じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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わたしは浅瀬で溺れています

わたしは浅瀬で溺れています

激情コミュニティ

atelier SENTIO(東京都)

2013/07/05 (金) ~ 2013/07/07 (日)公演終了

満足度★★★★

あれこれセンス良し
1人の女性とその兄、カレシ、兄の元カノによる日常スレスレ系4人芝居、かつて単館でレイト上映していた映画のような味わいが好み。
また、冒頭の一言でタイトルの意味がワカる仕掛け、お得意の(?)幾何学系の舞台美術、昇降する照明(恐らく暗喩)、壁に映る演者の影、文字通り手作業の映像トリミングなどのセンスもイイ。

ネタバレBOX

冒頭の「最近、兄が沈んでいる」という台詞でタイトルの示すものを想像させるのが巧い。
シャッター

シャッター

バッカスカッパ

劇場HOPE(東京都)

2013/07/03 (水) ~ 2013/07/07 (日)公演終了

満足度★★★★

オトナの人間関係
東京からやや離れた地方都市の(昼は定食、夜は呑み處、的な)飲食店での物語。
主要人物たちの長い付き合いの上に成り立つ人間関係が自然と滲み出るように描かれていて、少年期に転居が相次いだ身としてそんな関係を羨ましく感じる。
さらに、波風が立ってもやがて穏やかな日々に戻る安定感が心地良い。

バイト

バイト

カスガイ

テアトルBONBON(東京都)

2013/06/12 (水) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★

緊張感をフッと緩和させるタイミングも絶妙
ある極端な状況下での会議、どちらかと言えば新境地的で意外な配役が多いが、それがまたうまくハマっていたりもして冒頭から引きずり込まれる。
基本的には終始緊張感が漂う中、時々それをふっと緩和して息継ぎをさせてくれる部分が挿し挟まれているのも巧い。

ネタバレBOX

考えてみると、あそこまで極端ではないにせよ、現実でも似たようなケースはままあるのではないか?とも思う。(会社の部門方針決定とか、学校で問題が起きた時にクラス内から「犯人」を出させるとか)
また、討論版「バトル・ロワイヤル」な感覚もあったり…。
けつあごのゴメス【全公演終演しました!!たくさんのご来場ありがとうございました!!!!】

けつあごのゴメス【全公演終演しました!!たくさんのご来場ありがとうございました!!!!】

劇団鋼鉄村松

ザ・ポケット(東京都)

2013/05/22 (水) ~ 2013/05/26 (日)公演終了

満足度★★★★

会場をダイナミックに使った演出が印象的
複数の流れが収束してクライマックスに向かう王道の構造に、20年前の初演からそのまま残したが故に世代限定となってしまったネタも含む笑いをまぶし、会場をダイナミックに使う演出で仕上げた佳作。
赤い幕の使い方、幕の引き方もイイ感じ。

ブスサーカス

ブスサーカス

タカハ劇団

ギャラリーLE DECO(東京都)

2013/06/26 (水) ~ 2013/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★

凄惨・陰惨なのに頬が緩むフシギ
まさにブラックユーモア、起きていることは凄惨・陰惨なのに頬が緩んでしまう。
他にも「不幸自慢」をしている時に可愛らしさや哀しさが見え隠れしたり、いたるところに表裏一体と言おうかアクセルとブレーキを同時に踏むと言おうか、なのが後味を悪くさせないのか?

ネタバレBOX

偶然、この日のマチネに観たものにもA瀬Hるかを「可愛さの尺度」に使う場面があってビックリ!
浦安ロック

浦安ロック

昭和芸能舎

赤坂RED/THEATER(東京都)

2013/06/12 (水) ~ 2013/06/17 (月)公演終了

満足度★★★★

「お家芸」+α
TDL開業を控えた地元民たちの物語。
もはや「お家芸」的なラストのパフォーマンスはもちろん、その直前にサラリと体罰が人の心に残す傷に言及するのはさすが。

つづく

つづく

スマッシュルームズ

シアター711(東京都)

2013/07/02 (火) ~ 2013/07/07 (日)公演終了

満足度★★★

異色の3編連作
女性ボーカルを擁した4人組ロックバンドを描いた連作3編。(独立した3編オムニバスと思っていたら…)
各編のスタイルが異なるばかりか演者も異なるのが異色。
が、もしも演者が同じだったら全体が単調になりかねない気もして納得。
中では1編目でのそれぞれの「心の声」のコミカルな表現方法が特に気に入る。

ネタバレBOX

卑弥呼、大和、富士山、聖徳太子…(笑)
五季 ~名前のない島~

五季 ~名前のない島~

踊れ場

RAFT(東京都)

2013/06/21 (金) ~ 2013/07/01 (月)公演終了

満足度★★★★

含みのあるラストにドキリ
名前がなく季節が5つある島に流れ着いた記憶喪失の男と先住者(?)である一組の男女が織り成す物語。
軽快な池上演出により大半はコミカルだが、終盤で明かされる真相は寓話的と言おうかいろいろと含みがあって傷口に塩をすりこまれたような感じる。(爆)
なお、本作を以て踊れ場は活動を終了とのこと。
実験的な試みなどもあり楽しませて戴いたことに感謝!

『うそつき』/『屋上庭園』/『千両みかん』

『うそつき』/『屋上庭園』/『千両みかん』

アマヤドリ

スタジオ空洞(東京都)

2013/06/26 (水) ~ 2013/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★

うそつき
以前観た踊れ場版(池亀三太演出:2バージョン)が軽快だったのに対してオリジナル版たるこちらは重厚…と言うより間も十分にとって深みがある感じか。
それぞれに違った味わいがあり面白く、season2の別キャスト版も観たいものだが、果たして…?

『うそつき』/『屋上庭園』/『千両みかん』

『うそつき』/『屋上庭園』/『千両みかん』

アマヤドリ

スタジオ空洞(東京都)

2013/06/26 (水) ~ 2013/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★

千両みかん/屋上庭園
「千両みかん」
いくつか観た「立体落語」の中では一番落語寄りか? ちゃんとマクラまであるのは初めてかも。
一方、ほぼ上半身のみの表現である落語に対して2人の演者が全身を使い演技エリアの中をところ狭しと動き回るのは演劇的。
ピアノ曲を管弦楽に編曲した味わいかもなぁ。

「屋上庭園」
冒頭部分を3つの変奏で見せてツカミはオッケー、途中に会話のリフレインもあり、Re-MIX的な?
また、狭い板の上での演技(「カイジ」気味?(笑))は切羽詰まった男の心情の表現か。
時折出てくる太極拳のような緩慢な動きもアマヤドリ風味で、あーなるほど、的な。

ファミリーナ

ファミリーナ

雀組ホエールズ

OFF OFFシアター(東京都)

2013/06/26 (水) ~ 2013/07/01 (月)公演終了

満足度★★★

チョイ長
頑固大家と店子たちを中心としたオンボロ下宿のコメディ・ストーリー。
基本的には好きなんだが、クドい部分(「犯人捜し」のトコとか)があってモタついたり(よって上演時間は約125分の長尺)、リアクションが大袈裟で醒めてしまったりするのは残念。
とは言え、娘の結婚話に決着をつける終わり方などは上手い。

ステキなタイミング【ご来場誠にありがとうございました!】

ステキなタイミング【ご来場誠にありがとうございました!】

円盤ライダー

HOTEL SHERWOOD(東京都)

2013/06/14 (金) ~ 2013/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

二番煎じではない新たな物語
1年前の「ステキなチェックメイト」の続編。
まず感心したのは、登場人物の半数である4人が既に確立されたキャラクターであるのに、二番煎じではない新たな物語を創り上げたこと。
これ、けっこう大変なんじゃないかな?
また、前作からのキャラも濃いのに、それを上回る濃さの新キャラを登場させながらデフォルメ具合が絶妙で「そんなヤツはいねーよ!」と醒めてしまう寸前にとどめている(個人の感想です)のも巧み。演者との相乗作用だな。
さらに、年長者の発言に説得力があったり、大事なことは(別人の口を通して)二度三度繰り返したりなども上手く、ここの過去の「ある作品」を知っている観客への目配せも仕込むなど、大変見事。
続編ながら1作目を知らなくても楽しめるのは言わずもがな。

Fire pRay ―秋津悠理のためのリサイタル―

Fire pRay ―秋津悠理のためのリサイタル―

<火遊び>

ギャラリー悠玄(東京都)

2013/06/27 (木) ~ 2013/07/01 (月)公演終了

満足度★★★★★

好きなんだよなぁ、こういうの
未来世界にイマの日本の問題を複数盛り込んだ物語。
確かに「MP3」的な物語世界であり、深夜枠でたまに放映されるセンスの良いドラマなども想起させて好きなタイプ。
ただ、凝った構造上、その場では理解できた気になっているが、後日、他人に説明できなさそうなのがネック?(爆)←よって上演台本を購入。見事な戦略だ。(笑)
各種技術が進歩した(しかしイマの延長線上にある)未来のハナシにイマの問題をぎっしり詰め込んだ、という点において劇団銀石の「息を止めるピノキオ」と通ずるタイプか? 好きなんだよなぁ、こういうの。

(補足または蛇足)
黒沢推し、中井推しの方には奥のエリアの中央寄りの席をオススメいたします。

Over The Line

Over The Line

EgofiLter

シアター711(東京都)

2013/06/26 (水) ~ 2013/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★

実録風事件簿?(笑)
終戦後間もない頃のカフェーを舞台にした実録風事件簿?(笑)
途中で変容もする謎を提示してのミステリー風味の物語を軸に複数の(イマの)社会的問題を絡ませ、ひいては戦争がもたらすものに言及するのが上手い。
が、時制の前後や回想・幻想シーンなどで多少の戸惑いがないでもない。
一方、二役の使い方や「ある事実」の隠蔽の仕方が巧み。
真相を知った上でもう一度観るとより感心できるんだろうな。
なお、上演時間は2時間強。

不思議の国のアリスより

不思議の国のアリスより

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

サンモールスタジオ(東京都)

2013/06/20 (木) ~ 2013/07/01 (月)公演終了

満足度★★★★

Rabbits Rush Rapidly
客席に入って舞台美術を見た瞬間に「ありゃ?」と思うほどファンシーで出演者の衣裳も(一見)可愛らしいが、冒頭はその中でモロにアングラっぽい台詞が飛び交い、アンビバレンツぶりにニヤニヤ。
が、やがて可愛さ…ひいては価値判断の規準は何か?なテーマを語ってゆくなんてあたりはさすがだし、終盤でアリスが「アレ」を受ける場面での「ある引用」は知っている身には楽しい。
あと、ハートのヒールが可愛らしいアリスの衣裳は眼福♪(爆)

ネタバレBOX

さらに、最後に「壁を破る」ウサギがイイなぁ。
息を止めるピノキオ

息を止めるピノキオ

劇団銀石

ギャラリーLE DECO(東京都)

2013/05/21 (火) ~ 2013/05/26 (日)公演終了

満足度★★★★

21世紀版「RUR」か?
機械人間への情操教育、という出だしから21世紀版「RUR」か?と予見した通り、ピノキオの設定(の一部)を借りて語られるストーリーはRURや鉄腕アトムなどを想起させる。
そんな中に画一化教育と言うか、自分が思う1つの理想型に嵌め込むことだけを考え、せっかく芽生えた独自の才能を摘み取ってしまう育て方への警鐘を鳴らし、愛とは?人間とは?などを考えさせたり、人のエゴや嫉妬を示して見せたり、「ナンバーワンでなくオンリーワン」を訴えたりするのが素敵。
とはいえ中盤の鉄琴のあたりから謎の女が「愛」を語るあたりまでに共鳴して大興奮したためにそれ以降の部分が(客観的に観ればよくできているんだが)比較的フツーに感じられてしまったのが惜しいと言おうか何と言おうか…。
言い方を変えれば、そのあたりにテーマがぎっしりと集中してしまい、それをすべて捕らえようとするのはやや忙しい。(笑)
もう少し小出しにして分散させれば…あ、逆に散漫になるのか?
なお、あるシーンで「綾波?」と思ったが、佐野木さんにその意図はなかったそうで。が、そう思われたお客さんは他にもいらしたとのことで、「やっぱり!」みたいな。(笑)

ラクエンノミチ

ラクエンノミチ

日本のラジオ

新宿眼科画廊(東京都)

2013/06/21 (金) ~ 2013/06/26 (水)公演終了

満足度★★★★

ギブアップ寸前?(笑)
前半は笑えるものの「羽毛にくるまれたカミソリ」のように危うさが潜んでおり、中盤で次第にあれこれが推測できてくると不安定で今にも崩れそうなグラスタワーを目前に作られたようで「なぶり殺しでなく一思いに殺してくれい!」的な。(笑)
その「イヤーな感覚」は上演時間が75分余だったからイイようなものの、90分を超えていたら堪えられなかったかも?(よって初めて演劇をご覧になる方には決してオススメできません)
演出と演技の賜物だね。

ティーガーデンで逢いましょう

ティーガーデンで逢いましょう

NO-STyLe-GArden

劇場HOPE(東京都)

2013/06/18 (火) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★

1人のスタッフが良い内容を台無しに
茶摘み体験+お見合いツアー一行とそれを受け入れる側のおハナシ。
オーソドックスとは言え手堅いストーリー展開に加えて、人物の出ハケのタイミングが良くて乱れないテンポ、あざとくなる寸前でとどめる個性派キャラ(=良いアクセント)など、なかなかの良い出来。
早回し+ストップモーションの宴会場面の演出も◎。
強いて言えばクライマックスで音楽の音量が大きめで台詞が聞き取り難かったのが難点か?

ところで、客席スタッフが上演中にしばしばタブレット菓子の容器を振ってガチャガチャ音を立てていたが、どういう了見?
そういう不届き者はスタッフとしてはもちろん、客としても今後一切劇場に入れないで欲しい。
(よって満足度は2つ減ずる)

岸田國士原作コレクション

岸田國士原作コレクション

オーストラ・マコンドー

black A(東京都)

2013/05/23 (木) ~ 2013/06/09 (日)公演終了

満足度★★★★

Cプログラム
「モノロオグ」
担当した外国人入院患者に対する看護師の思慕の行方を描いた一人芝居。
女性役を男優が演ずるも、序盤の所作(と着物の柄)からしっかり女性に見せて違和感無し。とか言いつつ「女優だったら誰がイイ?」などと考えながら観ていたりもして。
ところで「ラヴィアンローズ」は戯曲の指定?

「クロニック・モノロゲ」
夫婦の話だが女性2人が演ずることでなまめかしさ・妖艶さが強調される感じ。
また、随所に笑いが織り込まれていて主旋律のバックに別のメロディをさりげなく潜ませた編曲の如し。
停電シーンで実際に照明を落とし、観る側の目が慣れるにつれて次第に見えてくる、という演出も劇中人物の視点(?)を観客に共有させて有効。
金子侑加嬢の「昭和の婦人」ぶりと熊谷有芳嬢の男装もなかなかに◯。

「風俗時評」
人々が次々に奇妙な痛みに襲われる出だしは筒井康隆などの作品を思わせるがやがて軍事クーデターへと展開。
が、OPに2.26事件の記録映像らしきものがありそれが予見されたのがやや残念。EDだけの方が観ていてのインパクトがあり良かったのではないか?

岸田國士原作コレクション

岸田國士原作コレクション

オーストラ・マコンドー

black A(東京都)

2013/05/23 (木) ~ 2013/06/09 (日)公演終了

満足度★★★★

Aプログラム
「留守」
主人の留守でくつろぐ女中のもとに近所の仲良し女中が訪れて羽根を伸ばす2人…なおハナシ。
箪笥や火鉢などの見立てにより昭和の日本家屋があの空間に出現するのが見事。
昼下がりの陽射しの照明表現も秀逸。

「麺麭屋文六の思案」
彗星接近を題材にした物語で「留守」同様諧謔味があって楽しい。
また、後半で彗星について力説する学者をビデオカメラで撮して壁にその映像を大写しにする演出も印象的。

「屋上庭園」
こともあろうに(笑)ロフト的な場所で演ずるとは!
そこでの演技を見上げることで「屋上感」たっぷり(笑)。
が、現実では客は空中にいる位置関係なワケで、言わば「神の視点」から観ることになり、独特の効果アリ。

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