BRUの観てきた!クチコミ一覧

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佯狂のあとで

佯狂のあとで

IDIOT SAVANT theater company

貞昌院(神奈川県)

2012/02/15 (水) ~ 2012/02/19 (日)公演終了

無題
公演場所は内部が結構良い感じの風情がある曹洞宗のお寺。
津軽三味線の生演奏は良い感じでした。
発想と着眼点は面白かった.....
アングラ調の演出&台詞まわしを使い『3.11震災(原発)&被災地と今の日本の状況』・『アンネの日記&ナチスドイツの収容所』・『羅生門』を題材にして物語をリンクさせ、役者が被災地まで行って撮影してきたのであろう廃墟や瓦礫前でのパフォーマンスした映像を場面転換に流したりし、物語を展開させようとしていた所は面白い試みだなと思った。だからなのかとても勿体なく感じた。

あまりにも役者陣が未熟【特に若い男優陣の演技台詞まわしにウンザリ(声がでかいだけ)】。長いし構成も悪い。特に物語が前向きに行こうという希望も何もなく、最後まで観たが台詞の提示と演出の羅列だけでお芝居というより何か実験というか、何を観客に訴えたいのか全く分からない物語、芝居になってしまっていた。

ネタバレBOX

芝居が始まる前、演出家?舞台監督?の人の友人のブログ(震災で被害にあい身内の方を亡くされた)を読んでいましたが、確かに悲しんでばかりではなくお芝居でもなんでもそうですが、前を向いて進んで行かなければならないかもしれません。この出来事をタブー化するつもりは全くありません。
震災・被災という出来事を想起させるようなお芝居は去年の10月頃からぽつぽつと出始めています。ただリアルタイムで進行している出来事であり、被災地とそれ以外に住んでいる人の温度差というか隔たる環境は厳然としてあるように感じます。
このお芝居は別に被災震災を利用しようとする意図は無かったと思いたいです。問題提起にしたかったのかもしれまんが、でも未熟なものを上演してしまった事は結果的にセンセーショナルに面白い題材だから利用したと勘繰りたくなります。そして冒頭のブログの朗読も我々には免罪符というか大義名分がありますと宣言してるようでうんざりでした。アングラに逃げないで発想と視点は良いのだからストレートなお芝居で正々堂々と勝負すればいいと思いますよ。
高襟上海凱旋公演 無花果キネマ

高襟上海凱旋公演 無花果キネマ

高襟〜HAIKARA〜

BankART Studio NYK(神奈川県)

2012/02/16 (木) ~ 2012/02/19 (日)公演終了

難しい。。。
構成というか上演時間が長く感じた。
登場シーンやハイヒールなど面白く興味深い点は多々あったが、トータルで考えた場合....普通かな...と。

後半部があまり面白くなくダンス・音楽ともありきたりでした。期待度が高かった為、残念です。

レイプの夜

レイプの夜

コマツ企画

小劇場 楽園(東京都)

2012/02/22 (水) ~ 2012/02/29 (水)公演終了

満足度★★★★★

強烈な個性とシニカルでブラックな笑い
上演時間目安は90分。テンポが良い会話劇の為時間は気にならない。
このお話は喜劇である。設定も普通に考えると結構ひどいのだが、役者陣の演技も相まってとても面白い芝居として成立してる。

物語はバカバカしさとベタな笑いにコーティングされているが、女性(若い女性)に対して何故だかとてもシニカルな印象を受ける。うわべではわからない女性の内面の恐ろしさというか獣性というか・・・嘘が・・・女性が作っているので余計と強い印象を受ける。

中屋敷が標榜する圧倒的フィクションとは違い柿喰う客では見せる事は無いであろう、このお芝居で魅せる深谷由梨香さんは、20代女性の等身大ともいうべきナチュラルな演技・表情仕草など新たな魅力を感じさせてくれるのに十分であり見応えがある。そして脇を固める掘り出し物の謎の無名キャスト達は、キャラ設定も演技も濃いのだが、しっくりとこのお芝居にはまっていてとても観やすい。クライマックスのどんでん返しの力技(謎解き)は必見です!設定だけを考えると後味が悪いはずなのに、ゲラゲラ笑えてスッキリと帰宅できます!あんなに笑える濡れ場を初めて観ました(笑)

チェ・ジナ/劇団ノルタン『1洞28番地、チャスクの家』

チェ・ジナ/劇団ノルタン『1洞28番地、チャスクの家』

TPAM・国際舞台芸術ミーティング

KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)

2012/02/14 (火) ~ 2012/02/14 (火)公演終了

満足度★★★

韓国の質の高い演劇
日本でもお家大事とか時代劇で聞いた事があると思います。儒教の影響なのか韓国ではまだ家系・家柄(家族・先祖)を大事にしてるのか、その象徴としての『建造物として家』や『土地』について物語・登場人物達のこだわりがすごく感じる事ができたお芝居。
そして多分に今の韓国の時事も盛り込まれているのかもしれないと感じた。韓国の若者も家に対する思いも希薄になっているのだろうなと。

演出も物語が進行するにつれて、舞台上で役者達が大道具の家を基礎から組み立てていくという発想も面白く、役者陣は少し大きめの芝居だが確実に魅力を振りまき質の高さを感じる事が出来た。シンプルな芝居で所々笑いの要素はあるが、喜劇ではない....。

一方で、構成のテンポが悪いなとも思い長く感じる。
あと説明や注釈的台詞が多いのだが、上品さというか堅苦しさを感じる....例えるなら教育テレビでやる様な子供向け番組のナレーション的台詞を舞台上の役者達がドヤ顔で語ったり。やはり言葉と文化の違いなのだろうか笑の壷がちょっとずれてる感じも。【韓国系と思われる客さんはうけてた様だが、欧米系や日本人の観客結構寝てた】
そしてやはり韓流なのか(笑)色々な困難に遭遇⇒登場人物達の団結⇒大団円に向かうかと思わせつつ⇒再びの困難&結局家は完成しない⇒エピローグという物語構成のくどさにも疲れました(笑)

ですが、1,500円という価格設定でKAATのホールを贅沢に使い倒した十分納得・満足したお芝居でした。

この物語は家を建て直す事を軸にした施主家族・大工・その他の人々の物語。以下あらすじ

ネタバレBOX

チェスクとは施主の随分前に亡くなった夫(父親)の名前で、韓国では夫婦別姓のようだ。

開演前から舞台中央には[ミニチュアのシャベルカーのラジコン]と[ミニチュアの家の模型]が置かれていて、そこにスポットライトがずっと当てられている。開演後冒頭ラジコンでミニチュアの家を壊し物語がはじまる。

登場人物は9人。施主家族4人【母親・長男・次男・長女】/大工3人【年配・中年・見習若者】/近所の女性/資材運搬トラック運転手
照明演出はシンプルである。
施主家族は決して裕福ではないが子供達も独立し、銀行にローンを組んで母親の為に家を建て替える事に一代決心。でも狭い土地だが近隣にマンション建設の噂があり銀行が土地を売ってくれ催促してくるちょっとしたプチバブルでもある。韓国の建築・住宅事情(新羅~1970年代~現代、昌徳宮とかコンクリ建物)等の蘊蓄的台詞が物語に盛り込まれている。

大工は早く建設して次の現場に行きたいのだが、施主は注文が多い上、役所から立て直しの許可が農地だからという理由で中々下りず、大工たちはイライラ。物語の中で所々合間に建設方法や資材・道具の蘊蓄を語りだしたりもする。
そして土地の地盤が悪く少し家の基礎が歪み始めるが大工達は建設の手を止めない⇒施主とギスギスしてくる。

紆余曲折ありまして、開始から55分位経過した所から写真にもある様な型枠を持って出演者全員がダンス的フォーメンションパフォーマンスで楽しげに家を組み立てていく。これでテンポ良く展開するのかなと思ったらそうはいかない(笑)今度は大雨で作業中止⇒そして地盤が沈下して土地の下に小川が(笑)もう駄目だと大工も諦めて帰ろうとする長男も家なんか建て替えるんじゃなかったと怒り、母親は悲しそうにオロオロする。そんな中で次男が一人でどうにかしようと作業する。これを見ていた出演者全員は団結して困難に立ち向かい打ち勝ち家を組み立てていく。

これで完成して大団円かなと思っていたら流石韓流です(笑)施主にまだ七難八苦を与えてくれる(笑)隣の住人の土地スペースに半分以上割り込んでいる事が判明!まさかの土地の境界線問題が発生&建設差し止め訴訟をおこされ建設が不可能に、そしてお母さんは過労で倒れる(笑)

そしてエピローグ、出演者全員が家のミニチュア(明かり付き)を持って、家に対する抒情的台詞を語り、家を置き、出演者は去っていく。そして照明が落ちミニチュアの家の明かりだけになり終演です。

とてもくどい(笑)お腹いっぱいでした。
トカトントンと

トカトントンと

地点

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2012/02/09 (木) ~ 2012/02/14 (火)公演終了

満足度

概ねつまらなかった
舞台美術や照明演出はとても素晴らしかった!だが物語はつまらなかったです。少し変わった感じのああいうイントネーションによる台詞回しは、リーディング劇で観たことがあり驚きもなにもなく、少し大きめの芝居を見てて段々嫌気が....。内容も全く乗れずじまい(>_<)あ、でも聖歌はうまかった♪

太陽は僕の敵

太陽は僕の敵

シベリア少女鉄道

座・高円寺1(東京都)

2012/01/25 (水) ~ 2012/01/29 (日)公演終了

宴会芸は内輪でやってください。
基本的に、教育テレビでやっている児童・幼児・未就学児向けの劇団的お芝居と、75分過ぎに始まる北斗の拳漫談で構成されている。
少なくとも、お金を徴収するお芝居ではありません。無料か500円以下が妥当なお芝居でした。先行でチケットをとりましたが....ぼったくっていただきありがとうございました。

3日間くらい徹夜した夜中のファミレスで、変なテンションで内輪で面白いじゃん!やろうぜ!!って、感じなお芝居。
大半のお客さんは寝てるか、うんざりした感じで、75分過ぎから始まる北斗の拳漫談「もっと大きな芝居をしろっ!」でちょっと面白かったですが、心のシャッターは堅固に閉じた後でした。
拍手までしていただけるんですから日本って良いお客さんばかりで良いですね。

ロンググッドバイ

ロンググッドバイ

オーストラ・マコンドー

JORDI TOKYO(東京都)

2012/01/31 (火) ~ 2012/02/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

サヨナラを言うと、何かが少しだけ死んでいくんだって....
 この物語はちょっぴりSF風味のお伽噺風現代劇。
 荻原朔太郎の『猫町』を原作(未見)としているせいか、お話も台詞も最初少し硬い感じがする。話の内容も少し難しい。衣装や演出もスタイリッシュでスマート、そして大胆で格好良い。
謎や疑問も沢山でてくるが謎解きは結局されないが、この物語はこれで良いんだと思う。
色々小難しい設定や相関図など探偵ハードボイルド風に装飾されているが、全然ハードボイルドではない。恰好だけハードボイルドで、むしろ主人公『わたし』とその相棒『影』は、とても女々しく理論武装しているがダサい感じです。

 だけど個人的な感想を言えば、このお芝居は『男はつらいよ』なのではないだろうか? 色々な設定などを剥ぎ取ってみると主人公の探偵『わたし』は、『寅さん(車寅次郎)』に見れて、どうしても頭から離れない。
 寅さんを現代の渋谷という土地で、上品に、格好良く、ショー的な要素を多分に含まし、少しバイオレンスに調理したのが、この『ロング・グッドバイ』という作品なのではないかな。演出家・脚本家・出演者一同に全力で否定されると思うが、自分的に勝手に寅さんだと解釈し、思い出して楽しんでます。

 渋谷の坂の上、車道の向こう側にはNHKとマッスルシアターが目の前にある、道路側一面ガラス張りの少し時代遅れなビルの1Fでこの公演は行われてる。キャパは50人程?だが空席(10席)が目立つ。20分ほど遅刻してきた人が一人いたが、ちょっと待たされて運営さんの指示で無事入る事が出来ていたので遅刻しても諦めずに現地に行ってみても良いと思います。
 私が観覧したの日は、昼に事件(通報されて警察が出動)があった夜の部で、役者達は少しおかしなテンションだったのかもしれない。
っと言うより、初日から4日も経ってまだ通報されてなかったのかと逆に驚いている。

 観ようか迷っている人は観て損はないと思います。
劇場では味わえないハプニングがあるかもしれません。そして役者達はどんどん楽しく大胆に、、、そして切ない物語を提供してくれると思います。
 多分現地ではスーツ姿の怪しい集団が、一般の通行人(勝手にエキストラ)の横で、路上で全力疾走してたり、四つん這いで歩いてたり、匍匐前進したり、一方的に暴行&建物にしょっ引かれてたり、小粋に踊ったりなど、パーフォーマンスをしているはずですから(笑)

墓場、女子高生

墓場、女子高生

ベッド&メイキングス

座・高円寺1(東京都)

2012/02/01 (水) ~ 2012/02/05 (日)公演終了

満足度

話の内容が...
役者陣の演技も掛け合いも魅力的。舞台美術やかぶり物まで良くできてる。120分は少し長く感じましたが、最初は面白く楽しく笑わせてもらいしまた....陽子の復活のあたりまでは。

ネタバレBOX

ただ後半部のお話がひどく感じて...自分の中で全く受け入れられなくなった。帰宅時電車内でとても気持ちが悪くなった。
死の影を全く感じない明るい女子高生の幽霊『陽子(安藤聖)』が成仏できずに幽霊として墓場の住人とわいわい楽しくやってる。陽子の自殺の原因は最後まで分からない(死に方は桜の木で首つり&発見まで数日かかる)。そしてあり得ない展開で墓の下から陽子が生き返らせる事に成功する。でもやはり自殺の原因は教えてくれない。そして再び陽子は自殺する(木のセットの所に吊るされ上半身は隠れているが足は見えてる)。皆さん好意的な感想ばかりで、僕がおかしいのかもしれない。設定ありきで面白おかしくドタバタとやるお芝居なのでしょうけど、でも陽子が生き返って激昂しての台詞で「なんで生き返らせたの!死ぬのってどんだけ苦しいと思ってるのよ!」的なセリフがあったと思いましたが、それで自分の中で一気に気持ちが冷めてしまい、その苦しい思いを理由もなしに再びさせる死なせるお芝居ってなんなのかなと思いました。ここで書き込む事でもないかもしれませんが申し訳ありません。でも観客の中に不快に思った人間もいるということを気付いていただきたい。

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