じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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途方も無い宇宙の話

途方も無い宇宙の話

即席ユニットアバルブ

東高円寺 カットウ(東京都)

2017/08/24 (木) ~ 2017/08/27 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/08/24 (木) 18:00

価格2,000円

深夜のバー、眠っているところを起こした店員に悪態をつく自暴自棄気味の女性客にマスターが時に問いかけながら語る壮大な話……。
前回(=第1回)公演の「それを舞台で演りますか!?」に続いて今回もユニークな発想で面白かった。
この会場でいかにもありそうな出来事から始めて人類史をざっと遡ったかと思えばNHKの「コズミックフロント☆NEXT」をよく観ている身には嬉しい(そう言えば人類史パートの一部は「歴史秘話ヒストリア」的?(笑))宇宙論を語り、実はありがちな結末にしつつも今の世相に警鐘を鳴らし「こうあって欲しい」な願望も見せ、さらに……な話の運びがイイ。
が、劇中設定として終始流れている「店内BGM」(内容に応じて劇伴に変わったりもする)が時として「あ、好きな曲だ」「これ何だっけ?」などで気を散らせる要因になりかねないのは微妙。
あと、「そこに中指!?」な「アレ」の持ち方は初めて見たが、慣れない女性にはあるかも?
なお、ワンドリンクはウイスキーが苦手でなければラフロイグにするとちょっと楽しめるかも(謎)

ネタバレBOX

拳銃のトリガーに中指をかける(=結果的に人差し指はスライドにかかる)持ち方は前代未聞だが、拳銃など持ったことがない女性ならあるかも???
が、それで発砲するとスライドの動きで人差し指に怪我をするおそれがあるので良い子は決して真似しないでください。(笑)
インド象 首がもげる

インド象 首がもげる

ハダカハレンチ

プロト・シアター(東京都)

2017/08/10 (木) ~ 2017/08/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/08/11 (金) 14:30

価格2,500円

程よく笑える会話とちょっと変わった状況でツカんでおいてからそれぞれの想いが激突するクライマックスに向かう構成が巧みでもう一つの落とし方も粋というか洒落ているというかで上手く、さらに「あれ?」で終わらせるのも見事。これも好きだなぁ。
で、ふと「大学版ナイゲン」のような気も……と言うか、メンバーの中にナイゲン経験のある国府台高校出身者がいるかも?などと妄想したり。(笑)
(ちなみにこの日のソワレに「ナイゲン(2017年版)」を観た)

ネタバレBOX

終盤、ハイジはさくらが望んだものではなくほんの些細な希望を叶える。さくらが望んだ希望に関しては「そこまではっきり考えているなら自分で叶えることができるでしょ」というハイジの心遣い/優しさ/思いやりがステキ。
その後の最終場で「あれ、アイツもガネーシャだったの?」と思わせるのも粋だよね。
あと、クライマックスの討論でハイジが他者の気を変えさせようとして自らやめたり、さくらが力を使おうとするハイジを止めるのもイイ。
夜の来訪者と朝の来訪者

夜の来訪者と朝の来訪者

制作「山口ちはる」プロデュース

OFF OFFシアター(東京都)

2017/05/04 (木) ~ 2017/05/10 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/05/10 (水) 13:00

価格3,000円

【夜の来訪者・星チーム】
突然の訪問者によりそれまでの安寧を大きく揺さぶられる家族、終盤のどんでん返しと「実は本当に始まるのはここから、さぁどうなる?」のような幕切れという構成、年長者3人(強か)と若者2人(ピュア)のコトの受け止め方の違いなど、本当によくできている。
好きな戯曲TOP10のうちの1本をこの規模の会場で観ることができて嬉しや♪
星チームはオーソドックスな演出、もう一方は役者に特化した演出だったそうで、そちらも観たかったけれどガマンガマン。

ところで、これの少し前に観た有名/人気作品も今日のコレも本題に入る前の導入部分が巻き気味で、そこはまだゆったり演って、本題から白熱さすればコントラストがつくのに、と思う一方、どちらかと言えば「若向き」の演出なので早く面白い部分(←語弊アリ)に進みたいのかな?とも。

燕のいる駅

燕のいる駅

2223project

高田馬場ラビネスト(東京都)

2017/07/14 (金) ~ 2017/07/18 (火)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/07/15 (土) 18:30

価格2,500円

歪への書き下ろし作品とはもちろん違うし「約三十の嘘」ともまた違った味わい(後者には近い部分もあるか?)の「列車を待ちながら」あるいは土田英生版小松左京的な。
前半の戯画化された人物表現が芝居をクッキリさせていたが、後半でのメッセージ性とコントラストが付き過ぎた感無きにしも非ず。

ライブ イン トーキョー

ライブ イン トーキョー

青春事情

OFF OFFシアター(東京都)

2017/06/28 (水) ~ 2017/07/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/06/29 (木) 15:00

価格2,700円

まさにタイトル通りで東京で独り暮らしをする主人公の「オトナの青春」譚。
連作短編……というよりスケッチの積み重ねで終盤にちょっとしたヤマを迎える構成に笑いをまぶして愉しく観ることができる、的な。
時々ある掛け合い漫才のようなテンポの良いやり取りもイイ。

読書劇『二十歳の原点 2017』

読書劇『二十歳の原点 2017』

オフィス再生

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2017/06/23 (金) ~ 2017/06/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/06/24 (土) 18:30

価格2,500円

観る度にそうだが内容にしても文体にしても昔の二十歳は大人だったと驚き、二十歳の頃や1969年年当時の自分や世相に想いを馳せた。
今回で封印(することで伝説化する?(笑))ということもあり4年前の秋葉原での初演なども思い出していた。
これも初演時から毎度だが、「万年筆」が列挙する1969年の出来事にしても「1969年」が語る(?)(実際は1970年の)アレにしても世代的にリアルタイムで経験したことなので芝居がよりクッキリしてくるし。
登場人物……人物?もとい、登場キャラクターに「万年筆」と「1969年」がいるのも独特にして効果的というかその役どころに納得というか……。

たちばなきょうだい、と天使たち

たちばなきょうだい、と天使たち

FunIQ

Ito・M・Studio(東京都)

2017/06/26 (月) ~ 2017/07/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/06/26 (月) 19:30

価格2,500円

正調・上野節(笑)。序盤はかつてのトレンディ路線の味わいがあり、しかし次第に近年の作風になって行く感じで、以前から上野作品を観ていた身としてニヤニヤが止まらない!(嬉)
「(根っからの)悪いヤツ」は出てこないし、三兄妹の繋がり的なものもあるし、優しい気持ちになれるのがイイやね♪
【勝手にキャッチコピー】Life goes on……そして(それぞれの)人生は続く

closet

closet

643ノゲッツー

エリア543(東京都)

2017/06/21 (水) ~ 2017/06/25 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/06/21 (水) 19:30

価格2,300円

誤解が誤解を呼び混乱を招く海外コメディ的な味わい。ツッ込みどころは多々あれどそれをイキオイで突っ走る確信犯(笑)。
しかし途中で何度「キミら、ちょっと落ち着け!」と思ったことか!

楽園王「ワーニャ伯父さんMiNi」

楽園王「ワーニャ伯父さんMiNi」

楽園王

こった創作空間(東京都)

2017/06/23 (金) ~ 2017/06/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/06/23 (金) 19:30

原典の二幕と三幕、それにラストシーンを中心に構成したそうで、状況・概要がワカった気になる(←要・答え合わせ(笑))。それにしても体温計やら妹ネタやら笑いもけっこうブッ込んでいて愉快愉快。

三人姉妹の憂鬱

三人姉妹の憂鬱

劇団 風蝕異人街

こった創作空間(東京都)

2017/06/23 (金) ~ 2017/06/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/06/23 (金) 19:30

三人姉妹終演後の3女優と劇場売店の売り子+αによる物語。台詞や場面に原典の引用やもじりがありげながら考えてみたらきちんと観たことがなかったのであれこれ推測の域にとどまったのがクヤシイ(笑)。が、そんな作劇に感心。
ところで時代設定が1950年頃なのにあのリボルバー、口径が大きくないか?見た目はマグナム弾使用のものだったが……(笑)

ようこそ、見えない世界へ

ようこそ、見えない世界へ

リブレセン 劇団離風霊船

ザ・スズナリ(東京都)

2017/06/24 (土) ~ 2017/06/30 (金)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/06/27 (火) 19:30

座席B列2番

AI開発(?)系SFをとっかかりにお得意の社会問題はもちろん、ロマンに陰謀(?)、ホラー、サスペンスに笑いも盛り込み、「あんなもの」の擬人化(舞台表現ならではのものであり映像では陳腐になりそう)までアリなハイブリッド芝居、多角的に面白い♪
読んだのは十数年前で詳細は飛んでいるが、味わいに渡辺浩弐の「アンドロメディア」(←オールタイム小説極私的TOP10に入れている:映画は別物)を思い出した。あと、終盤の出来事にアレやソレも。(これは伏せるべき)
そんな各種題材の取り合わせにしても「ソレをやりますか!?」な表現にしてもやっぱり離風霊船。(感服)
ご覧になった方の中には漫画原作のアニメ/実写映画や、AIと人の交流(?)を描いた2年くらい前(かな?)の外国映画を想起された方もいらしたと伺って、それも納得。
伊東さんのあのアドリブ(推定)には「どいつもこいつも!」での「本日はS石K代子バージョンでお送りしました」を思い出したりも(笑)

おうちにかえる・オブ・ザ・デッド

おうちにかえる・オブ・ザ・デッド

サムゴーギャットモンテイプ

RAFT(東京都)

2017/06/21 (水) ~ 2017/06/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/06/22 (木) 14:00

東京で「ある異変」が起こっているニュースが流れる中、とある山あいのペンションでは……な物語にして決定的な場面は伝聞やS.E.にとどめて観客の想像に委ねる「寸止め演劇」。
布で隔てているだけでロピーの音が筒抜けというRAFTの欠点を逆用したのも妙案。そして「暗黙の了解」が成立する題材の選択がナイス。
騒動の現場ではなく、まだ一応は安全であろう所が侵食され始めるあたりの「予感的怖さ」、そして「オブザデッド」にしても「オトナの土ドラ」的なアレにしても「みなまで言わず」でワカってしまう面白さ、さらに時々入る笑いによるアクセントがポイント?
漠然とした表現の台詞にしてもある人物のある部分や動作(?)にしても「あ、そういうコトね」とワカってしまう「あの題材」の知名度たるや!(笑)
タイトルなどから予測される題材は最初はバックグラウンド的に流しておき、それがいつの間やらクローズアップされている……というのもセオリーの1つかもなぁ。

「コーヒーが冷めないうちに」

「コーヒーが冷めないうちに」

カワグチプロヂュース

テアトルBONBON(東京都)

2017/06/13 (火) ~ 2017/06/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/06/13 (火) 19:30

座席J列8番

価格300円

初演である2010年3月のワークショップ公演こそ観ていないが、その後は上演される度に観ており、しかも去年暮れの今年で内容もよく覚えているだけにツッ込みながらも観ていたのだが、結論としてああいう物語を納得させてしまうのはやっぱり巧い……もとい、ズルい(笑)。
時間移動に関する「ローカルルール」が細かくて縛りが多いのは逆「御都合主義」的で梶尾真治の「クロノス・ジョウンターの伝説」における「あの法則」より強引(?)だが、その縛りによって生み出される物語がそれを補って余りある、ということか?
物語のキーアイテムである「アレ」に照明を絞ってふっと落とすことでその瞬間、残像を見せる幕切れの手法も舞台ならではでステキ。(去年と較べて効果がやや弱かった気がするのは小屋の明かりの特性によるものか?)
あと、舞台サイズの関係から萬劇場版と較べて装置のアングルが少し変わっていたのも○。

ミズウミ

ミズウミ

日本のラジオ

ギャラリーしあん(東京都)

2017/06/14 (水) ~ 2017/06/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/06/14 (水) 15:00

価格1,500円

予期していたよりずっとクトゥルフ世界との距離が近く、リスペクトや二次創作というよりもむしろ外伝的な位置付けのジャパニーズ・クトゥルフ譚。
後半のある部分で「キターーーッ!!!」だった、というか、そういうつながりなのね、と頬が弛んだし、実際には陽が照ったりもしたが、脳内では厚い雲の下の景色が広がっていた。
十七戦地「花と魚」も世界観が近い気がして……ってか、あの出来事はこの隣町あたりで起きたような錯覚に囚われる。いっそ柳井さんもこのシリーズに参加してくださらないかしら?
なお、ホラーという感覚はさほどなく、基本はファンタジーで後半でホラー風味がちらほらというところか?(←晴れた午後に観たための印象かも)
キャラクター造形はそれぞれ際立っていたが、中でも大学院生と大学助教授が特に印象に残った。

キョーボーですよ!

キョーボーですよ!

劇団チャリT企画

新宿眼科画廊(東京都)

2017/06/09 (金) ~ 2017/06/13 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/06/10 (土) 15:00

「これぞチャリT企画♪」だし「それな!」だし、楽しめた。さりげない台詞で判明する状況設定も巧み。
ツイッターなどでよく語られている「こういう運用もできる(←されてはたまらん)」な事例を演じて見せ、客側としては笑いながらもコワさを感じるという。
が、それらはツイッター民としては「あー、それそれ」と周知のネタであっても、楢原主宰によれば一般的にはまだまだ浸透していない懸念とのこと。
これ、上演時間的にもコンパクトだし装置もほぼ不要だしあちこちで上演すべきではなかろうか?

ネタバレBOX

途中に出てくる台詞に「改定された憲法」という部分があり、それによって今よりほんのちょっと未来のハナシであることが明かされるのも巧み。
犬にまつわる、ふたつのお話

犬にまつわる、ふたつのお話

Ahwooo

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2017/06/08 (木) ~ 2017/06/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/06/09 (金) 15:00

「今そこにあるシュール」と言おうか「日常を半歩ほどはみ出したシュール」と言おうか、タイプは違えどその微妙なシュールさが独特で「これが、関西演劇の、やり方かぁ~~~っ!」(偏見含む)な感じ。
前半のプラズマみかんは「あ、ありそー」と思いながらも時々「ん?あれ?何かヘン……なのか???」で、普段よく使っている駅なのにうっかりいつもと違う出口から出たら「ココハドコ\(゜ロ\)(/ロ゜)/」になった時のような感覚?(個人の感想です)
後半のAhwoooは、異なる時空間が同居して継ぎ目なしに繋がってゆく手法でその内容も含めて奇しくも上演中のTHE・ガジラの「ドグラ・マグラ」に通ずるところがあり幻惑される(笑)

vol.19.5 あ・らかると

vol.19.5 あ・らかると

はぶ談戯

ホボホボ(東京都)

2017/04/08 (土) ~ 2017/08/19 (土)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/06/10 (土) 20:00

価格2,800円

【梅雨のアラカルト】
共通のテーマを持つ三人芝居ながら片や男だけでダーク&ビター、片や男女混成でハートウォーミングと対照的でレコードのA面B面(いや両A面か?)のよう。
1編目「葬式のあと」でどことなく落語の「死神」を連想したのは、PMC野郎・横尾下下さんの飄々とした雰囲気によるものかも。基本的にはダーク、ホラー、ハードボイルドなハナシなのに重苦しくならない絶妙のバランス。

碧き神海のオリオン

碧き神海のオリオン

劇団ゴールデンタイム!

萬劇場(東京都)

2017/05/31 (水) ~ 2017/06/04 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/06/01 (木) 14:00

座席H列7番

価格3,000円

端的に表現すれば「温故知新的娯楽冒険活劇」。
娯楽冒険活劇のお約束/美学満載の展開で「あー、それそれ!」「やっぱりそうなるよね」「あ、そっちのパターンか」「キタキタ、待ってましたァ♪」など頬が弛みっ放し。
登場キャラもオールスターと言おうか各種取り揃えてちょっと違うがスーパーヒーロータイムの劇場版か日本映画華やかなりし往年のお正月映画(これもちょっと違う)か、的で衣装がその個性を更に際立たせていたかな、と。
作・演出の佐東さんが意識していたかどうかはワカらないけれど、舞台となる世界の設定や戦水艇のクルーの関係性に、近未来を舞台としたアクション映画や某人気アニメを連想したりも。
一部「物語の流れに沿った死」ではなく「物語を進めるための死」もあった気がするが、「お約束」の一端として片目を瞑る。
あと、往年のTEAM 発砲・B・ZINのように、場転時にアイキャッチがあっても合うのではないか?と思った。

【メモ】
・絶対的ピンチにギリギリで現れる援軍
・対立していた相手が味方となる
・(上記2つの複合型)
・敵の意外な正体
・てっきり死んだと思っていたら……!
・信頼していた相手の裏切り(敵側の場合も含む)
・「ここはオレに任せてお前は先に行け!」
……なんてのが定番パターン?

ネタバレBOX

主要都市が水没した世界という設定にはジョン・カーペンター監督の「エスケープ・フロム・L.A.」を、親子親族が中心の戦水艇クルーにはラピュタのドーラ一家を連想。さて、佐東さんはそれらを意識されていたのか???
ドグラ・マグラ

ドグラ・マグラ

演劇企画集団THE・ガジラ

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2017/06/04 (日) ~ 2017/06/12 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/06/04 (日) 18:00

価格3,500円

原作の出だしと結末の「あの構造」も舞台用にアレンジして「あー、そうしたのね」と納得したし小難しい理論/理屈を捏ね回して煙に巻くのはまんまだし雑遊のあの機構や照明も効果的に使うし、とあの手この手で原作の雰囲気をよく表現し「ちゃんとドグラ・マグラ」していて満足満足♪

なので原作を知っているとより楽しめるし、知らなくてもあの薄暗い中を引きずり回された挙げ句に放り出されるような感覚(笑)を味わえるのでは?
あ、結局何が何だかワカらなくて大丈夫、そもそもそういう原作ですから(爆)

レトロな柱時計が終始カチコチ音をたてていたり鏡のサイズに合わせた照明で反射光を使ったりと舞台演劇ならではの小技も効いていたし、「私」の一人称語りで始まりながらも途中で論文/講演内容やら調書やら新聞記事やらさまざまに変化する文体を可視化(?)する工夫も感じ取れたし、演劇表現的にもお見事。

ネタバレBOX

現実の観客を、劇中で「講演している気になっている人物」だけに見えている「幻の聴衆」に見立てるという「観客の芝居への取り込み方」も面白かった。

ただ、「キチガイ地獄外道祭文(←いわゆるアホダラ経)」が出てこなかったのはちょっとだけ残念。
土砂降りぶりっこ

土砂降りぶりっこ

ピヨピヨレボリューション

劇場MOMO(東京都)

2017/04/18 (火) ~ 2017/04/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/04/20 (木) 19:00

アソコのアレ同様、「再演というよりは2.0」。
会場のタッパを活かした舞台美術も今回の見どころ。
ピヨレボ作品中、本作の楽曲が一番凝っていてなおかつ多彩ではないか?とも改めて思う。
初演時にも思ったけれど、M-1なんて合唱曲のお手本のようだし、STOMPのようなリズムパフォーマンス+ラップもあれば典型的なミュージカルナンバー(観劇のルーツの1つである劇団四季のこどもミュージカルを想起)もある……旗揚げ作品だけに準備期間もたっぷりだったのかしら?
初演のメンバーや配役などを(一部だけど)思い出しながら観るのもまた楽しからずや。
ストーリーをそのままファンタジーとして受け取るもよし、あれやらそれやらを何かの隠喩として深読み/誤読するもよしで子供から大人まで世代を問わず楽しめるというところも劇団四季/ニッセイ/NHKこどもミュージカルに通ずる気がする。

ピヨピヨレボリューションって公演そのものだけでなく、スタッフの対応も良いし、それを汲んでか客側も待ちの列が長くなってくると自主的に「この辺から折り返しません?」と声をかけあって対応したりするんだよね。こういうのが広まるとイイなぁ。

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