満足度★★★
個々のパーツは良いが全体としては不完全燃焼、改訂版を望む
東京オリンピックと学生志願兵と…。
題材の選定とそれに対する考察・主張、1本通った縦軸(と言うより「繋ぎとなるパーツ」?)の周囲に複数の流れを配する構造、見せ方の工夫、仕掛けた罠、共通の「モノ」をキッカケに一気にたたみかけるクライマックス、ブラックユーモアに切なさや虚しさを加えた幕切れなど、個々に見る分にはそれぞれ良いのだが全体として組み上がったものは掛け違いやら不協和音やらが感じられて「不発感」あるいは「不完全燃焼感」があるのが何とも惜しい。
思うに要素を盛り込み過ぎたのではあるまいか?
その結果、併走する複数の流れの接点がなかなか見えず「長すぎる導火線」状態に陥ってしまったのではないかと。
もう少し絞り込んでスリム化した改訂版を観てみたいモンだ。
事前にベタ褒めと批判的な評をそれぞれ目にしていたが、観ながら批判側の言わんとしていたことがよくワカったりもして…。