誰も寝てはならぬ 公演情報 feblaboプロデュース「誰も寝てはならぬ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/04/12 (木) 20:00

    価格2,500円

    演劇というものがなくなり、もはや考古学の対象となった未来、演劇を復活させる実験のために7人の男女が集められるが……な物語。
    好きなタイプのヤツだった。そして最近の映画のキャッチコピーではないが「あなたは最初から騙されている」ヤツでもあった。そしてこれは国道五十八号戦線の「俺たちの演劇」宣言だったのでは?などと思った。
    また、国道五十八号戦線による初演・再演(2008年・2009年)はどちらも観ていなかったので、当時出ていた、そしてよく知っている方々がどの役を演じたか推測しながら観るのも面白かった。(結果はアタリ)
    ラストの台詞は虚飾集団廻天百眼「少女椿」にほぼ同じ意味のものが出てくるので作家脳というのは似た発想をするんだなぁ、とも。

    ネタバレBOX

    演劇というものを全く知らない面々が、どういうものであったか手探りするように考えるというのが芝居を観慣れている身にとって可笑しくも新鮮で、「あぁ、そう解釈してしまうこともあるのか」だったりするのが愉快。

    また、準備した台本(劇中)をこなした後に「あくまでこれはダイジェスト版であり、実際はこちらです」と膨大なページ数の台本を提示し「さらに演出・照明・音響・大道具小道具・装置・衣装などが必要となります」と続ける女性考古学者に対して参加者が「そんなに大変なのか?」とネを上げる終盤は「はたしてそれらすべてが揃わなければ演劇と言えないのか?」と問いかけるようであり「それらが不備であっても観客を楽しませるのが「俺たちの(小劇場)演劇」である」という宣言に感じられて、その意気にワクワクゾクゾク。
    (追記)考えようによっては「俺たちはそのしちめんどくさい演劇というものを演っているんだよ」という自負、はたまた「そういう演劇というものが大好きなんだよ」というラブコールともとれる。

    全体、特にラストはメタフィクション的であり、しかし昨今このテは多いが10年も前に学生だった伊神さんが書いたというのもスゴいなぁ。感服!
    そして本作をとりあげてくださった池田Pと出演陣には感謝!

    (追記)
    虚飾集団廻天百眼「少女椿」と共通の台詞は「私たちの物語はこれで終わるけれど、そちら(観客)側の物語はこれからも続く(大意)」というもの。
    もしかして他にもこういう台詞で締める芝居があるかも?

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    2018/04/13 11:56

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