
ミス・キャスト
公式愛人
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2019/07/25 (木) ~ 2019/08/04 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/07/28 (日) 14:00
【右手チーム・4ステージ目】
ノルマの達成に赤信号が点った上司と部下、2人のブライダルプランナーが悩んでいる深夜のファミリーレストラン、そこに3組のカップルが来店して……という状況から始まる物語。
そうして語られる3組(+α)のコミカルで甘いかと思いきやけっこうビターに転じたりもするイマドキの恋愛事情、妙にリアルな部分もありカップルそれぞれが出す結論に説得力があって見応えアリ。

Pickaroon!【クチコミ待ってます!次回東京公演は10月!】
壱劇屋
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2019/07/26 (金) ~ 2019/07/29 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/07/26 (金) 15:00
座席D列8番
価格4,000円
七賊と呼ばれる怪盗たちが「お宝」と思って奪った葛籠の中は赤子で……から始まる架空の国のアクション時代劇。
怪盗たちの性格、武器、得意技などがそれぞれ個性的な上に国を牛耳っている悪役も見事なまでに憎たらしく、擬闘の動きや、4本の柱と2つの階段を組み合わせてあれこれ表現する装置なども含めてエンターテイメントの王道な娯楽作品に大いに満足。
以前何本か観た大熊作品はMOTHERを思わせる作風だったが、竹村作品は進戯団夢命クラシックスやTEAM空想笑年、あるいはレティクル東京座に通ずるか?

再演 マインドファクトリー~丸める者たち~
かわいいコンビニ店員 飯田さん
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2019/07/24 (水) ~ 2019/07/28 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/07/25 (木) 14:00
とある高校野球部の物語、パワーハラスメントに暴力にという悪辣な監督の所業は時々報道される高校野球の不祥事によくある(?)ことと言うかベタと言うかだが、池内主宰の経験に基づくものと知った上で観たので「これも実際にあったの!?」と驚愕。
これ、そのことを知って観るのと知らないで観るのとで印象が違うのではなかろうか?(知らずに観ていたら「いかにも作り事っぽいハナシだな」とか思ったかも???)
少なくともσ(^-^)はイヤ~な汗をかきながら観た。(笑)
なお、終演後に初演時の配役の一部を知り、それにも納得。

後妻のお作法
BASEプロデュース
BAR BASE(東京都)
2019/07/17 (水) ~ 2019/07/25 (木)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/07/24 (水) 15:00
価格3,000円
15歳の年齢差がありながら結婚を前提に交際している秋雄と鈴子。秋雄のもとには甥が、鈴子のもとには記者が訪れて交わされる二組の会話……。
「この会場をそんな風に使いますか!?」から始まり、すぐにその関係性を明かす冒頭部分が巧み。
また、本編は「本当にそうなの?」なサスペンス要素も濃いが秋雄のアレと鈴子のソレが強烈な印象を残し余韻はヒューマンドラマ的な感じ。特に「あのあたり」は他人事とは思えない?(自爆)

遠雷、不如帰、青嵐
salty rock
ギャラリーしあん(東京都)
2019/07/24 (水) ~ 2019/07/28 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/07/25 (木) 19:00
価格2,500円
兄と妹二人の三人兄妹、末っ子の招集により集まった実家の部屋には「彼ら以外の者」たちもいて……という人間たちと「人ならぬ者」たちによる会話劇。

しだれ咲き サマーストーム
あやめ十八番
吉祥寺シアター(東京都)
2019/07/19 (金) ~ 2019/07/24 (水)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/07/22 (月) 19:00
座席I列3番
落語の廓噺的なストーリーにシェイクスピアっぽさを加味してドミノ倒しを思わせる構造で見せる、的な。
以前から冒頭と締めが落語風の語りというのはよくあったが今回は物語の中心人物が噺家や元噺家の戯作者(と歌舞伎役者)で、もう本当に立体落語の世界、みたいな。
そして第一幕で牌を丁寧に並べておき、第二幕ではその端の1枚をチョンと突いて以降、牌が次々に倒れるように物語が連鎖してサゲまでスピーディーに紡がれて行くのは快感。休憩込み2時間半を超える尺を感じさせないのは見事。
そんな物語の舞台となるのは「維新がなく江戸風俗そのままに今に至った日本」で、その世界観は佐藤信介監督「修羅雪姫(2001年)」(=鎖国が続いたまま今に至った日本が舞台)と通ずるとも思った。
(背景・トーンといえば「いだてん」、「昭和元禄落語心中」と通ずるのはいわずもがな)
ただ、「役不足」の使い方と「耳ざわりの良い」という語がちょっとひっかかった
「男性の手紙を(女性である私が)書くのは役不足」的な台詞があったが、これ、「役不足」ではおかしいだけでなく、「力不足」でもそぐわないのではないか?……といって、どう言い換えたら良いか思いつかないのであまりエラそうに言えないんだが。
「耳ざわりが良い」は普及しつつあるようだが、やはり抵抗を感ずる。
なのでちょっとだけ減点。

無伴奏~消えたチェリスト
劇団東京イボンヌ
サンモールスタジオ(東京都)
2019/07/17 (水) ~ 2019/07/21 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/07/19 (金)
19日にマチネの「無伴奏」とソワレの「消えたチェリスト」を続けて観劇。
5月の池袋版がドラマならこちらはその映画版(あるいは素描と水彩画?)みたいな?
池袋版は舞台となるペンションのロビー(?)そのままのような印象だったのがこちらはいかにも舞台美術然とした装置だし。
そうして描かれる12年の時を隔てた2人の男女を中心とした物語、キャストの違いもあって池袋版よりも落ち着いた、もしくはオーソドックスな印象。
両編で唯一演者が異なるヒロイン・貴子に関しては「消えた…」の方が天才ゆえの(?)感情の起伏が大きいように感じた。(どちらが良いとかではなく)

口火きる、パトス
コロブチカ
live space anima【2020年4月をもって閉店】(東京都)
2019/07/13 (土) ~ 2019/07/18 (木)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/07/16 (火) 19:30
価格2,500円
周囲がひくほど理論武装したがる高校の弁論部長の初恋(?)・デート騒動記。
ラブコメあるある的な内容はどこか懐かしさが漂い(爆)ところどころ共感するし(更爆)、何よりコロさんの熱演で45分がアッという間。
終演後のゲキバカ・菊池さんを迎えての栃木・茨城談義も楽しかった。

「滅ぼし系女子が来る」
江古田ぐるぐる
新宿眼科画廊(東京都)
2019/07/12 (金) ~ 2019/07/16 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/07/16 (火) 14:00
価格2,800円
ある集合住宅に新たに入居した女性は自治会入会を拒み、同調するように自治会から退会しようとする者も現れ……な物語。
人間関係に蔭がさす居心地の悪さが広がり始めた頃に突然トーンが変わり「え、どゆこと???」と思わせるのもアクセントであり読み違いを誘って巧み。

青、まだ終わってないよ
のびる
ギャラリーがらん西荻(東京都)
2019/07/13 (土) ~ 2019/07/15 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/07/14 (日) 16:00
価格2,000円
自分の日記に自分しか知らないであろう内容がいつの間にか書き込まれているという不思議な現象を友人に相談する主人公……という「少し不思議」系の導入部から引き込まれる。
それはやがて少女時代の出来事にも遡り、その内容が演技で表現されたりもするというのがいかにも演劇チック。

サラバサヨナラヨカナーン
waqu:iraz
スタジオ「HIKARI」(神奈川県)
2019/07/12 (金) ~ 2019/07/14 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/07/13 (土) 14:00
価格2,800円
いくつかの世代の様々な生態(?)の女性たちを疑似ドキュメンタリーのようにモノローグを中心に、時に複数の身振り手振りや群舞などで描く「エッセイ演劇」にして世の女性たちへの応援歌であると感じた。
創作するにあたり、サロメが欲した「ヨカナーンの首」とは何であったか?を皆で考えたと後から伺い、大いに納得。(冒頭で登場した女性が捧げ持った(空の)盆の上に「ヨカナーンの首」を想像したのもあながち誤りではなかったか、と一安心(笑))
ちなみにσ(^-^) はこれまで、サロメが欲したものは「自分を拒絶したヨカナーンの死」と思っていたが、その首にキスをしたというところから「手が届かない愛しい人を何とか入手(!)したかったのか?」とも思い始め、また、阿部定も連想。

吾輩はオヤジ猫である
UNITレンカノ
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2019/07/10 (水) ~ 2019/07/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/07/12 (金) 19:00
価格3,000円
オープニングエピソードこそ「レンカノ版CATS」のような感じだが本編は漱石リスペクト満載(木下さんってば漱石もお好きだったんですね!)で「吾輩は猫である」を知っていると面白さ倍増。
さらに人情も山盛りでまるで昭和の松竹映画のような味わい。
そこに世相風刺や小ネタ(懐かしドラマ・アニメなど)でスパイスを効かせて大いに満足♪
いつか再演して欲しいな。

乱反射パレード
ソラニエ
d-倉庫(東京都)
2019/07/11 (木) ~ 2019/07/15 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/07/12 (金) 14:00
価格3,200円
「自分だけの世界が見える」器具を装着して共通認識などが希薄になってゆく人々……それはまるで近い将来の日本の状況のよう(ってか、スマホ依存の現状の隠喩と思えなくもない)で暗澹たる気分に。
さらに金属質な装置と下からあおるカラフルな照明が非現実的でありつつ無機質・冷徹な印象でコワさ・不安感を盛り上げる。これ、「個の時代」への警鐘ではないか?

芙蓉咲く路地のサーガ
椿組
新宿花園神社境内特設ステージ(東京都)
2019/07/10 (水) ~ 2019/07/22 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/07/11 (木) 19:00
中上健次の長編三部作「岬」「枯木灘」「地の果て至上の時」を2時間半に圧縮。
当日パンフレットの人物相関図や語り手(?)によるあらましの説明部分にユーモラスかつワカり易い表現を取り入れるなど工夫がこらされており、複雑な人間関係もほぼ理解できたかと思う。
そうして描かれるのは複雑に捻れた血縁で結ばれた者たちとその周囲の人々。土着的、骨太、武骨な感覚が花園神社野外劇に相応しい?
いやしかし終盤の「写真」の場面にはヤラれた。
なお、今年から従来の小椅子指定席に加えて以前の自由席の半分以上(?)をベンチ指定席として新設したが、事前に各エリアを色分けした客席略図をアップし、当日は指定席は大きく座背番号を書いた布を縫い付けたカラフルな座布団、自由席は黒い座布団と一目瞭然としたのも見事。

和洋 set you
日本コメディ協会
駅前劇場(東京都)
2019/07/09 (火) ~ 2019/07/14 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/07/10 (水) 19:00
【和=吉岡克眞「Point of No Return~あとには退けない人たち~」・初日】
【洋】の「ファニー・マネー」の設定やネタをいくつか使い日本のシェアハウスを舞台にした本歌取り。「あれをこう使うのか」な発見の愉しさだけでなくアチラで感じた違和もクリア。
なので【洋】をご覧になった方には【和】も(半券提示で500円引きになるし)ご覧になることを推奨。
そう言えば典型的なファルス(笑劇)である【洋】に対し、【和】はもちろんファルス要素もあるものの全体的にはマイルドでどちらかと言えばコメディ(喜劇)ではなかろうか?
さらにかねてから皇帝ケチャップ作品は会話が巧みと認識しており(贔屓目込み(爆))、その会話センス(=so called「吉岡ダイアログ」?(笑))も存分に発揮されていたと思う。お見事でした。
なお、基本的に【洋】と【和】の装置は同じだが、「間違い探し」レベルのちょっとした違いがいくつかあるのでそれを探すのも一興。

和洋 set you
日本コメディ協会
駅前劇場(東京都)
2019/07/09 (火) ~ 2019/07/14 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2019/07/09 (火) 19:00
【洋=レイ・クーニー「ファニー・マネー」初日】
1995年10月に紀伊國屋ホールでの東京ヴォードヴィルショー版を観て以来24年ぶりだったが、当時抱いた「小骨が喉に刺さったような」違和感は今回も健在。(爆)
いや、それは演出や演技によるものではなく、脚本と自分との相性が悪いのだと改めて確認。
ネタバレを回避して言うなら騒動の原因である主人公の行動(と結末)に共感できない、あるいはその幸運(?)に嫉妬して(爆)感情移入できないこと、そしてダークもしくはブラックな部分(重婚どころではないヤバい犯罪が絡む)がファルスとそぐわない(私見)ことによるもの。
その点を別にすれば窮地から逃れるためにとっさについた嘘からさらにピンチが訪れたり、それを知らない者で混乱が広がるなどのドタバタはいかにもレイ・クーニーで大笑いできるんだが。
なお、終盤でやっと登場する人物の衣装はこのテの演目に相応しいマンガチックなもので、大いにウケる。

渋い劇の祭
江古田のガールズ
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2019/06/26 (水) ~ 2019/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/06/29 (土) 18:00
座席I列18番
価格4,000円
【本当にあったら怖い話】
2015年8月の初演(?)は心霊ドキュメンタリー番組の収録での「仕込み」の印象が強く、バックステージコメディと記憶しており、最後のオチをすっかり忘れていたのが幸いして「あー、そうだった!」と「こういうの、大好きなパターンだ!」が同時に押し寄せてホクホク。

朝のドラマ
劇団フルタ丸
駅前劇場(東京都)
2019/07/03 (水) ~ 2019/07/07 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2019/07/05 (金) 19:30
価格3,800円
朝ドラにハマっているバツイチ引きこもり女性とそのドラマの世界を併行して描き……(以下ネタバレBOXへ)
両者の関係についてのアイデアがイイし個々の場も良くできていて愉しいが、クライマックスのヤマが低いと言うか、「丘」程度にとどまり「何となく終わってしまった」感覚なのが残念。(あくまで私見)
なお苦言をいくつか。
全席自由で、先行予約者には整理番号があるが、それ以外は整理番号がないというのはどうだろう?
このような場合、先行予約はチケットに記された整理番号順の入場、それ以外は当日受付順に渡す整理番号順の入場というのが一般的ではなかろうか?面倒臭いのかな?
当日パンフレットに出演者の名前のみというのも不親切。「あの役を演じたのは何という役者なんだろう?今後また見たい」と思っても名前がワカらない……。一見さんは相手にしないポリシーなのかな?
配役表があってもネタバレではなかろうし、もしもネタバレであれば終演後に配役表を渡すこともできるだろうに、これも面倒なのでやらないのかな?
さらに、定刻より4分遅れての開演について開演前・終演後を通じて一切触れなかったのもいただけない。
黙っていれば押したことに気付かないとでも思っているのかな?
そんなあたりを今後改善していただければ有難いが……。

ノーカントリーフォーヤングメン
コンプソンズ
シアター711(東京都)
2019/07/02 (火) ~ 2019/07/07 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2019/07/04 (木) 19:00
価格3,000円
地方都市を舞台に繰り広げられる物語は「今様民間伝承(百年後とかに伝説のように語り継がれていそう)」な印象にしてエネルギー?情熱?若さ?のようなものが迸るようなイキオイ。
その一方で落語の「寿限無」ではないがあれこれ取り入れすぎてまとまりに欠け、ごった煮……どころか闇鍋のようになった憾みが無きにしも非ず、そして長いよ。
あと、○○の「○○○スーツ」や○○○を応用した「アレ」などの美術が愉快。

MITUBATU
なかないで、毒きのこちゃん
OFF OFFシアター(東京都)
2019/07/02 (火) ~ 2019/07/09 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/07/04 (木) 14:30
価格2,500円
少し未来、あるいはこの世界とは別の発展の仕方をした別世界の下北沢、劇場跡に住み着いた面々、そして彼らと関わる人々が織り成すドラマ、
ヘンテコな人物ばかりなのに妙に人間臭くコクがあるのが不思議。終盤の「アノ曲」マジックか?(笑)
また、冒頭の小芝居、「いつもの手口か?」と思わせて……(ネタバレBOXへ)