形状不明の観てきた!クチコミ一覧

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誰も知らない貴方の部屋7月公演

誰も知らない貴方の部屋7月公演

庭劇団ペニノ

はこぶね(東京都)

2012/07/03 (火) ~ 2012/07/10 (火)公演終了

満足度★★★

演劇の意義
演劇の意義を、多様な言葉に置き換えて発想できる人でないと
許容できない舞台。

ただただ人を楽しませるだけのものを〜、
とか、
メッセージがないとダメだ〜、
とかいう
頑なな意見を持つ人にはオススメ出来ない。

しかし、そんな人の心にも
もしかしたら、
最後には一矢報いることが出来るかもしれない
・・・そんな確かな力があると思う。

舞台空間で表現されるものを大きく包んでいる
すべての人に向けられた優しい眼差し。
それがこの演劇の個性だ。
某かのマイノリティのアイデンティティを持ってるとか、
そういうものへの深い理解がないと気づきづらいものじゃないかと推測。

しっとりwet.
ちょっとヨーロッパなアートっぽいかな。
セルフセラピーな部分もあるかもしれない?
でも、最後に向けて気持ちよくなるようエンタメ的な配慮もあった。

朝がある

朝がある

ままごと

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2012/06/29 (金) ~ 2012/07/08 (日)公演終了

満足度★★★

はじめてのままごとは・・・
以前、喫茶店か料理屋なにかの会で会った男性が
「ままごと」の「わが星」を勧めてくれた。
私はそのときまでままごとのことを知らず、
携帯に2語だけメモして後日調べてみた。
公演のチケットは売り切れでもう手に入らなかった。

この劇団が随分人気なのではないかと気づいた。
しかし、だからと言って、良いものだという予感はなし。

特殊なスタイルの芝居をして、
普段商業演劇を観ない人、そもそも演劇を観ない人
に人気があるファッションに近いものなのだろうと想像した。

そしてこの「朝がある」の公演に突然行ってみた次第。
これまで思っていたようなものではなく、
存外に感ずるところのある作品だった。

以下、ネタバレ。

ネタバレBOX

まあぶっちゃけ、
絶対面白くない、至らないものだろうと思ってたんですよ。

でも、そうでもありませんでした。
楽しく観ることが出来ました。

はじめてだということで、随分集中して観てしまいました。
広い舞台の中に、人間が一人、その言葉は私の脳に
「想像!」するようしむけてきます。
一言一句聞き逃せません。
だって、細かく状況が説明され、それらは一続きでつながっていて、
一言でも聞き逃すと重要なヒントを欠いてしまう恐れがあるんですもの。
すっっっっげーーーーー集中力が必要で、
いやがおうにも脳みそを使わされました。

朗読みたいなものかもしれません。
そういう意味で、演劇的というより文学的だったのか?
朗読みたいなんだけど、聴衆は自分の内部に落ちていって想像は出来ず、前を向いて舞台を観なくてはならないんです。

そんなこんなもあって、
脳みそフル回転で聞き続けることは難しかったです。
集中力が続かない、というより、
つまらなくなって、飽きてしまうんです。
不思議なことに、何度も同じようなテキストを語るにもかかわらず、
そのテキストは特に魅力的なものじゃないんです。
苦行。

でも、私の場合、
役者に引っ張られて、観劇を降りないでいられました。
役者が一人。
彼が、一人で、よどみなく語り、動く、ことが魅力的なんです。
しかも、し損じないで!

また、演出が丁寧なことも影響しました。
照明や投影映像、舞台装置の妙など、丁寧な仕事です。
モノがないのは稚拙なのではなく、十分にコーディネイトされた状態。

そうして事の次第を見届けよう、という気に。
これで至らない稚拙なものだったら、本当に帰っちゃいますね。

芝居、というより、バレエとかダンスとかエクササイズに近いものを感じました。
英会話教室では、似たようなダイアローグを本を見ずに
何度も繰り返して語りますが、そんな感じもある。
これが新しいものかは分かりません。誂え方が目新しいとは思いますけど。

もし新しいのだとしたら、彼らの狙いが新しいということなのでしょう。
では、彼らの狙いはなんでしょうか?

私がこの公演を面白いと思えたのは、本城直季の写真のようなイメージを
プロセスの指定を受けて頭の中に想像したからです。
洗脳とか催眠に通ずる方法なんじゃないかな。
強制的な頭の体操。
そんな舞台はなかなかないですね。

大抵、舞台はエンターテイメントで、
面白がらせるとか感動させるための基本的な構造があって
それに乗っ取っていることが多いです。

苦行ギリギリの、頭の体操みたいな体験をできる、舞台鑑賞。
これがちょっと楽しかった。
また、私のために一生懸命パフォーマンスし続けてくれる役者
を観るのも楽しいです。
ももいろクローバーのライブが面白いのもこれと同じです。

この舞台で何を見せたかったか、ということを考えると
ちょっと難しいですね。
何かありそうだけど、それは3回くらい観ないと分からないんじゃないかしらん。

あと、公演時間中、何度も飽きが来たけど、
でも、また観たいと思います。
繰り返しまくるくせに、トランス状態になりません。
なんのために繰り返してるのか・・・
もしかしたら、観客も基本のテキストを暗記して、
肩の力を抜いて聴けたときに
やっとトランスの入り口が開くのかもしれません。
そのためには、3回くらい劇場に足を運ばねばならないでしょう。

こんなマニアックな舞台がなぜ人気なのか不思議です。
もしかしたら、
人はもう、魅せられたり、感動したりするのに疲れているのかな?
やたら力の入った芝居は現実的には不自然です。
肩の力をぬいて観られる、見世物を求める人が増えているのかもしれません。
S.M.A.T!~歌え!警視庁特別音楽劇班~

S.M.A.T!~歌え!警視庁特別音楽劇班~

The Dusty Walls

六行会ホール(東京都)

2012/06/27 (水) ~ 2012/07/01 (日)公演終了

大手じゃなくてもミュージカルは出来るか?
ミュージカルというのもの自体が、日本ではマニアックだと思う。

四季、東宝、松竹、宝塚(敢えて分ける)、ホリプロ、ネルケ以外の団体がミュージカルを興行し、成功するのは大変難しい。
ミュージカルは準備が大変だし、ここは層が薄い(歌えて踊れてスタイルも良い役者なんてなかなかいない)。

"ぼくら"でもミュージカル公演は出来るか?
そんな状況に果敢に挑戦している団体だと思う。
作りたいもののイメージ、理想は高そうだし正面から向かっていっている。
そういう意味で評価したい。

---

市民ミュージカルと学生劇団と名のあるミュージカルの団体のOBが集まった団体、を足して3で割ったようなグループだと感じた。

ソロが多く、政治を感じた。
オーソドックスにまともな良いミュージカルを作ろうとしたら、
あんなにソロをやる訳がない。
長くなるし、話のフォーカスが合わなくなる。

それぞれのキャストに歌わせる必要があったのだろう。
(だけど、それにしても、2度も3度も歌うのは・・・)
そんなことで観客全員を疲れさせるような構成するのはどうかと思う。
そういうのは小学校の○○会でだけやって欲しいものだ。
客は身内ばかりではないのだから。

また、その政治をクリアするために話も多重奏になっていく。
脚本家は大変だったろう。

一番の問題は、
最後の犯罪がたった一人を殺すかもしれないっていうだけだってことだ。
6人の女性に歌を歌わせるために、あんなオチになったのだとしたら
本当にやりきれないね。←誰が?

網走にいる脚本家はなかなかミュージカルらしいMADなキャラクターで良かった。
ロッキーホラーショーとか、リトルショップオブホラーズとか、そういうのの正統な流れを汲んでるよね。

レミゼでエリザベートでRHSというカオス。
みんなを楽しませたいという気持ちがあるのは確かだと言える。
だからこそ、政治を廃して純粋な作品作りを期待する。

La Nouveau Cabaret Quartier Latin! 1950

La Nouveau Cabaret Quartier Latin! 1950

ベニバラ兎団

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2012/06/28 (木) ~ 2012/07/01 (日)公演終了

日本の話
感想が非常に難しい。

やりたいもののイメージは分かるが、
スタッフ不足。

企画を理解して寄り添える舞台監督と
企画を十二分に活かせる演出家が必要だ。

コレオグラファーのクレジットに惹かれて観劇を決めたので
踊りに期待していたが、
踊りをみせるような舞台ではなかった。

THE BEE Japanese Version

THE BEE Japanese Version

NODA・MAP

静岡芸術劇場(静岡県)

2012/06/22 (金) ~ 2012/06/24 (日)公演終了

満足度★★

話題だったので行ってみたものの
THE BEEの話をすると、
見た、とか、見たい、とかみんなが言うんですよ。
注目の舞台だとことが分かったんで、
そういうことなら私も!、と、行ってみた次第。

・・・・・

あまりピンと来なかった。
ヨーロッパ人向けだと感じた。

この演劇は現代アートだ。文脈と解釈が必要。
日本ではやる意味がないかもしれない。

恐らく
これはフセインやビンラディンなどの「中東」とアメリカの争いを
念頭に置いて作られた演劇なのだろうけど、
その関係性の外にいる日本人には
メッセージの重さは理解出来ないんじゃないかな。

イギリスでやるくらいが丁度良いのかもしれない。
アメリカでやると、どストライク過ぎて、少し危険だね。

芝居について・・・
狂う演技というのが大変なのは分かるが、
野田秀樹さんが張り切りすぎていて、
機微が見えにくくなっているように感じた。

かつて見た野田MAPもピンと来なかったので、
私の好みではないのかもしれない。

マグダライブ!!

マグダライブ!!

ネルケプランニング

SHIBUYA-AX(東京都)

2012/06/18 (月) ~ 2012/06/20 (水)公演終了

台風接近と台風一過
第二夜で大変満足したので、第三夜も行ってしまった。


普段演劇シリーズとして興行されているものの
特別バージョンのライブ。
何かの節目というものではないと思うが、
どうしてかおめでたい感じで祝祭ムードだった。
観客が始まりからテンション高くてそれが祭りっぽく感じる由縁かな。

主演のマリアさんの歌がライブ仕様で聞き応えあった。
他の登場人物の歌もそれぞれ力強かった。

サイリウムは持って行った方がよさそう。

恋に生きる人

恋に生きる人

月刊「根本宗子」

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2012/05/09 (水) ~ 2012/05/16 (水)公演終了

気持ちの良い舞台
面白かったです。
キャスティングが絶妙すぎる!


ネタバレBOX


メガネッ子の(元)親友の女優さんの顔が非常にツボりました。
素晴らしい。ただの嫌われ役じゃあないんです。
あの表情、顔(目・口)、おでこがあるからこそ。
マハーバーラタ 〜ナラ王の冒険〜

マハーバーラタ 〜ナラ王の冒険〜

SPAC・静岡県舞台芸術センター

舞台芸術公園 野外劇場「有度」(静岡県)

2012/06/02 (土) ~ 2012/06/23 (土)公演終了

満足度★★★★

2回目の感動
クオリティが高いことには違いないが
先週観たときに経験した感動はなかった。

最後まで阿部さんとのコンビネーションが上手くいかなかった
役者が多かったと思った。
雨での足下に気を取られて、
役者が"耳"と"気持ち"への集中力を欠いていたのではないか?

天然のfog効果は凄い。
あと、今回はまわりの木が登場人物として"生きていた"気がする。

天使達 -ANGELS-

天使達 -ANGELS-

トライアングル

新宿FACE(東京都)

2012/06/14 (木) ~ 2012/06/16 (土)公演終了

満足度★★★

実力のある若い男子
実力派俳優、とかってよく聞きますが、都市伝説じゃないんですね。
実力のある若い俳優(under23)がこんなにいるのかと驚愕。
しかもお世辞じゃなく美男子だなんて凄まじいですね。

全員が歌が上手く、
客は安心して座ってればいい。


この公演がなんであるかを説明しようとすると、
恐らく外国にあるアレ・・・"ショー"じゃないかな。
ラスベガスあたりでやってそうな。
物語仕立ての歌とダンスのあるショー。

ネタバレBOX

矢田悠祐さんは本当に美男子ですね。

海宝直人さんの崩れないダンスが好みでした。
Panelist Drive

Panelist Drive

トライフルエンターテインメント

シアターサンモール(東京都)

2012/05/30 (水) ~ 2012/06/03 (日)公演終了

緊張感の演出について
ミリオネアみたいなクイズ番組があって、それに出演する人物の物語。
クイズはガチで、その結果によってエンディングが変わる様式の演劇。

しかし、ガチだというのに
決めウチでもあんまり違いがないような空気感だった。
どうしてかな?

もっと、人生を賭けた
緊迫感溢れるものをイメージして制作されたのではないか?
ミリオネアでは人生を賭けるようなことはないのに
演出方法が非常に上手く、緊張感があった。

舞台では寄りで人の顔を映すことが出来ない。
みのもんたとにらめっこする長い時間もない。

改めて、演劇の可能性を追求する必要があると感じた。
生の方が強い、なんて絶対はないのだと痛感。

ネタバレBOX

川本成さんの一挙手一投足は非常に勉強になる。
笑ってしまう。すごいなぁ。
さらば、豚

さらば、豚

流山児★事務所

ザ・スズナリ(東京都)

2012/06/06 (水) ~ 2012/06/12 (火)公演終了

満足度★★★★

本気のシャワーを浴びる
役者の本気を300%浴びる気持ちのいい舞台。

空気は古いが、それでもいい。
舞台上でも開き直って公言している。

今、これだけの本気を
観客の五体にたたきつけるが如く発してくれる役者に
いっぺんに9人も会えるなんて素晴らしい。

ストーリーがとか
演出がとか
そういうことが全く問題にならない作品。

ネタバレBOX

「俺は豚じゃねえ!」

ですからね。
「俺は豚じゃねえ」連呼。
なんて潔いんでしょ。
誰でも分かる。

しかも全然笑うとこじゃないの。本気。

で、連呼するんだけど
「じゃあ、豚とは何か」ってことは
直接的には言わないんですよね。
大人だな。

「お前ら自分で考えやがれ!
 だが俺は豚じゃねえ!」

ってことですよね。分かりました。

丸山厚人さんが凄いイケメンでびっくりした。
兄貴はクリスチャンなのか、仏教徒なのか。
どうして、人の道を説くんでしょうね?

今村洋一さんは随分おもしろ子分ぶりが板についていましたね。
今まで見たことがない顔だった。

イン役のキグレさんもいいですね。
インて名字はどこのお国のものでしょうか。
韓国の名字なのかと思ったけど・・

保村さんは大分前にオルガンヴィトーでしか観たことがなかったけど
それまでのイメージとは随分違う役だった。
年月が経ったということだろう。
今調べたら、前観たのは10年前だった。
マハーバーラタ 〜ナラ王の冒険〜

マハーバーラタ 〜ナラ王の冒険〜

SPAC・静岡県舞台芸術センター

舞台芸術公園 野外劇場「有度」(静岡県)

2012/06/02 (土) ~ 2012/06/23 (土)公演終了

満足度★★★★★

テンポのいい日本のエンタメお家芸詰め合わせありがたや
めでたすぎて、グッとこみあげ=感動した。

---

mover&speakerスタイルの作品の観劇は
天守物語、メデイアとこれで3作目。
単なるスタイルの継続ではなく、
どれも少しずつ違いのある方法となっており、
異なる意図が感じられた。

---

まるでスナックのカラオケや、宴会芸のようなものも含んで、
存外にエンターテイメントだった。

見え方は随分アーティスティックで、
非現実的でどこか違う世界のものだということを強烈に感じさせるのだけど、
それぞれの登場人物に確立されたキャラクターがあって、
それが古い時代(1960-1980年代)のアニメに倣ったような
over30の日本人なら誰でも分かりやすい感情や行動をする。

え、
この人が、
こんな演技をするの??

ってな具合でいろいろ不意打ちcaos!

亀。噛め。え!?

---

特に理由はない、
ただめでたくて感動する。

ネタバレBOX

手袋を丸めたような人形のキャラバンが以上に可愛い。
やばい。

阿部さん神speaker。
ここからこうつなげて読むの!? え!! まじすか
みたいな。
阿部さんが異常に上手すぎるから、
それでこの芝居が90分で成り立っている。
あと、汗1つかかない美加里さん。
この世のものじゃない感すさまじい。

そしていつもの大高さん。
チンピラなのに高貴、カッコイイ、ガラ悪。
印象的だったのは、唯一、冒頭で演じた悪魔。
狂言の悪役。動きいい。

メインの悪魔役の横山さんもイイ。

なんでしょ、
大高さんといい、横山さんといい、
体が軽くてよく動くね。
絞った体がいい。

あぁ、いろいろ良かったなぁ。

神様もいいねえ。
ヘビも。
あぁ弟も良かった。

遠くを歩く参列のシーン、良かったなぁ。

衣装いいわぁ。
音楽もいいわぁ。

ナラ王とガラヤンティ?の再会シーンが
シーンとしてて、森の空気来てヤバい。
森いいよ、森。原生林いいわぁ。

お肉くわえてるのも面白過ぎたなぁ。
箸ついてるお肉。
バタバタ。

あぁ、笑った。

おならぷう、おならぷう、あ、実が出ちゃった、
シェー
はアドリブらしい。
カリ役の横山さん、凄い。超反応。大変wwwww


あー



大満足。
オリヴィエ・ピィの 『<完全版>ロミオとジュリエット』

オリヴィエ・ピィの 『<完全版>ロミオとジュリエット』

SPAC・静岡県舞台芸術センター

静岡芸術劇場(静岡県)

2012/06/09 (土) ~ 2012/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★

超カッコイイ
超カッコイイ

隙がなくカッコイイ

どの瞬間もカッコイイ

観に行って本当に良かった!!

言葉にしがたい感覚。
冒頭にむき出しの暴力が提示され、私を啓発する。

ネタバレBOX

ジュリエットの役者が妙齢の女性で「え?!」ってなったけど
バカ14歳の演技が非常に上手くて、ビックリ。
あれほどのバカ14歳は、若い役者には演じられないかもしれない。

なのに、後半になったら、
女性の強さを感じるジュリエットになる。悲劇が彼女を変える。
でも、
こっからただただ強い女性を見せつけられるのかと思ったら、
そうでもないのね。
ずっと嘆いたり泣いたり。
父親の折檻をループするのは有効な手段だったな。
まさかのループ演技。現代的だね。
父親、母親、ばあや、と、どんどん希望を失う様が描かれるのかと思ったら、そうでもない。
神父。
ジュリエットの感情は千変万化して忙しいが、性急ではない。
これはエンターテイメントですね。

キャスティング良かったな。どの役者もはまって見えた。

ロミオの、姿・ポーズの付け方・動き、良かったな。
ちょっとしたコンテンポラリーダンスみたいな瞬間もあった。
スマートな動きをしてて良かった。
ああいうものがもっと見たい。

ああ、しかし、いろいろいろいろ格好良かったな。
大道具の配置のアイディア、ライティング、衣装。

後ろの蛍光灯の縞、良かったな。
黒板に星、○が出てるのも良かったな。

遠のくジュリエット、若干ウケたな。
面白い。

そういや、昔教わったこと、
卑猥な意味の言葉はいっぱいあるハズなんだけど
あんまり分かんなかった。
マーキューシオとじゃれ合うところは拾われてて・・・
ああいうのが、下ネタで笑いを取るシーンの在り方なのだなぁ。
やるとこまでやらんとね。

今、ロミジュリをやる意味っていうのは、なんでしょうかね?
両家仲良く、がオチなら、やっぱり、
アメリカとアラブ諸国のこと意識してるのかな?
うーん、そういう打算的なことでもないと思うんだけど、、、。
むき出しな、ロミジュリ、いいですね。
女の平和

女の平和

ニコミュワークショップ事務局

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2012/06/06 (水) ~ 2012/06/10 (日)公演終了

満足度★★★

平和について <P組感想>
面白かった。全員が一生懸命だった。
衣装の色が素敵。デザインがいい。
髪型が良い。とても良い。毎日あれを作るのは大変じゃないかな。
ある場面で、ギリシャの円形劇場(というか闘技場)な感じになる演出が面白かった。

--

この公演はある演劇ワークショップのアトリエ公演という位置づけ。けど、下北沢や池袋、中野などに行けば「これが初舞台です」という役者だらけの公演はいっぱいあるのだから、そういうものだと思えば、巷で観るものとの違いはない。実際そうだった。

しかし、
アトリエ公演だからということで敢えて言うことがあるとしたら・・・

---以下小言

先日、キャリアー45年の俳優さんと「キャリアーをスタートさせたばかりの役者」について話していたとき、
「役者って、実力はなくっても、なにか光るものがないと」
と彼が言っていた。

役者で"いく"には、何かないといけない。

だから育ての場であるアトリエの公演というものは、
そこに通うフレッシュな役者の光るところを見つけて伸ばしてやるのが
使命・意義だと言える気がする。

では、この公演ではどうだった?
「お!」と思わせるところがあった役者はいたか?

・・・そういう訳で、具体的な話をネタバレBOXでします。

ネタバレBOX

上の感想で書いた通り、お!と思えた役者のことから。
その後、舞台の命題について考えたことを長々と書く。

---
大抵の人にとって、上手くやろうとするのは普通のことだ。
だから、アトリエを主催する側が、敢えてそれ以外のところを
見つけて伸ばそうとしないといけないんじゃないかな。
「どれだけ登場人物たちの見分けがつくようになっていたか」
をもってアトリエ公演としての評価はしたいのだけど、
千秋楽までまだ時間はある。

・・・

「お!」と思った俳優をメモ!

今回一番注目したのは、役人の男。畑 雅文さん。
演技はちょっとアニメっぽい感じだったけど、面白いし印象に残る。
蛇のような目という持ち前の個性を生かし、あんなに強烈な顔面を作ってしつこく演じるなんてクレイジー。いいと思いました。本気で気持ち悪くなっちゃってるけど、多分、そのうちイイ具合に出来るようになる気がします。あと、アテナイとスパルタの公使が話している間に、一人で、うずくまって超我慢したあとエビぞりしながら気絶する演技をしていたのがおかしかったです。

スパルタの3人の内の、一番ボインの役の女性。吉野めぐみさん。スパルタらしく気持ちが良い感じ。美人に見えた。

おばあさんの頭目。浦島真理さん。指の演技がキレイです。おばあさんが歌うシーンでは、手の形がどの瞬間も美しく、たおやかに見えた。

じいさん達が脱いで踊るシーンで、前段、隊長の上手で踊る男性。彼は台詞が弱く、体は他の3人に比べて少しふっくらですが、動きとポージングが良かったです。腰がちゃんと前に出ているし、体が使えていた。

他にもちょこちょこ印象に残ることはあった。

---

ここから苦い感じになるので、嫌な人は読まないで。
この舞台、大変楽しんで観劇しました。
1観客のちょっとしたメモ書きだと思って下さい。


で本題・・・
この公演で平和について何か感じることが出来たでしょうか??

遙か昔、この演劇を作った人達は、どのような想いを持っていたんでしょう?

そういうものがこの公演から抜けていたように感じました。戦争があって、状況がひどくて、それに対してなにか気持ちが沸き起こるのは分かるんです。誰だってそれくらいあるよね。
でもなぜ、女達は戦争を止めるために"実力行使に出るまでに"なったの? 全体のテイストをどうするかは何でもいいけど、そこはコアとして終わりまで腹に抱いてとないといけないんじゃないでしょうか。コアにあるのかもしれませんが、感じられません。

特にリュシストラテーはからっぽです(※補追 みんなをまとめあげようという強い想い、女性だって出来るんだよバカじゃないんだ!という想いは感じた。からっぽというには語弊があったかもしれない。奮起するに至る原動力としてふさわしいものが感じられなかったのでそのように記述)。小難しいことはいいから、シンプルな気持ちが欲しいです。なんで、彼女は人質役の女たちを縛り上げられるほど強いんでしょう? 最後にスパルタとアテナイが手を結んでも感動しない。良かったぁ◎という感じがしない。だって、平和なんて今までだって考えてない人ばっかりなんですもん。(※おばあさんsのうち2人は少し感じられた)

それは役者の問題もあるけど、演出の問題もあると思います。

伊藤さん演出の舞台では、愛や平和をテーマにしているのに、怒りや不満の方が強く出過ぎることが多い気がします。これは伊藤芝居の陥りやすい罠みたいなものなんでしょう。悲しみや孤独といったものを巧みに表現できる役者が必要なんじゃないか。

今回演出としてどういうディレクションがなされていたのか計りかねますが、ちょっと漫然としてしまったように感じます。

怒ってばっかりっていうか、不満ばっかり。外向きな感情?
小っさ!みたいな不満を連ねても、ふいに
戦争を止める動機の深いものを感じたいです。
女性達にある、悲しみなどの内向きの感情はいかほどでしょう?

笑いも足りないような・・・
戦争をストップさせる道具がセックスってだけで、ばかばかしいでしょ? 笑い飛ばそうっていうんでしょ? なのにばかばかしさを余り感じられなかった。あんなに大きな男根を作って演じてるのに、全然面白くないのはおかしい。舞台上の人間が動じないで平然としてるのは、そういう演出なんだろうけど、異常な感じがしなくなっていたようです。もっともっといける! 場面によっては3秒に1回笑えるポテンシャルがある! 大爆笑を起こせる!! でしょ!

このお話は「おっかしいっ^o^」っていうギミックで出来てるんだから、これは前提なんだし、笑いは取ってった方がいいんじゃないでしょうか。

大きな男根を付けてプルプルしてれば笑いを取れるなんて、そんな簡単じゃないんだと分かりました。笑いを取る方法の基本て、何かあるんだろうけど、それを外していたのかもしれません。当方も未熟者ゆえどうしたらいいかよく分かりませんが。
アルヴィン・スプートニクの深海探検

アルヴィン・スプートニクの深海探検

SPAC・静岡県舞台芸術センター

舞台芸術公園 稽古場棟「BOXシアター」(静岡県)

2012/06/02 (土) ~ 2012/06/03 (日)公演終了

満足度★★

稚拙
この方は、もうちょっと出来ると思う。
そういう意味で、楽をしているように見えたのが嫌だ。

空間を使わない。映像でもいいんじゃないかという感じ。

顔面を照らす、というアイディアのみが大変素晴らしい。

No.346 勅使川原三郎 ヴォックス・クラマンティス ヤーン=エイク・トゥルヴェ

No.346 勅使川原三郎 ヴォックス・クラマンティス ヤーン=エイク・トゥルヴェ

KARAS

東京国際フォーラム ホールC(東京都)

2012/05/05 (土) ~ 2012/05/05 (土)公演終了

はじめてのてしがわらさぶろう
だったのでした。

旅

SPAC・静岡県舞台芸術センター

遠州横須賀街道(静岡県)

2012/05/04 (金) ~ 2012/05/04 (金)公演終了

満足度★★★

期待が外れた
ぐるりと観客に囲まれて演技をするなら、
正面を強く強要する演技はしないで欲しい。


原案となる詩を勉強して、改めてこの作品を解釈したい。
演劇祭のアピールにはまずまずの試みだとは思った。

GOEMON ~孤高の戦士~

GOEMON ~孤高の戦士~

早乙女太一

明治座(東京都)

2012/05/05 (土) ~ 2012/05/27 (日)公演終了

満足度★★★★

早乙女太一の独特な魅力
観ないと分からない

凄い

2部は素晴らしい満足感
それなのに、
早乙女太一さんにはまだ余地があってまだまだこれからがあると思わせられるので、また観に来なきゃとなる。

彼の演舞はお神楽のような感覚。


評点は1部のことも勘案して。
気持ちとしては、ほんとは5。

※3日後にワイドショーで彼女とケンカしたことが大々的に報道されていた。自分が観たのはケンカの夜の次の日だった。演技に違いはあっただろうか? とても気になる。確かめるためにリピートしたい。

ネタバレBOX

早乙女太一の何がいいとか言えない。
ポージングがいいとかいうものでもない。
動きがどうとかでもない気がする。
聖性に近い。
本人の資質が重要。

玉三郎とは違う、評価軸。
女形かくありき、というものはないのだと知った。


演舞や舞台は、アラウンド60のファン層相手に披露するには
若すぎると感じた。
でも、この早乙女太一が舞さえすれば
なんでもいいのかもしれない。
そう思わせるものがある。
ミュージカル「ロスト・フォレスト~Lost Forest~」

ミュージカル「ロスト・フォレスト~Lost Forest~」

しんゆりシアター

川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)

2012/04/27 (金) ~ 2012/04/30 (月)公演終了

地域劇場のこけら落としに相応しい作品とはなにか
音楽座を結成した横山由和さんが作・演出した舞台。
音楽座は名前を知っているだけで拝見したことはないのですが、非常に確かな舞台づくりをされて来た方なのだな、という印象を持ちました。
そして出演者は地力のある、基礎力の高い方が多く、この演出にも慣れた感じで安定感がありました。

けれど、どうしても、今ひとつ、心穏やかに観ることが出来ません。

これは脚本の個性がとても強い作品だと思います。だから、趣味が分かれる。いろんなものを混ぜたいみたいで、そして全く統一感がない。「あぁ、これはこういうものなんだな」と分かりやすいイメージを提示してくるのに、ちょっとずつ外してきます。意外とアヴァンギャルドなんですよね。とてもひねくれています。はっきり言ってよく分かりません。

例えばキャラクター造形について。
幽霊の役があります。
ピエロみたいな服を着ているのに、幽霊だと言って現れます。バレエダンスを踊ってクラシックの素地のある動きを見せつつ、パントマイムのような動きをしつつ、歌を歌い、自分は水子であることを示唆し、最後に道化になります。自分は生きた存在じゃないから命が欲しいと言ったり、幽霊然とすべく恨む能力が欲しいと言ったりもします。そして実は、彼は主人公が描いた絵本のキャラクターなんです。
・・・情報が多すぎます。こんなにいろんな情報を詰め込むと、もはや訳が分からない、スマートじゃないですよね。
人の潜在意識の下にある混沌を描いているので、こんなキャラクターが出て来ること自体は無理ではないのですが、ちょっとやり過ぎです。
でも役者がそれを演じちゃえるんですよね。凄い。

更に難を言うと、構成はくどくて、題材がギリギリなんです。
観客を飽きさせないためにだと思うんですけど、面白そうなオーソドックスなイメージをどんどんつなげてくる。でもそれがとにかくとりとめもなくばらんばらんなものなんです。しかも、楽しく見せようと押しつけてくるんです。疲れてしまいます。飽きさせたくなかったら、場面を重ねるより削る方が有効かもしれません。
また、主人公が女に流産させた胎児のことを題材にしているのだけど、それを何度も何度も重ねて説明してくる。きついですね。そんなに重ねなくてもいいでしょう。作者の個人的な強い思い入れを感じます。

川崎市の事業の1つ、地域劇場を目指して作られた「しんゆりシアター」という団体の最初の演目ですが、これで良かったのでしょうか?
 地域を相手に、演劇をあまり観劇しない人にも観に来て貰うことを狙うならば、誰もが共感できそうな普遍的な題材を選ぶ方がいいのではないでしょうか? 胎児を失うこと(及び中絶)は、当事者にしか分からない非常に大きな感情の波を起こさせると思います。それは想像では補えないほどのものだと思います。その苦悩を負った男を応援する温かい、いや、熱い物語なんですけど、その熱さを役者も観客も共有出来るでしょうか? 経験者でなければ、おおいなる疎外感を持つのではないでしょうか。脚本を書いた人以外は。

私の読みでは、演出家の非常に身近な人にこういったことが起こり、
彼へのエールの気持ちから出来た物語なのではないかなぁ。
そんな"個人的な感じ"が強い作品を地域劇場のこけら落としに持って来るというのは、どうかなぁって思いました。

no.721

no.721

時速246億

新宿シアターモリエール(東京都)

2012/04/24 (火) ~ 2012/05/02 (水)公演終了

観劇後に頭が沸騰した
本を書いた人の本意は分からないのだけど、
人間の性について大いに切り込む話だったと思います。
最初のもしもクイズテストの辺りが凄くフックになって
そこから真面目に考えこんでしまった。

人間だけじゃなく、いろんな生きものが争いデフォだと思うんだ。
数が増えすぎると、昆虫もほ乳類も同種食い(殺してしまう)するんですってね。

争いはいけない、戦争はいけない、っていうのは分かるんだけど、
そういう人間の性を否定して、
なくしてしまおうってなるかというとちょっと分からないな。

それでもやろうというなら、
それでいいんだけど、結末がちょっと疑問が残るんだ。


ネタバレBOX


歴史の番人的な人は、
人間はどうしてか何をやってもいつも同じことを始めるって嘆いてたよね。
少年が戦争分からない、と一言言ったからって、
それはある一時点の一人の意見なんであって、
しばらくしたら戦争っていう概念が生まれるかもしれないよね。
少年以外の誰かが富の独占を行って、
それに不満を抱いた人間が武力で奮起するかもしれない。
なのに、どうして喜べるのかな? 先の先まで見に行って確かめるべきだよ。

メッセージ抜きに物語で押すなら、
上手くまとめる方法が浮かんだんだな。
だから無理じゃない。

でも、メッセージ込みで上手くまとめるなら、
そのメッセージ自体をもっと考えないといけないよね。
なんか、全体的に疑問だった。

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