
PRESENT あ・げ・る
ももいろぞうさん
劇場HOPE(東京都)
2010/09/11 (土) ~ 2010/09/21 (火)公演終了
満足度★★★
大人のための童話?
願いごとを叶えてくれるピンクの「象神様」や急成長して話し相手となるばかりかビールまで呑む花(!)なども登場する「大人のための童話」。
シュールでポップな感覚が楽しく、(良い意味で)チープな装置・衣装もいかにもここらしくて◎。

闘争×ホルモン TackleBagタックルバッグ
グワィニャオン
俳優座劇場(東京都)
2010/09/11 (土) ~ 2010/09/19 (日)公演終了
満足度★★★★
試合シーンの見せ方が特に見事
さびれた商店街のオジサンたちが町おこしにラグビーに挑戦する熱血系。
様々なアングルで見せる試合シーンがリアルに感じられるのは中継を時々観ているからか?(いや、それだけではあるまい)
また、総勢56人ものキャスト(特に男たちのドラマの中での女優陣)を上手く使いこなすことにも感心。

KOKORO=(ココロイコール)
Oi-SCALE
Glad(東京都)
2010/09/13 (月) ~ 2010/09/13 (月)公演終了
満足度★★★★
Oi-SCALE流リーディング
シンガー、ラッパーそれぞれ約30分ずつのパフォーマンスに続く「アスファルト」はモノローグ劇(だが演者は8人)で、リーディング形式でありながらも映像と elec-g. の生演奏が伴うところが Oi-SCALE 流?
バイクに乗った主人公が夢の中にいることを知っていて…な構造や結末などもモロに林灰二の世界だし。
で、1年ほど前の『カムパネルラ』のサイドストーリー的な印象を受けたが、その前年の『痛みのない傷』(未見)にかなり近いとのこと。

ジパング☆ザッパー大江戸捜査忍法帖
爆裂団
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2010/09/10 (金) ~ 2010/09/13 (月)公演終了
満足度★★★★
POPでRockでマンガチックな山田風太郎
一言で表現すれば「POPでRockでマンガチックな山田風太郎」。
「魔界転生」的なものをメインに「くノ一忍法帖」ネタ(どちらかと言えば原作よりも映画版?)も絡め、さらにクイーンやO槻Kンジ関連の小ネタまで仕込んで、元ネタを知っていればそれだけ楽しめる、な感じ。
また、ストーリーも勧善懲悪なストレートなものだし、悪役のメイクもベタと言っても過言ではないほどに「悪役っぽい」もので、そんな「記号としての表現」も面白い。
が、かつて早坂暁脚本の「天下御免」を観て育った身として平賀・杉田コンビが悪役ということに違和感がないでもない。(笑)

お日さまは勝手に沈む。
バッカスカッパ
中野スタジオあくとれ(東京都)
2010/09/09 (木) ~ 2010/09/12 (日)公演終了
満足度★★★★
れっと・いっと・びー、的な?
幕切れが鮮やか。
決してすべてが丸く収まった訳ではない…どころか、登場人物それぞれが前途多難なまま暗転し、そこに「救いの言葉」(まさに Let it be 的な、そしてタイトルに繋がっている)が流れて終わるその潔さに SPIRAL MOON の第4回公演(01年12月)『世界は今夜も回ってる』を連想。
しかしながら、前半は従来通りコメディタッチで軽快。
それが次第にシリアスに転じて行くところが新境地?
また、期待した菅川裕子・井口千穂の競演(従来とは異なる部分も含む)もあって満足度高し。

プレゼント フォー・・・
演劇集団 ザ・ブロードキャストショウ東京
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2010/09/10 (金) ~ 2010/09/12 (日)公演終了
満足度★★★★
懐かしさでいっぱい
クリスマスネタには季節外れ(しかも今年は異常に暑いからなおさら?)ということには目をつぶり…(笑)。
もうなんだか懐かしさでいっぱい。
例えば子供の頃に読んでとても面白かった児童文学とか子供向けでありながらも創る側が手を抜いていない映画・芝居・ドラマのような雰囲気があり、本当に年齢を問わずあらゆる世代が楽しめる感じ。
宇宙人にしても某大国の軍人にしても、その表現(銀色の全身タイツだったり、モロにカタコトの日本語だったり(笑))はベタと言っても過言ではないのに、それが「記号」としての役割を果しているだけでなく、楽しくわかりやすくハートウォーミングなストーリーと相俟って懐かしさを感じさせているのかも?
そんなこんなで少年のココロに還った90分。楽しかったなぁ。

解散(仮) 【公演終わりました。ご来場ありがとうございました!】
PP1
スンダランドカフェ(東京都)
2010/09/01 (水) ~ 2010/09/11 (土)公演終了
満足度★★★
あれこれツボを付かれまくり
アテ書きゆえそれぞれのキャラが前面に出ている上に、落ちぶれたアイドルの「あるある」的なものも満載で、twitterも出てくるので、あれこれツボを付かれまくり。
もちろんこの会場をそのまま舞台として取り込んでいるので臨場感もあり、有線(という設定だが当然選曲したもの)から流れる曲も15年前のアイドルユニット「パイナップルパッション」(=PP)の同期の曲ということで懐かしく、PPの曲として使われるものがまた当時のアウドルグループ丸出しなのは極めつけ。ちなみにオリジナルではなく実在したあるユニットの曲とのこと。
ということで約45分の上演時間が瞬く間に過ぎる。

ЖeHopмan【シャハマーチ】 池袋盤
電動夏子安置システム
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/09/07 (火) ~ 2010/09/12 (日)公演終了
満足度★★★★
K→Mの順で正解?
ゲームそのものの面白さにスパイ捜しのサスペンス、彼らを取り巻く状況、各参加者の背景など二重三重の構造がよくできており、別バージョンも観ると違う部分はもちろん、共通部分もスパイの行動が手に取るようにわかってさらに面白い。

つぶやくGirl's
ワーサルシアター
ワーサルシアター(東京都)
2010/09/08 (水) ~ 2010/09/12 (日)公演終了
満足度★★★★
動作を伴うリーディング
いくつかのタイプから選んだbotと会話するシステムに登録した3人を描いた「動作を伴うリーディング」。
メインの3人と3タイプのbotのキャラ、それに現実場面でワキを演ずる3人の早替えなどが面白く、迎える三者三様の結末も上手い。

歴女パーティー ~WAR・WAR・WAR~
劇団東京ドラマハウス
萬劇場(東京都)
2010/09/09 (木) ~ 2010/09/12 (日)公演終了
満足度★★★
総じて満足ではあるが
歴史上の武将たちが召喚されるユーモラスな前半から戦うことの無意味さや戦争の残酷さを訴える内容に次第にシフトして行くのは上手い。
が、一件落着の後にさらに見せ場を設けたために全体のバランスが損なわれた感があるのは否めず。
また、三鈷杵(あるいは五鈷杵)を研究所員が「独鈷」と言う単純ミスも困ったモンだ。

FROG~新撰組Jade Keeper~
D'TOT
SPACE107(東京都)
2010/09/08 (水) ~ 2010/09/12 (日)公演終了
満足度★★★★
モロモロと比較して相違点を見出だす
3年前のDMF版の大幅改訂版で、30分ほど短くなりバランスも良くなったか?
しかもこの3年の間に新撰組モノもいろいろ観たし、直近(ホンの1ヶ月前だ)の『BARAGA-鬼ki 再演』のメイン部分と描かれている時期がカブることもあって、モロモロと比較して相違点を見つけたりしながら楽しむ。
また、現代からタイムスリップした人物が歴史の流れに干渉することで多少の違いは生ずるが結局史実は変わらない、という時間モノの鉄則を守ったオチも上手い。

飛行機雲2010 流れる雲よ Bキャスト
演劇集団アトリエッジ
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2010/09/04 (土) ~ 2010/09/13 (月)公演終了
満足度★★★
良い部分、困った部分が混在
「時を超える電波」な部分が映画『オーロラの彼方へ』を想起させる特攻隊モノ。
特攻隊員・光太郎から2010年の未来への「日本はいい国ですか?」という問いかけや終盤の特攻シーンの見せ方、燃え盛る格納庫シーンをはじめとする映像の使い方は良い。
がしかし「旭日と桜」の意匠はワカるものの特攻隊員のTシャツがカラフルなのはいかがなものか?

夏の夜の夢のよう ~朝が来る前に妖精を消せ~
花歌マジックトラベラー
ブディストホール(東京都)
2010/09/03 (金) ~ 2010/09/12 (日)公演終了
満足度★★★★
一筋縄では行かない面白さ
予想に反してかなり原典に忠実な内容に驚いていたら後半で思いもよらぬ方向に展開し一筋縄では行かない結末を迎えて、そのテーマ性も含めて2度ビックリ、的な。
また、パックや加治屋たちの衣装デザインも良く、レイパー佐藤の芸まで観ることもできて満足感高し。

忘却曲線
青☆組
アトリエ春風舎(東京都)
2010/09/06 (月) ~ 2010/09/12 (日)公演終了
満足度★★★★
SPIRAL MOONに通ずる雰囲気
前作『恋女房達』のコミカルなタッチから一転しての静かで優しい感覚と、余白が多い=すべてを語らず観客の想像に委ねる余地が大きいことに SPIRAL MOON と通ずる雰囲気を感じて癒される。
それにしても母親役の井上みなみが16歳とは驚愕。
また、黄昏時の表現を筆頭に照明も見事。

東京アメリカ
範宙遊泳
STスポット(神奈川県)
2010/09/02 (木) ~ 2010/09/07 (火)公演終了
満足度★★★★
妙なリアリティあり
芝居の稽古場風景(…と言うより稽古そのもの)を戯画化していながらも随所に妙なリアリティがあり「いくつかの挿話は実話なんじゃね?」などと思わせるのが巧妙だし、終盤で虚構と現実の境界が曖昧になるのも好みのパターンの1つ。
また、お面状のチケットを使った演出も愉快。

渡り鳥の信号待ち
世田谷シルク
サンモールスタジオ(東京都)
2010/09/02 (木) ~ 2010/09/07 (火)公演終了
満足度★★★★★
大いに満足
原典にかなりの思い入れのある身としても文句なし…どころかほぼ原典まんまなオープニングから心を鷲掴み状態でがっつり引き込まれる。
また、ココミから牛乳を貰うしおりと、「娘に会いたい」と言うココミに弱点を直撃され、「そっちかぁ!」な結末(「黄泉がえり」の原作と映画の関係を連想)も◎。
いずれにしても原典を知っている身として2倍3倍に楽しむことができて大いに満足。

北守の騎士とカルボナードの踊る魔女
青果鹿
テアトルBONBON(東京都)
2010/09/02 (木) ~ 2010/09/06 (月)公演終了
満足度★★★
予習不足を悔やむ
6月にここで観た某公演と同じく宮沢賢治の「グスコーブドリの伝記」がモチーフながら他の賢治作品2編も絡めて全く異なるアプローチ…と言うより「グスコーブドリ度」が低かったので、チラシなどに記載されていたその2編も予習しておけばもっと楽しめたか、とちょっとだけ後悔。(もちろん楽しめなかったということではない)

清水那保一人芝居 ~曇天少年/共震少女~
ネリム
スタジオアキラ(東京都)
2010/09/04 (土) ~ 2010/09/05 (日)公演終了
満足度★★★★
芝居の醍醐味を満喫
主人公の小学生時代・高校生時代のみならず母親・少年役まで瞬時にスイッチして演じ分けるのは芝居の醍醐味の1つだし、また、台詞を口にする前に役が変わったことを観客に悟らせる演技が見事。
ところで「特別席」ではあのシーン、どう見えたんだろう?

更地4
produce unit 大森そして故林
シアター711(東京都)
2010/09/02 (木) ~ 2010/09/05 (日)公演終了
満足度★★★★
時間の経つのがアッと言う間
ショートコントの釣瓶打ち(あるいは乱れ打ち)というスタイルなので次々に繰り出される笑いの波を越えているうちに時がいつの間にか過ぎている、的な。
また、各編の合間がすべてベンチャーズ・ナンバーというのもけっこうツボ。

マカロニ・ウェスタン・ほうれん荘
劇団阿佐ヶ谷南南京小僧
明石スタジオ(東京都)
2010/09/02 (木) ~ 2010/09/05 (日)公演終了
満足度★★★★
選曲がツボど真ん中
欲を言えばマカロニほうれん荘ネタがもう少し欲しかったが、いつもながらの妙にトボけた台詞回しが楽しい。
また、これも毎度ながら選曲が世代的にド真ん中で、新旧合わせてほぼイントロでワカるほどなのも嬉しい。
それにしてもウエスタンカーニバル時代の日本語カバー曲、よく見付けたモンだ。