じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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変身

変身

劇団普通

新宿眼科画廊(東京都)

2017/04/07 (金) ~ 2017/04/11 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/04/10 (月) 15:00

価格2,200円

Wikipediaのあらすじを読んでの推論が当たっていたりそうでなかったり(=石黒主宰とσ(^-^)との解釈の違い?)で、青空文庫にある原作を読んだら更にいろいろありそうに感じた。
会場は横長な使い方だったが、もしかすると奥から見るとグレーゴルの視点、手前(入口に近い側)から見ると家族たちの視点になるのではないか?

原作でのグレーゴルの部屋を広くする部分の見せ方とその後のグレーゴルの居場所(による「あること」の表現)が見事。
見事と言えば4人が同じテーブルについていながら食事が供されているのは3人だけ、というのも家族内断絶の視覚的表現として巧み。

なお、Wikipediaでの予習に加えてリツイート他でTLに流れた感想も解読(笑)や解釈のヒントになり、佳き事前情報だった。

ところで「あの水音」も印象的だったが、あれも何の隠喩?

疫病神

疫病神

ピヨピヨレボリューション

北とぴあ つつじホール(東京都)

2018/02/21 (水) ~ 2018/02/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/22 (木) 19:00

座席F列16番

ピヨレボ史上最長上演時間(従来比1.5倍くらい?)の意欲作にして挑戦作。
16年12月の「ちょべりばペット」もダークだったがあちらが「対外的なダーク」だったのに対して「内的なダーク」と言おうか心療内科系でむしろヘヴィー。
そんな題材ながら、持ち前のファンタジー的な要素、それに得意の歌とダンスが和らげる感じ? 「こういうものでも題材にできるんだ」と驚くことしきり。
そんなこんなで「明るく楽しいだけがピヨレボじゃないぞ」宣言と受け取る。今後はどんなモノを題材とするのか楽しみが広がる。

恋愛監獄

恋愛監獄

制作「山口ちはる」プロデュース

小劇場 楽園(東京都)

2018/02/01 (木) ~ 2018/02/04 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/03 (土) 18:00

価格3,300円

オープニングの口上的なセリフから小林光テイスト(偏見含む)満載でニヤニヤ、各「恋愛罪」も「なるほど、あれはそういう罪状になるのか」と納得するようよく考えられていて、終盤は少年ジャンプノリあるいは懐かしき青春ドラマのノリで愉快爽快。
そういや「第一級恋愛罪(ラブ・イン・ザ・ファースト・ディグリー)」なんて曲もあったな、バナナラマか、懐かしや…トオイメ

見よ、飛行機の高く飛べるを

見よ、飛行機の高く飛べるを

ことのはbox

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2018/02/14 (水) ~ 2018/02/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/02/14 (水) 19:00

座席F列9番

価格3,800円

テーマ、時代とも朝ドラ的であり、女学生たちの群像にじんのひろあきの「櫻の園」を連想。だもんでその双方が好きな身としてタマらん。補足すれば朝ドラで一番面白い(私見)青春期パートを145分に凝縮した、みたいな。
ほほえましさと緊張感や緩急のバランスも申し分なく長さは全く感じなかった。そして、二兎社の許可を得て1時間くらい割愛したとのことなので機会があったら「全長版」も観たいな、とも思う。(逆にこちらを先に観たために冗長に感じるおそれもあるか?)

ネタバレBOX

初江が見ている飛行機を延ぶは見ることができないが、彼女は彼女で別の飛行機を見つけて……というラストが象徴的でステキ♪
なお、ダブルヒロインの初江と延ぶの出自(貧しい出と士族)に「花子とアン」のはな(吉高由里子)と蓮子(仲間由紀恵)を、また初江が眼鏡をかけていることで「あさが来た」の田村宣(井上秀がモデル:吉岡里帆)を連想。
跡 2018

跡 2018

世田谷シルク

BUKATSUDO (横浜市西区みなとみらい2-2-1 ランドマークプラザ B1F)(神奈川県)

2018/02/13 (火) ~ 2018/02/15 (木)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/15 (木) 14:00

価格2,500円

初演よりも抽象度が上がった分、観客の想像の余地が広がった、あるいは観る側に想像力が必要になった感じ。
また、「アソビ」も増えて、Eテレの午前の番組風(笑)の場面では心眼に「色が映った」。
さらに、裏から光をあてた人物の影を映すスクリーンとして使う「壁」の手前にいる人物もシルエットにして「影」と共演させる効果が面白い。
あと、かつて「志村けんのだいじょうぶだぁ」で放映された宗次郎のオカリナの曲をバックに幼なかった娘が成長して反対を押し切って結婚し、やがてできた孫をあやしながら息をひきとる男性(演・志村けん)の台詞なしの一人芝居も思い出した。

そう言えば最近の子供はダイヤル式電話のかけ方がワカらないそうなので、いずれ「ジーコジーコ」のS.E.も意味不明になってしまうんたろうな、とも。

ネタバレBOX

「アソビ」と書いたのは雨漏りを器に受ける場面。妹が器を上下させると音階になったりきれいな音になるのが兄がやってみると普通の音、というところがEテレの子供番組やドリフのコントのよう。また、溜まった雫を相手にかける時に音響も相まって様々な色が見えた。
ノスタルギヤ

ノスタルギヤ

Ammo

d-倉庫(東京都)

2018/02/07 (水) ~ 2018/02/12 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/09 (金) 14:00

価格3,200円

初演時にも思ったが、複数民族国家の分裂によりかつて和気藹々だった仲間が……というのは(日本人には想像するしかないが)たまらなく哀しい。
そして、事実を元にした骨太な社会派タッチに娯楽要素も持たせた作風にオリバー・ストーンを想起。同じく事実を元にした社会派はコスタ・ガブラスもそうだが、あちらとはちょっと違うような。
また、国家が分裂してしまった後の様子に感じた「覆水盆に返らず」的な「ああ、もうこうなってしまうとあの頃に戻ることはできないんだなぁ」という喪失感的なものは本作の少し前に観た芝居(内容的には異なる)に抱いた印象と通ずるものがあった。これも小劇場シンクロニシティか?

想いで迷子

想いで迷子

劇団道草ハイウェイ

ART THEATER かもめ座(東京都)

2018/02/10 (土) ~ 2018/02/12 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/02/11 (日) 19:00

価格2,000円

前年秋頃からなぜか多めだった精神・記憶・夢を操作したりその中に他者が入り込んだり、なパターン。
「ああ、それね」とか既視感があるとかの題材を扱うのは(そしてそれが観る側の好みだったりすればなおさら)スタートラインから既にハンデを背負っているワケで、それに加えて重めの真相を緩和しようと前半をライトにしたりするとそのギャップが裏目に出て更に先行者との差が開いてしまうのか、などと思った。前半のアイデアのいくつかとラストは良いのに……。
一方、その前半にも「なんでそうしたの?」な演出が複数あり(1つはあまりにベタな青春エピソードをあの年齢で演ずる気恥ずかしさ回避のための男女逆転?)、もしもそれが後半の重さ緩和のためでしかなかったら本末転倒ではないか? あれこれ残念(←「惜しい」ではない)。
あと緩急のバランスやリズム感が個人的な好みと合わず70分余(1時間と思っていたからなおさら?)を長く感じた。

鵺的トライアルvol.2『天はすべて許し給う』

鵺的トライアルvol.2『天はすべて許し給う』

鵺的(ぬえてき)

コフレリオ新宿シアター(東京都)

2018/02/07 (水) ~ 2018/02/13 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/02/07 (水) 19:30

座席C列5番

価格3,900円

3人のストーカーと彼らのそれぞれの対象となった女性、そしてそれに関わった人物たちの顛末……。
端的に言えば「面白かった」、勝手にキャッチピーを付ければ「頬を弛ませながら見る(他人の)悪夢」。 様々な要素が集められていて喩えればちらし寿司?
いろんな意味の「コワい」といろんな理由での「笑っちゃう」が同時に存在するアンビバレンツ、とも言えるか。
いかにも実際にありそうな部分も多々ありつつ同時にどこか異世界の出来事というか絵空事のように思われてしまうのは精神的な防御本能によるものか?

ストーカー3人がそれぞれ違うタイプの「狂い方」だったり、女性側の何人かも闇(病み?)を抱いていたりするのがまた巧みだし、まさしく鵺的×elePHANTMoonな味わい。また、アレやソレな演出や舞台面が傾いているような錯覚を呼び起こす舞台美術も面白い。
面白いと言えばその「場」の小道具類を出演者自ら配置・撤去する(例えばテーブルクロスを自分でかけて場が終わるとそれをポケットに収めたり)場転のしかたや小さな赤い玉を使った血の表現方法も面白かった。

親告罪は被害者が告訴しなければ……というのは知っていたが、さらにそういうことにもなるのか、と教わったし。(謎)

そう言えば実在の人物名や劇場名が出てきたが大丈夫か?(笑)
劇中の架空の劇団名(元ネタがよくわかってニヤリ)に覚えがあり、終演後に高木さんに尋ねてみたら「フォトジェニック」でも使った名称だそうで、そうか、そうだったか、と納得。

それにしてもストーカーって、する側が身を持ち崩すのは当然としても、される被害者側もあれこれ喪うというのが理不尽、とも改めて。

あと、白石晃士監督の映画「不能犯」同様、落ち込み気味の方は観ない方が身のためか?などとも思った。

アガメムノン

アガメムノン

お布団

サブテレニアン(東京都)

2018/02/15 (木) ~ 2018/02/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/16 (金) 20:00

価格2,000円

女優4人による70分間のコンパクトなギリシア悲劇。
原典のストーリーはWikipediaにも詳しく出ていず当日パンフレットに頼るのみだが、推察するに前半はアガメムノンの葛藤を自分なりに噛み砕いて表現したもの、後半はダイナミックに改変、という構造だったのでは?
が、とても判り易く、原典のエッセンスはしっかり踏襲していたのではあるまいか?
「あんなものたち」や「そんなもの」を登場させたのも妙案。

ネタバレBOX

迷えるアガメムノンのもとに「(彼の)愛国心」が登場して説得にかかり、評決をするも1対1で決まらず「(彼の)冷静な判断力(頭脳?)」も呼んで三者合議で決するという表現が愉快だし、その最中にパッドを取り出してSNSで国民の声を知るというアレンジが
また、原典では命を落とすアガメムノンが、自動小銃を自らの頭に向けるも結局自決できないままの結末もむしろ観客の心に余韻を残して効果的な気がした。
葵上~源氏物語より~

葵上~源氏物語より~

演劇ユニット 金の蜥蜴

ブディストホール(東京都)

2018/02/14 (水) ~ 2018/02/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/16 (金) 14:00

座席H列5番

価格3,800円

源氏物語の「葵上」に「野宮」のエピソードも加味した「カジュアル古典」。
光源氏は自業自得どころか殺人罪ではないか?とまで思ってしまう内容は、昭和の昼のメロドラマかイマの金曜ナイトドラマか?はたまた昭和の婦人雑誌の連載小説か?みたいな。(笑)
そんな風に感じてしまうほどワカり易くそれでいて古典のオモムキを失わない……どころか古典情緒も満載なのはいつもながら、それに去年あたりから顕著な照明の技(影を使った効果と牛車の表現が良かった)も光り満足。
また、基本は笛と鼓ながらピアノ(あれはいわば「光源氏・愛のテーマ」では?(笑))を使った場も良かった。

Gothic&Lolita Fantasia

Gothic&Lolita Fantasia

フラワースタジオ

フラワースタジオ(東京都)

2018/01/30 (火) ~ 2018/02/12 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/05 (月) 19:30

千夜一夜物語の変奏のような形で「先生」が少女語る三編の物語。ダークさはほぼなくむしろファンタジックあるいはメルヘンチックに受け取る。時にハートウォーミング(違うか)時にユーモラスなのが意外?(笑)
1編目の二者の関係に「胡蝶の夢」を思い出したりも。はたしてあれはどちらの幻想だったのか?

『戯作三昧  〜飛び出す読み聴かせ〜』

『戯作三昧 〜飛び出す読み聴かせ〜』

劇団Peek-a-Boo

新宿文化センター(東京都)

2018/02/08 (木) ~ 2018/02/08 (木)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/08 (木) 19:30

価格2,500円

芥川の短編三編の「立体読み聞かせ」。テキストなしでのリーディング的なパフォーマンス。
文学というのは「文字で読む」ことが前提なので知らない言葉が出てきても漢字から類推することが可能だが、朗読では知らない言葉は音声として耳から入っただけではワカらない……というのが弱点。
本作では耳だけではわからない言葉が出てくる度に紙芝居風の枠から文字や絵の描かれたフリップを取り出して、紙媒体で言えば「脚注」のあたる解説を加えるという妙案によりその弱点をカバーしていたのが見事。
また、黒のセーター、黒のパンツに白布をからませたシンプルな衣装も◎。

流刑地エウロパ

流刑地エウロパ

sons wo:

北千住BUoY(東京都)

2018/02/02 (金) ~ 2018/02/04 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/02 (金) 19:30

価格3,000円

木星の第2衛星・エウロパに向かう宇宙船内とある村という複数の状況で交わされる会話やモノローグで構成された台詞劇。
起承転結的物語があるわけではないが場の積み重ねから脳内に喚起されるストーリーがあり、舞台上に展開する物語だけが演劇なのではなく、作者・演者によって提示されたものによって観客の心に生じたナニカもまた演劇なのではないか?などと考えた。

スマホ等の電源を切らない/切れない輩によって上演中にバイブ音が響いたり光が洩れたりするのも全部ひっくるめて演劇と考えれば少しは腹も立たないのではないか?上演する側が提供するものだけが演劇とは限らないのではないか?(ヒント:ジョン・ケージ「4分33秒」)と開演前にたまたま考えていたのが本作を観たことでさらに発展したのかも?

なお、会場の内装が(かつてのピカピカのものではない「エイリアン」の宇宙貨物船のような)宇宙船内にも村の施設にも思えて妙な説得力もあった。

ぜんぶ水にながしたるねん

ぜんぶ水にながしたるねん

なかないで、毒きのこちゃん

OFF OFFシアター(東京都)

2018/02/02 (金) ~ 2018/02/07 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/02/03 (土) 14:00

価格3,000円

「糖衣錠の毒薬」にして元ネタ盛り沢山。
表面上はポップでにぎやかだが、根底に流れるものに……とか、あそこはアレのオマージュだとか、公演中は言えないことだらけ。(笑)

ネタバレBOX

ポップでカラフルではあるが、奥底にマチルダと出会う前のレオン(想像)や「サムライ」のアラン・ドロンのような孤独感が漂っており、考えてみればそもそも棄てられた子でもあるのでそう言えばそうか、と。

既に死んでいる人物や異なる世代の同一人物が登場する場面では、その場面の全員が死んでいる(←好きなパターンの1つ)のかと思ったが、むしろクスリでラリっている方が近いなと感じた後に吸引する場面があり、当たり♪(←ちゃんとそう思わせるのが巧いやね)

ところで丹下はアイパッチを着けた後は確かにそうだが、冒頭、まだ両目の時はフレディ・マーキュリーだよね。(笑)

気付いた元ネタは
レオン
ニキータ(あるいはアサシン)
死亡遊戯
TV版エヴァ最終回
あしたのジョー
フレディ・マーキュリー
などなど(あと何だっけ?)
天竺ダイヤモンド

天竺ダイヤモンド

ひげ太夫

シアター風姿花伝(東京都)

2018/01/30 (火) ~ 2018/02/04 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/01/30 (火) 19:30

価格3,300円

毎度ながら無条件で愉しい。本作に限らず、アジアの英雄伝承や千夜一夜物語を想起させるストーリーが実は現代が舞台というギャップはオトナのお伽噺的で肩が凝らないし、文字通りチカラ技な組体操を筆頭とした表現は観ていて厭きない。ネオ伝統芸だよね。

『LOVE』Chapter2

『LOVE』Chapter2

シンクロ少女

OFF OFFシアター(東京都)

2018/01/29 (月) ~ 2018/01/31 (水)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/01/30 (火) 15:00

価格2,800円

それなりの歳のオトナのラブコメ、甘酸っぱさ・初々しさ(?)がどこか懐かしい。
しかしあの健全さは「小学舘級」ではないかしら? ほら、「オトナのあだち充」か「平成めぞん一刻」か、みたいな。(笑)
で、Chapter3も楽しみ♪

Weのために

Weのために

松澤くれはプロデュース

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2018/01/23 (火) ~ 2018/01/28 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/01/26 (金) 19:30

価格3,700円

【あなたの短編集】
各編とも切り方が絶妙で「え、するとこの後は……」な余韻が残る。

1編目のメタ落語はいかにも噺家っぽく「本来は即興的なものである」マクラを語り、しかし本作の場合はすべて台本通りなのであろうことを考えると「予め決められた即興」という矛盾する概念が生じて堂々巡り状態(ゲシュタルト崩壊?)に……(笑)

2編目は生のピアノ演奏に乗せての台詞が衣装も相俟ってリリカルというかメルヘンチックというか……が、その衣装のまま1編目のアタマから三方客席の角と言おうか演技エリアと客席の境界と言おうかな位置でスタンバっているのがシュール。(笑)

3編目の答辞のヤツは中盤の「(これは)筆というものです」という台詞でおや?と思わせ「イメージでなく実物です」と続けてやはりこれはかなり未来の設定なのか、と悟らせるのが巧い。
また、その後の「書」も(書道経験がある訳でなく初演時に練習したとのことながら)若手前衛書家のもののような味わいがあってステキ。

4編目はある趣味によって繋がっている4人の「お茶会」で起こる「事件」を描いており「共同体の壊し方」という感じ。ちょっとフーダニットなミステリー風味もあって独特な味わい。

Weのために

Weのために

松澤くれはプロデュース

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2018/01/23 (火) ~ 2018/01/28 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/01/26 (金) 16:00

価格3,700円

【わたしの長編劇】
初演時(2013年6月)は世界観的なものが強く印象に残ったが、今回はそれを踏まえていたからか「伝播型の怪談とネット社会の怖さや進歩したテクノロジーの邂逅」が印象的。
初演は天井の低いギャラリー悠玄が悠理の引きこもりっぷりを強調していたが、今回は天井も高めで三方客席という開放的な空間での上演であることが受け取り方に影響したのかも?
その電子怪談的な内容に映画化もされた小説、ホラーとSF各1編を想起したりも。

ネタバレBOX

現代的なアイテム(片やビデオ、片やネットとその時期の旬(?)のもの)を使って「コワいもの」が人々に広まってゆくことに「リング」を、AIが自我を持つあるいは故人の意思を継ぐことに「アンドロメディア」を想起。
父の黒歴史

父の黒歴史

ラッパ屋

紀伊國屋ホール(東京都)

2018/01/20 (土) ~ 2018/01/28 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/01/23 (火) 19:00

座席P列2番

価格3,000円

平成30年の今を舞台に世相も盛り込みながら「昭和のホームドラマ」感たっぷりで、使い込んだ木製の日用品あるいは木綿の衣類のようなやわらかさ、あたたかさが「老舗の手造り製品」っぽいのがいかにも「ラッパ屋クオリティ」。(笑)
また、平日エコノミー席のありがたさよ!

『カザカミ』

『カザカミ』

kazakami

王子小劇場(東京都)

2018/01/31 (水) ~ 2018/02/04 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/01/31 (水) 19:30

価格2,800円

職場での人間関係などで精神的にも疲れた入社3年目のあおい。自宅でうたた寝(?)から目覚めるとなぜか入社間もない頃に世話になった先輩・アヤメがそばにいて、アヤメにいざなわれたあおいは職場の人々のいろいろな場面を見ることになり……な物語。
割と早い段階である海外文学を連想したために先入観を抱いて観たせいか、優しい気持ちになれる作品と感じたが、見ようによってはダークかも?
また、対面客席で通常は客席入口として使うことが多いドアと楽屋に直結した角の2箇所を出ハケ口とした会場の使い方も内容に合っていて効果的。

ネタバレBOX

割と早い段階で連想したのはディッケンズの「クリスマス・キャロル」。RTされたツイートにもそんな旨があったのでやはりσ(^-^) だけではないんだな、と。また「法則」はムーブメントも含めて「バランスを司る女神」のように感じた。
また、ヤなヤツに思えた人物の言動も実は裏があって結局は思いやってのことだったと明かされるので優しい気持ちになったが、終演後に「(序盤では封が切られていない)あの瓶」がラストシーンでは空になっていると伺って(観ている時は気付かなかった)ゾゾゾ……(笑)

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