tamagawaya_ucの観てきた!クチコミ一覧

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死ぬための友達

死ぬための友達

劇団ジャブジャブサーキット

ウイングフィールド(大阪府)

2012/06/22 (金) ~ 2012/06/25 (月)公演終了

満足度★★★★

ジャブジャブサーキット「死ぬための友達」観ました。
簡素だが、灯が入ると途端に奥行きや時間を感じさせるセット。激しい感情をむき出しにしない大人の世界。「あの時」からのそれぞれの譲れない思惑を胸に秘めた、緊張感を持ったゆるい会話の中で次第に見えてくる、それぞれの人生や世界観。そして、ジャブジャブらしからぬ怒濤の終盤に刮目(笑)。前回公演に引き続き、現実に起きた世界の変容を引き起こしたものへの怒りを、しずかに静かに横たえる舞台でした。

鮨

afterimage

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2012/05/18 (金) ~ 2012/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

afterimage「鮨」観ました。
さすが、9年の歴史を濃縮しただけあって、濃い濃い。身体ベクトルの駆使(直線曲線、一部全身)、徹底したボディコンタクト(手~全身)、表現の方向性(芸術性~一発ネタw)など、バラエティの豊かさは続けてきた重み。ダンサー同士の信頼に基づく、関係性に特化したスタイルは、演劇クラスタにも刺激的では。…とか考えなくても、観てるだけで楽しいサービス精神!汗や情熱や別のものもふりそそぐステージ!千秋楽後は、舞台で誰でも踊れるイベントも!

ミュージカル 湖の白鳥

ミュージカル 湖の白鳥

劇団あおきりみかん

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2012/05/31 (木) ~ 2012/06/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

あおきりみかん「湖の白鳥」観ました。
まず入場した時点であっけに取られる(笑)。そして、あおきりらしく、単なるミュージカルにはしない意固地ぶり(笑)。ファンタジーとリアルがザッピングする構成自体が、悲喜こもごもな物語のテーマを浮き立たせる。「主人公は歌わなければならない」というダブルミーニングの深さ。歌がうまくなかったとしても、心を打つ事がある…自分を守ることの無意味さと、旅立ちへの勇気。30過ぎの方が味わい深く噛みしめられる舞台かも。もちろん、若い方もすなおに楽しめます!

家の内臓

家の内臓

アル☆カンパニー

豊橋駅前文化ホール(愛知県)

2012/05/04 (金) ~ 2012/05/05 (土)公演終了

満足度★★★★

アル☆カンパニー「家の内臓」観ました。
欠けた公と私がぐだぐだに入り混じった小さな空間で繰り広げられる、どうでもいい世界。中心軸である男の切なる距離感がウザいまま、ダラダラと一行の時は流れる…結局、この状態で彼らは安定しているのか…。台詞の間の「…」の数まで演出の指示通りという徹底ぶり。少しづつ謎は解けるが、だからといって何も解決しない、とても眠くなるいい芝居(誉めてます)。

沈澱タイ

沈澱タイ

room16

G/Pit(愛知県)

2012/04/28 (土) ~ 2012/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★

room16「沈殿タイG」観ました。
「B]と共通点の多い主人公(表現者の苦しみ)。こちらは物語の焦点が違う。誰かのためにと言いつつ自分を守る行動、自分と異なるものを受け止められない故に積み重ねられる、避けようのない悲劇。嫌な傷をほじくる丁寧な組み立てが、一見嫌悪感なく、そのくせ観客の心からトラウマを掘り出す、実は怖い芝居。ラストの途方に暮れる感も、これはこれでいい。あと、坂東先生が見かけによらずいい事いう(笑)。そして来週は、「時計仕掛けの始まりと80グラムシティー」!

オーシャンズ・カジノ

オーシャンズ・カジノ

北京蝶々

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2012/05/18 (金) ~ 2012/05/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

北京蝶々「オーシャンズカジノ」観ました。
とにかく上質の娯楽作品!磨き抜かれた舞台の見せ方+現実を足場にしながら飛躍した設定+人の心の動きに深乗っ取った展開。キャラが皆、固有の歴史、心理、動機を持って生きている。一言の台詞が想像を刺激する 「国籍、売っちゃいました(クスクス)」 次の展開を読ませず、安易な決着を自ら許さない戯曲。JoJoを思わせるどんでん返しに、最後までドキドキハラハラしました!あと、主演女優の生命力あふれる存在感も〇!今まで観た舞台で、最大級のパワー!(柿の玉置さんばり)色っぽくないけど(笑)健気でかわいくてかっこいい!

FIRELIGHT

FIRELIGHT

たすいち

吉祥寺シアター(東京都)

2012/04/27 (金) ~ 2012/04/30 (月)公演終了

満足度★★★

たすいち「FIRE LIGHT」観ました。
 愛知から、ミラクル支配人・星さんのツイートを見て気になり観劇(北京蝶々「オーシャンズカジノ」と併せて)。最後列。
 現実と虚構、現在と過去の混濁する舞台にするには、空間が広過ぎて薄かった印象。映像や美術の力をもう少し工夫してもよかったのでは(過去の記憶は、リアルタイムの演技より、映像の方が向いてるかも)。
 人の放つ理性や狂気の説得力、場の臨場感も弱く感じた…(戯曲も演出も役者も。技術的にはうまいのだろうけど)。 
 見た場所が悪かったのかも知れないし、まだ若い劇団らしいので、これからか。実は、劇場がほぼ満席というのにいちばん感動。

沈澱タイ

沈澱タイ

room16

G/Pit(愛知県)

2012/04/28 (土) ~ 2012/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★

room16「沈殿タイB」観ました。
人間、表現の存在理由に切り込む根源的な内容。世間の標準から外れ、他者とうまく繋がれない人間の、孤独とさまざまな出会いとそして…三好十郎「炎の人ゴッホ」を連想。役者と美術の、シンプルな組み合わせの使い方が相まって、激しさと静けさを共に感じさせる舞台に。この上、別プログラム「G」「時計仕掛けの始まりと80グラムシティー」まである長期公演とは…次は「G」を観る予定です。

豆

オイスターズ

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2012/04/27 (金) ~ 2012/04/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

オイスターズ「豆」観ました。
「書かれた会話」が無選別に積み重なる、錯綜した意思の疎通の地層を、再び会話に。時間のズレた同じ空間に立脚する、たくさんのベクトルを持った会話が、行間に時間そのものを含めいろんなものを孕んで同時に飛び交う。いないのにいる、いるのにいない。演技スタイルにもがっちりはまったテーマが秀悦、独特で不思議。舞台から離れた演技空間も、より現実感を希薄に見せる。そんなに数は観てないけど、今まで観たオイスターズの舞台でイチオシ!  ←…なんか、いままでになく難しい事書いてる。。。

土管2011

土管2011

劇団B級遊撃隊

姫池052スタジオ(愛知県)

2012/04/12 (木) ~ 2012/04/22 (日)公演終了

満足度★★★★

B級遊撃隊「土管2011」観ました。
東京公演の時期に、初演の戯曲は読みましたが、今回はより分かりやすい物語に。様々なやりとりが綿密に計算された舞台。基準の違う二つの世界の、それぞれの世界内の住人のハーモニーや、違う世界の住人のズレた交わり。そして、意図せざる赦しが、末来に希望を感じさせる清々しい物語。不思議と「震災後」を意識させられる…北村想さんの「寿歌」のイメージも重なって見えました。

自慢の息子

自慢の息子

サンプル

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2012/04/04 (水) ~ 2012/04/05 (木)公演終了

満足度★★★★★

サンプル「自慢の息子」観ました。
役者、美術、照明、道具などの全てが、視覚はもちろん、触覚にも強く訴える舞台。個々の人々の思い込みが作る物語が、グロテスクなごっこ遊びを暴力的に支え、そこに垣間見える本性が生理的にすごく嫌でいい感じ。各所での変態(メタモルフォーゼ+アブノーマル、役割や遠近感等)の目まぐるしさは、受け手にけっこうな「観る意思」が必要かも。事前に予想してたよりも、間口の広い作品。観た人によって、語りたい事がまるで違いそう。この作品が名古屋を皮切りにしたのが、妙に嬉しいです。

破壊ランナー2012

破壊ランナー2012

キティフィルム

あうるすぽっと(東京都)

2012/03/29 (木) ~ 2012/04/03 (火)公演終了

満足度★★★★★

キティフィルム「破壊ランナー」観ました。
 開始3分で度肝を抜かれる、徹底的に鍛え抜かれた身体表現(パワーマイム)の、全体に尽くすチームプレイが、自在に時空を操作する。役の切り替えや本筋から逸れたサービスも、タイミングばっちりで効果的。そして、王道ではあるけれど、圧倒的な人間讃歌がまばゆいストーリー…みんな自分の人生を背負って走っていった…。
 あと、保村さん(アロイ・オーナー役)の声が、客席まで絡み付いてくるようで凄すぎた…。

ジョギリ婦人

ジョギリ婦人

芝居流通センターデス電所

「劇」小劇場(東京都)

2012/03/21 (水) ~ 2012/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★

デス電所「ジョギリ婦人」観ました。
 最高にいい意味で「ひどい芝居」。どうにもぬぐえない人間不信を、惜しみないエンタメ・サービス精神で観客に届ける(決して歌はうまくはないけれど 汗)。血のりや本物(?)の凶器も相まって、心のざわつきを押さえないと観てられない。舞台上に重ねて見える、自分のうちの汚いものと向き合うことによる浄化作用もあるのかも(←うがってる)。震災直後のデマのように、暗黒じみた噂話は人々の心の奥底の望みから生まれるのか…。
 歌の場面で人物が物語の流れからいったん身体を外すのは、観客が感情的にのめりこみ過ぎるのを防ぐ、いい効果を(自分の内では)感じました。

どこか行く舟

どこか行く舟

公益財団法人愛知県文化振興事業団

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2012/03/22 (木) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★

愛知県文化振興事業団プロデュース「どこか行く舟」観ました。
世の中を漂う無数の人々から、虫メガネかなにかで二人だけをクローズアップして覗いたかのよう。特に女の行動の、不可解に見える必然さが強烈。必要不必要、距離感や愛憎の複雑さ、第三の登場人物とも言える「街の人々」やゆらぐ音楽も渾然一体となっての、悪意と笑いとペーソス溢れる舞台。…京都の芝居をもっと観たくなる舞台でした(フェス行きたいなあ…)。

歌わせたい男たち

歌わせたい男たち

劇団うりんこ

うりんこ劇場(愛知県)

2012/03/21 (水) ~ 2012/03/22 (木)公演終了

満足度★★★★

うりんこ「歌わせたい男たち」観ました。
いま現実に起きている事件との、異様なリンクが観客の心をすでに耕している。登場人物の突拍子もなく見える行動にも、それぞれの抱える人生の傷がしっかりと動機に。特に校長の傷は、ズタズタかつ深い。血反吐を吐くような最後の演説(結びだけは立場上式的)に、うりんこ代表・原田邦英さんの人間力を感じました。今月中、愛知県内を巡回します!

昔の女

昔の女

七ツ寺共同スタジオ

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2012/03/16 (金) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★

七ツ寺プロデュース「昔の女」観ました。
 戯曲も演出も、時間や空間、人物等の境界がじわじわと崩されていくような感覚。時折起きるシーンの繰り返しが、取り返しのつかない方向へ場の空気を練り上げ、人物がゆっくりと、身も心も絡め取られていくかのよう。プレリーディング企画「アラビアの女」以上に得体の知れない印象。客の入退場も、境界越えを体感させるようで面白かったです。大人の役者力も素敵。

ひもの男

ひもの男

劇団やみつきわさび

ナンジャーレ(愛知県)

2012/03/15 (木) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★

やみつきわさび「ひもの男」観ました。
芝居の作為を取り除くことに神経を注いだ、スタンダードな若々しい舞台。実力巧者が両脇を固める印象。男性陣の、恋愛への微妙なスタンスの違いが要所要所に感じられるが、女性陣や時間の経過、ラストへの心理的流れの描写はややもの足りないかも。同世代ならかなり共感できそう。

『短編集 仇野の露』津公演

『短編集 仇野の露』津公演

烏丸ストロークロック

四天王寺スクエア(三重県)

2012/03/09 (金) ~ 2012/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★

烏丸ストロークロック「短編集 仇野の露」観ました。
社会の中にいる三組の男女の、悲喜こもごもの生きざま。様々なテンション、それぞれが抱える動機が場面を形作る。丁寧に描かれた感情の流れが時に滑稽に、恐ろしく、悲しく、うねりを見せる。場によって佇まいが変わって見える独特なセットも、地味に印象的。京都等、関西圏の舞台をもっと観てみたいくなりました。中部と関西をつなぐ場として、津はちょうどいいのかも。

桃の花を飾る

桃の花を飾る

若伊達プロジェクト

せんだい演劇工房10-BOX(宮城県)

2012/03/02 (金) ~ 2012/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★

若伊達プロジェクト「桃の花を飾る」観ました。
 現実と架空、複数の物語や視点が並列し交錯し、もつれ合って語られる。世界の線引きを(死生すらも)越えていく思い。わちゃわちゃの中からにじみ出る、大事な人へのいとおしさや切なさ。終盤の、生命讃歌を感じさせる美しいシーンや、世界を再生させるカーテンコールに涙しそうに。一度は頓挫しながら、一年がかりで復活した若きプロジェクトに拍手!名古屋から観に行った甲斐がありました。

飛んで孫悟空

飛んで孫悟空

NAGOYAダイアモンズ

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2012/03/03 (土) ~ 2012/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★

NAGOYAダイヤモンズ「飛んで孫悟空」観ました。
 名古屋演劇教室の発表公演「NAGOYAダイアモンズ」、今まで二回観たけれど、今回は今までとは異色。仕掛けや道具に凝った、まさに大人も子どもも楽しめるエンタメ公演(うりんこっぽい?)。別役実戯曲は、普通に楽しむことも深く考える事もできる内容。アイデンティティの拠り所を放り出したり探したりの、多重構造ドタバタ。クライマックスで手に汗握り、ラストに茫然、気を抜かれる。今年も、可能性を求める新しい活力と、積み重ねを生かす経験者とが力を合わせるベストミックスでした。

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