じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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海猫街・改訂版

海猫街・改訂版

劇団桟敷童子

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2014/04/21 (月) ~ 2014/05/03 (土)公演終了

満足度★★★★★

観始めて間もなくワクワク
日露戦争後に国の繁栄(という大義名分で自らの利益を得ようとする輩)の犠牲となる庶民を描いており、「芝居芝居した芝居」を観たという充実感に満たされる。
そもそも観始めて間もなく「あー、これこれ!」とワクワクしてしまうくらいで。
通奏低音の如く悲劇性・哀しさがありつつ、ユーモアも交えた語り口は流暢で、様式美的なものやケレン味もあり鮮やか。
で、ふとここも含めてアングラ系の芝居は「現代歌舞伎」ではないか?などと思う。
さらに、沙翁作品が「きらびやかな悲劇」なのに対してこちらは「土着的悲劇」か?とも思ったり。
いやぁ、面白かった♪

ネタバレBOX

初演時には感じなかったが今回は終盤でそれまでの生活の基盤であった土地を離れてもたくましく生きて行こうとする人々に小松左京の「日本沈没」を、また約束だからと1人待ち続けるイサナに夏目漱石の「夢十夜」第一夜を想起。
うまれてないからまだしねない

うまれてないからまだしねない

範宙遊泳

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2014/04/19 (土) ~ 2014/04/27 (日)公演終了

満足度★★★★

詩的に見せる死生観
前回公演の手法(の発展型)を駆使して描く滅亡系SF(?)。
その手法から一見ポップな印象だが後半は詩的な感覚に転じた上に死生観が前面に出て「もののあはれ」感が色濃い。
が、最後に「光」を見せてふうわりと優しく着地するのがいいなぁ。

ネタバレBOX

終盤の展開に、山本卓卓流「ノウイング」か、と思ったりも…(笑)
リーガルハイハイ

リーガルハイハイ

Peachboys

シアター711(東京都)

2014/04/21 (月) ~ 2014/04/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

明るくカラッと屈託のないスケベ
大のオトナがホンキでバカを演り、新旧のあんなネタやこんなネタそんなネタ満載でありながら王道系のストーリーもキチンと成り立っているのが巧み。
また、「あの人があんなコトを!」なオドロキ(意外性)もあって楽しい。
ところで、20代半ばくらいの座組とPeachboysとで同じ下ネタ系で似たような表現であっても味わいが違う気がするのは何故かしら?
イキオイと覚悟(あるいは余裕)とか?
そんなこんなで、明るくカラッと屈託のないスケベ、ワロタワロタ。
あ、あと、童貞トリオに寅さんの精神を感じたり感じなかったり…(笑)

ネタバレBOX

「あの着ぐるみ」もスゴかったなぁ…。
ホント、よう作るわ。(感嘆)
ぬれぎぬ

ぬれぎぬ

アマヤドリ

シアター風姿花伝(東京都)

2014/04/01 (火) ~ 2014/04/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

4回目
初期2回、中期1回に次いで4回目。いくつかの加減部分ははありつつ、全体的には蛇行した水路の曲がった部分がより深く削られるが如く要所要所が「濃く」なってアクセントが付いた感じ。
初期・中期・後期それぞれに味わいがあり、ロングラン公演の面白さ(とフリーパスチケットのありがたさ)を実感。
なお、筆談による会話シーンの「筆談らしい感じ」の台詞回しも巧い。

仮面音楽祭

仮面音楽祭

江古田のガールズ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2014/04/16 (水) ~ 2014/04/20 (日)公演終了

満足度★★★★

両方観て面白さ倍増
深夜0時にスタートした4対4カラオケ合コンの顛末記。
状況と人物の設定ならびに配役の妙もさることながら、選曲とその歌詞(ほぼ元のままだったり変えてあったり)が絶妙。
中でも「ゲーム」と「印象と本性」が特に良かったなぁ。
また、シングルキャストながら♭と♯で別の役を演じた方々が、一方では従来のキャラ、もう一方ではそうでないキャラと、二面を見せてくれたのも嬉しい。

ネタバレBOX

オッフェンバックの「天国と地獄」にのせて山手線ゲームを「歌う」のが圧巻。
また、ピンク・レディーの「S・O・S」と「カルメン '77」で女性の「印象と本性」を歌うのも巧い。
しかし最後に流れるのが違う曲とは…。
推定容疑者

推定容疑者

Cooch

テアトルBONBON(東京都)

2014/04/16 (水) ~ 2014/04/20 (日)公演終了

満足度★★★

芝居はまずまずだが客席担当者は最低
冒頭のハイテンションぶりや笑いをとろうとしての空回り、一部で音楽が過剰、クライマックスがやや唐突、など残念なところも少なからずあったが、秀逸な表現もあり、基本部分はなかなかで、電動夏子安置システムの道井さんが好演、ということで、結論としては満足。

ただ、定刻を5分以上過ぎても中央付近の観易い2席(「関係者席」の表示あり)を空けたままにして、他のお客さん2名を通路の座布団席に座らせたスタッフは最低!
エンターテイメントに携わる者としての良識を疑う。

そんなこんなで秋に予定されている第2回公演に行くかについては全くの白紙状態。

※ なお、満足度は非常識な客席スタッフの件を除いた本編のみのもの

ネタバレBOX

スマホなどによる無遠慮な無断撮影のS.E.に銃声を使って見せた後に今度は銃を小道具に使ってシャッター音のS.E.を被せる表現は妙案。
また、兄の策略で電車に乗せられた妹が去る見せ方も良い。
そして本編では孤独な二人の絆が次第に深まり…な展開が好み。
蜜月の獣

蜜月の獣

小西耕一 ひとり芝居

RAFT(東京都)

2014/02/26 (水) ~ 2014/03/03 (月)公演終了

満足度★★★★

心の疵の深さが心に突き刺さる
出だしは典型的なダメカップルのハナシ風でニヤニヤしながら観ていたが、後半で明かされるそれぞれが持つ心の疵の深さが心に突き刺さり胸が痛む。
なお、ファーストシーンからのいくつかの推測がことごとく的中して、ヒントの出し方も巧みだな、と。

ガチゲキ2(最優秀賞決定!公式HPへGO!!)

ガチゲキ2(最優秀賞決定!公式HPへGO!!)

『ガチゲキ!!』実行委員会

インディペンデントシアターOji(東京都)

2014/04/09 (水) ~ 2014/04/20 (日)公演終了

満足度★★★★

【各論2】13日16:00開演」
Mrs.fictions「毒を飲むより苦しいなんて」
発想・演出・演技とも「いかにもMrs.fictions!」な作品で大いに楽しいが、ラストが肩透かし気味な印象。
あともうひと押しかふた押し欲しかった。(あ、時間の関係か…それと多大な期待)

日本のラジオ「アラッテモオチナイ」
前回のガチゲキでも見せた「原典昇華」系、元ネタの状況などから新たな物語を紡ぎ出し、今回はさらに別作品も練り込んで持ち味を存分に発揮。
で、その別作品である「死の棘」を予習しなかったことをちょっと後悔。

ぺんぺん草

ぺんぺん草

浮世企画

OFF OFFシアター(東京都)

2014/04/16 (水) ~ 2014/04/20 (日)公演終了

満足度★★★★

極めてオーソドックスながらがっつり引き込まれる
東京から1時間ほど離れた町での「カリスマ騒動」、多少の戯画化はあれど現実にありそうなストーリーはその語り口も含めてど真ん中の(しかも打ち頃の?)直球、極めてオーソドックスだが観客をぐいぐい引き込む力がある。
演出・演技も含めてアッパレ!
一見簡素だがあれこれ展開して複数の場を表現する装置も◎。

あのっ、先輩…ちょっとお話が… …ダメ!だってこんなのって…迷惑ですよね?

あのっ、先輩…ちょっとお話が… …ダメ!だってこんなのって…迷惑ですよね?

シベリア少女鉄道

座・高円寺1(東京都)

2014/04/16 (水) ~ 2014/04/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

ヤられたぁ!(笑)
思いがけず「真っ当な学園もの」かと思わせておいての邪道(笑)オンパレードからさらに変容して行き……いやぁ、ヤられたなぁ。
そして皆さん、芝居が巧いこと!(以下ネタバレ:ご覧になる予定の方は決してお読みになりませぬよう)

ネタバレBOX

はじめは単に舞台に出てくる程度だった「ヤツラ」が増長するパートはまさに邪道祭り(笑)、そこから無視するだけだった面々が反撃に出て溜飲を下げたかと思いきや、まさか「あんなもの」まで持ち出そうとは…(笑)
で、「正規出演者」たちが笑いをこらえたり吹いてしまったりするので観客としては騙されるワケだが、つらつら思い起こせば「ヤツラ」はプレ・パフォーマンス・トーク(と言えるのか?(笑))で「出たい」とハッキリ言っていたワケで…。
よく計算されているもんだ。
それにしても前説での「言い訳」、だんだん苦しくなってゆくんじゃないか?(笑)
『ツチヲマワセヨ』

『ツチヲマワセヨ』

7millions-ナナミリオンズ-

高田馬場ラビネスト(東京都)

2014/04/17 (木) ~ 2014/04/20 (日)公演終了

満足度★★★★

大きくて複雑なテーマを巧く描きあげて見事
結婚、仕事、兄弟姉妹の確執など大きくて複雑なテーマを複数扱いながらもカタくも重くも、そして軽くもならずにワカり易くユーモアも交えながら描いて見事。
特に女性2人が結婚に関することで意気投合し、互いの交際相手に関して呆れる場面などニヤニヤしつつもドキリ(笑)。
ただ、強いて言えばあれこれの問題が収束した後のエピローグがやや長く感じないでもない。(もちろん残した伏線の回収とオチであることも考えた上で)
そういや今月2本目の陶芸関連でもあったな。

目玉屋奮闘記

目玉屋奮闘記

UNITレンカノ

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2014/04/17 (木) ~ 2014/04/20 (日)公演終了

満足度★★★★

サービス満点の120分
ベースは人情コメディながら冒頭にはアクションがあるし後半はサスペンス仕立て(?)、そこにあんなネタやらそんなネタやら仕込んだ上に伏線とその回収も巧み。
普通、ここまでやると「盛り込み過ぎ」と感じることが多いのに配分が良いのか全くそう感じないばかりか「サービス満点」と感じてしまうのがスゴい。
とはいえ、あの終わり方ってば、さすがにやり過ぎでは…?(笑)(笑)(笑)

ゴドーを待ちながらを待ちながら

ゴドーを待ちながらを待ちながら

トツゲキ倶楽部

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2013/10/04 (金) ~ 2013/10/07 (月)公演終了

満足度★★★★

バックステージもののお手本のような快作
序盤で小劇場系や最近の流行りの小ネタで笑わせて引き込み、表現の自由への規制や政治的無関心(今回附加された部分とのこと)などもチクリと刺してから王道である「ピンチ脱出」に持って行くというバックステージもののお手本のような快作。

ガチゲキ2(最優秀賞決定!公式HPへGO!!)

ガチゲキ2(最優秀賞決定!公式HPへGO!!)

『ガチゲキ!!』実行委員会

インディペンデントシアターOji(東京都)

2014/04/09 (水) ~ 2014/04/20 (日)公演終了

満足度★★★★

【各論1】13日13:00開演
宗教劇団ピャー!!「リア王とジプシー」
原典をストーリー程度しか知らない身としては序盤にあったわずかな断片以外に元ネタが見出だせないのが残念。原典の台詞がまんま出てきたりでもしたのかしら?

劇団鋼鉄村松「家族がやたら恋愛に理解のあるロミオとジュリエット」
全6本の中では一番原典に沿っているが、設定を一部変えることでガラリと趣の違うものにしつつ、さらに…という展開・構成が見事。

ガチゲキ2(最優秀賞決定!公式HPへGO!!)

ガチゲキ2(最優秀賞決定!公式HPへGO!!)

『ガチゲキ!!』実行委員会

インディペンデントシアターOji(東京都)

2014/04/09 (水) ~ 2014/04/20 (日)公演終了

満足度★★★★

【総論】
各団体それぞれ個性があり、原典へのアプローチも異なり面白い。
そのアプローチ、「原典の設定を一部だけ変えたもの」「原典に出てくるアイテムやキーワードに着目し、そこから話を発展させたもの」「申し訳程度に原典の一部を使ったもの」の3つに大別できるのではあるまいか?
で、前回あった翻案系が今回はないような。
とはいえ、様々なスタイルを最低でも2つ観ることができる好企画、今後も続いて欲しい。

※ 団体毎あるいは対戦毎の【各論】は余裕があれば…

かもめ~21世紀になり全面化しつつある中二病は何によって癒されるのか、あるいはついに癒しえないのか、に関する一考察~

かもめ~21世紀になり全面化しつつある中二病は何によって癒されるのか、あるいはついに癒しえないのか、に関する一考察~

アロッタファジャイナ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2014/02/26 (水) ~ 2014/03/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

A・Bを観較べて愉しさ倍増
チェーホフによる原作を登場人物6人、ランタイム2時間に削ぎ落としての上演。
ニーナ役の個性や「濡れ場」の違いを筆頭にオモムキがかなり異なり「愛と欲望の年長組」Bキャストと「ライトでコミカルな若手組」Aキャストを観較べると愉しさ倍増!

ネタバレBOX

先に観たBチームのニーナが強かで野心的な印象だったのに対してAチームは女優になることに純粋な憧れ・夢を抱いている感じ。なので第4場でその消息が語られた時に片や自業自得、片や哀れに思われたりも。
また、アルカージナとトリゴーリンの濡れ場も片やエロチック、片やドタバタで、その対比も楽しい。あぁ、関西訛りのメドヴェージェフなんかもあったな。(笑)
なお、2/27マチネ終演後のアフタートークで映画におけるエンディングクレジットのバックのようなラストシーンの異解釈(=ニーナも死んでいる)を聞いたために同日ソワレを観て最終場の珍解釈を思い付いてしまってので以下はその内容。
最終場で1週間前から安宿に泊まっているとされていたニーナは実は既に死んでいて、トレープレフを誘いに来た亡霊…どころか自殺させに来た怨霊(爆)。
そこまでいかないにしても彼の悔いが見せた幻影。
新美南吉の日記 1931-1935

新美南吉の日記 1931-1935

オクムラ宅

土間の家(東京都)

2013/10/25 (金) ~ 2013/11/03 (日)公演終了

満足度★★★★

導入部が特に巧み
冒頭部分の文章の振り分けがリズミカルでするりと入り込むことができたが、物語としては次第につらい方向へ。
そう言えば、児童文学としてはアンハッピーな終わり方のものもあり、若い頃のそんな経験の影響か?とも考えたり。

森の別の場所

森の別の場所

時間堂

シアター風姿花伝(東京都)

2013/11/01 (金) ~ 2013/11/11 (月)公演終了

満足度★★★★

古典戯曲と小劇場的演出の邂逅
戯曲自体はかつて〇〇劇場とか〇〇会館ホールなど漢字名称の会場で〇〇座、劇団〇〇など漢字名称の団体が上演していたような古風で格調ある印象のものだが、会場と装置はいわゆる小劇場系と、一見不似合いながらキチンとした衣装が仲をとりもつ、な感じ。
なので時折脳内に新劇版が浮かんだりしつつ「カジュアルな古典」もしくは「古典戯曲と小劇場的演出の邂逅」を堪能。

ぬれぎぬ

ぬれぎぬ

アマヤドリ

シアター風姿花伝(東京都)

2014/04/01 (火) ~ 2014/04/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

軽やかさと熟成感(3回目)
初期と較べて軽やかさと熟成感が増して全体がクッキリした印象なのは観るのが3回目だからか?(反語的用法)
あと、今日やっと気付いたこと(←ネタバレBOXへ)もあり、(プレミアム)フリーパスの威力まざまざ。
さて、楽日前のマチネやいかに?

ネタバレBOX

向井・有島のゴタゴタに巻き込まれた次の場で占部と村田の間に「共犯者意識」的なものが生ずるのが見えた。前の場で少年院経験があることを(観客が)知った後なのが巧み。
また、門田・占部の負のオーラにアテられる向井・有島に「呪怨」や「SW」を連想したりも…(笑)
POLYMPIC TOKYO!

POLYMPIC TOKYO!

天才劇団バカバッカ

吉祥寺シアター(東京都)

2014/04/09 (水) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

満足度★★★★

前半がチョイ長だが後半・クライマックスは見事
導火線がチョイ長めな印象あるもコトが起きてからはポリスアカデミー的展開あり、リアル脱出ゲーム風隠れメッセージ解読ありで楽しく、クライマックスではヘイトスピーチに対するバカバッカの意思表明まであって魅せられる。
また、お家芸的な(ラップ)もお見事。
ちなみにカーテンコールを含めたランタイムは140分(「約2時間」とのアナウンスにしては長いと思ったら案の定…みたいな)。

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