
怪奇探偵丑三進ノ助 ~推して参る!~
しゅうくりー夢
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2009/02/05 (木) ~ 2009/02/09 (月)公演終了
満足度★★★★
二重にワクワク
06年から07年にかけて上演された『大正探偵怪奇譚』三部作の現代編。前年に公開されたシリーズ第4作の某映画は舞台が現代に近づいた分、ややロマンに欠けてしまった感があったものの、こちらは化生(けしょう)と人類の共存を考えるというテーマそのものがいわばロマンなワケで全く問題なし。
今回は隠れ住んでいる化生たちを襲うグループ及びその後ろ盾と主人公・進ノ助の対立を中心として繰り広げられるストーリー、前シリーズと共通の3人(宮田彩子の猫っぷりは相変わらずイイ)はもちろん、子孫など縁のある人物も登場してかすかにリンクしていたり、新シリーズのレギュラーとなる(であろう)主人公の「弟分」も描いたりと、シリーズとしての面白さも加わって二重にワクワク。

怪盗ルパン 「コリアスタロの秘宝を奪え!」
ノーコンタクツ
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2009/02/06 (金) ~ 2009/02/08 (日)公演終了
満足度★★★★
原典を咀嚼吸収して昇華
前作同様、単なるパロディや模倣ではなく、原典を咀嚼吸収して自分の身にしみこませてからオリジナル作品として昇華させているのがイイ。
タイトルから想起される劇場版第2作の設定はもちろん第1作のキャラクター名なども取り入れつつ他の劇場版や2時間スペシャルを髣髴とさせるストーリーを展開させて「あるあるあるある」状態。また、炭酸ズノウプロジェクト時代からの舞台表現の巧みさも健在で今回は特にカーチェイスシーンが見事。
画面奥から手前に向けて走っている車列をやや俯瞰気味にとらえて、後方の車から先頭車までの間をカメラが移動したりズーミングしたりというスクリーン上の表現を舞台で見せるばかりでなくヘリから狙撃しようとしている人物までちゃんと見せるし…。

パイパー
NODA・MAP
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2009/01/04 (日) ~ 2009/02/28 (土)公演終了
満足度★★★
野田地図としては異質?
なるほど、野田式SFってのはこういう風になるのね。8歳児を演ずる大倉孝二の味わいもあってか、どことなくナイロン100℃のSF系作品に通ずるような感覚?
ってか、今まで(=99年の『半神』以降)観てきた作品の中で一番ポップだしあれこれ他者の作品を想起させるしで、つまるところ異質な気がする。これもまた1000年も先の未来を描いたことによるものか?
また、得意の言葉遊び、今回はわかりやすい地口が多いというのもその一因か。

リーディング「一番の誕生日!」
空晴
OFF OFFシアター(東京都)
2009/02/04 (水) ~ 2009/02/08 (日)公演終了
満足度★★★★
ちょっとズルくないか?(笑)
第1回公演に先立って大阪のみで上演された旗揚げ作品とのこと。かつての仲良し3人組のうちの1人の妻が出産する直前のスケッチ風で、テキストを手にしてはいるものの動作(出ハケも含む)も伴うスタイル。
意外なオチで笑わせた後にキャスター(役)が読み上げる「いいことニュース」がまた微笑ましいというかあたたかいというか。
ただ、泣かせた後に笑わせて終わるのならともかく、その逆ってのはちょっとズルくないか?(笑)

引っ越しのススメ
空晴
OFF OFFシアター(東京都)
2009/02/03 (火) ~ 2009/02/08 (日)公演終了
満足度★★★★
岡部流の優しさ満載
4年前にランニングシアターダッシュのダンディリーグで観ていたものの、程よく忘れていたのが幸いして、新鮮に感じたり「あぁ、そうだった!」と思い出したり…(爆)
で、男子独身寮的なアパートで2組の兄弟がそれぞれ和解(?)するストーリーは岡部(尚子:主宰・作・演出)流の優しさ満載。また観ることができてシアワセ。

汝、隣人に声をかけよ
コマツ企画
インディペンデントシアターOji(東京都)
2009/02/06 (金) ~ 2009/02/15 (日)公演終了
満足度★★★
台詞による交響楽
「コマツ企画がお送りする、自分が接した事の無いちょっと変わった人との接し方初級編」と銘打っており、まずいくつかの会話場面が提示されてそれらが時に関連付きながら次第に発展・変容して行くさまにM.C.エッシャーの「メタモルフォーゼス」を連想。
が、終盤のある場面でひらめいたフレーズは「台詞による交響楽」。
順次テーマが提示され、それらが時に同時に奏され、時に変奏され、時に再現されながら壮大なフィナーレ(大合奏)で締めくくられるのは交響楽なんじゃね?みたいな。
あと油断していると眠くなってしまうのも交響楽的?(爆)
そんなこんなで初見であった前回公演『動転』とはガラリと変わったタイプではあったが、これはこれでまた独特。

LoveLoveLove12
劇団扉座
六行会ホール(東京都)
2009/02/05 (木) ~ 2009/02/08 (日)公演終了
満足度★★★★
かなり満足
恋愛のみならず家族愛なども含んだ様々な「Love」に関するショートショートオムニバス、そのスタイルゆえにテンポが良く135分の上演時間もその長さは感じず。
恋愛エピソードの代表格として「ロミジュリ」の断片も差し挟まれているが、剣道部の先輩への告白に関するエピソードの次にジュリエットが道場から道着で出てきて(!)バルコニーのシーンになったり、「トゥナイト」(from 「ウエストサイドストーリー」)からそのままティボルト殺害の場になったりなんて融合があって楽しい。
他に6組の別離シーンのコラージュでは5組が対面で1組が携帯(なので舞台上には11人だけしかいない)だったり、女性の1人語り的なものではその相手とライバル(?)が時として人形的な動作になったりという演出が面白く、亡父(亡夫)の遺した手帳のエピソード(実話ベースなんだそうな)にはホロリとさせられたりもして、かなり満足。

UNDER
劇団伍季風 ~monsoon~
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2009/02/05 (木) ~ 2009/02/09 (月)公演終了
満足度★★★
締めくくり方は鮮やか
火山の噴火により地下シェルターに避難した若者たちが強制労働させられており、しかも予想外の事故により食糧や水の貯えが乏しくなっており…ということで、前月に観た『DUST』にも通ずる重さ・暗さがあるが、本編で描かれているのは過去のことであり、それを調査に来た3人の研究員がコメディリリーフとなって(スベり気味なので賛否両論?)緩和しているのがちょっとした救い?
さらに重い・暗いなままではなく、終盤で矛盾点(シェルター内に残っていた日記になぜシェルターから出て行くところまで記されているか)を明らかにするメタフィクション的な部分から一気に希望を残す終わり方になるのは鮮やか。

噺劇と落語の会
北沢タウンホール
北沢タウンホール(北沢区民会館)(東京都)
2009/02/05 (木) ~ 2009/02/05 (木)公演終了
満足度★★★★
試みとして非常に面白い
桂九雀が企画して大阪では4年前から演っているという「噺劇」、東京での初上演とのこと。落語作品を舞台化したものはAGAPE Storeの『地獄八景亡者戯』(02年)やG2プロデュースの『地獄八景‥浮世八景』(07年)があるが、それらは装置を使って「演劇」にしていたのに対してこちらは装置はなく小道具も扇子と手拭いだけ、BGMも三味線と太鼓の生演奏とかなり落語寄り。
が、それだけにラストが落語本来のサゲの一言でスパンと決まる潔さに欠ける難点もあるものの、試みとして非常に面白い。
噺劇2本目の「芝浜」なぞ、3年の経過を語る地の部分をどうするのかと気をもんでいたら女房の1人語りにするというテを使っておりそのあたりの工夫も見事。

レモネードと天の浮橋
SPINNERS
劇場MOMO(東京都)
2009/02/04 (水) ~ 2009/02/08 (日)公演終了
満足度★★★
往年の日本映画のやわらかさ
宇宙飛行士養成施設での人間模様、ちょっとした謎や軽いサスペンスなども絡めた80分の中編、SPIRAL MOON出演経験者2人が立ち上げたユニットだけに出演者、スタッフに「そっち関係」の方々がいらして、結果的に「似て非なるもの」に仕上がっているのが面白いところ。
喩えて言えば、友人の子供の写真を見て、友人に似ている部分と、まだ会ったことのない配偶者に似ているのであろうところがあって、いずれにしても将来どんな風に育つんだろう?みたいな。
実は掃除のオバちゃんも判定員なのではないか、なんて展開があるので観ながら「候補者の中にも実は判定員がいるんじゃないか」などと深読みしたりして、それもまた楽しからずや。
また、厳しい判定員が根はイイ人と明かすところでふんわりとフェード・アウトするように終わるあたりが往年の日本映画のやわらかさに通ずるようにも思う。

LIFE IS HARD
少年社中
ギャラリーLE DECO(東京都)
2009/02/03 (火) ~ 2009/02/08 (日)公演終了
満足度★★★★
「ファンクラブ感謝イベント」的?
メインの中編と日替わり(全5本)の新作短編の2本立てという構成、どちらも普段の少年社中らしからぬノリでしかもハコも小さいのでどちらかと言えば「ファンクラブ感謝イベント」的な印象?(笑)
中編「LIFE IS HARD」は、エレベーターに閉じ込められた4人の男というところから始まり、密室パニック系かと思いきや、ストーリーの進行とともに次第にタガが外れて荒唐無稽方向に向かい、どこに落とすの?と思っていたら終盤で突如不条理系に転じてラストはタイトルに示されたテーマに行き着くという。不条理に転ずる前はホントに「少年社中らしからぬ」と思っていたけれど、その終わり方で「なるほど少年社中」と納得。
続いての「絶対ヒーロー!光の戦士!シャイニングファイブ」は戦隊もののパロディで、キャリア組なのに新人であるがゆえに工作員なので早く怪人になりたい「ショッカー12号」が目立とうとしてことごとく段取りを無視するという物語。戦隊ものの「お約束」にツッコミを入れるという発想はTEAM 発砲・B・ZINの『ゴメンバー』と共通ながら、また違った切り口で楽しい…ってかかなり笑う。

リチャード三世
劇団☆新感線
赤坂ACTシアター(東京都)
2009/01/19 (月) ~ 2009/02/01 (日)公演終了
満足度★★★
覚悟していたが、それでも長い
事前に調べたら5幕25場の大作と判明し、休憩込み約3時間半という情報も得て覚悟していたが、それでも長い。
携帯電話など現代のアイテムも時折登場するが基本的に極めてオーソドックスな演出はじてキンの『マクベス』よりもずっと原典に忠実で(推測)、史劇であるがゆえ娯楽要素が控えめなこともあり子供の頃に大河ドラマに対して抱いたものと同質の堅苦しさを感ずる。
また、日本で言えば「史実に基づいた時代劇」に当たるのだろうが、それと比べて合戦・戦闘などより謀略が多くてダイナミズムに欠けるのもその要因か?

Fly Me To The Moon
colorchild
LIVE HOUSE GRAFFITI(東京都)
2009/01/31 (土) ~ 2009/02/01 (日)公演終了
満足度★★★
竜頭蛇尾な感があるのは否めず
前年夏に続く小人数でのライブハウス公演第2弾。前作のハートウォーミング系物語とはオモムキを異にし、得意の(?)娯楽活劇系にした狙いやよし、また、80年代のアクション映画を意識したとのことで、オープニングからもうその映像が見えるようなのはお見事。
ただ、中盤で若干モタついて以降デクレッシェンド気味で竜頭蛇尾な感があるのは否めず。終盤にもう1回くらいアクション場面を入れたらもっとバランスが良くなったのでは?

遮那王と弁慶
劇団パラノイア・エイジ
新宿シアターモリエール(東京都)
2009/01/28 (水) ~ 2009/02/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
「気軽に観ることができる」と「格調の高さ」が同居
「源義経は女だった」という意表を突く設定ながら、曽利文彦監督の『ICHI』同様違和感がまったくなく、劇中での説明に説得力さえ感じてしまう。
それに加えて演出にしても舞台美術にしても小劇場系のフットワークの良さに古典的歴史劇の重厚さや様式美が見事なまでに融合しており、「気軽に観ることができる」と「格調の高さ」が同居して、「口当たりが良く食べやすいのに味は本格派で濃厚」、みたいな。
また、クライマックスの弁慶の立ち往生の見せ方も鮮やか。多数の矢が飛ぶ音と同時に照明が落ちるスタイルに「もしかして『明日に向かって撃て』リスペクト?」と尋ねてみたらその通りだということで、してやったり、的な?(笑)

バーレスクホテル
㈱ボーントゥラン
しもきた空間リバティ(東京都)
2009/01/30 (金) ~ 2009/02/01 (日)公演終了
満足度★★★
個性が出ていて面白い
ASSH、大人の麦茶、ガスバスガスガスなどの主宰を含むメンバーが所属する事務所のプロデュース公演で、劇団(あるいはユニット)主宰3人による書き下ろしオムニバス。
欲を言えばホテルの同じ部屋というだけでなく、他にもいくつか「縛り」があれば、あるいは作者が異なるので難しかろうけれどそれぞれどこかでリンクしていれば、という憾み(笑)はあれど、それぞれ個性が出ていて面白い。
ただ、1編目で使っていたアニメでお馴染みの(かつ最近はTVドラマや映画で使ったりもする)コミカルなSE(瞬きの音とかね)、それなりに効果的ではあったのだけれど、先日観た某映画でのある手法と同様、多用していてしつこく感じたりもする。

その時 胸の奥で鐘が鳴る
劇団やったるDAY!
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2009/01/28 (水) ~ 2009/02/01 (日)公演終了
満足度★★★★
若干甘口で賛否両論かも?
チラシで主人公が余命わずかだと宣告を受ける旨が明かされており「そもそもその設定が卑怯じゃん!(笑)」とか思いつつ観て、事実卑怯ではあった(爆)が、もう1つアタマをかすめた「かなり泣かされそうだな…」という思いは杞憂に終わる。
お涙頂戴にしようと思えばいくらでもできるのにそうせず、湿っぽくならず、残り少ない生を精一杯生き、会社の後輩やかつてのバンド仲間たちなどを逆に勇気付ける主人公の姿をどちらかと言えばサラリ、淡々と描いてサワヤカ。
あくまで個人的な印象で言い切ってしまえば、黑澤映画『生きる』に近い感覚かも。もちろんあんなにシブくなく、笑いも多くて若々しいが、根底に流れるモノが共通、みたいな。
ただ、安易に奇蹟を起こしたりしないのも個人的にはイイと思うし支持するが、その結果、両親を亡くした時のショックから小学生のまま心の成長を止めてしまった妹がそのままになってしまうなど、投げっ放しと感ずるムキもあるかも?
なお、別れたハズの婚約者が部屋にいるシーン、プロポーズのシーン、妹が「今はハンバーグはいらない」と言うシーンなどがツボ。

ROPPONGI NIGHTS 2009
LIVES(ライヴズ)
吉祥寺シアター(東京都)
2009/01/22 (木) ~ 2009/01/25 (日)公演終了
満足度★★★
総じて満足
元ヤクザが心機一転、念願叶ってオーナー店長となったショーパブ開店初日の騒動記。ドタバタ気味で若干まとまりには欠けるものの、勘違いの組み合わせ方や劇中のコーラスグループ(アフロヘアのリーダーが何とも胡散臭い(笑))の脱力系オリジナル曲が愉快で、ラストにちょっとホロリとさせる(ここの常套手段?)のは上手い。
また、(劇中の)ステージでダンスパフォーマンスが行なわれている最中に進行している客側の芝居(動作のみ)もダンスの振り付け風(ミュージカル風?)になっているのも面白く、総じて満足。

はるヲうるひと
ちからわざ
新宿シアタートップス(東京都)
2009/01/20 (火) ~ 2009/01/25 (日)公演終了
満足度★★★★
見応え十分
タイトルの通り、ある島の売春宿が舞台で4人の売春婦と経営者、それに経営者の腹違い(妾の子)の弟・妹による物語。
題材が題材だけに佐藤二朗初監督の『memo』(08年)のソフトタッチとは対照的にハード気味ながら、随所に演技におけるあの独特の間合いと共通のトボケた雰囲気があり、それによって緊張が緩和されるシカケ。(佐藤は脚本のみ、演出は堤泰之)
また、落ち着きのあるリーダー格、アネゴ系ツッコミ、気弱な不器用者、天然系フシギちゃん(笑)、とキッチリ描き分けられた売春婦4人を兎本有紀、今藤洋子、野口かおる、笹野鈴々音なんて「異種格闘技」のような個性派女優たちが演じ、『櫻の園』(07年6月)以来舞台の実績を積みつつある佐藤寛子も病身の女性を好演、そこにこういう役どころだとコワい大高洋夫、意外にも(?)コメディリリーフの太田善也、それに主宰の佐藤二朗といういわば「オールスター戦」で、その演技合戦は見応え十分。

水面下の女達
青ひげマシーン
ギャラリーLE DECO(東京都)
2009/01/21 (水) ~ 2009/01/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
かなりの上出来作品
金曜夜、会社の休憩ラウンジで繰り広げられる恋愛系会話劇、トレンディドラマ終盤のエピソード系にレディースコミック風味を練り込み、程良く笑いもまぶした70分、全体を通じての会話のテンポの良さ、バカップルのコメディリリーフぶり、それぞれキャラのたった登場人物と役者のハマり具合なども良く、かなりの上出来作品。
それに加えて、唐突な感もありつつ「神様」が登場するシーンのシュールさが独特のアクセントになっていて面白いし、最後に主人公がフッ切るというのもサワヤカで○。
ただ、「けんちゃん」関連で勘違いするネタ、もう少しふくらませることもできたであろうに、あれだけというのは清掃夫・山崎クンのキャラも含めてちょっともったいないかも?
なお、冒頭の主人公とその友人の会話、ツカミはオッケーながら女子更衣室の会話を盗み聞きしているようでちょっとドキドキ。(笑)

パニヒダ
演劇集団アーバンフォレスト
萬劇場(東京都)
2009/01/15 (木) ~ 2009/01/21 (水)公演終了
満足度★★★★★
満足度高し
脚本のラストを残して急死した劇作家の通夜帰りの喫茶店で、翌日から予定されている公演を強行しようとする女性プロデューサー、どちらかと言えば公演中止を望む役者たち、その両者を取り持つ舞台監督といったメンバーが公演をどうすべきか話し合う物語。
前半はそんな切羽詰まった状況で公演はうてるのか?という「ショウ・マスト・ゴー・オン」系、後半は故人が結末をどうしようと考えていたか、から、ほぼ自殺とみられているが真相は違うのではないかという議論に発展して「12人の…」的になるという二段構えの展開で「一粒で二度オイしい」ばかりでなく、笑える要素はもちろん、チェーホフやシェークスピアの引用やネタまで練り込んだ秀作で満足度高し。