初恋のジェノベーゼは爪の味
五反田団
アトリエヘリコプター(東京都)
2013/02/22 (金) ~ 2013/02/24 (日)公演終了
満足度★★★★
勢いで予約しちゃった公演だけど
結果、観にいって大正解。
観る前に「それでもまあ所詮は高校生っしょ・・・?」とかちょっと思っちゃってた自分を反省。
作演出の前田さんも手加減なしで演劇的に仕掛けに来てて、面白くない瞬間がなかった。
こう、否応なく与えられてしまった世界の中で、痛々しさとかしょうもなさとか、そういうのを全身全霊もてあましちゃってる高校生たちの姿、なんかどうしようもなくキラキラしてたなあ・・・。
I'm (w)here
はえぎわ
ザ・スズナリ(東京都)
2012/05/17 (木) ~ 2012/05/23 (水)公演終了
満足度★★★★
奥行きを感じる作品
面白かった。作品の半分も味わえてないんじゃないかっていう気はしてるけども。
はえぎわを観るのは前回公演に引き続き二度目だけど、やっぱりこの劇団の作品は一回だけだと味わいきれないもんなんだなあ。
あの言葉は、あの動きは、あの壁は、作品の中でどう関係しあっていたのか、などなど。
全体を把握しないと見えてこないような、そんな風景がきっとあるんじゃないかと、そんな奥行きを感じさせる作品。
いろいろ余裕がなくて今回はリピートかけらんないけど、次回公演は二回観られるくらいの用意をして挑みたい。
異邦人
カンパニーデラシネラ
世田谷パブリックシアター(東京都)
2013/02/14 (木) ~ 2013/02/17 (日)公演終了
満足度★★★★
密度UP
正体不明の説得力で圧倒されたトラムでの初演から、パブリックシアターに移っての再演ってことでどうなるかなあと期待半分不安半分で観たんだけど、空間の密度が下がるどころかますます上がってて圧倒される。
これは俯瞰じゃなしに前のほうの席で、空間の渦に巻き込まれそうになりながら観たかったなあ・・・。
初演で印象的だった森川さん演ずるムルソーのソロがなくなっていて、かわりにアンサンブル成分が増量。
ムルソーが「ソロで踊る」ってのは、「作劇としてナシ」って判断なのかな?
『宮本武蔵』
五反田団
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2012/06/08 (金) ~ 2012/06/17 (日)公演終了
満足度★★★★
噛みしめる面白さ
ある程度予想はしてたものの、それ以上のユルさ。
観てる最中はモヤモヤしてたものの、思い返してみると全く無駄のない演出だったことに驚く。
無駄に思えた衣装や小道具も、ちゃんとそうでなければならない意味があったのかと思えた。
あのシーン、あのシーン、すべてのシーンにおいての宮本武蔵の姿がかなり印象的。
このやり方でなければ浮かび上がらなかった「宮本武蔵」像なのでは?
2500円という料金設定も好印象。
ネジ工場
タカハ劇団
駅前劇場(東京都)
2012/06/20 (水) ~ 2012/06/24 (日)公演終了
満足度★★★★
生活する「人類」へのまなざし
初めて観た前回公演では、客席で大笑いしつつ痛い涙が流れたタカハ劇団。
こういう作品も作れるのね、とビックリ。
中盤まで、いかにも舞台演劇!なテンションの芝居に若干ひいてしまったものの、細やかな人物描写の光る脚本に次第に惹きこまれていった感じ。
単なる社会批判に終わらない、「(一人ひとり「生活」を抱えた人間の総体としての)人類」への普遍的なまなざしの鋭さをさりげなく感じさせる作劇はお見事。
不満点は演技テンション以外だと、暗転が多かったのが気になっちゃったとかだなあ。
もうちょっとスムーズな場面転換が見たかったかも。
脚本面で欲を言うのであれば、前作で見られたような「作家の渾身の一撃」的な印象に残るセリフ/描写が、今回もそれなりにほしかったかなあ、と。
最後に。
客入れの音楽が印象的、なんてミュージシャンのなんて曲なのか情報求む。
カナヅチ女、夜泳ぐ
悪い芝居
王子小劇場(東京都)
2012/07/10 (火) ~ 2012/07/16 (月)公演終了
満足度★★★★
もう一回、観たい
☆5に限りなく近い☆4
自分が生まれた町を離れて暮らした経験がないせいなのか、ピンとこない部分はあったものの、ストーリーに収斂しきらないほどの「遊び」が多いからか、空気の濃さに感覚的にグイッと持って行かれる素敵なステージ。
ストーリーテリングに関しては色々と唐突に感じられる部分も少なくなかったものの、演出の見事さや美しさ、セリフ自体の面白さや役者の芝居の楽しさ等々の説得力によるものなのか、終わってみると「ちゃんと成立していた」感があるのが不思議。
前回公演を観たときに感じた役者の声の聞き取りづらさは今回あまり気にならず、セリフの美しさがちゃんと感じられることができてよかった。
役者陣では、客演の村上さんが特に好印象。身体の自在さ、存在の自由さが作品空間の面白さを増幅させていたのではないかと。
照明デザインや音楽、音響の質の高さも印象的。
時間と財布が許すのならば是非ともリピートかけたいところ。
半神
半神
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2013/02/27 (水) ~ 2013/02/28 (木)公演終了
満足度★★★★
最終日観劇
改めて『半神』という戯曲が持つ冴えた輝きに圧倒される。
ずっと演じられ続けてほしい名作だなあ、と。
演技や演出に稚拙な部分、特に台詞を完全に自分のモノにできてないんじゃないのかなあ?な部分も結構あったけど、野田演出的ではない野田戯曲・野田台詞の調理方を模索した結果ともとれて微笑ましかったり、でもその中途半端さにやきもきする気持ちもあったり。
あともう何歩か踏み込んで、もがいてあがいてを繰り返していれば、新しい「野田戯曲の演じ方」にたどり着けたんじゃないかなあ。
綺麗なだけで安直な照明はもうちょっと何とかしてほしかったけども。
【初ツアー公演終幕致しました!】都道府県パズル
北京蝶々
王子小劇場(東京都)
2012/08/30 (木) ~ 2012/09/05 (水)公演終了
満足度★★★★
初・北京蝶々
噂に違わず、上質なエンタメ作品だったなあ、と。
設定的に「県民キャラVS県民キャラ」的な、ケンミンショー的な感じだったら嫌だなあという事前の不安は全くの杞憂。一人ひとりの登場人物が生き生きとしてて面白かった。
また最近の演劇界で「(言葉は悪いですが)トレンド」なネタを扱った作品でありながら、その向こうへの目線がちゃんとある、というところにも(自分としては当たり前であってほしいことですが)好感を。社会を語ることが最終目的じゃない芝居はやっぱり楽しい。
役者陣の身体性の違いから、それぞれの生きる土地がにじみ出てくる、そんなキャスティング&演出が見事。
堅牢な質感でありながら空間に歪みや裂け目を感じさせる美術、照明も印象的。
個人的な好みで言えば、腹八分目すぎてものたりなかったり、もうちょっと締めかたはシニカルでもよかったんじゃとも思わなくもなかったりけど、これはこれで。
フリル
アマヤドリ
王子小劇場(東京都)
2012/09/08 (土) ~ 2012/09/17 (月)公演終了
満足度★★★★
「第0回公演」に納得
もっとずっと目の前のこの世界を観察していたい、そう思える100分。
観終わって、まだいろいろ消化しきれてないけども、ひょっとこ爆破→幸せはいつも以下略→今回の第0回公演と来て、この劇団のこの先がなんとも楽しみになる、そんな不思議なおもしろさがある作品だったなあ、と。
乱舞はなくとも、ストーリーはなくとも、ちゃんと脚本と役者と演出でグッと惹きこんでくれるのはさすが。
(ただ広田さんが「飽きた」と言っていた、「ひょっとこ乱舞」の洗練された「物語」や「ケレン」が、もう見られないっていうのはちょっとさびしいかもしれない・・・^^;)
アフタートークでも話題になっていたように、照明と美術の素敵さは印象的。
スケジュールが合えば、リピートしたいところ。
新年工場見学会2013
五反田団
アトリエヘリコプター(東京都)
2013/01/02 (水) ~ 2013/01/04 (金)公演終了
満足度★★★★
今年の観劇初めに
ものすごく脱力してるのに、要所要所の締めるところではちゃんと「演劇」としてガチな部分がぎらっと目を光らせてる、そんなかっこいいorぞっとする瞬間が多くあり。
10年になるというこの企画、観るのは初めてだったけど、来年も是非スケジュールあけて行きたいものだなあと。ホットワインも美味しかったし。
声潰しちゃって役を換わった黒田さんと、声がかれ気味だった内田さんがちょっと心配です・・・
不変の価値
集団:歩行訓練
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2012/11/21 (水) ~ 2012/11/24 (土)公演終了
満足度★★★★
面白かったけど
中盤以降の情報量の多さに、ぜんぜん頭が追い付かなかった・・・^^;
前半油断させておいて後半あそこまでグッと引っ張ってく鮮やかさはお見事。
ガラパコスパコス 広島Ver. 東京公演
公益財団法人広島市文化財団 アステールプラザ
アトリエヘリコプター(東京都)
2012/03/03 (土) ~ 2012/03/04 (日)公演終了
満足度★★★★
本編+近藤良平さんとのアフタートーク
(こう、感想を書こうとすると適当な言葉が見つからないのだけど)
大小さまざまなスケールの世界が共存してる中で、生きてることの「さびしさ」のようなものが浮かび上がってくる、あふれ出てくる、そんな素敵な作品。
帰り道でいろいろと考えてしまった。
同じようなスタイルだったノゾエさんの最新作『○○トアル風景』のように、終盤で舞台全体の「落書き」が一つの線でつながるのか!と変な期待をしてしまってたので、そこら辺こっちで勝手に肩透かし食らっちゃったかなあ、と。
広島の役者さんは、どなたも一人ひとり魅力的な人ばかり。
またこの人たちのお芝居を観てみたいと思う。
キツネの嫁入り
青☆組
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/05/25 (金) ~ 2012/06/03 (日)公演終了
満足度★★★★
やわらかさに惹きこまれる
観る者にしとしとと「滲んでくる」演劇というか。
比較的エグイ表現が好きな自分としては趣味ではないものの、それでも十分に楽しめる、上質な舞台。
美しい舞台美術であったり、劇場に入るなり線香の香りに包まれる心憎さであったり、空間演出が素晴らしい。
「昔々、未来のむかし」に始まる、寓話的で宇宙的な広がりを、あからさまでなくさりげなく展開していくストーリーテリング。
さまざまな方面から高い評価を受けているのも納得です。
残念だなあと思ったのは、舞台に登場するキャラクター以外に存在するであろう「島」の住人の影があまり感じられなかった点。
昔話的な語りを目指すにしても、リアリズムによる演出をするのであれば、もう少しそのコミュニティの在り様が見えてくる、そんな脚本だとよかったのになあとは思いました。
役者の芝居も、声色の巧みさ、所作の美しさなど、一人ひとり魅力的ではあったものの、時系列入れ替えを多用した作品の演技としては、キャラクターの年齢による演じ分けがもっとほしいなあ、と。
印象的だったのは吉田小夏さんのホスピタリティ溢れる前説。
某劇団(?)の醜聞にトゲトゲしていた心を癒された。
うれしい悲鳴
アマヤドリ
吉祥寺シアター(東京都)
2012/03/03 (土) ~ 2012/03/11 (日)公演終了
満足度★★★★
やや不完全燃焼?でも面白い
全部の要素が奇跡のように絡まりながら光っていた前作と比べ、今作では政治劇的な部分がうまくはまっていない、混ざり合えていないような印象があって残念。
世界がぐっと収斂していく「(自分の思う)ひょっとこ乱舞の魅力」的な部分が薄く、とっちらかったまま終わってしまったのも期待とは外れてしまったかなあと。
ちょっと長かったんじゃないか?な気もしたし。
ただ。
その「とっちらかってる」さまこそが、とても美しい作品だったのではないか、とも思う。
ラストシーンの「東京」の景色についてのモノローグは、ポリフォニックなさまざまな要素を、その不揃いなベクトルそのままに包み込むスケールの大きさを感じさせて印象的。
中盤の「感覚」「呼吸」についてのモノローグも印象的。
広田さんは毎回毎回素敵な台詞書いてくるなあ。
しかしまあ何はともあれ、ひょっとこ乱舞って集団はすごいなあということも再確認。
役者一人一人の身体が空間的な説得力をしっかり持ってるせいか、広さを持て余しがちな吉祥寺シアターの空間が今作では狭く感じてしまった。
ゲストさんだと、倉田さん西川さんは前回に引き続き大活躍。青☆組の荒井志郎さんも面白い。柿の永島さんはもうちょっと目立つ役でもよかったのではとか思わなくもない。
「感覚」についての話だっただけに、上演中のフォグマシーンの音が結構気になってしまったのはどうにかしてほしかったなあ、静かなシーンでは止めておくとか。
日々の暮し方
アトリエ・ダンカン
あうるすぽっと(東京都)
2012/10/18 (木) ~ 2012/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★
10月22日観劇
小野寺さんの方法論と別役実の言葉の切り口が合わさると、身体論とか現象学とか辺りの現代哲学めいたものがこんなにも生き生きと広がっていくんだなあ、と。
まさに人間の「日々の暮し方」ってものが、さまざまな断片の集まった「迷路」のように思えてくる、そんな面白さが印象的。
あうるすぽっとの空間はデラシネラ作品には合ってない感じが。
音響はよかったけど、客席の傾斜がある程度ないと、あのミザンスの美しさが生きないんじゃないかと。
完全版・人間失格
DULL-COLORED POP
青山円形劇場(東京都)
2012/11/01 (木) ~ 2012/11/07 (水)公演終了
満足度★★★★
帰り道でじわじわくる
3日に女バージョン、7日に男バージョンを観劇。
「人間」を対象にした科学実験のような演劇。座組みで期待しすぎていた分、若干の食べたりなさは残るものの、客席にいて確かに植えつけられる「人間」への疑念が、観終わって渋谷の街に出てからジワジワ効いてくる感覚が面白い。
後半の小道具を使った見立てを、演劇的なレトリックとしてだけでなく、生活の中での「人間」が異様な「動物」に見えてくるように使っているような演出も面白かった。
女バージョンと男バージョンは、葉蔵とヨウゾウとの重さ/軽さのバランスが正反対に思えたのが印象的。幕切れの違いだったりを考えると、女バージョンのほうが葉蔵の痛々しい生きざまが強く感じられた分、好き度が強いかも。
にしても、劇団員はじめとするさすがの役者陣、照明、ターンテーブルを使用した音楽、スタッフワークetc同じ年代の劇団の中じゃ確実に頭一つ二つ抜けてるよなあ。
『熱狂』・『あの記憶の記録』3月に完全再演致します!!詳しくは劇団ページをcheck!!
劇団チョコレートケーキ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2012/10/31 (水) ~ 2012/11/11 (日)公演終了
満足度★★★★
『あの記憶の記録』観劇
初めてとなる劇団チョコレートケーキ。
脚本、演出、照明、音響etc噂に違わないハイクオリティさ、見ごたえ十分、十二分で、観終わってドッと疲れました。
アウシュビッツ強制収容所を生き延びた男によって、正視するにはむごたらしすぎる事実が語られていく、観客がまずその重さに打ちのめされながらも、そのショッキングさに留まらず、その先の、人間がもつ憎しみの感情の得体の知れなさにひきずりこまれていく作りはお見事。
ただ「戦争」「憎しみ」といった大きな言葉の分量が心なしか多かったのではないかとは思いました。そうした言葉によってあらかじめ構えて作品を観てしまえる分、作品が観客に突き付けてくるものから客席の自分を割と容易に守れてしまう、そんなように感じました。
個人的に観劇するときには作品にフルボッコにされたいと思ってしまうたちなので、もっと「優しくない」、逃げ場を残さないような罠に満ちた作劇だったほうが好きだったかもなあと。
役者陣は熱演の岡本さんはじめ、目や声の濃さ、芝居の丁寧さが印象的。
演出は動線まわりに違和感が。場面転換の際に、最初に出てくる登場人物と同じ出入口から次に出てくる(直前に出てきた登場人物を追いかけていたわけではない)登場人物が出てくるようなところ、登場する出入り口を変えるなど、もう少し上手く出来たのではないかとは思いました。
最後に劇場ですが、やっぱりこういう静寂が求められる作品でルデコ、というのは違うのではないかと思いました。床の様子や客席とステージとの近さなどは今回の作品とも合っていたと思うのですが、あまりに外の音が入りすぎてところどころ集中をそがれてしまいました。
サロメvsヨカナーン【CoRichグランプリ受賞後第一作!】
FUKAIPRODUCE羽衣
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2013/02/01 (金) ~ 2013/02/11 (月)公演終了
満足度★★★★
期待しすぎたか・・・?でも面白かった
(若干の期待値上げすぎて失敗した感はあるものの、それでも面白いものを観たことは確か!という意味の☆4)
「今このひと時」と「永遠」を、あっけらかんと愛おしく、感傷ではなくサラッと並列して見せちゃう辺り、やっぱりFUKAIPRODUCE羽衣って劇団はあれよね、稀有よね、と再確認する。
登場人物ひとりひとりの物語を縫うようにタクシーを走らせる藤一平&枡野浩一コンビの存在感も気持ちいい。
ただ、どうしても羽衣に関しては名作『愛死に』とか『甘え子ちゃん太郎』とか辺りと比べちゃう自分がいるのよね・・・^^;
ツイッターでも言ってたように、最近の糸井幸之介さんはモノローグよりダイアログに興味の重心が移ってるらしいけど、やっぱり自分の中では糸井さんがモノローグで掬い取る世界が羽衣作品の魅力だったりするんだよなあ・・・
猫隠しまっすぐ
わっしょいハウス
新宿眼科画廊(東京都)
2013/07/19 (金) ~ 2013/07/24 (水)公演終了
満足度★★★★
もっと観ていたくなる90分
今回の作品、いつもよりキャストの少ない二人芝居になったことで、わっしょいハウス独特の時制いじくりまくり~なセリフ芸の側面は目立たなくなってて、そのかわり生活感と異界とのシームレスぐあいの気持ち良さ的なのがこれまでの作品より当たり前のように存在してた感じ。
ぬるっと始まっちゃう幕開け、「え!?そこで終わっちゃうの!?」って締めかた、そして後に残る余韻までなんとも味わい深い面白さが残った。
キレイ
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2014/12/05 (金) ~ 2014/12/30 (火)公演終了
満足度★★★★
再演のときに比べだいぶパワーアップしてたような
スルーのつもりだったけど、オケに今堀恒雄さんが参加してるとのことで観劇。
二階立見席しか残ってなくて、かなり観づらく、台詞も聞きとれない箇所が多かったものの、密度の濃い役者陣のアンサンブル、よりグルーヴ感を増したバンド隊。前回の再演に比べて、劇場空間の「圧」みたいなものがより強く感じられたような、満足感の高い3時間40分。
小劇場的なスラップスティックと普遍的な「物語」とのバランスも、とても気持ちのいい塩梅に感じられ。
今回の演出のトーンで、また再演を重ねていってほしいなあと。
前回まで秋山菜津子さんだった役を今回演じていた田畑智子さん。どうなることかと思ったけど、そりゃ技術的には及んでない部分や役どころとして上品さに欠けるような部分はあるものの、ザラっとしてるんだけど不思議と透明感のある佇まい、キャラクターの「純」な部分が際立っていて予想外によかった。