銀河鉄道の夜
からふる
パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)
2012/07/26 (木) ~ 2012/07/30 (月)公演終了
満足度★★★★
抽出のしかた、光の使い方、生演奏が特に◎
ジョバンニ(とザネリ)の後日譚も入れれば今年観るのは5本目(のハズ)の「銀河鉄道の夜」もの。
上演時間短縮のため(?)に大半を鉄道内にした抽出のしかた、蓄光テープで浮かび上がる機関車やカラスウリの提灯、豆球の星など光関係の使い方が特に見事。
あと、g,b,key(&sax),vln(&p)の生演奏も◎。
保母、処女
ホントに、月刊「根本宗子」
BAR 夢(東京都)
2012/07/14 (土) ~ 2012/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★
チームN
チームAの基礎編、チームBの応用編(私見)に対してチームNは「反則編」かと思いきや、「暴走編」あるいは「お楽しみ編」か?
がしかし、当初は作・演出だけのハズで2人の女優に演じさせておき、最後に「後だし」的に自ら演ずるのは反則かも?(笑)
保母、処女
ホントに、月刊「根本宗子」
BAR 夢(東京都)
2012/07/14 (土) ~ 2012/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★
チームA・B
オトコの立場から見て「あー、女性だけの職場ってそうなのかもなぁ」的な(想像上の)リアリティと随所に仕込まれた笑いの爆弾が愉しい。
また、観た順のためもあるかも知れないが、チームAが基本編、チームBが応用編のような印象を受ける。(もちろん、どちらも演者と作中人物の適合度は高い)
「物」
日本のプロレス
APOCシアター(東京都)
2012/07/28 (土) ~ 2012/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★
サラダとステーキ(謎)
料理が得意な友人が「メシ喰いに来ない?」と誘ってくれたのでおコトバに甘えたら、最初がさっぱりして美味いサラダで「次は?」と思っていたら厚さ2cmもある熱々のステーキ(もちろん味はイイ)が出て来た、みたいな2編と言えようか?(笑)
また、単に2編を見せるだけではない工夫もエンタメとして◎。
しかし秋にある(この少し前に公開稽古を観た)某公演、そして同時期に公演中の某公演とカブる部分があったのにはビックリ。
こういう偶然の一致、何故かよくある小劇場界、「七不思議の一つ」と言ってもイイかも?(あとの6つはゆる募(笑))
キシノ味
味わい堂々
ギャラリーがらん西荻(東京都)
2012/07/28 (土) ~ 2012/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★
「奇策(笑)度」増?
味わいメンバーのみの2編はお面を付けたり書き割りの胴体から顔だけ出したりとアサノ味と比べて「奇策(笑)度」増。
一方、ゲストを迎えた3編目は、ゲストを中心に据えてメンバーは細々したワキに徹するツクリで、そんな「創り分け」も含めて巧みだなぁ、みたいな。
Gothic&Lolita Fantasia
黒薔薇少女地獄
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2012/07/27 (金) ~ 2012/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★
短編集の醍醐味
1編目はユーモラスなファンタジーからブラックな結末へ、2編目はホラー系から姉妹愛へと変貌するし、3編目はある意味哲学的と各編それぞれに味わいは異なるものの、共通項はちゃんとあるというのは短編集の醍醐味。
もちろんそれは各編のヒロインがゴスロリファッションに身を包んでいるという表面的なものだけではなく、根底を成す思想(?)的なものが。
また、当日の受付・客席スタッフがメイド服とは何たるサービス!(ズルいともゆー(爆))
黛(まゆずみ)さん、現る!
ナカゴー
王子小劇場(東京都)
2012/07/25 (水) ~ 2012/07/30 (月)公演終了
満足度★★★★
イキオイ溢れるチカラ技
字義通り・比喩的の両方の意味で「チカラ技」。
某女優を(キャラはともかく)本人として登場させたかと思えば別の女優を実在の女優役で登場させたり、な発想と、ストーリーの軸が徐々にシフトして行く「B型的」な構造が独特で面白い。
また、コメディではありながらも、考えようによってはサイコホラーでもあり、しかしそれを殆ど感じさせないのは全体を貫く「イキオイ」か?(笑)
赤鬼 ―レッドパージ立山― 【終演致しました。ご来場ありがとうございました!!】
サイバー∴サイコロジック
駅前劇場(東京都)
2012/07/26 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★
センス溢れるシリアス・コメディ
ナンセンス・ミステリと銘打ちながらもその実態(実体?)はセンス溢れるシリアス・コメディ(勝手に命名)。
一歩間違うと失笑(あるいはコントもどき)になりかねない状況を複数組み合わせながらもそれぞれキチンとシリアスかつユーモラスに見せて見事。
連合赤軍に心酔した男が「次に行った場所」をも共産化しようとするなんて発想も愉快。
また、そんな全体構成や最後の落としどころなどストーリー関連のみならず、対面ではない二方を客席とした劇場の使い方、装置とそれを効果的に使った見せ方も上手いし、確かに最高傑作と自負するだけのことはあるな、と感服。
病んだらおいで
ソラトビヨリst.
新宿シアターモリエール(東京都)
2012/07/26 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
名作蘇る
燃えよDTフィールでの初演(『精しき神様』)がリピートするほど面白く、開演前にその改題だと知り、元々高い期待がさらに上昇したが、それをも楽々クリア。
名作再び…と言うか名作新生す、的な。
個性溢れる登場人物たちが織り成すドラマ、これも鮮明に覚えている部分とそうでない部分があり、記憶の虫干し的な感覚もまた楽しからずや。
旗揚げ作品「沼田宏の場合。」同様、代表作的に演を重ねて欲しい。
スペーストラベラー ~LOVE is in the Mother Ship!~
スーパーグラップラー
あうるすぽっと(東京都)
2012/07/25 (水) ~ 2012/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★
4年前の記憶を辿りつつ観る
4年前の再演版の記憶が残っていたりいなかったりでそれを繋ぎ合わせたりしつつ、また、オチを知っているので「なるほどここでヒントを言っているな」などと思ったりもしながらコトの成り行きを見守る。
(前回どのタイミングでオチが読めたかは思い出せなかったが)
前説・本編で時として客席通路まで展開する趣向も楽しい。
組曲『回廊』
空想組曲
OFF OFFシアター(東京都)
2012/07/19 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★
大変満足♪
キーワードは「カクテル」?
出演者それぞれの味・個性をうまく配合して作り上げた各短編が、絶妙のバランスで組み合わされて1本の作品を成す、という二重の意味において。
また、事前に目にしたネタバレではない感想にヒントを得て冒頭から注視していたこと、ならびに同系統の作品が好きなことから、全編の軸となる表題作はある程度察しがついたが、3話目で明かされる真相がそれを凌駕するものでその発想に驚愕。
また、序盤で祐二と深月の二人に注ぐ眼差しの柔らかさが抜群の中田顕史郎、登場の度に設定を体現する武藤晃子を筆頭に、2人のコメディエンヌ(川田希は意外?)、ゲストの佐々木姉妹などオールスター的なキャストも贅沢で、非常に満足。
「20世紀少年少女唱歌集」
椿組
花園神社(東京都)
2012/07/13 (金) ~ 2012/07/23 (月)公演終了
満足度★★★
やはり鄭義信戯曲は苦手?
ミシンの訪問販売で故郷の小樽を訪れた女性が振り返る少女期…ということで昭和40年代の夏満載、内容から使用曲に至るまで自らの少年期とラップして郷愁をそそられる。
また、テント内をわたる風、外のノイズ、この会場ならではの声の響き方など演劇界の「夏の風物詩」を満喫。
がしかし15分の休憩込み170分の上演時間はさすがに長い。
一昨年の『椿版「天保十二年のシェイクスピア」』と似たような長さでありながらもそう感じてしまったのは鄭義信戯曲が苦手であるゆえか?
あと、恒例の「借景」が無かったのも残念。(物語の内容上、また装置の構造上から無理に入れるべきではないし…)
神様のいないシフト
芝居流通センターデス電所
駅前劇場(東京都)
2012/07/19 (木) ~ 2012/07/23 (月)公演終了
満足度★★★★
悪魔とは何か?
二転三転するストーリーのバランスが若干良くない気がしないでもないが、「悪魔とは何か?」「本当にコワいものは何か?」的な哲学的(?)パートを経てホラー系で締めくくるのが巧い。
また、ラップ…と言うより河内音頭的なパートが楽しいOP曲を筆頭に楽曲群もイイ。
少女教育
シンクロ少女
王子小劇場(東京都)
2012/07/19 (木) ~ 2012/07/23 (月)公演終了
満足度★★★★
名嘉作品の真骨頂+新境地
特色である併行する複数の会話の一部がシンクロする手法も序盤から終盤に近付くにつれてシンクロ率が上がるように進化した上に、3つの流れのうちの2つが煮詰まった頃合いにその関係性を明かすなど、まさに名嘉作品の真骨頂。
さらに男優陣のベタな…どころかクサくさえある(笑)ダンスを筆頭に笑える部分も多く、一皮も二皮も剥けた感じ?
また、中田麦平の(σ(^-^)の知る範囲では)かつてない役どころにビックリ。
「天国の待合室」(7月)
劇団6番シード
d-倉庫(東京都)
2012/07/19 (木) ~ 2012/07/22 (日)公演終了
満足度★★★★
舞台美術も見もの
遺した想いを伝えようとするパターンは多いが、本作のようなケースは珍しいため新鮮に感ずる。
また、途中にあった場面を鍵に各人がそれぞれ「思い出す」終盤が巧い。
また、支柱と手摺りに天然木を使った螺旋階段のデザインを筆頭とした舞台美術もイイ。
なお、是枝裕和監督の映画『ワンダフルライフ』をも連想。
僕の中にある静けさに降る、騒がしくて眩しくて赤くて紅い雪
天幕旅団
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2012/07/19 (木) ~ 2012/07/22 (日)公演終了
墓場にて、竹。
7%竹
小劇場 楽園(東京都)
2012/07/19 (木) ~ 2012/07/22 (日)公演終了
満足度★★★
あれこれ無駄遣い(笑)
あれこれ盛大に「無駄遣い」(例えば思わせぶりなだけでさして意味のないネット、外科席・内科席というネーミング、特別出演のアノ方など)、もちろん悪い意味でなく。
そして「バカだねー」「ナンじゃこりゃ?」と思っているうちに90分経っているとは時間泥棒め!(もちろん良い方の意味)
なお、この小屋の特色であるメイン、サブ両ステージの使い方とあれこれ盛り込んだ物販・前説も◎。
当日パンフレットで「上演中に(当パンを)見ろと言うので心の準備を」的なことを言いつつ、実際にその時になっても客電を上げず結局見にくい、なんてのも狙った上で仕組んでやっているのではないかしら?(え、それはかいかぶりで単に気が利かないだけ?(爆))
ともだちのそうしき
RONNIE ROCKET
大吉カフェ(東京都)
2012/07/14 (土) ~ 2012/07/16 (月)公演終了
満足度★★★★
アダチ・皮墓村組
オリジナルである男性版を順番的には最後に観ることに…。
で、女性版を観ていて「ここは男性版ではどうなっているんだ?」と抱いていたある設定に関する疑問の解答が得られるとともに男女版は男性版にかなり近いことがワカり、あれこれ納得。
ともだちのそうしき
RONNIE ROCKET
大吉カフェ(東京都)
2012/07/14 (土) ~ 2012/07/16 (月)公演終了
満足度★★★★
秋澤・前田組
前回加わった男女版を初体験。
既に3回観ていた女性版とかなり異なる部分もあり、「あの設定はどうだったっけ?」状態に陥るのが楽しく、また、仕掛けられた「罠(?)」には度肝を抜かれる。
ゾンビ×幽霊×宇宙人「オール恐怖大行進!!」【ご来場・応援ありがとうございました! 次回は11月! からくりサーカス~サーカス編~を上演いたします。 乞うご期待!!!】
カプセル兵団
ワーサルシアター(東京都)
2012/07/12 (木) ~ 2012/07/22 (日)公演終了
満足度★★★
バカバージョン
以前、某団体の「おまけ演劇」に「本編の余韻を著しく損ねるオソレがありますので…云々」という注意書きがあったが、まさにそんな感じ?(笑)
冒頭から「そう来たか!」なドタバタで、以降は典型的なボケとツッコミやら聞き覚えのあるフレーズやらテンコ盛りで暴走というよりむしろ悪ノリ気味?(爆)
なのでノーマルバージョンを観てからこちらを観る方が妥当か? ましてや初見の場合、こちらだけでは誤解を招きかねない…(笑)
さらに上演時間が65-70分で各2800円、セット券も半券持参割引もないという価格設定から言えば、あまりオススメできないかもなぁ。