お気に召すまま
川崎市アートセンター
川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)
2012/10/24 (水) ~ 2012/10/28 (日)公演終了
満足度★★★
沙翁喜劇の典型?(笑)
主な舞台が森の中だったり男装したヒロインに女性が恋して三角関係気味になったり、沙翁喜劇の真骨頂?(笑)
また、台詞回しなどにも格調があり、たまにはこういったベーシックなものも観なくては、などとも思う。(元ネタに使われることも少なからずあるし)
好き好き大好き超愛してる。
オーストラ・マコンドー
TOKYO FM HALL(東京都)
2012/11/07 (水) ~ 2012/11/11 (日)公演終了
満足度★★
音響が致命的
切なくてイイ話だし、(原作未読につき推測の域を出ないものの)エレベーション機構を備えたステージや照明効果を駆使したりもして巧く舞台化した感はひしひし伝わって来る。
がしかし、会場の音響特性が音楽向きで不要な残響があり過ぎて台詞が聞き取りにくくストレスが溜まるのが致命的に近いネック。
芝居向けの会場(東京芸術劇場シアターイーストとか)での再演を熱望!
否定されたくてする質問
箱庭円舞曲
駅前劇場(東京都)
2012/11/01 (木) ~ 2012/11/11 (日)公演終了
満足度★★★★
人物がそれぞれ魅力的
いつもながらの会話の巧さに加えて、今回は登場人物がタイプは違えどそれぞれに魅力的で共感したり尊敬(?)したり。
また、終始微妙にぎくしゃく、もやもやしているあれこれが良い方向に動き始める終盤と最終場の見せ方がとても素敵♪
なお、一部の人物がある人物に「叱られる」場面なぞ、古傷に触れられると言うか、今の自分にも通ずるイタさがあると言うかで、身につまされる(爆)。
リンクス東京 感謝!! 来年も東京で!!
演劇ソリッドアトラクションLINX’S
上野ストアハウス(東京都)
2012/10/24 (水) ~ 2012/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★
Bチーム
オパンポン創造社「王様大脱走」
コミカルな前半から次第に2人の男の友情(ちょっと違うか?)的な方向に変容して行くのが上手く、「嗚呼!」と思わせてからの落し方もソツがない。好みのタイプかも。
超人予備校「絶滅さん」
トリビアをちりばめまくりの三人芝居・連作コント仕立てとでも言おうか。
3種の生物を表現した衣装と首から下げたフリップが特徴的で楽しかったが、普段はどんなスタイルの公演なんだろう?(興味津々)
犬と串「新宿〜SHINJUKU〜」
登場人物の半数の台詞が…(ネタバレ回避)…という奇策に大笑い。やはり若手の特権とも言えるおバカと不道徳(←本作は違うが)は犬串にお任せか?(笑)
テノヒラサイズ「テノヒラサイズの天国と地獄」
今まで未見だったが定評があるだけにさすがの安定感。
短い上演時間の中でも起承転結に則りめりはりをつけた構成はさすが、な感じ?
劇団ZTON「幕末浅葱桜」
冒頭の語りや新撰組隊士に女性がいるところなどに他劇団(複数)の新撰組ものへのリスペクトを感じたり感じなかったり(笑)。
女性を含めて立ち回りが魅力だが、サンプラーのタイミングが甘いのは惜しい。
空想組曲「深海のカンパネルラ -R.O.D version-」
これは見事。観客全員が固唾を呑んで見入っているのが肌でワカるほど張り詰めた空気なぞそう滅多に経験できるモンじゃない。
内容も含めて至福のひと時だったなぁ。
リンクス東京 感謝!! 来年も東京で!!
演劇ソリッドアトラクションLINX’S
上野ストアハウス(東京都)
2012/10/24 (水) ~ 2012/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★
Aチーム
ThE 2VS2「ファンファーレと熱狂」
4人の演者の衣装もユニフォーム的だし、シンプルなハナシかと思わせての後半の展開が鮮やか。
あの衣装も真相をさとらせないための巧妙なトリック?みたいな。
劇団エリザベス「あひるぐち、ハニー。」
シュールながらワカり易いハナシで、その奇妙な(あるいは奇抜な)展開にいくつかの古典落語と通ずるものがあるように思う。
また、ある「有名な猫」も連想(ネタバレ寸前気味?)。
ニコルソンズ「セックスレス夫婦の大冒険」
艶笑ネタも絡ませたゾンビの出ないゾンビもの。
血だらけの衣装などによるゾンビものらしさと、そんな中でも「あんなコト」や「そんなコト」を語り合う可笑しさの対比・バランスがイイ。
シアターOM「うしとら」プロジェクト「うしおととら外伝」
次第に上がった「劇的度」はここに来て最大に。
妖怪退治譚であるシリーズ全体の紹介編的なものを創作ではなくきちんと原作に沿って演じて見事。
彗星マジック「丘の上で描いた絵の話」
休憩後も「劇的度」は継続。
ファンタジックな内容を衣装も含めて的確に視覚化。漠然と空想組曲との共通性も感じたり。
さらに終演後に登場した主宰が劇団エリザベスのエリーさんに似ているような…(笑)
ステージタイガー「虎をカる男」
Aチームのトリは手堅い感じ?
それまでのいくつかの団体ほどにはアクが強すぎず(笑)、それでいてしっかり個性を主張して、納得の結末に導くあたりがトリに相応しい?
上演順もうまく考えられているんだなぁ。
リンクス東京 感謝!! 来年も東京で!!
演劇ソリッドアトラクションLINX’S
上野ストアハウス(東京都)
2012/10/24 (水) ~ 2012/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★
総論
Mrs.fictionsの15MMとはまた違った味わいのショーケース的演劇公演、全般的な印象で(敢えて)くくればポップなB、マニアックなA、な感じ? もちろん例外はあって、その例外的団体の味によりうまいこと一色に染まっていない、的な。
バラエティに富んだ団体の組み合わせと軽妙洒脱なMCにより体感的にはさほど長くないのは言わずもがな。
高橋ギロチン
劇団鋼鉄村松
王子小劇場(東京都)
2012/11/07 (水) ~ 2012/11/11 (日)公演終了
満足度★★★★
ボスの思考回路が窺える?(笑)
無差別殺人事件と死刑廃止論を中心に据えて、その周辺…どころか大きく逸脱したネタを練り込んだ不思議な味わい。
よって話の筋を追うには向かないが、ボスの思考回路的なものが見えるようで、共通項があればあるだけ楽しめるか?
メタフィクション的な部分(ボス曰く「言い訳」(笑))も好み。
さらば、愛しの映画ホテル
ジ~パンズ
銀座みゆき館劇場(東京都)
2012/10/31 (水) ~ 2012/11/06 (火)公演終了
満足度★★★★
初演を知っているが故の愉しみもプラス
前進団体での初演を観ていたので一部のキャストの背後霊のように初演キャストが見えたり(笑)、全く異なるキャラになっていたり、と元々のコメディとしての面白さにプラスアルファの愉しみもアリ。
後半でのオーナーに撮影内容を隠そうとするあたりはレイ・クーニーばりのファルスになりそうなところをやや控えめにした(それでいて十二分に可笑しい)ところも特徴的か。
しかしみゆき館劇場、客席は5段階評価で1以下じゃないかな。座席の前後間隔がここまで狭い劇場って、他にないのでは?
エキスポ
ハイリンド
d-倉庫(東京都)
2012/11/01 (木) ~ 2012/11/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
お手本のようなウェルメイド
よく出来た戯曲だなぁ。大いに笑わせながら端々に各人物の故人への想いや他の感情が見え隠れすし、その中から故人の人となりが浮き上がって来る感じ。
また、宮崎訛りが全体を柔らかくしているようでもあり…。(標準語だったらラッパ屋的か?)
さらに、既製戯曲なのに配役がハマっていたり、母の日記を納めた〇〇に〇〇を当てるところや鯨幕が…(ネタバレ自粛)…なところが印象的だだったり、に加えて不思議と広く見える視覚マジック的な装置などもお見事!
おともだちといっしょ
DEVAN DE GALI
阿佐ヶ谷LoftA(東京都)
2012/11/03 (土) ~ 2012/11/03 (土)公演終了
満足度★★★★
立ちっぱも苦にならない5時間10分
3回合計35分の休憩を挟んで5時間10分に及ぶ大イベント。
一人芝居、ダンス、映像作品とバラエティに富むだけでなく実験的あるいは野心的な出し物が多く、「面白い」と言うよりは「興味深い」な感じ。
よって、長時間立ちっ放しでも全く苦にならず。
【日替わりキャスト決定しました!】はなのいろ【水仙/桔梗】
Minami Produce
ルーサイト・ギャラリー(東京都)
2012/11/01 (木) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★
再演を熱烈希望!
上質の文芸ミステリー。
入口こそDART'S風味だったがもちろんその後は異なり、劇中で展開されるゲームの行方に引き込まれる。
ゲーム世界内部の諸々は太田忠司を連想したが、作品全体の枠組みは恩田陸の「木曜組曲」に近いかな?などとも思う。
しかし「たけくらべ」を予習して行かなかったのは痛恨! 条件が調ったら再演して欲しいなぁ。
愛する人を残酷に殺す方法
smokers
ギャラリーLE DECO(東京都)
2012/10/30 (火) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★
DART'Sのプロットをsmokersのキャラで?
事前情報から受けた「DART'S的なのではないか?」な印象は会場に入って確信に(笑)。
が、始まってしばらくすると、プロットは確かにそうだが味わいが異なることに気付く。
やはりキャラクターがsmokersということか?(笑)
また、事態は(当人たちにとって)深刻だが随所にコミカルな部分があることで「笑っていいのか?」と戸惑う観客の反応を見るのまた楽しからずや。(爆)
愛のゆくえ(仮)
アンファンテリブル
上野ストアハウス(東京都)
2012/10/30 (火) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★
プログラムC
装置の室内が小綺麗と言おうか小ざっぱりと言おうかになり、さらに音響もなく明かりも変化せず…と非常にシンプルなために会話・演技がグッと前面に押し出される感覚。
その結果、男女間もさることながら男が語る兄弟の葛藤が胸にしみる。
愛のゆくえ(仮)
アンファンテリブル
上野ストアハウス(東京都)
2012/10/30 (火) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★
プログラムB
客席に入ると舞台上には部屋の床部分だけで、エラくシンプル、いやそれどころか斬新だなと思いきや、開演定刻から12分ほどかけて装置の建て込み…という奇策(笑)。
が、それ以降はAと比べて準備稿に近かったような気がする。というか、こんなにも印象が変わるか、な感じ。
奇策についても映画やドラマでお馴染みの「本作はフィクションであり…云々」の芝居版と解釈して納得。
愛のゆくえ(仮)
アンファンテリブル
上野ストアハウス(東京都)
2012/10/30 (火) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★
プログラムA
まずは tsumazuki no ishi 丸出しの薄暗さ(笑)に「さすが寺十演出!」とニヤリ。
次いで掘り下げられたディテールに「おぉ!」と。
7月の公開稽古がラフスケッチでこちらは完成した油彩と言おうかそんな感じか。
さらにラストの会場の使い方(お見事!)とオチ(ホラーかと思った(笑))で二度ビックリ。
Fire and Fight,SUMIDAAA!
シアターキューブリック
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2012/10/28 (日) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★
ゆかたキャストっっ!!!
第一部は11年後のキューピッドガールズ達…いやむしろ下町の商店街を描いた芝居(約60分)。
そんな未来でも「下町の人情」的なものは変わらず、「逆レトロフューチャー」な感覚。
落としどころとそれに伴う「アレ」もイイ。
第二部は墨田の戦後から現在そして未来までを歌と共に綴るバラエティショウ的な25分。
元歌を知っているだけに替え歌がより愉快で、コント風の部分に往年の人気番組「シャボン玉ホリデー」を思い出したりも。
また、上演前後、会場内で縁日が開催され、DJが流れるという趣向も賑やかで楽しい♪
そんなあたりは下町に根付いたこの団体ならではか?
【終演しました!】母をたずねて三人で
ふつつかもの
王子小劇場(東京都)
2012/11/01 (木) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★
独特な不思議感覚
一言で表現すれば「独特な不思議感覚」?
すっトボけていたり、虚無的であったり、不条理であったりいろんな要素が練り込まれていて、さらに見せ方も「アレをソレにしますか!」とかがあって…。他に類を見ないスタイルかも?
終わり方も「あぁ、そういうものかも知れないなぁ」と思わせる妙な説得力があり、これまた独特?
また、ある部分にムソルグスキー「展覧会の絵」の「プロムナード」を連想。
ピエロの涙とボクの羽根
東京カンカンブラザーズ
テアトルBONBON(東京都)
2012/10/31 (水) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
恐れ入りましたぁ!
とにかく巧い、抜群に巧い。
冒頭のエピソードでまずホロリとさせ、序盤ではそこだけでの伏線とその回収もある会話とキャラクター造形でドラマに引き込んでおいて第二主題とも言うべきパート(実は本題?)に進むという。
そこではそれまでのユーモアは控えめに覚醒剤が起こす悲劇を綺麗ごとにせずしっかりと描き(=ビターでもある)、最後は芝居のウソ的な小さな奇蹟で締め括る…。
序盤の完成度で後半のハードルが上がったのに楽々クリアするとは脱帽。
Mermaid-drop
Performing unit colors7~C7
高田馬場ラビネスト(東京都)
2012/10/31 (水) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★
原典をおさらいして臨んで正解
アンデルセンの原典にアレンジを加えながらも巧く活かし、あれからずっと時を経た後日譚とした着想がイイ。
また、メイン部分に原典準拠の場面を差し挟みつつ物語を進めて最後にヒロインの謎を明かすツクリと落としどころも巧い。
なお、一見鼻持ちならないが、実にポジティブな考え方でもしかすると(笑)中身はイイ奴のキャラに共感。
平家物語
千賀ゆう子企画
座・高円寺2(東京都)
2012/10/31 (水) ~ 2012/11/01 (木)公演終了
満足度★★★★★
ダイナミックなリーディング
30人近い出演者と筝、チェロ、パーカッションの(ほぼ)即興演奏によるダイナミックなリーディング。
オープニングとエンディングの趣向もイイし、800×1800くらいのアルミ枠で騎馬武者、舟、武器など様々なものを表現するのには驚嘆!