騒ぎと思えばいいのかもしれないが、演劇作品としては残念な仕上がり。
決して嫌いな劇団ではないのだけど。

サイレント・フェスタ

サイレント・フェスタ

東京ハートブレイカーズ

吉祥寺スターパインズカフェ(東京都)

2013/04/25 (木) ~ 2013/04/29 (月)公演終了

満足度★★★★★

音楽と芝居の見事な融合
音楽と芝居、その融合の決定版とも言うべき素晴らしい公演でした。
ほさか作品の中でも異色と言っていいくらい男臭い内容なのに、見終わってみるとやっぱりほさか節。残酷な現実と、それに向き合おうとする人間模様がしっかり描かれていました。
それでいて若手からベテラン陣まで役者に一切の穴がなく、全員愛せるキャラクターというのがすごい。
本もさることながらこのクセのある座組をまとめあげた演出にとにかく脱帽。

ネタバレBOX

曽世さん演じる御手洗が最高に面白い。
あれだけ笑わせてくれて、最終的に奏を助けるためのヒントを兄弟に与えるという構成に完全にやられた。
そして粟根まことさんがまさかのベース!
虚言の城の王子

虚言の城の王子

空想組曲

吉祥寺シアター(東京都)

2013/03/03 (日) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

二度目
初日の感動が忘れられず再度吉祥寺へ。
初日が後ろの席で今回は二列目。後列は全体の構成を見れ、世界の広がりを感じたのに対し、前の方は役者の熱量と表情の豊かさに圧倒される。そうでなくてもこの作者の芝居は複数回見る楽しさに溢れている。話が分かった上で見ると最初の方のシーンから泣きそうになるし、より明確に演出意図が汲み取れる。以下ネタバレにて。

ネタバレBOX

ありふれた?恋人同士を描いたエピソードもあれば、泥棒に捨て子といういかにも物語らしいエピソードもあり、絶望と言うのは特殊な設定や状況に関わらず誰にでも起こるものなんだなぁと考えさせられる。

「本当の幸せとは何か」という、ありふれているけど究極的な題材を、ここまで清濁共に追求し、ラストに温かい涙を流させる作者の筆力、演出やスタッフの手腕、役者の熱演に拍手を送りたい。

空中に浮かぶ本達は最後までそのまま。ラストシーンの奇跡すら皆瀬の書いたおはなしかもしれない。それでも、おはなしで何がいけないの? そもそも、この物語自体ほさかようという作家の書いたもので、それを見て私は自分の人生を幸せにするために頑張ろうと思うことが出来た。

今、この作品に出会うことができて本当に良かった。心からそう思う。
虚言の城の王子

虚言の城の王子

空想組曲

吉祥寺シアター(東京都)

2013/03/03 (日) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

最高傑作
ライトなものからヘビーなものまで何本も観てきたほさかよう作品だけど、個人的に今回の芝居が一番ぐっときた。舞台は何百本も観てきたが、「演劇ってすごい」と改めて思った。

ネタバレBOX

眠り続ける姫を起こすため、真実のハッピーエンドを模索する王子。
販売パンフのほさかさんの挨拶「物語は誰かを救う」がそのまま具現化されたような舞台。バラエティ豊かな役者達が全員同じ方向を向いて、本気で世界を救おうとしているように見えた。
途中いきなりはじまるミュージカルに爆笑。主役の一人語りに涙。
肉のラブレター

肉のラブレター

MCR

駅前劇場(東京都)

2012/12/19 (水) ~ 2012/12/23 (日)公演終了

満足度★★★

見易い佳作
お話は深いように見せてるけどなんだかなーって感じでしたが、金沢、北島ペアが素晴らしかった。

祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~【KERAバージョン】

祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~【KERAバージョン】

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2012/12/09 (日) ~ 2012/12/30 (日)公演終了

満足度★★★★

長くてもいい。面白いから。
4時間10分と言う上演時間に、正気の沙汰か!と思ったけど、そんな観劇疲れを吹き飛ばす納得の面白さでした。蜷川さんバージョンも楽しみです。

Knight of the Peach

Knight of the Peach

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

サンモールスタジオ(東京都)

2012/12/05 (水) ~ 2012/12/09 (日)公演終了

満足度★★

面白くなりそうなのに
邪道verを観劇。
長い。長くてもいいのだけど必要のない設定やシーンが多過ぎる気がした。そして、ちゃんと訓練がされていない役者の早口台詞は、聞いていて不快。
面白くなりそうな要素はちらほらあるのに、ちょっと残念。

眠れない羊

眠れない羊

ライズ・プロデュース

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2012/12/05 (水) ~ 2012/12/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

二匹目の羊
余りにも面白かったのでリピート観劇。
内容を知った上で観ると、いかに緻密に作られた作品であるかが分かる。
オープニングシーンの語りから既に伏線が張られていたのね。
他にも一回目だと気づかなかったところがたくさん。
てか、多分まだ全部分かってない気がする。そのくらいどのシーンも伏線だらけ。
戯曲だけでなく、演出も役者さんの演技も本当に繊細。
台詞一つで客席を凍り付かせ、仕草一つで笑える空気に戻す、これぞプロの手腕。
できればもう一回観たい……

ネタバレBOX

ナイロンの廣川さん演じる老執事・大蔵の行動が、最初から全て最後の芝居につながっていることが分かった瞬間のぞくぞく感が半端なかった。
眠れない羊

眠れない羊

ライズ・プロデュース

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2012/12/05 (水) ~ 2012/12/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

絶妙なサジ加減
森の奥の屋敷で繰り広げられる執事達の晩餐。

うーーん、面白かった!
がっつりサスペンスかと思いきや……ワンシチュエーションで、そんなに派手なことが起きるわけじゃないのに、シーンごとに全く違った感情が揺さぶられる見事な作品。
美しく面白く素敵な役者さん達の演技合戦を楽しめました。

ネタバレBOX

果たして主人を殺したのは誰なのか? そもそも本当に殺されたのか?
というミステリーを主軸に物語が展開する。
最初はコメディからサスペンス、というよくある展開かと思いきや、そこから数えきれないくらい何度もひっくり返っていき、いつの間にか人間ドラマになっていてラストには不思議な感動が訪れる。ほんと絶妙。

演技のスタイルがみんな個性的なのに、絶妙なバランスで成立、共存させている演出のバランスもお見事。

個人的には川村さんと鍛冶本さんの役が特にお気に入りでした。

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