じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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煮詰る頃

煮詰る頃

演劇チーム 渋谷ハチ公前

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2011/01/22 (土) ~ 2011/01/30 (日)公演終了

満足度★★★★

終盤は圧巻
大きなダイニングテーブルを中心に大人数で食事をする人々(血縁のある者もいるが「擬似家族」な印象)2組(装置左右の階段の向きを変えることで区別)を交互に描いて、初見であった前作『ストックホルム』と比べて題材、手法ともオーソドックスでマイルド、むしろ平板とも思える展開でありながら、終盤がスゴい。
実は一方の流れでの少年(子役が演ずる)がもう一方での中心人物であり、しかもそれを明かす方法も上手い。
それまで直接のつながりが全く見えなかった2つの流れが結合して、ある人物のそれまでの行動や考え方などがストンと腑に落ちるなど、一気に「大きなナニカ」が浮上して来る感じ。
以前流行った裸眼立体視でコツがつかめた瞬間にワケのわからないドットだけの2枚のCGから立体像が浮き上がって来た時と同質の感動に近いか。
前作では観終わっての帰路で感じた「言葉にし難い感動」が今回はここで。

一方、そこに至るまでがかなり長く、関連性が見えないだけに冗長に感じられてしまう難もアリ。
それまでが長ければ長いほどインパクトが大きくなるかもしれないが、全体で135分というのはちょっと。せいぜい2時間程度に収めて欲しかった。

なお、Confetti の888円のチケット、最初に遅れて申し込んだ時には手遅れだったものの、別日程で再度出す旨返信を下さった(GETTIシステムではなくメールでの申込みだったのだ)だけでなく、なにかとご配慮を頂いたスタッフさんにも大きな感謝!

アウトロ

アウトロ

ハチビットプラネット

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2011/01/19 (水) ~ 2011/01/23 (日)公演終了

満足度★★★★

ハンドルさばきが見事
着想とテンポの良さ、それに傍系の挿話とどう繋がるのか?という謎で惹きつけるユーモラスな前半からスリルとサスペンスが加わる後半を経て、任侠系の「散りの美学」かと思わせて最終的にはハッピーエンドに導くハンドルさばきが見事。
多少強引な部分もあるが、その後の展開やテンポの良さで「逃げ切って」しまう(爆)ところも巧み。

また、舞台後方下手の黒い壁の一部に張った紗幕で別の場所を見せる手法はよくあるが、終盤でそれを映画のスクリーンとして使う(もちろん劇中映画のシーンは映像でなく生の演技)のも上手い。

さらに過去の2作ほどあからさまではないものの「山や電柱を「動かせ!」と言ったベテラン」など、知っていればピンとくるオマージュ系のネタをひそませているのも○。

いずれにしても、ここまでの3本すべて出来が良く、次回にも十分期待。

絡繰ル糸、焔ノ影(カラクルイト、ホムラノカゲ)

絡繰ル糸、焔ノ影(カラクルイト、ホムラノカゲ)

箱庭コラァル

グッドモーニングララ(東京都)

2011/01/22 (土) ~ 2011/01/22 (土)公演終了

満足度★★★★

「赤月夜」エピソード0?
曲の合間にそれを奏でる人形の一人語りが挿し挟まれる「赤月夜ノ演奏会」シリーズと配分が逆で一人芝居の中に曲が入るスタイルで、曲も変奏により何度か登場する劇伴的な使い方。「赤月夜」の人形たちの裏ストーリー的な内容も上手い。

しかし終盤のイイ場面でのパッヘルベルの「カノン」、2日前に観たギグルの『アレルギー』で使われた菓子メーカーの名称をそのメロディに乗せたものが思い出されて頬が緩んでしまったのには困った。こりゃ、まさに「アレルギー性カノン」。(笑)

エモーショナルレイバー【ご来場ありがとうございました!】

エモーショナルレイバー【ご来場ありがとうございました!】

ミナモザ

シアタートラム(東京都)

2011/01/20 (木) ~ 2011/01/23 (日)公演終了

満足度★★★★

濃密なドラマ
サンモールスタジオでの初演より倍以上広くなったステージを、キャラの濃さで埋めた印象?(笑)
ツイッターで「飛び道具」と称された方々(爆)を筆頭とした個性的な人物たちが織り成すドラマは濃密。
また、舞台上部の2本の梁で閉塞感を出した装置も◎。

『OLと魔王』 ご来場ありがとうございました◎さよなら魔王!また会おう!!

『OLと魔王』 ご来場ありがとうございました◎さよなら魔王!また会おう!!

舞台芸術集団 地下空港

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2011/01/19 (水) ~ 2011/01/23 (日)公演終了

満足度★★★★

歌のないオペレッタ
恋人・ミサオの家で「よろしく過ごした」後、何かに導かれるように守は魔方陣を壁に描き、ミサオが冗談交じりに呪文を唱えた翌日、魔王ルシファーが召喚されてしまう。が、彼は妻であるリヴァイアサンの謀反により魔界を追われており…な物語。
魔王がクーデターで魔界を追われるなんて設定からしてコメディ寄りな一方、使う音楽がチャイコフスキー作品やヒッチコック映画のサントラ(←アフタートークで知った)というオーケストラものなのでクラシカルな雰囲気もあり、「歌のないオペレッタ」な感じ。(そう思っていたらアフタートークでも「オペレッタ」に例えられていた)
また、魔王と会った際のミサオの母・倫子の言葉遊び的勘違いとか、戦車・戦艦・拳銃などをモチーフにした装置(脚に自在ローラーを付けて滑って移動させることができるダイニングセットも)、それに魔界のキャラたちの衣装など、いろんな種類においてセンスが良くて◎。
さらに劇団競泳水着の上野主宰を招いてのアフタートークも楽しい。

アフターサービス【月1WS開催中!】

アフターサービス【月1WS開催中!】

プロデュースユニット四方八方

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2011/01/20 (木) ~ 2011/01/24 (月)公演終了

満足度★★★★

好きなテーマの1つだし…
人が死後、魂となり次に生まれ変わるまでを過ごす「黄泉」には区域ごとに管轄があり、各管轄に「閻魔」を長とする「職員」がいて魂たちをケアする、という設定下の物語、基本的には人情喜劇風。
時にはルールからハミ出そうになってもそれぞれに魂のことを思って行動する職員たちの優しさを中心に描きつつ、自殺の罪深さや「死にきる(=黄泉での生活を全うする=転じて有意義に生きる)」ことの大切さもサラリと織り込んでいるのが巧み。
もともと好きなテーマの1つなこともあり、かなり満足。
また、イキウメの前川主宰を招いてのアフタートークもあっておトクな感じ。

アレルギー【公演終了!!!ご来場誠にありがとうございました!!!!】

アレルギー【公演終了!!!ご来場誠にありがとうございました!!!!】

ギグル

インディペンデントシアターOji(東京都)

2011/01/19 (水) ~ 2011/01/23 (日)公演終了

満足度★★★★

あは、あは、あはは
基本的な進行・構成は決まっているものの、即興部分もあり…どころか前説などによれば台詞も決まっていなくて、毎回その場で浮かんだ「生の言葉」を口にするとのこと。
 
ビフォアートークからユルいと言おうか和やかと言おうか、そんな空気が客席を満たし、本編の始まる頃にはもう身も心もリラックスして「箸が転げても笑える」ほどに…(笑)

もちろん本編もユルさ満載で、難しいことなど一切考えず、ただひたすら「あは、あは、あはは」と笑っていれば良いという気楽さ。

しかも多彩な出演陣の個性がよく発揮されており、連作コント風でありつつも全体的に流れがあって一応オチがついた後に「ボーナストラック」的なパート(←アフタートークより)があって終わる75分、もう観終わったら心が温泉に浸かったか遠赤外線を浴びたかのようにぽっかぽか。
前日のソワレとは全く対照的で、これまた大いに楽しからずや。

SWEETS

SWEETS

ehon

座・高円寺1(東京都)

2011/01/19 (水) ~ 2011/01/23 (日)公演終了

満足度★★★★

眼を逸らさせない求心力
事前情報から予期したほどはダークでなく、若干のアブなさはありつつ淡々と進んでいたかと思ったら、終盤でいくつかの流れが好転するかに見えた後のクライマックスが壮絶で、もはやダークと言うよりはヘヴィー。
危うく揺らぎながらも辛うじてバランスをとっていた家族のあれこれが、少しだけ良い方向に向いた反動で一気に崩れ落ちたようで、しかし、眼を逸らさせない求心力のようなものがある演技・演出が秀逸。

ネタバレBOX

また、悲劇として終わるのではなく、最後に微かに光明を見せて終わるのが何とも上手い。悲劇のまま終わるという流れも十分にあり得るだけに、この救いが本当に利いているんだな。
終わりなき将来を思い、18歳の剛は空に向かってむせび泣いた。オンオンと。

終わりなき将来を思い、18歳の剛は空に向かってむせび泣いた。オンオンと。

青年団若手自主企画 だて企画(限定30席!)

アトリエ春風舎(東京都)

2011/01/14 (金) ~ 2011/01/25 (火)公演終了

満足度★★★★

「観客巻き込み型」演劇
カフェ公演などその場をそのまま使う「覗き見型」どころではなく「観客巻き込み型」演劇。普通の芝居よりもずっと登場人物の気持ちを考え…と言うより自分も「当事者」として考えさせられてしまうのが独特で積極的に「参加」した身として大いに楽しむ。

水飲み鳥+溺愛

水飲み鳥+溺愛

ユニークポイント

「劇」小劇場(東京都)

2011/01/18 (火) ~ 2011/01/23 (日)公演終了

満足度★★★★

具体的な『水飲み鳥』
『溺愛』とは対照的に非常に具体的。
男やもめの散らかった部屋はある意味「キレイ過ぎる(笑)」が、共感するし、そこで交わされる会話も「あるある」「わかるわかる」みたいな。
抽象的だとそれが何の表現であるかにもアタマを使わなくてはならないが、具象的だとそういうことに気を使わなくて済むので台詞や内容に集中できる感じか?

水飲み鳥+溺愛

水飲み鳥+溺愛

ユニークポイント

「劇」小劇場(東京都)

2011/01/18 (火) ~ 2011/01/23 (日)公演終了

満足度★★★★

抽象表現の『溺愛』
前説中の2人の「前説にしてはオカしい部分」を前フリとして始まり、「男」のパート以外はほぼ抽象表現のみ。

ネタバレBOX

出だしの「自由を奪う」ことや後半での「(命を?)絡め取る」ことなどを抽象表現とすることで陰惨な事件をソフトに見せる、な感じ。
また、他の効用として解釈の余地がかなりあり、他の登場人物がみな地味な中、唯一派手な衣装&メイクなジュンコを「実在する人物ではなく、人の心にある邪悪なものの象徴?」などと思ったりもしたが、それは違った模様。(笑)
ヒールのブーツ

ヒールのブーツ

オーストラ・マコンドー

JORDI TOKYO(東京都)

2011/01/14 (金) ~ 2011/01/19 (水)公演終了

満足度★★★★

身近に感じられてそれでいて劇的
ブティック「JORDI TOKYO」を舞台にした物語、訪れた傷心気味の女子高生を癒す店長のオトナな優しさ・包容力や常連(というよりは溜り場的に使う?)客たちとの関係、そこに立つ波やちょっぴり淋しい結末など、身近に感じられてそれでいて劇的、みたいな?

また、劇場ではなく展示スペース的な場所で通りに面した側が全面ガラス張りなのでそれを活かして外も演技スペースに使うほか「借景」的効果も上げ、さらにそこを通る(無関係な)通行人の反応までも見えて、そんなあたりにジョン・ケージの「4分33秒」の演劇版、的な印象も受ける。
確かにソワレとマチネで大きく雰囲気が変わりそうだし、外の様子は毎回異なるもんね。

【公演終了】B203【ご来場有難う御座いました】

【公演終了】B203【ご来場有難う御座いました】

早稲田大学演劇倶楽部

早稲田大学学生会館(東京都)

2011/01/14 (金) ~ 2011/01/17 (月)公演終了

満足度★★★

おバカなところ、好きだなぁ
近未来、懲役100年を超えるような受刑者たちの地下収容所での物語…ではありながら、ナンセンスコメディ系。
なんたって受刑者にサル(しかもサルがサルの着ぐるみをかぶっている設定!)やロボット(Q-10風?(笑))がいるし、看守長の肩にとまっているトリも人間の大きさになって出てきたりするし、そういうおバカなところ、好きだなぁ。

一方、S気味の女性看守と受刑者たちの関係に『カッコーの巣の上を』(または『…巣をこえて』)を連想。終盤、「大阪LOVER」が止まらなくなるあたりなんて『カッコー…』第1幕ラストを彷彿とさせるし…って深読みか?(笑)

そうして迎えるラスト、地震によって閉じ込められた面々が光を見つけて脱出するシーンで客席(前部2段)が「十戒の海」状態になろうとは…。
2列目センターにいて、座る時に「この金具、なんだろ?」と思っていたのがそういう風に作用するとはねぇ。

また、日替わりゲストの21期生が、+1の目崎主宰、ろりえの奥山主宰、タイタニックゴジラの高木主宰など、そうそうたる顔ぶれ…。いやはや恐れ入りました。

23分後

23分後

innocentsphere

吉祥寺シアター(東京都)

2011/01/15 (土) ~ 2011/01/23 (日)公演終了

満足度★★★

複数の流れが関連付くまでチョイ長
以前よりも笑える部分が多いことを意外に思いながら観ていると、接点のない複数の物語が併行して進み、それらを「一体どういう関係?」と訝っていたが…(以下ネタバレ)

ネタバレBOX

…終盤、ベートーヴェンの交響曲第9番第4楽章(当日パンフにヒントがある)が流れる(with 経過時間投影)と、ドミノ倒しの如くそれぞれがつながって行くシカケで、やっと「なるほど」。
がしかし、23分に収めようとしたため強引な部分(爆弾ネタとか)もある上に、曲の最後で大団円かと思いきやさらに続くのはちょっとキレがよろしくない。

また第九に至るまでのそれぞれのストーリーに接点がないほど急に関連付く面白さ・意外性があるのもよくワカるが、それが長いともどかしく冗長に感じられてしまう面もあり、諸刃の剣。

一方、バタフライエフェクト(もしくは風が吹けば桶屋が儲かる)的連鎖をふまえて最終場で出てくる「ため息をつくと世界のどこかで戦争が起こるかもしれない」なんてセリフが良いし、その前のクライマックスでの夫婦・親子など家族愛もイイので、これはこれでアリか?
ドリルチョコレート「テスタロッサ」

ドリルチョコレート「テスタロッサ」

MCR

こまばアゴラ劇場(東京都)

2011/01/07 (金) ~ 2011/01/16 (日)公演終了

満足度★★★★

やはり観た甲斐はあった
会話が実によく出来ていてあー言えばこー言う風にポンポン弾んでテンポ良く、時間の経つのがアッと言う間。(上演時間75分だし(笑))
で、良く計算されていながらも一部即興の要素もあるらしく、共演者が顔を背けて何とかガマンしながらもついに耐え切れずに吹いてしまうなんて1コマも…もちろん客席大ウケ。

そうして迎える三者三様の結末も上手く、やはり観た甲斐はあったなと。

メタファンタジア[眠りの森の・・・]Ver.6

メタファンタジア[眠りの森の・・・]Ver.6

楽園王

タイニイアリス(東京都)

2011/01/13 (木) ~ 2011/01/16 (日)公演終了

満足度★★★★

Ver.7 もいつか観たい
8年前に Ver.5 を観て、5~6年前には戯曲も読んでいたものの、かなり記憶が薄れていて結末などは完全に忘れていたので新鮮な気持ちで観る。
結果、135分の長尺も苦にならないほどに楽しむ。

まず、最近(ってかここ数年?)と比べて笑える部分が多く、意外と言えば意外。
また終盤の衝撃の真実に一瞬、「じゃあアレは何なのさ?」と思うもののすぐに「あぁ、あっちも自分の死を受け入れることができずにいたのか」と納得。
このあたりが実に上手い。死を受け入れることができない2人の物語を併行して語っていたなんて騙し上手!(笑)

あと、「夢十夜(第一夜)」「浦島太郎」「クロノス・ジョウンターの伝説」などを勝手に連想したりして観るのもまた楽しからずや。

なおこの日、マチネ、ソワレの両方で「雨に降られた相手に傘をさしかける」「教室の席に白い菊の花を飾られる」状況が出てきてその偶然にビックリ!

キョム!【公演終了しました。ご来場ありがとうございました!!】

キョム!【公演終了しました。ご来場ありがとうございました!!】

悪い芝居

駅前劇場(東京都)

2011/01/14 (金) ~ 2011/01/16 (日)公演終了

満足度★★★★

各人物の心情が痛いように伝わる
路上生活者たちが暮らしている廃劇場に男女の刑事が現れ、路上生活者・松本が撲殺された件について事情聴取を始め…な物語。

前半は聴取の様子とその内容の再現を見せるサスペンス風に進行するも、それが一区切りついたところで元・劇作家という設定の山本が観客に「以上は松本さんが亡くなってからの出来事ですが、これから亡くなる前をお見せいたします」と語りかけ、さらに「仲間の路上生活者に演技をさせている」的なことも告げて劇中劇であると明かす…。
ここからはむしろコミカルになるのだが、それだけにその後の松本の絶望がより強く心に刻まれるシカケ。うわわ、何なのこの急ハンドル。

それが芝居であり、さらに劇中劇であるとわかっていても、終盤の各人物(松本以外も含む)の心情が痛いように伝わり緊張感が最高に達したところで幕となるのはスゴい。

また、「始めます」「続けます」と宣言して各シーンを始めることによってメリハリがつくのは面白くかつ有効だし、開演定時の10分くらい前から徐々に役者がステージに上がってイントロ的な演技を始めていて、最初の「始めます」で客電が落とされるのでよりそれが際立つ、みたいな。
客電と言えば終盤で山本の指示で客電を上げるし…。

そんなこんなで先日の『THE LIFEMAKER』のように、観客もまた劇中の観客役に見立てられているのではないか?な気分にさせられるのもメタフィクション好きとしてはタマラン!(笑)

OVER  OVER  THE RAINBOW

OVER OVER THE RAINBOW

てらりすと

下北沢GARDEN(東京都)

2011/01/14 (金) ~ 2011/01/14 (金)公演終了

満足度★★★★★

満足度高し
Opening Live(約15分)、Main Live(約55分)、Premium Live(約30分)の三部構成、キッカケは忘れたが一見不釣合いな2人の組み合わせが印象に残っていたどころかコンビ名の由来まで知っていたイワイガワのコント(=Opening Live)からスタート。
昨年暮の某公演の前説で観た芸人さん同様、生で観る方が空気そのものが伝わると言おうか、客席(の空気)とのキャッチボールと言おうか、テレビで観るよりもずっと面白く感じるのはフシギ…いや当然か?
さらにアドリブに強く、この日もバーカウンターの方で製氷機の氷が落ちる音が響いたのをすぐに受けて対応するのも見事。

15分の休憩を挟んでの Main Live がタイトルになっている「OVER OVER THE RAINBOW」。
前回(『人デナシノ唄』)にしても今回にしても「ワンマンライブ」と銘打っているので、ストーリー性のある歌たちを衣装の早替えや身振りなどを交えて歌う、どちらかと言えば歌の要素が強いものかと勝手に思い描いていたところ(失敬!)、そんなヤワなものではなく、まさに「1人ミュージカル」。

アマテラ スミコ(=アマテラス)が親友のウズ メグミ(=ウズメ)の勧めでオンラインゲーム「OVER OVER THE RAINBOW」に参加するが…なストーリーもしっかりしているし、その2人はもちろん、パーティーを組むLIGHT(ここまでがメインキャラ)やゲーム内のすべてのキャラを声色(と一部は早替えの衣装)で演じ分け(1曲の中で最大6役を演じ分けるのだ)たり映像を使って重唱をしたり見せ方もいろいろ工夫しているし、とクオリティが高く、ウォトカトニックによるホロ酔いもあって軽い感動さえ憶えたくらいで。

さらに浅沼晋太郎とイワイガワを迎えての Premium Live 朗“毒”劇「OVER OVER THE RADIO」は本編中でウズメがパーソナリティを務めているラジオ番組での出来事、というスピンアウト作品。
落としどころも上手いし、もともとある即興的要素に加えてイワイガワの2人がアドリブも入れるし、これまた上出来。

そんなこんなで満足度高し。興味を持った関東エリアの方々、3月11日に vol.4 がありますよん♪

ネタバレBOX

ゲーム内でLIGHTが去ったことを受け入れられずに何年も留まっているスミコを現実に引き戻すためにメグミが仕組んだことだった、という真相は本当に上手い。

あと、モニターの内側からゲームに興ずるスミコを見せる映像で部屋の棚に「木馬」があったり、劇中に「悲しいけど…これ**なのよね」なんてセリフがあったりしたが、エッちゃんってガンダムファン?
愉快犯

愉快犯

柿喰う客

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2011/01/07 (金) ~ 2011/01/16 (日)公演終了

満足度★★★★

乱痴気っっ!!!
登場した時に「反則だろそれは!」(出オチともゆー)と思う配役もありつつ、観ているうちに説得されてしまうというか「それもアリだね」と納得してしまうのが柿の奥深いところと言おうか底力と言おうか、言い方はともかくとしてとにかくスゴい。
また、役者が変わることによってキャラが変わる部分が大半な中、「役」は変わっても「役割」が変わらない(まーくんの芸とか)、なんてところもあって、やはり観比べるとより面白い。
恒例のアフタートークは中屋敷代表に加えて出演者全員が登場してのもので、今回の配役については出演者たちの話し合いで決めたが、一旦「どの役を演じたいか」「誰がどの役がいいと思うか」の2点から決めたもののまた変えた、なんて経緯なども語られた他、「役によって使う筋肉が違う」(玉置)、「(本役を演ずる役者の)動きをトレースしてから自分のものにする」(コロ)などの内幕も語られ、まさに「乱痴気のひみつ」な様相。
そんなこんなで二重三重に面白かった。

無伴奏

無伴奏

劇団東京イボンヌ

サンモールスタジオ(東京都)

2011/01/12 (水) ~ 2011/01/19 (水)公演終了

満足度★★★★

静かでオトナで深い味わい
客入れ時のBGMこそ60年代後期〜70年代前半あたりのロック(推測)ながら、M-0 のジャック・ルーシェ以降の使用曲はすべて(だと思う)クラシック(アレンジもの含む)で、それによる効果もあって静かでオトナな雰囲気。男やもめがやっているペンション(ありゃ、年末のアレとカブってる)ということで、倉本聰の『優しい時間』も連想したりするからなおさらか?(笑)
そんな雰囲気の中、ヒロイン・貴子は静かではありながら実はかなりエキセントリックだし、1ヶ月にわたって投宿して山を撮り続けている若い写真家・及川はそれに輪をかけてエキセントリック(笑)だし、と2人の人物が良いアクセント。
そうして12年前も絡めて2つの想いの行方を中心に見せ、ともに好転かと思わせた後のエピローグはかなり切なく、解釈によってはコワくもあるという…。アレは一体どっちの「お迎え」?(謎)
あと、圭の少年時代のシーンに出てくるネコさんとカエルさんの逸話がイイ。(詳細はネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

互いの持っているものに憧れて相手になりたいと思っても叶わないけれど、無いものを持っている2人が寄り添って行くことはできる、というのは真理であり、目からウロコ。

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