じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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SHOOTING PAIN

SHOOTING PAIN

ピヨピヨレボリューション

インディペンデントシアターOji(東京都)

2019/04/05 (金) ~ 2019/04/16 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/04/11 (木)

通し券でRIPEとFRESHをマチソワで観劇。

【RIPE】14:00
プロローグに続くオープニングナンバーで歌とダンスが始まった時点で「あ、モロにピヨレボだ♪」というくらいにライブstyle演劇の特色が前面に押し出される。
コロブチカによる初演版が産み落とした卵をピヨレボがあたため、幼虫(リーディング(未見))、さなぎ(ストレートプレイ)を経て見事に羽を拡げたと言えよう。(卵→幼虫→さなぎ→成虫と変態する生き物は卵をあたためない、とかいうツッコミはご勘弁願います(笑))
また、ストレート・プレイ版を観た時には初演版をかなり忘れていたので気付かなかったが、真相・結末を知った上で観ると序盤から「あぁ、なるほどね」という伏線や真相のヒントがちりばめられており改めて感心。

ちなみにアフターイベントは「ピヨピヨXXXライブ」。

【FRESH】19:30
物語の中心となるマツリが二人一役という「応用編」。
「二人マツリ」は時として心の声と実際の声だったりラストが効果的だったりでなるほど、と納得。

ちなみにアフターイベントは「BANZAIJAPAN踊ってみた」。

Speak of the devil『DJANGO Ⅴ』

Speak of the devil『DJANGO Ⅴ』

劇団S.W.A.T!

「劇」小劇場(東京都)

2019/04/11 (木) ~ 2019/04/21 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/04/16 (火) 14:00

座席D列1番

価格4,000円

魂を取りに来た下級悪魔が狡い手口を使う悪魔によってピンチに陥った人間を助けることになるという人情噺的人気シリーズ久々の新作(第5弾)。
大筋は毎回同じだが、今回の「被害者」は老人ホームの入居者たちで、その一癖も二癖もあって「くえない」したたかさが(キャラクター設定としてもそれを表現する演技としても)ミソ。まさしくベテランの味を活かした感じ?

疾風のメ

疾風のメ

くちびるの会

吉祥寺シアター(東京都)

2019/04/17 (水) ~ 2019/04/22 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/04/17 (水) 19:30

座席F列15番

一見シュールでファンタジックに見えるが中心となるのは特殊な「力」を持った主人公が勤務先で不審なことが起こるわ同棲中の相手から別れを切り出されるわ街ではトラブルに巻き込まれるわと踏んだり蹴ったりな受難物語。
同時並行的に進行するそれらの難がリンクしたりしなかったりな構成と、そこから主人公がたどり着く結末が巧い。
また、そこから「ある有名な物語(?)」を連想したりも。(ネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

ラストでの主人公に自分の力や境遇をすべて受け入れ、それと向き合って行こうとする決意を感じ、「ジーザス・クライスト・スーパースター」のゲッセマネの園におけるジーザスを連想。
がしかし、「荊の冠」ならぬ「ロサ会館の看板のバラ」を頭に戴き、背中に「十字」はないが「カ(か)」を背負っていたということは、ゴルゴダの丘に向かうイエスだったのではないか?
花園 HANAZONO

花園 HANAZONO

舞台芸術集団 地下空港

座・高円寺1(東京都)

2019/04/13 (土) ~ 2019/04/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/04/16 (火) 19:00

座席G列14番

登場人物に後醍醐天皇がいることを知って「歴史もの?苦手かも」と思ったがそれは杞憂に終わり史実とはほぼ無関係、日本昔話から入り能楽に転じ魔女の出てくる(ディズニーがアニメ化するような)西洋童話的展開から一瞬のマクロスを経てスペクタクル、そして迎える大団円というダイナミックで娯楽的な内容で楽しめた。
また、日本古来の色を使った衣装、どこから当ててるの?を含め多彩なテクニックを駆使する照明、ラップやシャンソン風まである楽曲など見どころも多く、満足満足♪

ネタバレBOX

流木で作ったオブジェのようなものが上がったり下がったりする美術、ある場面で気付くとホリゾントにその影が落ちていて、しかしオブジェはその時は上方にあり、影と本体の位置関係から客席後方の天井近い所から光を当てていることに気付いて驚愕。
また、クライマックスでのほとばしる水の表現や、ラストでメインの2人に集束してゆく光なども見事。

ところで後半のある場面、人によっては伊藤潤二や諸星大二郎の描く世界、あるいはエイリアン2を想起するのでは?(笑)
W PLAY

W PLAY

制作「山口ちはる」プロデュース

シアター711(東京都)

2019/04/10 (水) ~ 2019/04/14 (日)公演終了

満足度★★

鑑賞日2019/04/14 (日) 14:00

価格3,500円

公演初日に会場のダブルブッキングが発覚して……なショウ・マスト・ゴー・オン系バックステージコメディ。
出だしの状況は菅野臣太朗「仕込んでいこう!」(2008年初演)と同様だが、あちらはそうなるに至った事情と解決への過程を描くのに対してこちらはその後のステージでのドタバタを中心、と内容は異なる(堤泰之「ダブルブッキング」(2008年初演)はそもそも状況から異なる)ので問題はなし。

また、そういう状況の原因があまりにお粗末とか、契約やら劇場webでのスケジュール公表やらで当日まで事態が発覚しないことはないであろうとかは「芝居のウソ」としてギリギリ容認できるが、使用予定の2組がそれぞれ別のルートでチケットを販売し、全日程完売なのに合同公演を行うという解決法はあまりにも無理で容認できない。定員の2倍の客をどう処理したのか?
むしろ両者とも客席の半数程度しか売れていなかったのであればすんなりいったのではないか?(何か聞き落としたか???)

元凶となった人物の落語の与太郎のようなおマヌケぶりやアイドルトリオの設定、ストーカー気味の熱烈なファンの使い方、さらに迎えた本番舞台でのピンチとそのリカバーなど、ドタバタコメディとしてそれなりの出来なだけに、おろそかな一点のために醒めてしまったのが残念。(よって星2つ減点)

 「舞い上がれ、レジャーシート」「ばいびー、23区の恋人」

「舞い上がれ、レジャーシート」「ばいびー、23区の恋人」

マチルダアパルトマン

すむぞう外苑前スタジオ(東京都)

2019/04/12 (金) ~ 2019/05/12 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/04/14 (日) 18:00

【舞い上がれ、レジャーシート】
執筆が滞りがちなラノベ作家と担当編集者、作家をピクニックに誘う友人たちが織り成す65分。
どこかちょっと踏み外したような人物たちが交わす会話がいかにも「池亀三太節」なことに加えてピクニックやレジャーシートが何かの隠喩で実はもっともらしい、あるいは哲学的なことを言っているように錯覚させる(爆)のが愉しい。
しかもラストに清々しさ・爽やかさ(?)まで漂うんだもの、好きだな、これ。

フラッシュバック

フラッシュバック

チタキヨ

恵比寿天窓.switch(東京都)

2019/04/11 (木) ~ 2019/04/14 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/04/13 (土) 18:30

かつてのアイドルトリオが「あの人は今」なテレビ番組で取材されることになり広がる波紋。
ヨナさんの脚本だけに「懐かしきあの頃の輝き今一度」的な甘ったるい青春回顧系になる筈もなく(偏見?)業界裏方・主婦・女優とそれぞれの道を選んだメンバー3人の現在をビター気味に描いてしみじみ。
それでいて「いくつになったって、何でもできるよ」というこれから先へのエールで締めるのが巧み。
しかし今後、現実でかつてのアイドルの今を紹介する番組など見たら「裏はあんな風なのかな……」などと勝手に想像してしまいそう。(笑)

有末剛緊縛夜話第十九夜

有末剛緊縛夜話第十九夜

有末剛 緊縛夜話

ザムザ阿佐谷(東京都)

2019/04/12 (金) ~ 2019/04/13 (土)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/04/12 (金) 19:00

価格3,000円

今まで観てきた中では一番物語性が薄く、生の長唄を聴きながら(きちんと長唄を聴くのは初めて)緊縛を観るという趣向。その意味ではライブペインティングやその場で花を活けるパフォーマンスに近い趣き。
そう言えば後半で、宙吊りの女性2人とその間に座った男性を赤い綱で結ぶ「赤い逆三角形」を1つの完成形として示した後に女性を下ろして男性に寄り添うように横たわらせた「もう1つの完成形」として見せたのもライブペインティングに通ずるか?
また、最初に1つだけだった蝋燭を1つずつ増やしてゆく演出に万燈会を想起し、やがて炎のゆらめきからかそれらが水に浮かべられているように、あるいは洞窟内にいるように幻視したりも。

ピール・スロウリー(アンド・シー)

ピール・スロウリー(アンド・シー)

サムゴーギャットモンテイプ

スタジオ空洞(東京都)

2019/04/10 (水) ~ 2019/04/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/04/12 (金) 14:00

価格2,100円

楽日2ステージを残すのみとなった現時点では遅きに失した感があるがまず最初に……
時事ネタがあるので今が旬と言うか、このままの形での再演はないであろうから、観ようか迷っている方は是非とも!(似た事例はまたあるかもだけれど(毒))

では本編。
一言で言えば「ゲス&クズ見本市(爆)」。
若手実業家がクルーズ船の1フロアを借りきって開いたパーティーでの人間模様、成功者(成金?)あるあるで既視感のあるキャラたちが既視感のある行動をとる「王道」で、各演者の成りきり具合と全ては語らぬ切り方が見もの。
その王道ぶり(笑)では題材こそ違うが劇団鋼鉄村松「息つぎがうまくできない。」と相通ずるものがあり、いずれも「この団体・作家・演者がそういうのを演るのか」的な意外性(?)があり、その上で上々の出来具合なのがイイ。(あ、笑いもふんだんにあるというのも共通項か)

そう言えばサムゴーのソリッド公演って、第一弾のゾンビ的な騒動が起きている東京から少し離れた山村(?)の話も第二弾の日本家屋を舞台にしたホラーも今回の成功者パーティーも皆いくつもの「お約束(あるあるネタ)」に則っているのね。
第四弾のネタは何だろう?(早くも期待)

ネタバレBOX

演技エリアである1室からハケた後の行動を観客の想像に委ねることが何度かあり、特に「クスリ」が致死量入ったシャンパンを誰が飲むかジラした後に「あの人」が……ながらそのままハケるというのがなんともカッコイイ。
息つぎがうまくできない。

息つぎがうまくできない。

劇団鋼鉄村松

テアトルBONBON(東京都)

2019/04/10 (水) ~ 2019/04/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/04/10 (水) 19:30

座席H列12番

価格3,500円

若ハゲで恋愛から遠のいていた主人公(身体的なコンプレックスを持っているのは「シラノ・ド・ベルジュラック」に通ずる?)が上司に連れられてキャバクラに行ったことから始まる恋の顛末。
ベタで既視感満載、周囲の人々が主人公を応援し過ぎ、そもそも登場人物がみんなイイ人(一見そうでなくとも実は……も含む)、などの問題(?)はあるがそれらの要素に無理がなく御都合主義的な展開ではないし、そもそも王道とはそういうモノだろ、と思うのは「どうせ作り事なんだから幸せな気分にさせてくれよ」主義のσ(^-^) だからか?(反語)
喩えばロブ・ライナー監督がトム・ハンクスを主演に迎えて撮った映画(バブルさんの狙いとしては月9ドラマとのこと)のような味わい、とある名作を引用した比喩的表現、タイトルが意味するもの、登場人物それぞれの見せ場、モノローグの詩的な美しい言葉遣いなどあれこれ巧みだし、敢えて言おう「傑作である」と。
この夜の外は真冬に戻ったような寒さだったが、心がほっこりあたたまったわ。(秘技・ベタ返し!(爆))

1つの部屋のいくつかの生活

1つの部屋のいくつかの生活

オフィス上の空

吉祥寺シアター(東京都)

2019/04/06 (土) ~ 2019/04/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/04/09 (火) 19:00

座席E列16番

【黄】3ステージ目
Aga-risk Entertainment「エクストリーム・シチュエーションコメディ(kcal)」
いわば2段ロケット。定番ファルス的な前半が1段目でホイッスルによる中断で第2段に点火、ブーストして勢いがさらに増して行く感じ。(1段目が置き去りになるところも似ているか?(爆))
また、「こういう役どころはこの人」なスターシステム的な的確な配役もさすが。
あと、「あのアイテム」で以前から観続けてきた観客に目くばせをするのもイイ。(笑)
それにしてもよくまあこんなことを思いつくもんだ。次はどんな奇策で来るんだろう?
なお、事前に(ネタバレではない)感想や紹介を見ていたので「あ、このことか」と納得したり、それらから想像した以上のものであったり、さらには2連勝のディフェンディングチャンピオンの敗北を目の当たりにしたりと楽しさが増したように思う。

Straw&Berry「サイケデリック」
観ながら「あぁ、河西さんだなぁ」と納得するほど河西戯曲のド真ん中。
題材が誰しも似た経験があったり「あんなだったら良かったのに(?)」だと思ったりで共感し易いものである上に小道具や台詞に出てくるものなどで場の「時代」を……いや、時だけでなく台詞にヒントを潜ませておき「作品構造」もさり気なく伝えるのが巧み。
劇中では描かれていない期間の彼らの物語をあれこれ想像する楽しみもあった。

ネタバレBOX

Aga-risk Entertainment「エクストリーム・シチュエーションコメディ(kcal)」
クライマックスの次々に測定器を外し「カロリー消費量などどうでもいい、演劇がしたいんだ!」な演劇愛があふれる(笑)場面はアクションものなどの最後の対決で武器類を捨てて素手で殴りあうのに通ずるような気がしたりしなかったり。

Straw&Berry「サイケデリック」
最初の場で登場人物が折り畳みの携帯電話を使っていて過去のことであると匂わせて台詞に笑い飯やVodafoneなどの名詞を出して時期を観客に推測させ、その後の場ではスマートフォンを使って時が流れたことを示したり、前の場で会話に出てきたエピソードを演技で見せることでまた遡ったことを表現したりで時制の違いをさりげなく見せるのが実に見事。
また、披露宴の余興に漫才を書いて貰ったお礼として栽培したキュウリを渡す農業の人(=元カノの婚約者)もそこに誠実さ・真面目さが顕れていてホロリ。
1つの部屋のいくつかの生活

1つの部屋のいくつかの生活

オフィス上の空

吉祥寺シアター(東京都)

2019/04/06 (土) ~ 2019/04/14 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/04/08 (月) 19:00

座席D列14番

【青】2ステージ目
鵺的「修羅」
小劇場ネタで笑いをとっておいての本筋はタイトル通り修羅場。その修羅場ぶりは鵺的っぽいが、あまりにも極端な事態であることや一部人物の反応が可笑しく「鵺的流コメディ」のような感覚。従来の鵺的を知っているとより笑える?
小西耕一さんが「小西耕一ひとり芝居」で演ずるキャラそのまんまのようなので、そちらも知っているとさらにニヤリかも。
旧家の姉妹とその配偶者が広い日本間に集まっての親族会議、という構図に高木主宰がお好きだという横溝正史の世界を想起したりも。

かわいいコンビニ店員飯田さん「我がために夜は明けぬ」
登場人物が多く雑然としている上に「実は……」という舞台設定の発想は面白いがそれがさほど物語に活かされていず、二重の意味で「もったいない」。

ネタバレBOX

鵺的「修羅」
実在の団体名をもじったあの小劇場系団体名、鵺的作品に出てくるのは何度目?(笑)

かわいいコンビニ店員飯田さん「我がために夜は明けぬ」
あの日本家屋が航行中の宇宙船の内部にある、というのは意外性があって良いが、その設定が物語を大きく支配するに至っていないのは惜しい。
1つの部屋のいくつかの生活

1つの部屋のいくつかの生活

オフィス上の空

吉祥寺シアター(東京都)

2019/04/06 (土) ~ 2019/04/14 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/04/08 (月) 15:00

座席H列15番

価格4,200円

【赤】2ステージ目
シンクロ少女「メグ The Monster」
古い家を舞台にした男女のエピソードが2つ併走し後半でその関係を明かすというお得意のスタイル。
内容的には従来作品ほどシビアー/ビターでなく、むしろ軽やかな感じは「LOVE」シリーズに近い。その意味で「シンクロ少女・入門編」と言えるのではないか?

mizhen「小町花伝」
4編の短編によって1人の女性・小町の生涯(の断片?)を浮き彫りにする構成。小町本人が登場しないものもあるのがまた巧み。
各短編のタイプがそれぞれ異なることに黒澤明監督「夢」を想起したりも。
1編だけ小町との関連がワカらなかったが終演後に関係者に伺って納得。
なお、4編の内容はネタバレBOXへ。

ネタバレBOX

「夢路」:ほぼ一人芝居、的な。実は舞台の稽古中というシカケだが、無茶振りがあってまるで役者が時々見るという悪夢のよう。なお、冒頭の台詞に出てくる「あの女」が小町とのこと。
「小町ちゃん」:小町に憧れる同級生少女のモノローグが中心。雰囲気は往年のフジテレビの深夜ドラマ(私見)か?
「還暦こまち~ず」:還暦を迎えた女性3人の温泉旅行を音楽劇(?)スタイルで描く。小町は出てこず彼女たちの話題にのぼるのみというのが面白く、カラオケの体で歌われる楽曲(オリジナルとのこと)もイイ。
「花の色は」:老いた小町の一人芝居、圧巻!
アイドル♂怪盗レオノワール

アイドル♂怪盗レオノワール

レティクル東京座

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2017/02/22 (水) ~ 2017/02/27 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/02/26 (日) 12:00

座席I列12番

独裁的な街の支配者によりアイドル活動が規制されたネオ・ナリマスシティで宇宙生命体ファントムの力を借りアイドル怪盗に変身して抵抗する高校生とその周辺の人々……一言で言えば「ラブコメ配合和製アメリカン・コミックス」?
なるほどこれが「L<ライト>エンタメ公演」のノリなのか、娯楽に徹していてイイなぁ。
で、初めて観た「アンテナ(略称)」の時も思ったがレティクル東京座の作品は話の中に大衆演劇っぽいところが時々あると思う。

なお、ラストシーンで音楽が流れ始める前の静寂の間(の絶妙な長さ)が特に良かった。

【勝手にキャッチコピー】「あれ?シアターグリーンBIG TREE THEATERの舞台が狭いぞ?」

乱

チームジャックちゃん

シアター風姿花伝(東京都)

2019/04/03 (水) ~ 2019/04/08 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/04/06 (土) 13:30

価格4,000円

当日パンフレットにもあるように史実を基にしていながら史実と異なる部分もあるといういわば「パラレルワールドの」新選組の末期。
オール女性キャストの【乱れ髪】版を観たが、驚くほど違和感も「宝塚っぽさ(?)」もなく、ごく自然に滅びの美学・様式美的なものを受け取る。
また、障子戸2枚を蝶番で繋げたような2組の可動式装置のギミックや照明に「Voyantroupeの血筋」も感じる。

単純明快なラブストーリー

単純明快なラブストーリー

制作「山口ちはる」プロデュース

小劇場 楽園(東京都)

2019/04/03 (水) ~ 2019/04/07 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/04/04 (木) 19:00

価格3,500円

2014年4月の浮間ベースプロジェクトによる初演、2017年2月の「ちはる塾」版それぞれの印象的な部分が脳内に蘇ったりもしながら観ていたが、会場・演出の違いもさることながら主役の春のキャラの違い(前年は真面目、今年はくだけた感じ)でこんなにも印象が変わるのか!?というオドロキ。
また、過去2回と較べて手狭というか「直線コース」がないこの会場でも○○○を使ったこともオドロキ。(笑)
なお、この日の昼に観たものもこれも出演者(男女とも)が生歌を披露し、男性はギターも弾く、そして欧陽菲菲の楽曲が歌われるという小劇場シンクロニシティもあり。

ところで2014年7月の浮間ベースプロジェクト「ラブストーリー2」(未見)で上演されたのは再演ではなく書き下ろしだったらしい。
これも山口Pで観たいぞぉ!!!

ハイライト

ハイライト

うさぎストライプ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2019/04/03 (水) ~ 2019/04/08 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/04/04 (木) 15:00

2014年12月に観た「空想科学」と同様、「Don't think, feeeeeel!」系。よって起承転結がはっきりした「物語」を期待するムキには「何じゃこりゃ?」「意味ワカんなーい」かも知れないが(よって万人にオススメとは言えない)、深読み・誤読が得意(爆)な身にはあれこれ推し測りながら観るのが愉しい。
冒頭からブッ跳んだ設定だし、それ以降も飛(翔)びまくる展開に振り落とされないようしがみつきながら(爆)観る感覚は「ロデオ演劇」かもなぁ。(笑)
あるいは「夢のような芝居」。(謎)
(以下、これからご覧になる方に先入観を与えるおそれがあるのでネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

最初の場に東京オリンピックで何らかの事故・事件があったような台詞がありつつ、そこから時間的には繋がっている筈の次の場で(黒沢の同僚交通誘導係だった高瀬と島崎がなぜか運転手とガイドを務める)観光バスから建設中のオリンピック設備が見えるという時間軸などが四次元的に捩れたような、あるいは話をしながら「〇〇と言えば……」とわき道に逸れ続けた挙句に最初と辻褄が合わなくなったような展開に「まるで夢の中における内容の飛躍のよう」な印象を持ち、「そうだったかもしれないパラレルワールド」を巡っているのか?とも思ったが、終盤に「テロ」という言葉も出てきたことで「オリンピックを狙ったテロの被害者が生死の間をさまよいながら見ている夢ではないか?」に落ち着いた。(物騒でダークですねぇ)

あと、東京オリンピックと荒廃した(?)東京ということで背景がどこか「AKIRA」に通ずるような気もした。
時をかける稽古場2.0

時をかける稽古場2.0

Aga-risk Entertainment

駅前劇場(東京都)

2017/03/22 (水) ~ 2017/03/28 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/03/27 (月) 14:00

3月1日の試演会後に終盤を更に書き直したそうでプロトタイプから実戦仕様に進化。ある場面以降、演劇愛がてんこ盛りで何度か目が潤んだ。
で、試演会で観ていたので伏線もよくワカったし♪

また、
起:時間SF
承:「ある系統」のSFサスペンス
転・結:演劇愛+(特定2ジャンルの)SF論
な構成が鮮やか。
もう少し詳しく言えば、この作品、実は時間SFを導入に使ったバックステージもの、というのが正体ではなかろうか。「バックステージもの」の個人的定義は、表見的には「進行中の芝居あるいは予定されている公演などが見舞われたピンチを関係者が何とか切り抜けようとする様子を描くもの」で、内面に「現実の作家・スタッフ・出演者たちの演劇愛をたっぷり盛り込んだもの」と思う。
そうして、「ナイゲン」では冨坂さんの母校愛がダダ漏れだったが、本作は演劇愛がダダ漏れ、という感じ。

思い返すとやはりかなり理屈っぽい部分もあるのだが、それをあれだけ楽しく見せて、今までもやもやっとしていた時間移動と並行世界の関係性を明解かつワカり易く説明しているのも巧い。

あと、初演から言えることだが、「違う同一人物」の演じ分け/スイッチも見事。

他に個人的な坪は
・2022年のクマガイの熱弁(途中から誰も聞いていない)
・クマガイとハマカワの友情
・ハマカワの主張とアサコシの論破
かな。

さて、この版の再演はあるのか?あるいはさらに進化した3.0か???

とはいうものの。

とはいうものの。

なかないで、毒きのこちゃん

駅前劇場(東京都)

2019/04/02 (火) ~ 2019/04/04 (木)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/04/02 (火)

価格3,300円

普段は大リーグボール級を含む変化球やヘタをするとビーンボールな際どい球が主体の投球ではあるが、その気になれば直球も投げることができますよ、と言わんばかり(笑)の正統派ドラマ。その意味では2016年5月の「やさしいムスコ」に近い感覚か。
がしかし、物語もどちらかと言えばシリアスながら随所にくすぐりがあるし、会場の使い方もただの対面客席でなく……なところはいかにも毒きのこちゃん。
こういうのもできるんだぁ、というか、忘れた頃にまた演って欲しいな。

ネタバレBOX

客席の背後・左右も演技上の「通路」的に使う手口、最初のジョギング中の場でガンツさんを何周か走らせた上で「走りながら話すのは……」と言わせるのはリアリティあり。(笑)
硝子細工のイヴ

硝子細工のイヴ

ウテン結構

d-倉庫(東京都)

2019/03/22 (金) ~ 2019/03/24 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/03/22 (金) 19:30

価格3,500円

開演直前なのに……な演劇公演の楽屋での会話をプロローグに始まる本編はサイボーグ技術が確立された未来世界を発端として複数の「層」を為す構造。出だしの設定と相俟ってしばしば「今はどの層?」と翻弄される。
それに加えてSF的設定もありながらあまりSF臭がしないことやオープニングテーマが5分くらいあることもあって、まさしく「楽園王の血筋」(笑)。
いやしかしこのパターンで2時間を超えるとちょっとしんどいかもなぁ……

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