愛のゆくえ(仮)
アンファンテリブル
上野ストアハウス(東京都)
2012/10/30 (火) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★
プログラムB
客席に入ると舞台上には部屋の床部分だけで、エラくシンプル、いやそれどころか斬新だなと思いきや、開演定刻から12分ほどかけて装置の建て込み…という奇策(笑)。
が、それ以降はAと比べて準備稿に近かったような気がする。というか、こんなにも印象が変わるか、な感じ。
奇策についても映画やドラマでお馴染みの「本作はフィクションであり…云々」の芝居版と解釈して納得。
愛のゆくえ(仮)
アンファンテリブル
上野ストアハウス(東京都)
2012/10/30 (火) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★
プログラムA
まずは tsumazuki no ishi 丸出しの薄暗さ(笑)に「さすが寺十演出!」とニヤリ。
次いで掘り下げられたディテールに「おぉ!」と。
7月の公開稽古がラフスケッチでこちらは完成した油彩と言おうかそんな感じか。
さらにラストの会場の使い方(お見事!)とオチ(ホラーかと思った(笑))で二度ビックリ。
Fire and Fight,SUMIDAAA!
シアターキューブリック
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2012/10/28 (日) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★
ゆかたキャストっっ!!!
第一部は11年後のキューピッドガールズ達…いやむしろ下町の商店街を描いた芝居(約60分)。
そんな未来でも「下町の人情」的なものは変わらず、「逆レトロフューチャー」な感覚。
落としどころとそれに伴う「アレ」もイイ。
第二部は墨田の戦後から現在そして未来までを歌と共に綴るバラエティショウ的な25分。
元歌を知っているだけに替え歌がより愉快で、コント風の部分に往年の人気番組「シャボン玉ホリデー」を思い出したりも。
また、上演前後、会場内で縁日が開催され、DJが流れるという趣向も賑やかで楽しい♪
そんなあたりは下町に根付いたこの団体ならではか?
【終演しました!】母をたずねて三人で
ふつつかもの
王子小劇場(東京都)
2012/11/01 (木) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★
独特な不思議感覚
一言で表現すれば「独特な不思議感覚」?
すっトボけていたり、虚無的であったり、不条理であったりいろんな要素が練り込まれていて、さらに見せ方も「アレをソレにしますか!」とかがあって…。他に類を見ないスタイルかも?
終わり方も「あぁ、そういうものかも知れないなぁ」と思わせる妙な説得力があり、これまた独特?
また、ある部分にムソルグスキー「展覧会の絵」の「プロムナード」を連想。
ピエロの涙とボクの羽根
東京カンカンブラザーズ
テアトルBONBON(東京都)
2012/10/31 (水) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
恐れ入りましたぁ!
とにかく巧い、抜群に巧い。
冒頭のエピソードでまずホロリとさせ、序盤ではそこだけでの伏線とその回収もある会話とキャラクター造形でドラマに引き込んでおいて第二主題とも言うべきパート(実は本題?)に進むという。
そこではそれまでのユーモアは控えめに覚醒剤が起こす悲劇を綺麗ごとにせずしっかりと描き(=ビターでもある)、最後は芝居のウソ的な小さな奇蹟で締め括る…。
序盤の完成度で後半のハードルが上がったのに楽々クリアするとは脱帽。
Mermaid-drop
Performing unit colors7~C7
高田馬場ラビネスト(東京都)
2012/10/31 (水) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★
原典をおさらいして臨んで正解
アンデルセンの原典にアレンジを加えながらも巧く活かし、あれからずっと時を経た後日譚とした着想がイイ。
また、メイン部分に原典準拠の場面を差し挟みつつ物語を進めて最後にヒロインの謎を明かすツクリと落としどころも巧い。
なお、一見鼻持ちならないが、実にポジティブな考え方でもしかすると(笑)中身はイイ奴のキャラに共感。
平家物語
千賀ゆう子企画
座・高円寺2(東京都)
2012/10/31 (水) ~ 2012/11/01 (木)公演終了
満足度★★★★★
ダイナミックなリーディング
30人近い出演者と筝、チェロ、パーカッションの(ほぼ)即興演奏によるダイナミックなリーディング。
オープニングとエンディングの趣向もイイし、800×1800くらいのアルミ枠で騎馬武者、舟、武器など様々なものを表現するのには驚嘆!
秘密の繭
劇26.25団
OFF OFFシアター(東京都)
2012/10/24 (水) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★
レトロなサスペンス気味
間違った(?)肉親愛の絡んだサスペンスに昭和40年代の松竹映画(松本清張原作、野村芳太郎監督)のニオイを感じる。
また、TheWHOの「TOMMY」や天の岩戸などとも勝手に結び付けて観たら楽しいの何の!
また、最後に明かされる中学生の娘の不登校の理由も巧い。
恋愛漫画~バンカラ編~
ライオン・パーマ
王子小劇場(東京都)
2012/10/25 (木) ~ 2012/10/29 (月)公演終了
満足度★★★★
構成が巧妙
非常に贅沢かつ巧妙なツクリ。
普通このタイプでは劇中劇パートは1種類だけなのに惜し気もなく複数投入し、また、それにより進行中の場がどちらなのか観客をして惑わせるとは!
いや、少なくともσ(^-^)は終盤のある場面を「実はここも…?」と深読み(結果は誤読)したくらいで。
また、劇中作がそれぞれ面白そうなので、機会があれば各編を独立させて欲しかったり…(笑)
そのゆびにぎって
Pityman
ひつじ座(東京都)
2012/10/30 (火) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★
「会話見本市」的だが難もアリ
いわば「会話の見本市」でああ言えばこう言う、な台詞のやりとりや特徴的な表現が楽しい。
がしかし個々の場が有機的に繋がったりせず羅列終わり単調なのが残念。
一方、照明は素晴らしく、ある場面での下からのアオリのアイデアは秀逸(一見の価値アリ!)だし、最後に各場のあかりをメドレーのように見せるのもイイ。
女子。
gojunko
RAFT(東京都)
2012/10/24 (水) ~ 2012/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★
納得の落としどころ
各出演者がそれぞれ思い出を語る出だしにブルーノプロデュースのドキュメンタリーシリーズを想起。
が、それはいつしかシュールな方向にシフトし、もしや〇〇の世界の審判?などと思い始めたところで納得の結末。
この徐々に変移して行くところとと落としどころが個人的にツボ。
タナカSUMMER
トツゲキ倶楽部
d-倉庫(東京都)
2012/10/24 (水) ~ 2012/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★
新旧の融合がイイ
懐かしき大家族系ホームコメディ。
昭和中期のテレビドラマのような味をベースにしながらも、時空を超えて来る人物などSF・ファンタジー系な展開もあり、温故知新と言おうか、新旧の取り合わせ・バランスがステキ♪
『消費と暴力、そのあと』
COLLOL
LIFT(東京都)
2012/10/17 (水) ~ 2012/10/21 (日)公演終了
満足度★★★★
三段階に変容?
吹き抜けによって繋がってはいるが、それぞれの客席からもう一方のフロアの演技エリアはほぼ見えないという大胆な使い方をした会場で始まるのは「立体詩」のようなパフォーマンス。
下の階を選んだ身にはまるで「言葉が降ってくる」感覚。
が、階上から下りて来た男の実体験も入っているかと思わせるモノローグ以降は虚実の境界があるようなないような語りが中心となり、ブルーノプロデュースのドキュメンタリーシリーズを想起したりも。
そうして迎えるラスト、人によって解釈は異なると思うが、多くの女性たちは結局1人の女性の様々な内面(=思考・性質的なもの?)であった、と捉えて納得。
星読み騙り / #garadama
ガラス玉遊戯
「劇」小劇場(東京都)
2012/10/25 (木) ~ 2012/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★
「オトナの道徳教材」的な?(笑)
生命保険のセールスレディたちを中心に描いた物語にして「オトナの道徳教材」的な? 小学校時代の道徳の時間に見せられたTVのアレのオトナ版、みたいな。
営業経験のある身としてイヤーな記憶が蘇ったりしつつも舞台から目を反らすことができないのは「コワいもの見たさ」的心理か?(笑)
いや、それだけではああまで引っ張り込まれないだろう。
あと、まさかのアノ方のノンクレジットでの久々のサプライズ出演も嬉しかった。
NERO/ネロ
Oi-SCALE
サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)
2012/10/17 (水) ~ 2012/10/21 (日)公演終了
満足度★★★★
独特な「深夜2時頃の空気感」を堪能
過去2回の2プログラムものとは趣を異にし、基本的には同じ短編2本を異なるプロローグ&エピローグで挟むスタイル。
なので以前のパターンを期待すると肩透かし気味ではあるが、各プログラムの味わいは違うし、中身はどっぷりOi-SCALE。
どちらかと言えばAは実験的で、後半の「妄想カレンダー」はリドルストーリー風味。
一方のBは結末まで見せるものの漠然とした不安を残し、いずれにしてもOi-SCALEど真ん中。
それ以外の部分も含めて独特な「深夜2時頃の空気感」(←内容が深夜のハナシということではなく、Oi-SCALEの芝居が持つ雰囲気を勝手にそう思っているだけですので誤解なきよう)を堪能。
送別会
バイヲチックリサス
ギャラリーLE DECO(東京都)
2012/10/03 (水) ~ 2012/10/07 (日)公演終了
満足度★★★★
一方しか観られず残念
冒頭の二人のキャラの濃さで一気に引き付け、以降は彼らに振り回される「ややマトモ」な人々も交えて「あるある!」や「ありそー♪」なネタで逃げ切る感じ?(笑)
主宰(かつ作・演)が中心人物を演ずるBキャストはまた違った味のようだがコマがないのが残念!
第三楽章
劇団霞座
アートスタジオ(明治大学猿楽町第2校舎1F) (東京都)
2012/10/04 (木) ~ 2012/10/08 (月)公演終了
満足度★★★★
久石譲が五月蝿い(爆)
詩的・抒情的で演劇表現として(舞台美術も含めて)美しいが、久石譲が五月蝿い(爆)。
タイトルに因んで音楽を強調したのはワカるし意図も汲むが、台詞にカブせてあれだけの音量で流されると観ていてストレスが溜まるのも事実。
喫茶室あかねにて。
ホントに、月刊「根本宗子」
BAR 夢(東京都)
2012/09/16 (日) ~ 2012/10/21 (日)公演終了
満足度★★★★
かしまし芝居(笑)
文字通り「女三人集まれば姦しい」なハナシで構造的には前々作『保母、処女』と同様だが、もう1人、度を超えた(笑)キャラが加わることで差別化に成功。
このキャラ、無茶苦茶濃いものの出番の少なさでバランスを保ち、言わばワサビ的役割を果たしているのがまた鮮やか。
また、20日のチームSは冒頭から「そう来ますか!?」な(ほとんど反則(笑))配役の乱痴気騒ぎ的公演で、これじゃあむしろチームRなんじゃね?みたいな(笑)。
なお、13日にB'とB、20日にAとSを観劇。
ライ・トゥ・ミー【終演致しました。】
エビス駅前バープロデュース
エビス駅前バー(東京都)
2012/09/28 (金) ~ 2012/10/13 (土)公演終了
満足度★★★★
脚本・演出・出演とも名手揃い
地方都市で町興しに呼んだゲストの控室的に使われるバーでの人間模様。
ユーモラスな中にビターな味わいやスリル、そして捻りの加わった(と言うより「ひねくれた」?(笑))家族愛なども織り込んで、作、演出、出演それぞれに名手を揃えたなぁ、的な。
こい!ここぞというとき!(2012年サンモールスタジオ最優秀演出賞、受賞)
ポップンマッシュルームチキン野郎
サンモールスタジオ(東京都)
2012/10/18 (木) ~ 2012/10/29 (月)公演終了
満足度★★★★
意外にも後味爽やか(笑)
この団体に惚れ込ませた初演(@新宿ゴールデン街劇場)よりもキャラが増えておバカさ、不謹慎さともにグレードアップしたが、「親子の情」が芯を貫いているので意外にも後味爽やか。
ウェルメイド風の幕切れもアッパレ!
『よ〜いドン!!死神くん』と共に「親子もの」の双璧をなす名作だと思う。(「親子ネタ」に弱いだけにちょっと褒め過ぎか?(笑))