じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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かもめ~21世紀になり全面化しつつある中二病は何によって癒されるのか、あるいはついに癒しえないのか、に関する一考察~

かもめ~21世紀になり全面化しつつある中二病は何によって癒されるのか、あるいはついに癒しえないのか、に関する一考察~

アロッタファジャイナ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2014/02/26 (水) ~ 2014/03/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

A・Bを観較べて愉しさ倍増
チェーホフによる原作を登場人物6人、ランタイム2時間に削ぎ落としての上演。
ニーナ役の個性や「濡れ場」の違いを筆頭にオモムキがかなり異なり「愛と欲望の年長組」Bキャストと「ライトでコミカルな若手組」Aキャストを観較べると愉しさ倍増!

ネタバレBOX

先に観たBチームのニーナが強かで野心的な印象だったのに対してAチームは女優になることに純粋な憧れ・夢を抱いている感じ。なので第4場でその消息が語られた時に片や自業自得、片や哀れに思われたりも。
また、アルカージナとトリゴーリンの濡れ場も片やエロチック、片やドタバタで、その対比も楽しい。あぁ、関西訛りのメドヴェージェフなんかもあったな。(笑)
なお、2/27マチネ終演後のアフタートークで映画におけるエンディングクレジットのバックのようなラストシーンの異解釈(=ニーナも死んでいる)を聞いたために同日ソワレを観て最終場の珍解釈を思い付いてしまってので以下はその内容。
最終場で1週間前から安宿に泊まっているとされていたニーナは実は既に死んでいて、トレープレフを誘いに来た亡霊…どころか自殺させに来た怨霊(爆)。
そこまでいかないにしても彼の悔いが見せた幻影。
新美南吉の日記 1931-1935

新美南吉の日記 1931-1935

オクムラ宅

土間の家(東京都)

2013/10/25 (金) ~ 2013/11/03 (日)公演終了

満足度★★★★

導入部が特に巧み
冒頭部分の文章の振り分けがリズミカルでするりと入り込むことができたが、物語としては次第につらい方向へ。
そう言えば、児童文学としてはアンハッピーな終わり方のものもあり、若い頃のそんな経験の影響か?とも考えたり。

森の別の場所

森の別の場所

時間堂

シアター風姿花伝(東京都)

2013/11/01 (金) ~ 2013/11/11 (月)公演終了

満足度★★★★

古典戯曲と小劇場的演出の邂逅
戯曲自体はかつて〇〇劇場とか〇〇会館ホールなど漢字名称の会場で〇〇座、劇団〇〇など漢字名称の団体が上演していたような古風で格調ある印象のものだが、会場と装置はいわゆる小劇場系と、一見不似合いながらキチンとした衣装が仲をとりもつ、な感じ。
なので時折脳内に新劇版が浮かんだりしつつ「カジュアルな古典」もしくは「古典戯曲と小劇場的演出の邂逅」を堪能。

ぬれぎぬ

ぬれぎぬ

アマヤドリ

シアター風姿花伝(東京都)

2014/04/01 (火) ~ 2014/04/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

軽やかさと熟成感(3回目)
初期と較べて軽やかさと熟成感が増して全体がクッキリした印象なのは観るのが3回目だからか?(反語的用法)
あと、今日やっと気付いたこと(←ネタバレBOXへ)もあり、(プレミアム)フリーパスの威力まざまざ。
さて、楽日前のマチネやいかに?

ネタバレBOX

向井・有島のゴタゴタに巻き込まれた次の場で占部と村田の間に「共犯者意識」的なものが生ずるのが見えた。前の場で少年院経験があることを(観客が)知った後なのが巧み。
また、門田・占部の負のオーラにアテられる向井・有島に「呪怨」や「SW」を連想したりも…(笑)
POLYMPIC TOKYO!

POLYMPIC TOKYO!

天才劇団バカバッカ

吉祥寺シアター(東京都)

2014/04/09 (水) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

満足度★★★★

前半がチョイ長だが後半・クライマックスは見事
導火線がチョイ長めな印象あるもコトが起きてからはポリスアカデミー的展開あり、リアル脱出ゲーム風隠れメッセージ解読ありで楽しく、クライマックスではヘイトスピーチに対するバカバッカの意思表明まであって魅せられる。
また、お家芸的な(ラップ)もお見事。
ちなみにカーテンコールを含めたランタイムは140分(「約2時間」とのアナウンスにしては長いと思ったら案の定…みたいな)。

ファニー・ガール

ファニー・ガール

シンクロ少女

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2013/10/04 (金) ~ 2013/10/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

切なさや優しさが滲み出る
2部構成で語る家族、幸・不幸、そして愛情。
従来のようなドロドロさ(笑)はなりを潜め、切なさや優しさがじわじわと滲み出てくる印象。
また、第2部の場の一部を第1部にインサートするトリッキーな手法も効果的。
とある場面の後に長めの暗転を設ける心遣いも◎。

20文字のRiver

20文字のRiver

荒川チョモランマ

下北アートスペース(東京都)

2013/10/19 (土) ~ 2013/10/20 (日)公演終了

満足度★★★★

俺得公演(笑)
かつて「日本の問題ver.311」で上演されて「やられたぁ!」と思った1編に石巻での上演につき涙を呑んだ2編という「俺得」な公演。
加えて、それぞれ単独だった各編を組曲のように巧く繋げた工夫も好みだし壁に展示された作品も「あー、なるほど」。

ラブホテルインブルー

ラブホテルインブルー

発条ロールシアター

タイニイアリス(東京都)

2014/04/10 (木) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

満足度★★★★

今回は「異世界、ナシよ」(笑)
地方のラブホの従業員たちを中心とした人間模様。
前半はとっちらかったり蛇行気味だったりだが後半は「児童文学(学習やコース・時代に連載されたりNHKの少年ドラマシリーズになるような)のオトナ版」(!)のような雰囲気が漂い妙に懐かしい。
それを経てイイ話で締め括る方向に向かうも結局しょーもなく落とすのは照れなの?(笑)

エ☆パー三姉妹

エ☆パー三姉妹

ボクキエダモノ

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2014/04/10 (木) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

満足度★★★★

そう来ましたかぁ!
一見「なんちゃってSF」のような設定から始まり、出落ち系のハジけたキャラも登場するドタバタ気味ながら終盤では本格SF方面あり姉妹の確執的なものありで「そう来るかぁ!」みたいな。
それにしてもここでこんな装置を目にしようとは…。

インディとジョーンズの冒険第二弾!「帝国陸軍と不老不死伝説!」

インディとジョーンズの冒険第二弾!「帝国陸軍と不老不死伝説!」

平熱43度

萬劇場(東京都)

2014/04/09 (水) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

満足度★★★★

娯楽アクションのお手本的な愉しさ
表面的にはタイトルからバレバレな「アレ」を纏いながらも実は芯を貫いているのは「別のアレ」で、さらに「また別のアレ」や「ソレ」のイイトコ取りな上に笑いをまぶしてスパイスもきかせた娯楽アクション作。
元ネタがワカればワカるほど面白さが増すが、たとえ知らなくても十分に楽しめるのではあるまいか?

ネタバレBOX

べースにあるのは宮崎アニメ(の精神?)て、そこにインディ・ジョーンズ・シリーズやT2、BTFなどの80年代のSFやアクション映画の名場面を組み合わせているんだもの、愉しいワケだよ。(笑)
ぬれぎぬ

ぬれぎぬ

アマヤドリ

シアター風姿花伝(東京都)

2014/04/01 (火) ~ 2014/04/23 (水)公演終了

満足度★★★★

まずは3日と5日に
劇団員のみ、特徴的なダンス的表現は封印しての濃密な(とはいえアマヤドリの特色とも言える軽妙な語り口は健在)会話劇。
人物造形がしっかりしていて、登場人物それぞれに説得力あり。正しいかどうかは別にして「この人はこういう理屈で行動しているんだ」と理解できるというか。
実は最初に観た時は「どの人物も憎めない」ではないし「各人物に共感」も違うな…と思っていたが、2度目に先述の表現が浮かんでスッキリ。
1回目で全体像を観たので2回目は各シーンで極力1人の人物だけ見ようとしたりして。(おそらく今後も)
また、実際の位置関係とはズラした位置関係によって、その人物たちの「心の位置関係」を見せる(と解釈した)空間構成も巧いんだよなぁ。

楽屋より愛をこめて

楽屋より愛をこめて

劇団S.W.A.T!

「劇」小劇場(東京都)

2014/04/03 (木) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

満足度★★★★

新型バックステージもの
バックステージものではあるが、ありがちな開演前や開演中をリアルタイムで描くスタイルではなく、初日・公演期間半ば・楽日それぞれの楽屋をスケッチすることによって「役者というもの」の描写に重きを置いた感じ。
笑いと涙、そしてお約束の「ショウ・マスト・ゴー・オン」要素を盛り込んだ95分、愉しい♪

ネタバレBOX

タイトルの意味を明かす終盤の1シーンは思い出すだけで涙腺が弛みそうになる。
ひきがね 引いた

ひきがね 引いた

ジソーキッズ

OFF OFFシアター(東京都)

2014/04/09 (水) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

満足度★★

クセのある会話にノリ損ねる
最終的な落としどころである肉親ネタは好みのタイプなのだが、そこに到るまでがブッ跳び過ぎと言おうかシュールと言おうか、な上に登場人物の多くに「悪意」が感じられて苦手気味。
出だしから早口かつ間をあまり取らない「クセのある」会話がせわしなくてとっつきにくく感じ、こちらから「壁を作ってしまった」のが敗因か?

時々は、水辺の家で

時々は、水辺の家で

monophonic orchestra

新宿眼科画廊(東京都)

2013/12/16 (月) ~ 2013/12/25 (水)公演終了

満足度★★★★★

24日にリピートも
ほぼ着席ままのオーソドックスな「朗読劇」で、場毎に座る位置を替えるスタイルながら衣裳が演ずる風なのでイメージがわき易い。
基本的にはユーモラスな中、終盤で親子ネタでホロリとさせるズルさ(笑)もあって好きだなぁ。

ツレがウヨになりまして

ツレがウヨになりまして

笑の内閣

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/12/19 (木) ~ 2013/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★

落とし処が巧い
若干ライトではあるかと思うがネトウヨのオカしさ(難癖のつけ方とか)を中心ににラブコメ要素やあれやこれやのパロディも盛り込んで愉快。
また、「正しい愛し方」を示して締めくくるのが上手い。

男と女はそうじゃないでしょ。

男と女はそうじゃないでしょ。

BASEプロデュース

BAR BASE(東京都)

2014/03/24 (月) ~ 2014/03/30 (日)公演終了

満足度★★★★

内容と会場の使い方の相乗効果
夫への不満をマスターに愚痴る常連客にこっそりツッ込みを入れる男性客…な状況から始まるコメディ。
従来と異なりバーの端から端、そしてカウンター内まで演技エリアとするのが内容と相俟ってここでの公演ならではの使い方で効果抜群。(とはいえ、観客が多くてカウンター席にも座らせた時には死角ができてしまったとのことだが)
ある場面を2人の主観から2度見せる手法も面白い。

はるヲうるひと

はるヲうるひと

ちからわざ

ザ・スズナリ(東京都)

2014/04/03 (木) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

満足度★★★★

ファンとしてタマらん
初演時に感じた各人物の明確な描き分け・役割分担に加えて、ある人物の表面的な部分とは相反する(?)面をチラリとのぞかせるその見せ方にも感嘆。
また、佐藤二朗主宰(脚本も)独特の味わい・間合いがそこここに漂っていてファンとしてタマらん。(笑)

美しいヒポリタ

美しいヒポリタ

世田谷シルク

吉祥寺シアター(東京都)

2014/03/27 (木) ~ 2014/03/31 (月)公演終了

満足度★★★★

単なる拡大模写でなく改めて描き直す
小劇場「楽園」での初演を観ていたのにグッと大きな劇場になった違和感が全くなく、それどころか初演の印象を上書きしてしまうが如し。
一度描いた絵をもっと大きな額に入れるに際して、単に拡大模写するのではなく、そのサイズ用に新たに描き直したというところか。
思い起こせば「渡り鳥の信号待ち」のサンモールスタジオ→シアタートラムの時もそうだったワケだが、今回の方が初演の味わいを残しつつ、な感が強いか?
出だしは沙翁とは全く無縁のようでありながらも次第に夏夢が浸蝕してくるような展開も巧いよなぁ。

此岸花

此岸花

四次元ボックス

d-倉庫(東京都)

2013/12/26 (木) ~ 2013/12/29 (日)公演終了

満足度★★★★

中弛みあるも序盤と終盤は良い
ある意図で北海道の廃工場を訪れた少年と金の返済を迫られている男などが出逢う「先住者」たち。
中盤でその「先住者」が過去を語るところが説明っぽくて平板かつ冗長なのが惜しいが、序盤の出逢いパートと「最後の1人」が登場して以降がイイ。
出逢いパートは「先住者」たちは何者?という劇中の「来訪者たち」の疑問をユーモアを交えながら明かしてゆき、きちんと観客を芝居に引っ張り込んで見事。
ミュージカル仕立てな部分も含めて劇団四季の「ユタとふしぎな仲間たち」も想起。
また、終盤の自殺したが死んだと思っていない少年の「死んだのなら何で(まだ)こんなに毎日が辛いのさ」という台詞は秀逸。
「死ぬことで楽になると思ったら大間違い!」ってのがイイ。
ただ、さらにアイヌ差別も盛り込んだのは欲張り過ぎかも? 焦点を散らした感が無きにしも非ず。

勝式幕孝談

勝式幕孝談

ソラトビヨリst.

新宿シアターモリエール(東京都)

2013/12/20 (金) ~ 2013/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★

もうひとつの幕末史
勝海舟が次女・孝子の言葉に触発されて彼女と共に考える「もう一つの幕末」。
史実はそのままでそれに至る過程をパズルの如く組み換えるアイデアが良く、争乱を経て1つになった日本のように世界も1つになれば、というメッセージにも共感。
ただ、終盤のあるシーンに現代の事件報道の音声を被せるのは、意図はよくワカるが若干唐突な感がないでもない。
とはいえ、終演時に「100分弱くらい?」と思って時計を見たら115分近く経っていたので、それだけ引き込まれた様子。

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