僕をみつけて/生きている
かわいいコンビニ店員 飯田さん
OFF OFFシアター(東京都)
2018/04/04 (水) ~ 2018/04/08 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/04/05 (木) 15:30
価格3,500円
【生きている】
全く異なる味わいの短編3本、色は違えど確かに各編ともそれぞれ「生きている」だなぁと感心。
「俺とお前の生きる道」
妻に内緒で会社を退職していた男、その秘密が妻にバレて……な比較的身近/現実的なウェルメイド。
終盤、夫がずっとやり続けていたゲームのクリア音声がそのまま事態のクリアを示唆しているのが上手い。
「進軍、ブラック社蓄兵」
ブラック企業の営業マンコンビと一見ホワイトな取引先担当者とのひとこま。
ブラック企業を誇張・戯画化しているので長編コントのようなオモムキ。
ホワイトに見えた相手先も実は……なのがほろ苦い。
なお、始まる前に転換時に流れるのがシルヴィ・バルタン「悲しみの兵士」で、終わった後の転換時はミッシェル・ポルナレフ「哀しみの終わるとき」という選曲にニヤリ。(奇しくもその両者のベストアルバムを昨年秋から冬にかけて買っていたのは予知か?)
「Gの家」
あれこれヤバそうなキャラものパロディ的後日譚からのファンタジー。衣装(?)も楽しく、次第に現実から離れてこれを最後にもってくるのも巧み。
「ハムレットマシーン」フェスティバル
die pratze
d-倉庫(東京都)
2018/04/04 (水) ~ 2018/04/22 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/04/04 (水) 19:00
一組目:サイマル演劇団/隣屋
【サイマル演劇団】
少し前にスペクタクルなOM-2版を観た後だけにダイナミズムに欠けるように感じたが、実は案外こちらがオーソドックスか?などと思いながら観ていたところ、アフタートークで赤井主宰が傘の女性が「ハムレットマシーン」のテキストを読み、絡んでいる男女が「ハムレット」を体現(ハムレットとガートルード)、腰掛けている男性が全く別の小説を朗読していると明かしてくださりギャフン!(笑)
そもそも戯曲が沙翁のハムレットの「リミックス」的なものなのにそれをさらにリミックスするとは恐れ入りました。(笑)
【隣屋】
台詞/会話担当の男女、身体表現系の女性、生演奏/生音担当の2人でのパフォーマンスにて「ハムレット」「ハムレットマシーン」「罪と罰」のテキスト(アフタートークでの三浦主宰談)にフリートーク風の会話と、こちらも「リミックス演劇」。
光のサークルや「命の風船」(どうやってあの高さに浮かせているのやら?)という美術・小道具(?)もユニークにしてポップな雰囲気も。
どうやら「ハムレットマシーン」という戯曲は「液体」らしい、なぜなら演出家・上演団体によってカタチを変える……なんてことを考えた。(また、「戯曲は皿、演出家はDJ(もしくはミキサー)」説も)
これからの8団体はどんな「容器」なんだろう?
JUKEBOX 2018
劇団天動虫
アルファクロス登戸店(神奈川県)
2018/03/25 (日) ~ 2018/03/25 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/03/25 (日)
価格2,500円
短編4編にコント集2つにミニライブまでというバラエティに富んだ構成で体感的にはさほど長くなく、短編のうちかつて観たものも別キャストで新鮮に感ずる。
ラストの寄席が舞台のものにその前のコントのユニット名が出てきたりするのも愉快♪
Ten Commandments
ミナモザ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2018/03/21 (水) ~ 2018/03/31 (土)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/03/29 (木) 14:00
価格3,500円
ストーリーを語るのではなく、思想や体験、調べた結果などを伝える演劇、その意味でとり・みきのエッセイマンガ「愛のさかあがり」などにも通ずるのではないか?
そしてこの少し前に初めて観た「ハムレットマシーン(OM-2版)」にも近く(あれより簡単)タイミングが良かったな、と。
また、オープニングと対をなす……と言うか同じ状況で1か所だけ異なる(=好転している)ラストで観客を安心させて無事着地させるのもイイ。
なお、「ハムレットマシーン」を連想したお客さんは他にも複数いらしたと伺い「やっぱり!」(笑)
どちらも「かつて〇〇であった××」なんて人物が出てくるしね。
ソノ先に在る、あるいは居るモノへ
劇団皇帝ケチャップ
浅草九劇(東京都)
2018/03/30 (金) ~ 2018/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/03/31 (土) 19:00
座席D列11番
価格3,300円
いささかダーク気味であったりファンタジックであったりなリドルストーリー4編オムニバス。核心的な部分は結局明かさない、伏線を張ったまま回収しない「確信犯的(核心犯的?(笑))犯行」な4編につき「何だかワカんなかった」「半端なまま終わる」とご不満の向きもあろう。(とは言え第4話はきちんと着地するし、ハートウォーミングな要素が複数あるから最終話として相応しいかも)
しかし「ビールは舌でなく喉で味わう」ように本作は物語でなく会話を味わう作品なのだ。
それなのに惜しいと言うか勿体ないと言うか、高級フレンチのディナーに招待されたが「都合で残り30分で店を閉めなくてはならないので急いでたいらげてくれ」と言われた時のような、あるいは言葉の途切れた部分は自動的にカットする機能が付いたICレコーダーで記録した会話を1.2倍速で再生しているような感覚。
上演時間の短縮に気をとられるあまりせっかくの巧みな会話が早口なのは目を瞑るにしても本来ならば会話にあるべき「間」がなくなってせわしなく、コクがないと言うか何と言うか……。(一体何回言わせるんだか……(笑))
個人的にはきちんと間をとり普通の速さで会話する「150分バージョン」で観たいと思った。(ゆえに☆1つ減ずる)
ビニール袋ソムリエ
制作「山口ちはる」プロデュース
すみだパークスタジオ倉(東京都)
2018/03/29 (木) ~ 2018/04/08 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/03/31 (土) 13:00
価格3,300円
友達の輪に入れない少年がたまたまコンビニ袋をかぶったことから仲間として認められたことに端を発し、樹脂製の袋をかぶることが次第に広まりやがて……な寓話。
現実とは異なる別世界でのファンタジーのようでもある前半は冗長な感がないでもないが「ある場面」以降はどこぞの国の近未来(←そんな方向に進まないでくれぃ!)、あるいはかつていくつもの国が通ってきたであろう道を思わせて圧巻。
また「あのメロディ」をモチーフとした変奏集のような音楽も面白い。
さらにたとえば終盤の「アレ」など、どこまで脚本でどこから演出なのか、その領域を推測するのも一興。
焔~ほむら~
JACROW
駅前劇場(東京都)
2018/03/28 (水) ~ 2018/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/03/30 (金) 15:00
座席I列11番
インパクトのある冒頭シーンを見せた後は従来と較べて穏やかなタッチで進み「日曜劇場JACROWバージョン」か?(笑)と思わせて、しかしいつの間にやら不穏なナニカが漂い始めている、みたいな。そしてそれはいつものようにハッキリしたものでなく、喩えて言うなら前作までは物語の傍らを流れていた「どす黒い液体」が今回は気化して「気体」になり空間に漂っている感覚?
で、「マトモな感覚を保っている(ように見える)人」とか「ズルい企みをする小悪党(?)クラス」とかはいるものの、明確な「悪役」がいない、どころか各人物の立場・心情がワカってしまい「一体誰のせいなんだ!」のまま終わるのが何とも言えず、それはある意味リアルで現実世界に近いかも?
そう言えばここ半年~1年の間に霞ヶ関方面の事案で報道を賑わせた言葉もいくつか出てきたっけな(笑)
春暁-しゅんぎょう-
野生児童
「劇」小劇場(東京都)
2018/03/29 (木) ~ 2018/04/02 (月)公演終了
鑑賞日2018/03/29 (木) 19:00
価格3,000円
中国人である母が統合失調症になってしまった家族の話にして「半分事実・半分フィクション(冒頭の主宰曰く)」というしんどい内容に加えて徒に時制をシャッフルするのでその度に「いつに飛んだ?」と考えさせられて疲れた。
現在以外に主人公ポジションである次女の大学時代、高校時代、少女時代、まだ彼女が生まれる前で長女のみの時期、両親の馴れ初めなど決して少なくはない過去を細切れに何度も出して見る側を混乱させるのは効果的とは思えない。
そんな内容に加えて公開ゲネプロとはいえタイムスケジュール管理が恐ろしく杜撰で開演前にストレスを与えられたこともあり「So what?」に終わったのは残念。
ビューティフルサンデイ
BASEプロデュース
ギャラリーLE DECO(東京都)
2018/03/20 (火) ~ 2018/03/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/03/24 (土) 15:00
価格3,500円
元は俳優座劇場での上演というのが信じられない(初演・再演とも観たけれど)ほどに巧く落としこまれてずっと身近に感じられ、3人それぞれの心情が響いてくる感じ。
そして3人それぞれに優しいことから、いい人過ぎると相手への思いやりや遠慮がスレ違ったり裏目に出たりするのかもしれず、適度に(←ここ重要)甘えることも肝要ではないか?などと思う。
さらにいくつかのことはもっと一般的なことの隠喩ではないか?とも気付く。やはりこれも珠玉の作品か。
未開の議場〜北区民版2018〜
北区民と演劇を作るプロジェクト
北とぴあ ペガサスホール(東京都)
2018/03/21 (水) ~ 2018/03/25 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/03/21 (水) 19:30
価格2,500円
やはり優れた戯曲であり頭イイなぁ、と。また、カムヰヤッセンによる初演は時代を先取りしていたのではないか、とも。
で、十分に面白かったが、役者の力量差と一部のベタな(?)演出が「珠に疵」な感、無きにも非ず。
これを踏まえて4月の戯曲勉強会ビオロッカ版はどう見えるのだろうか?(wktk)
なお、こういうオーソドックスな(?)会議ものを観たことで、先日の箱庭円舞曲「何しても不謹慎」が所謂「会議もの」と一線を画すことを改めて認識。
【余談気味】
カムヰヤッセンによる初演(2014年10月)より登場人物の設定年齢と役者の実年齢が近いことから「12人の優しい日本人」の映画と舞台を思い出し、むしろ登場人物の設定年齢と役者の実年齢との差が大きい方が芝居として説得力が増すのではないか?などとも考えた。←「女形の方が現実の女性よりも女性らしく見える」的な感覚か
いや、本作がそうだというコトではなく。
ライラック
さよなら宇田川町
E-BASE(東京都)
2018/03/19 (月) ~ 2018/03/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2016/03/20 (日) 19:00
価格2,700円
4つの場で併行して進行する出来事がやがて……な物語、その関連を推理しながら観るのも一興。σ(^-^)は2つ読めた。
また、各場が丁寧なのと、奥底にうっすらとした優しさが感じられるのはいかにも河西戯曲。カーテンコールのシカケも巧く、最後のアレは好き。
あと、序盤で「言い訳」をして終盤でその言い訳のまた言い訳をするのも好き。(謎笑)
アフタートークで映画監督の古澤健さんが語られた深読み・誤読に、そういうのが得意な身(爆)として共感し親近感を抱く。また、役者体験を通じてダメ出しを受けた役者の気持ちがワカったという経験談も面白かった。
しかし、客入れ時にミラーボールがないのは片手落ちでは?(ほぼ冗談)
有川さんと10人くらいの美女?たち
ノアノオモチャバコ
駅前劇場(東京都)
2018/03/16 (金) ~ 2018/03/18 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2018/03/17 (土) 13:00
価格3,800円
タイトル通り有川さんありきの物語。ノア初のコメディとのことだが、次第にどちらが夢でどちらが現実なのかとか予知なの?とか思わせるのはやはりノア風味?
また図書館という場所設定に準じて本の表紙・背表紙を拡大したような舞台美術もステキ。
しかし公演開始後もCoRich舞台芸術!の公演情報のみならず、団体HPにもキャスト、スタッフ、タイムテーブル、料金などの実務的情報だけで、作品内容に関する情報(あらすじやら説明やら)が全くなかったのはいかがなものか?
タイトルに興味を惹かれた客を斬り捨てることになりはしないか。
え、新規顧客を開拓しなくても十分集客できる?それは失礼いたしましたぁ!(毒)
おかえりのないまち。色のない
キ上の空論
吉祥寺シアター(東京都)
2018/03/10 (土) ~ 2018/03/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/03/11 (日) 14:00
座席F列15番
「どう繋がってゆくの?」な複数の場を積み重ねてゆくスタイルはキ上の得意技だが、本作は従来よりコミカルなタッチで進んで行き、終盤でコペルニクス的転回(それは好きなパターンの1つ)があるのが特色。
そして大半の部分が例えば三角関係的ではあるが修羅場には至らず比較的平和に解決したりとソフトタッチで、各人物が生き生きと描かれ演者も生き生きとした演技をしているだけに終盤で明かされる事の真相がより酷に感じるシカケ。
実は冒頭、短い導入部の「不穏なナニカ」が提示されるが、本編の軽妙さにいつしか記憶の底に沈んでしまう(時々差し挟まれるS.E.で細々と持続するとはいえ)のも巧妙。
一見、前作「青の凶器、青の暴力、手と手。この先、」と似ているようではあるが、あちらは起きたことに対する追悼、こちらはこれから起こるかもしれないことへの警鐘という違いがあるように思う。
タイトルも含め伏線が巧妙にはりめぐらされているは中島作品の醍醐味と言えよう。
『天国と地獄』
遠吠え
王子スタジオ1(東京都)
2018/03/20 (火) ~ 2018/03/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/03/23 (金) 15:00
価格2,000円
21日マチネは初めてなので流れを追うことに重点を置いたが2回目ゆえ細部にも気を配れた結果、眼が潤みかけたり新たな発見があったりも。
登場人物それぞれに個性がある中、「いかにも先輩っぽい3年生」「初々しい1年生」「上下それぞれに気を遣う2年生」と学年毎のカラーが出ているのが上手い。
また、脚本を担当する2人が天才肌のメロス・技巧派のアニーとタイプが異なるのも巧み。
他にメロスが最初に書いた脚本の読み合わせをする時に「初見の台本を読んでいる」感じがちゃんと出ているものイイんだな。
あと、ラストで部員たちが「おはようございまーす」と言いながら部室(?)に集まって来ることに「櫻の園」の序盤を連想したり。
さらに観ながら各人物のハマり具合はあて書きによるものか演者が役を自分に引き寄せたのか考え、じゃあ他の役者が演じたらどうなるか、など想像していたのだった。
で、劇中に出てきたいくつかの台本をコンプリートさせたスピンオフ的作品も観たいし、3年生トリオや2年生コンビが新人だった頃を描いてあだ名の由来を紹介する前日譚的短編も観たいぞ。演ってくれないかなぁ……。
ハムレットマシーン
OM-2
日暮里サニーホール(東京都)
2018/03/22 (木) ~ 2018/03/24 (土)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/03/23 (金) 19:30
d-倉庫の現代劇作家シリーズ8「ハムレットマシーン」フェスティバルの通し券で鑑賞可能という恩恵に与っての予習的観劇(作品初見)。
いわば沙翁のハムレットのいくつかの断片を使った「演劇的(?)コラージュ」あるいは「リミックス演劇」といったところか。
原典の場面やキーワードが見え隠れするパフォーマンスがあれこれ変容しながら展開されるさまに以前観た黒田征太郎のライブペインティング(竜童組のコンサートで序盤から演奏に触発されたであろうものをステージ後方で描き始め、一旦仕上がったかに見えてもその上に新たなモチーフを描いて次々と描き重ねてゆく)を思い出した。その意味では「立体ライブペインティング」とも言えるか?
そしてイントレ上の2階席は全体を見渡せて正解。掃除機の排気によって徐々に膨らみゆく巨大ビニール袋と膨らみきってからのその中でのパフォーマンスやキャットウォークから何百枚(推定)もポートレートが降る風景などが一望でき美しく見えた。
他にも「そんな表現アリかよ!?」が満載で「面白い」、と言うよりは「楽しめた」。「のっとしんく・のありーど、ふぃーーーーる(考えたり読んだりするんじゃない、感じるんだ)」モードで観たのも幸いしたようだ。
(「ジョニーが凱旋するとき」のチンドン屋風アレンジも面白かった)
難解と言われる本作を楽しめたことで第一関門突破というところか?(笑)
あれを「基本形」としてフェスティバル10団体の様々なアプローチを楽しむことにしよう♪
なお、当団体も初見だが、アムリタ、sons wo:、ジエン社など「ストーリーを語ることではなく観客の内部にナニカを生じさせることに重きを置く演劇(私見)」をうんと尖らせたもののようにも感じ、BUoYを使った公演を観てみたいとも思った。
【勝手にキャッチコピー】
「エンゲキ、ヒエンゲキ、ソレワナンデスカ(ぷれい・おあのっとぷれい・ざっといずくえすちょん)」
「オモシロイ、オモシロクナイ、ソレワナンデスカ(いんたれすてぃんぐ・おあのっといんたれすてぃんぐ・ざっといずくえすちょん)」
たまには海が泳げ!
クロムモリブデン
王子小劇場(東京都)
2018/03/20 (火) ~ 2018/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/03/22 (木) 19:30
座席D列4番
徐々に速度を上げて最高速に達したところで唐突に終わるクロムスタイル健在、と言うか絶好調。
そして黒を基調にした美術も相俟ってサスペンスフルでミステリアス。漠然とヒッチコック映画の味わいを感じたりも。
また、冒頭の三女優によるキレのある「アレ」と時々後方に投影される動く幾何学模様(ヒッチコック作品のタイトルバックにあったものに似ている???)も印象的。
あと、クライマックスのチェイス(?)シーンも好み。
再生ミセスフィクションズ2
Mrs.fictions
北とぴあ ペガサスホール(東京都)
2018/03/15 (木) ~ 2018/03/19 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/03/16 (金) 19:30
価格3,000円
初演を観たもの・観ていないもの、書下ろし新作と違いはあれどいずれも「あー、この味わいはまさしくMrs.fictions♪」な楽しさ。
そんな中、初演も観ていた「東京へ連れてって」はゲスト演出ということでいかにもPMC野郎な部分(ゴキブリのアレとか(笑))もありこれまた妙案だな、と。
また、「上手も下手もないけれど」も初演を観ていたが、劇中劇でのメイクと劇中人物の加齢を重ね合わせたり、シームレスで時を隔てた次の場に移ってもそれをすぐに察することができるなど、月日・時間の進め方が巧み……と言うか名人芸級かも?
あと、美術がシアターグリーンBOX in BOX THEATER での15mm当時の雰囲気で、そんなところもフィクションズっぽく感じた要因かな、とも。
『天国と地獄』
遠吠え
王子スタジオ1(東京都)
2018/03/20 (火) ~ 2018/03/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/03/21 (水) 15:00
価格1,500円
高校(おそらく女子高、そしてもしかすると以前は創立記念日にチェーホフの「桜の園」を上演するのが恒例だったのではないか?)演劇部員各学年7人が織りなす物語。
高校部活ものにハズレなし、大好きなヤツだった。題材的に吉田秋生原作・じんのひろあき脚本の「櫻の園」と地続きなようであり、途中のメタ?と思わせる部分ではこれまた大好きな小説を想起したし。そして各人物の個性が巧く出ているんだな、脚本・演出・演技三位一体の功績だね。
アニーとメロスは木村主宰が反映された「分身」かあるいは全くの「創作」か?などと考えたりもして。(笑)
で、観終わって間もなく23日のマチネを予約。
「LOVE」 Chapter3
シンクロ少女
OFF OFFシアター(東京都)
2018/03/19 (月) ~ 2018/03/21 (水)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/03/20 (火) 15:00
価格2,800円
悪いヤツが出てこない芝居は数あれど愛されキャラしか出ていない芝居は珍しいのではあるまいか? 毎度微笑ましくトラブルがあっても(劇中人物にとってはともかく観客としては)深刻にならない秘密はそこではないか?などと考えつつ愉しく観劇。
ほのぼの具合はあだち充作品に、全体の雰囲気に「男はつらいよ」シリーズと通ずるものがあるのではないか?とも思ったり。
それにしても味わいの宮本さん、日本語が上手になったなぁ。(←そう錯覚するほどに「中国人が喋る日本語」っぽさが見事だった(笑))
しかしこのシリーズに慣れてしまうと次の本公演がいつもよりビターに感じられてしまうのではないか?(半分真顔)
廃墟
ハツビロコウ
シアターシャイン(東京都)
2018/03/13 (火) ~ 2018/03/21 (水)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/03/13 (火) 19:00
終戦直後、階下が焼けたため屋根裏部屋で生活する親族(+α)のひととき。ソリッド/硬派な印象はいかにもハツビロコウ。
そして理想的(?)な生き方を実践する父にも無茶をしがちな息子にも共感する。(実際ああいう局面になったら息子のような行動をとるのだろうけれど)
また、あんな荒廃したところから日本人たちは再起したんだなぁ、とも。
あと、会場の構造が屋根裏部屋にはうってつけだし、潔いと言うかバッサリ切って余韻を残す終わり方も良かった。