じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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この岐阜の果て

この岐阜の果て

劇団献身

プロト・シアター(東京都)

2014/09/25 (木) ~ 2014/09/29 (月)公演終了

満足度★★★★

120分の長さは感じず
ナンセンスだったりブラックだったりシュールだったりな笑いの中に「死にたい」が常套句の若者の心情をバランス良く練り込むセンスが光る。
序盤のネタが終盤で実るのも巧かった。
若干の既視感はあるも120分の長さは感じず。

弄ばれて

弄ばれて

劇団競泳水着

スタジオ空洞(東京都)

2014/09/17 (水) ~ 2014/09/25 (木)公演終了

満足度★★★★

「ドグラ・マグラ」的ラブコメディ
若き劇作家の恋愛事情。
芝居関連の自虐気味のネタなどありつつも本筋はコワくてイタくて胸キュンなラブコメディ、オノコなら誰しも似た経験・思いはあるのでは?
かくいうσ(^-^)も古傷からまだ血が止まっていないできたての傷まで障りまくり…いてててて。(爆)。
また、主人公・渋谷役の和知さんの出オチ(笑)に始まり、どこまで虚構でどこまで実体験か観客を惑わせ(=観客が「弄ばれて」状態?(笑))、さらに作品中で本作の解説(あるいは批評?)までするとは…!
これまたある意味「ドグラ・マグラ」的で大好き。
あと、映画ネタにも笑ったなぁ。

さくらんぼ畑 四幕の喜劇(桜の園)

さくらんぼ畑 四幕の喜劇(桜の園)

オクムラ宅

ギャラリーしあん(新御徒町駅より徒歩1分)(東京都)

2014/09/19 (金) ~ 2014/09/28 (日)公演終了

満足度★★★★

元の戯曲の構造がクッキリと
カジュアルな古典と言おうか古典で遊ぶと言おうか、人物を戯画化することでとっつき易くしながらも…いや、そうすればこそ起承転結丸出しの四幕や貯まっていた水が渦を描いて排水口に消えて行くように落ちるべきところに落とす結末など元の戯曲の安定した構造がクッキリ見えてくる感じ?
「かもめ」の時もそうだったが、実時間(10分と20秒の休憩を含めて165分)の長さは感じなかった。

流刑の島ー監獄の唄ー

流刑の島ー監獄の唄ー

平熱43度

萬劇場(東京都)

2014/09/11 (木) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★

随所に男の粋・意気
「ニューヨーク1999」と通ずるところもある近未来の「監獄エリア」を舞台にした物語。
どこか既視感はあるが、元となったであろう作品たちの単なる模倣でなく、それらを消化・吸収した上でオリジナリティを加えて練り上げた印象。
随所にある「男の粋・意気」や序盤・終盤での「剣の稽古」の言い訳、そして歌とダンスによる姉妹の和解シーンが特にステキ。
ところでヒロインは、リン・ミンメイの祖先なんでしょうか?(笑)

回禄のニライカナイ【アンケート即日公開】

回禄のニライカナイ【アンケート即日公開】

劇団バッコスの祭

あうるすぽっと(東京都)

2014/09/05 (金) ~ 2014/09/08 (月)公演終了

満足度★★★★

イマ、意義のある作品
終盤は風呂敷を広げ過ぎの憾みがないでもないが、劇団…というより演劇人としての決意表明を受け取った。
問題を投げかけた形の幕切れや、空手の比喩なども好み。
また、序盤での「法律が間違っているんです!」という台詞、いろいろ考えさせられる。
そんな日本にしてはいけないよね。…というか、そんな方向に行きかけているような今、意義のある作品だった。

非常の階段

非常の階段

アマヤドリ

吉祥寺シアター(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/21 (日)公演終了

満足度★★★★

広田戯曲としては異色?
様々な出自の面々で構成された詐欺集団がその1人のメンバー宅に居候することで織り成される物語。
広田戯曲では珍しく基本設定の「架空度」が低く、まさにイマの日本の物語、特徴的なムーブメントを封印した(?)こともあり、リアリティがある。
広田さんは執筆にあたり詐欺グループのルポルタージュやドキュメンタリーで研究されたとのことで、それぞれのバックグラウンドや言い分の説得力たるや…。
そんな「グループ」と「家族」の対比を鮮やかに見せておいての「5日目」の前の空間構成が見事。
場を終えた役者が舞台上の各地に動きを止めてとどまるのはあたかも「これで駒は出揃いました、ここからは収束に向かいます」と宣言するようでアクセントとして印象深い。

あと、終盤のタイトルと密接に関わる展開になったあたりの語り口(台詞回しから「カット割」的なもの、物語の流れまで含む)は、いかにも広田作品、という感じだったなぁ。
もちろんそこだけではなくモノローグの入れ方とかそういうものもそうなんだが。

さすがに「長さを感じない」とはならないが、冗長などという単語とは無縁、内容相応の上演時間に思えた。

ネタバレBOX

序盤で使った「サプライズパーティー」を終盤で活かすのも巧み。
さらに、このシリーズでは封印したのか?と思わせた特徴的なムーブメントを終盤で炸裂させるのも、死と生の対比と言おうか生命の躍動と言おうか締めくくりに最適。
広田さん、ホントにそのあたりを意識されなかったんですかぁ?(笑)
騒音と闇 ドイツ凱旋ver.

騒音と闇 ドイツ凱旋ver.

革命アイドル暴走ちゃん

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/09/25 (木) ~ 2014/09/30 (火)公演終了

満足度★★★★

良くも悪くもアゴラver.
喧騒と猥雑と狂乱(笑)と…その一方で見事なまでに統制されてメリハリの利いたパフォーマンス、さらにあんな曲やそんな曲もあるトリッキーとも王道とも言える選曲・構成は毎度の見事さ。
が、会場のサイズの関係(よりは現代口語演劇の拠点という会場イメージ?オリザ王子の呪縛?(笑))もあってか横浜版と較べて良く言えば洗練された、悪く言えばいいコぶっている感じも…。
これはこれで悪くないが、横浜ver.の粗削りなパワーの炸裂もまた捨てがたい。
なお、バナナ学園純情乙女組時代からの大好きなモチーフや意表を突かれた曲に涙腺が弛みそうになったのはここだけのハナシ。

あの空の向こうへ

あの空の向こうへ

ノーコンタクツ

萬劇場(東京都)

2014/09/26 (金) ~ 2014/09/28 (日)公演終了

満足度★★★★

主題とその表現方法が◎
時間ものSFではお馴染みの「理論」と主題の結び付け方が絶妙で、その主題に感銘を受ける。(注:「時間ものSF」ではありません)
また、ここではお馴染みの「アレ」はあるもパロディ系はほぼ封印…がしかし、新境地に挑んだことも含め、個人的には高評価。
ただ、「泣かせ逃げ」のラストはズルいな、減点モノだよ(笑)。
あと、音楽(選曲・使い方)にどことなくCャラメルBックスを想起してニヤニヤしてしまった。

ネタバレBOX

「途中の過程は変わることがあっても結果は変わらない」という時間SFの理論(劇中で実例付きの簡単な説明もある)と、海戦ゲームの担当部門毎のエキスパートが集まってシミュレーションを繰り返しても戦艦大和を撃沈から救うことはできない(=一旦戦争が始まれば多くの人々の死は不可避)という主題の取り合わせが、そしてもちろん主題そのものも良かった。
余談だが、序盤のある部分から岡嶋二人の「クラインの壷」を思い出した。アレも面白かったなぁ…(ドラマを観てから原作を読んだ)
ヨロタミュージカル2 Ready Go ~あいのままで~

ヨロタミュージカル2 Ready Go ~あいのままで~

劇団ヨロタミ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2014/09/25 (木) ~ 2014/09/28 (日)公演終了

満足度★★★★

必ずしも巧くはない歌にも味わいあり
客席に入りまず「ホテルのような温泉旅館」のフロント、ロビーを具現化した装置に感心。
そして開演すると冒頭のあの手この手で笑いを引き出すセンスある会話・台詞に感嘆。
それはやがて「朝霧母娘」を中心とした昼メロばりのシリアスな展開になり、他のいくつかの挿話も交えて進むが、しかし総てを拾って収束させる流れの巧みさたるや!
一方、ラップから演歌まで幅広く取り揃えたミュージカルナンバー(=オリジナル楽曲)、敢えて言えば歌唱は(本物のミュージカル俳優と較べて)決して上手くはない。
が、むしろ人物の心境吐露であり台詞の延長という気がして、心に響く。
これ、巧いと「歌」あるいは「音楽」として聞いてしまうのでは?
「思ったことをそのまま歌うんだ」的な台詞もあったが、まさにそのまんまで「伝えようとする(役者の)気持ちに「共鳴」あるいは「共振」したのかな?涙が出そうだったもの。
ミュージカルとはそういうものだ、とする台詞がある一方で、ミュージカルの違和感を訴える歌があるのも愉快。
あと、冒頭パートに「“風の噂”ってのは間違いで、正しくは“風の便り”だからな」という台詞があって「よくぞ言って下さった!」とも(笑)。
(補足:誤用は「風の便り、巷の噂」の短縮化か?)

宇宙船

宇宙船

3.14ch

王子小劇場(東京都)

2014/09/19 (金) ~ 2014/09/29 (月)公演終了

満足度★★★★★

壮大なスケールで極めて人間臭いSFクロニクル
地球から350年もかけて他星に航行する巨大宇宙船内の壮大なクロニクル。
冒頭シーンで状況や設定を決して説明っぽくなく観客に伝えるのがまず見事。
そしてその中でも説明される「表層年齢」のアイデアも巧み。長期間でも老けメイク不要だもんね。
そうして描かれるのは長期にわたる宇宙船内の人間関係。
考えようによってはコンパクトな史劇でもあり、愛憎、堕落、再生など極めて人間的。
また、装置や衣装も「素材」を上手に活用して「それっぽく」見せるのが前作に続いて巧い。
で、とある名作のオマージュ以外、SFとそうでない有名芝居各1編を連想したが、多分考え過ぎだろう。(具体的にはネタバレBOXへ)
なお、夏のブル2作を見逃してしまい久々となる鳴海由莉嬢は(19歳の設定なのに)オトナっぽくて「ありゃりゃ?」と思っていたらあくまでそれは役柄上のものであり、終演後に会った彼女は以前の(笑)キュートな由莉ちゃんなのでした。
女優ってコワい…(爆)

ネタバレBOX

終盤、1人になってしまったミシマに「2001年宇宙の旅」のボーマンを想起。その後、一旦「考えすぎか」と思うも最後に新生児が出てきて「あぁ、やっぱり!」(笑)。
また、パイン(だったかな?)の子孫たちがおかしくなった時にはチャペックの「RUR」も連想。(ミシマが人間でパインの子孫たちがロボット、的な)
さらに、1人になったミシマが小説を書きながら皆を回想する場面では「上海バンスキング」のラストも思い出す。いくら何でもこれこそ考え過ぎってモンだよね。
恋の文化祭 〜恋せよ乙女、恋愛短編集〜

恋の文化祭 〜恋せよ乙女、恋愛短編集〜

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2014/09/11 (木) ~ 2014/09/26 (金)公演終了

満足度★★★★

恋する女は綺麗さ 決してお世辞じゃないぜ
ヒロミ・ゴー(ってか三浦徳子)の「恋する女は綺麗さ 決してお世辞じゃないぜ」との言葉通り女優さんがたがみんなキュートだったなぁ。
で、観ながら当日パンフレットで脚本提供者を確認して大いに納得。
意表をつく萩原作品、しっとり・こまやかな米内山作品、良い意味で普通・自然な佐々木作品、とそれぞれの特色がクッキリ顕れていてニヤニヤ。
また、複数作家によるオムニバスでは難しい各編の関連付けも「閉会式」でやってのけるとはお見事。

ネタバレBOX

しかしアレは「恋泥棒」じゃなく「恋強盗」だろ!(笑)
しかもリボルバーで何発撃ってるんだ?(←コメディにつき許容範囲内)
GADGET collection vol.3

GADGET collection vol.3

拘束ピエロ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2014/09/16 (火) ~ 2014/09/21 (日)公演終了

満足度★★★★

構成の妙か?
1編目「悪魔の煤けた相棒」
グリムなどの童話・寓話的世界なのも味があるが、そこから落語のサゲのようなパンチラインで幕切れとするのが鮮やか。

2編目「魔女の名前」
フィルム・ノワールならぬ「テアトル・ノワール」ながらどこか海外版「夢十夜」なオモムキがあるのが好み。

3編目「シスターコンプレックス」
結婚する妹に対する兄バカ具合と男たちの幼なじみ感が楽しいが、ラストに漂うペーソスもイイ。

なお、ダークな2編と笑える1編という取り合わせや、2編目の後に生じる衣装替えのための時間稼ぎの場繋ぎも的確。

ぼくのページ

ぼくのページ

劇団のの

ART THEATER かもめ座(東京都)

2014/09/18 (木) ~ 2014/09/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

秀作にして傑作。とにかく巧い!
まずはキャラクター設定・演技・衣装が三位一体となり「確かにそこに実在する」登場人物たちと、彼らが交わすユーモアのセンスあふれる会話によって引き込み、コメディタッチの前半で笑わせ、後半は青春熱血系に転じてタイトルの意味で感動すら誘って締め括る構成が鮮やか。
秀作にして傑作。とにかく巧い!
配役と舞台を簡潔に紹介する当日パンフレットも親切だし、あるものを利用した装置も見モノ。
上演時間は100分弱(初日実測)。

ネタバレBOX

「語り」の位置の「もう一つの意味」やある人物が「祖父と瓜二つ」な理由の伏線と回収(ちょっと違うか)なんかも上手いし、殴り込みと座り込みの間違いなどを筆頭にくすぐりも巧み。
あと、「あんな風に花壇を荒らされたら俺なんか心が折れちゃうけどなぁ…」のあたりから終盤に向かう流れも好きだなぁ。
レッドパージ2〜SHIRU〜

レッドパージ2〜SHIRU〜

あんかけフラミンゴ

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★

メタフィクションを極めたか?
まずは前々回までの公演スタイルで汁男優たちの世界を描き「得意技で締めるのか」と思わせておき、後半はスタイルをガラリと変えてくるトリッキーなツクリ。
前半のいかにもあんかけフラミンゴな部分は個人的には冗長に感じられたものの、後半部分はまさしく前作の延長線上のものであり、しかし前作の「続き」ではなく前作を「発展させた」作品と言えよう。
その後半のメタフィクション部分、執筆している島田さんの真意や心境、演じている劇団員の心境に想いを馳せずにいられないシカケが極めて卑怯…と言うか、メタフィクションを最大限に活かした(?)使い方であり、メタフィクション好きとしても脱帽。ある意味「ドグラ・マグラ」だよね。

マナナン・マクリルの羅針盤

マナナン・マクリルの羅針盤

劇団ショウダウン

シアター風姿花伝(東京都)

2014/09/05 (金) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

池袋演劇祭CM大会で垣間見せた力量はホンモノ
講釈師の如きメリハリのある語り口に身体表現、音響、照明、装置を加え、可愛らしい女優さんが露出多めの衣装で演ずるなんて、反則だろ!(半分真顔)
が、池袋演劇祭CM大会で垣間見せた力量はホンモノ、物語が見事なほどに浮き上がって10分の休憩込みの140分間、観客を惹き付け続ける…いやぁ、脱帽!。
また、当日パンフレットに書かれていたので「サミュエル・ベラミー」「ウイーダ号」「ジョン・キング」を開演直前に調べて臨んだら内容の理解に役立つこと。
で、主要登場人物が実在したことを当日パンフレットに記載しておき第一幕は主人公の青年が海賊になる物語…と、評伝かと思わせておくからこそ、ファンタジックなクライマックス(ちょっと「アビス」を連想)に「おおっ!」と思うのかもなぁ…。
なお、大阪より舞台が広い分、一部の装置の間隔が広がり、ロープが1本増え、ステージの奥行きを使ったギミックを仕込んだ「アップグレード版」だったそうで…。

わたしの星

わたしの星

ままごと

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2014/08/21 (木) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

感服!大好き!
レトロSF的設定に夏休み最終日、文化祭の稽古、転校など、王道学園青春ものの胸キュンなキーワードをちりばめて、あたかも往年のNHK少年ドラマシリーズの舞台版の如し(?)。
そこに「わが星」的な劇中劇まであり、こりゃあたまらん♪
「櫻の園」「青空のゆくえ」「ビューティフル・ドリーマー」などが好きな身としてそれらの作品を思い出したり、「このコたちの忘れられない夏になり、これをキッカケに小劇場界を目指すコもいるんだろうなぁ」と、すっかりオトナ目線になったりもして…。
いやはや、感服!

タイガー・リリィと不思議な羽根

タイガー・リリィと不思議な羽根

劇団やぶさか

神奈川県立青少年センター(神奈川県)

2014/08/15 (金) ~ 2014/08/17 (日)公演終了

満足度★★★★

海老原あい、おそるべしっっ!!!
ピーターパンがロンドンのウェンディ宅で影を探すあたりからネバーランドに戻るまでの間、ネバーランドには未曾有の危機が訪れていた…というスペクタクル巨編(笑)。
およそ小劇場レベルではない人数と同じく小劇場レベルではないキャパの会場を客席通路も含めて自在に使い、さらに生演奏・生歌という演出は、フライングこそないがホリプロミュージカルの「ピーター・パン」に負けず劣らずダイナミックで楽しい。
しかもハナシのスケールはこちらの方が大きいしね…ってか、ネバーランド崩壊(←比喩でなく文字通り)の危機って、大き過ぎ…。

陸上競技の長距離走と短距離走で使う筋肉が違う(?)ように、所謂「小劇場系芝居」とはまた演出技法が異なるだろうに、海老原あい、おそろしい子。(笑)

お披露目~浮気編~

お披露目~浮気編~

日本コメディ協会

駅前劇場(東京都)

2014/09/06 (土) ~ 2014/09/08 (月)公演終了

満足度★★★★★

まさしくコメディのショーケース
まさに流石のクオリティ、一定の縛りがある中での4編それぞれ異なるタイプのオムニバスは優劣つけ難く(「どれが一番好き?」と問われても回答不能)、まさしく「コメディのショーケース」。
まずはレイ・クーニーばりのファルスで始め、次いで状況が論理的に絡まったロジカル・コメディという前半、対してハートウォーミングなウェルメイド系2編の後半という構成・上演順も的確で、ホントにコメディ作家が束になるとスゴい…(笑)
前半2編は作風をよく存じているお二方の作品で「あぁ、いかにも!」だったし、3編目が伏線とその回収も巧みな上にウェルメイドなのに対して4編目の狂言回しがもの凄い変化球で最初は「ん?この順なの?」だったものの、ラストでその上演順とした理由を理解。巧いよなぁ。
あと、ミドリとモモちゃんの衣装…(笑)

しかし考えてみると大のオトナのコメディ作家が徒党を組んで作品を創るなんてオトナげないな(←「だいにんきない」と読まれないための敢えての表記)、反則だよぉ!(笑)
脚本担当と演出担当の組み合わせ、いったい何通りになるんだか?

マザー4

マザー4

劇団エリザベス

ギャラリーLE DECO(東京都)

2014/09/04 (木) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

内容はもちろん、照明効果だけでも一見の価値あり
冒頭で異変を提示してツカミはオッケー、そしてその後の場の進行に伴い次第に謎がほどけて行く構造(ほどき具合も含む)が巧みで、クライマックスで到達するテーマも好み。
さらにプロジェクターからの映像・光だけで照明効果をまかなう手法が独特にして秀逸!
映像には簡易プロジェクションマッピングとも言える部分があり、極論すればこれだけでも一見の価値あり。
あと、本編では「五階です」の使い方も面白い。
それにしてもエリザベスの公演でオープニングダンスを見ることになろうとは…(ちょっと意外)

ネタバレBOX

「死を選んじゃダメだよ」「そのままでいい、そのままが一番」なんてのも好みなんだな。
UNKNOWN HOSPITAL

UNKNOWN HOSPITAL

壱劇屋

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2014/08/30 (土) ~ 2014/09/02 (火)公演終了

満足度★★★★

これぞエッシャー的演劇
ダンスでも組体操でもない身体表現の取り入れ方が印象的。
また、M.C.エッシャーなどの騙し絵あるいはドグラマグラ的なループ構造も好み。(M.C.エッシャーの「上昇と下降」や「メタモルフォーゼ」がお好きな方はそのストーリー構造にニヤリとできるんじゃないかな?)
中盤のある場面はいかにも関西小劇場の血筋?(MOTHERを想起)
なお、臨場感あふれるサラウンドのS.E.もイイ。

勝手に作ったキャッチコピーは次の2つ。
「これぞエッシャー的演劇」
「ドグラマグラ・Neo」

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