満足度★★★★★
鑑賞日2017/03/27 (月) 14:00
3月1日の試演会後に終盤を更に書き直したそうでプロトタイプから実戦仕様に進化。ある場面以降、演劇愛がてんこ盛りで何度か目が潤んだ。
で、試演会で観ていたので伏線もよくワカったし♪
また、
起:時間SF
承:「ある系統」のSFサスペンス
転・結:演劇愛+(特定2ジャンルの)SF論
な構成が鮮やか。
もう少し詳しく言えば、この作品、実は時間SFを導入に使ったバックステージもの、というのが正体ではなかろうか。「バックステージもの」の個人的定義は、表見的には「進行中の芝居あるいは予定されている公演などが見舞われたピンチを関係者が何とか切り抜けようとする様子を描くもの」で、内面に「現実の作家・スタッフ・出演者たちの演劇愛をたっぷり盛り込んだもの」と思う。
そうして、「ナイゲン」では冨坂さんの母校愛がダダ漏れだったが、本作は演劇愛がダダ漏れ、という感じ。
思い返すとやはりかなり理屈っぽい部分もあるのだが、それをあれだけ楽しく見せて、今までもやもやっとしていた時間移動と並行世界の関係性を明解かつワカり易く説明しているのも巧い。
あと、初演から言えることだが、「違う同一人物」の演じ分け/スイッチも見事。
他に個人的な坪は
・2022年のクマガイの熱弁(途中から誰も聞いていない)
・クマガイとハマカワの友情
・ハマカワの主張とアサコシの論破
かな。
さて、この版の再演はあるのか?あるいはさらに進化した3.0か???
満足度★★★★
鑑賞日2017/03/26 (日) 14:00
満を持しての下北沢進出!きっちり仕上がっていた。「プロローグのみ」の設定でテキストの整合性が増し、敢えての明転で大転換が引き締まった。ラストは1.0同様に沈ゆうこに締めて欲しかったのは、ファンの贔屓目。
満足度★★★★
単なるタイムマシンものに終わらず、これを観た演劇関係者ならどう選択するのか気になるようなシビアな公演事情が盛り込まれ、笑いの中にもドラマがあり面白かった。初めて拝見したが是非また関西に!
満足度★★★★★
初めて観劇した舞台
これとの出会いが今年の私の生活を大きく変えた
約半年で何本の舞台を観たことだろう、大切な作品です
来年は東京も行っちゃうぞ~~
満足度★★★★★
ドラえもんの伏線、見事。
これからどう展開するのか…
幕間に想像を書き立て、その想像を飛び越えた展開に
更にワクワクが止まらない。
追伸、金土日は伺えない。
どうしても観たかったので、木曜日、出張先から3時間弱かけ辿り着けました。
満足度★★★
タイムトラベルものは数あれど、それを“小劇場あるある”に重ねた趣向に大いに笑いました。シチュエーションコメディーという技術的に難しいことに果敢に取り組んでいる姿勢も作品からビシビシ感じられ、演劇をあまり観ない、広い層に訴える可能性があると感じます。スピーディーに展開しなくてはいけなく、テンポが命なだけに、役者たちが「準備した演技を繰り出すのに必死」な感じに見えてしまうのが惜しいと感じました。観客を案内する場内係の手際がてきぱきとしており、当日パンフレットに載っている情報(あらすじ、キャスト表、各役者のSNSなど)もコンパクトで周到。制作手腕の高さを感じました。
満足度★★
果敢にエンタメに挑戦する姿勢は評価したいが、残念ながら映画や小説、漫画やアニメなど他のメディアのSFエンタメ作品と勝負できるほどのクオリティには達していない。エンタメで勝負するのであれば他のメディアとタメを張るくらいの矜持とクオリティがなければ、(小劇場)演劇全体の価値を下げることにもつながりかねないと私は考えるので、残念ながらこの作品を評価することはできない。
満足度★★★
<直球のエンターテインメント作品>ほど、創作のハードルの高いものはありません。
これまでの数多くの作品を通じて育まれてきた定石・様式を自らのものにしつつアイデアを展開し、そのプロセスをオリジナリティのあるものにしなくてはいけない。当然そこでは、俳優たちのアンサンブルの強さも必要とされますし、観客を冷めさせない細やかなスタッフワークも求められます。
「時をかける稽古場2.0」は、こうしたハードルに果敢に挑んだ秀作でした。同じ劇団の稽古場を舞台にしたタイムスリップものという、一見シンプルな設定が、圧倒的なスピード感をもって混乱していくさまは爽快。またその複雑さを観客と共に解きほぐしていくような作劇、アンサンブルの演技(つまり、観客を混乱させるのではない)にも好感を持ちました。かなりの稽古量がこの完成度の背景にあったのではないかと想像します。
惜しむらくは、ドラマを展開させる軸のひとつとなったインフルエンザをめぐるドラマ。これは昨今では、業界関係者でなくとも共有できるネタですが、そこでの感情のもつれや解決が、(精緻なボケツッコミの一方で)どこか表層的に終わってしまったように見えました。
アイデアを具現化する巧みな作劇、強力なアンサンブルを持つこの劇団に、より奥行きのある感情、関係の表現が加わるなら、困難な<直球エンターテインメント>の道もより開けるのではないかと思います。
満足度★★★★
鑑賞日2017/03/25 (土)
今ごろこっそりUPですいません。
ナイゲンに続く代表作というか、受け継がれるような作品が出来た感じです。
こちらも全国版とか、近年に3.0以上が出るのかもしれません。
初演より色々追加とか、補完された所もあり時間は長くなったけど
全然、長いと感じる事もなく楽しめました。
それにアガリスク好きなハマカワさんが客演の女優で出ている所が
個人的にはリアルな感じUPする要員です。終盤映像使う所なんか観てた時。
E企画が初東上で観た「囲むフォーメーションZ」を思い出しました。
上田さん、岸田取ったし、10年後くらいには冨坂さんの名前が挙がるかもね?
満足度★★★★★
鑑賞日2017/03/27 (月) 19:30
価格3,800円
文句なしに面白かった
この劇団を観て良く思う事ではあるけど屁理屈と笑いの食い合わせの良さが素晴らしい。理論が感情を凌駕するのか、感情が理論を乗り越えているのか良く分からないけど大笑いしてる自分がいました。
あったかもしれない未来、なかったかもしれない過去を観れるのは、時間SFの醍醐味だけど、5年後ぐらいにもしも3.0以降を演る機会があったならば復活したパルコで講演してくれたら泣いてしまうかもしれない。
満足度★★★★★
2014年の初演版からさらにバージョンアップしたリメイク作品。
稽古場で見つけた時間移動アイテムを使って、まだできていない台本をめぐって時をかけ回る劇団員達の姿が爆笑と涙を誘う。
特に前半の掛け合いは、観客の笑いのツボを押しまくりで、劇場全体が笑いに揺れる一体感が楽しい。
でもこれ、コメディだから、というよりはアガリスクだからかな、と。
コメディのセオリーを踏襲しているのだと思うけれど、緻密に計算された間合いやリズムは、アガリスクリズム、というか、アガリスクスタイルというか(勝手に命名)、独特のものがある気がする。
また、台詞のない俳優さん達の動きもとてもよい。
皆、舞台上でずっと緊張を保っていて、その人物らしい動きをしている。それでいて、物語の進行を妨げない。俳優さん達も、演出家も、群像劇をとてもスマートに創っていると思う。
物語が大きく動く後半からラストにかけては、情報量が多くて、私自身は少し疲れてしまった。登場人物が増えた分、役の要素を分け合った部分もあったと思うが、その分少し散漫になった気がする。
ラストに向けての盛り上がりと、カタルシスを感じられたら、もっと良かったな、と思った。
とはいえ、この物語の中の人物達を観ていると、「今」、「この瞬間」をひたむきに生きていることを感じさせるもので、胸がいっぱいになった。
作者や演出家、劇団員達が、
「今、自分たちが一番関心のあること」
「今、一番やりたいこと」
をやれるのが、小劇場の良さだと思うし、それを観客が受けとって、心を動かされるという幸せな体験ができるのが、小劇場の醍醐味ではないかと思う。
そういう意味で、私の胸に「青春」という文字を灯してくれたこの作品に、星5つ!
満足度★★★★★
公演後の「観てきた!」口コミってどうよ? もう観られないのに。
と思っていたけど、次の可能性があるので俺も思ったことを書く。
アガリスクエンターテイメント、いつも面白いけれど『時をかける稽古場2.0』はいつにもましてなにか特別な公演だった。試演会からの台本大幅変更、劇中と現実がリンクしたかのような大事件の中の京都行き。桜満開の春の京都で繰り広げられる、東京とは少し違う座組での公演。周囲の演劇関係者やディープなファンを巻き込んで熱をもった特別な公演だった。物語性は麻薬のように人の心を浮遊させる。一年のうちのわずかな時期にしか満開にならない桜のように。
次にやるべきことはなんだ?
その物語性から『時をかける稽古場』を解放して、野に解き放ってほしい。アガリスクエンターテイメントを愛する人達が守る花壇じゃなくて、荒野に種を植えるようなそんな次の物語『時をかける稽古場3.0』を観たい。
満足度★★★★★
鑑賞日2017/03/22 (水)
初回に行ってきました。
実は以前は観劇というものにさほど関心がありませんでした。たまたま観たものの多くが「価値がわかる人だけが楽しんでくれればいい。」というような意図を感じさせました。それはそれで、こだわりを追求して作られているので熱意は感じられるのですが、置いてきぼり感が強く、自然と足が遠のいてしまいました。
そんな私が昨年秋のコントレックスですっかり引き込まれ、今回とても楽しみにしていましたが、期待以上でした。結論から言うと、観劇愛好者さんも私のような初心者も皆が楽しめるものですし、日常のせわしなさを忘れて、明日も頑張ろうというパワーをもらえるような2時間でした。今辛い思いをしている人におすすめしたいです。
まず、ストーリーが面白いです。時をかける動機がその都度人間らしくて、設定が非日常なのに、変な違和感がありません。それぞれの思い(思惑?)にどこか共感できる部分があるので、極限状態を俯瞰しつつも、ハラハラした気持ちを会場全体で共有できます。筋の中で複雑な部分では、必ず補ってくれる解説場面がありますし、無理なくこの世界に入れます。
次に、ひとつひとつのセリフの面白さに笑ってしまいます。掛け合いのテンポがよいのと、その一言一言によって人物像がより鮮明に浮かび上がるのとで、想像も膨らみ、目が離せませんでした。
また、初演を見ていませんが、改良を重ねて作られたようで、役者さんたちの役への愛着が伝わりました。自分を演じるというのは、ある意味気が楽なのかと思ったのですが、端々に熟考が重ねられているのが察せられました。
残念ながら一回しか見られなかったのですが、この熱気と勢いがどんなふうに今後を導いていくのか、気になりました。
満足度★★★★★
鑑賞日2017/03/25 (土) 14:00
座席1階1列
とにかく面白かった!暗転明けの次は何が起こるかとワクワクがたまらなかった。ただハチャメチャなものではなく、ホロリとくるところもあり見応えのある作品でした。何度観ても楽しめると思います。すみっコぐらしのような…ふふwwたまりませんでした。d(≧▽≦*)
満足度★★★★
ハマカワフミエさん目当てで観に行ったんですが、劇団員みなさん個性的な方ばかりですんなりと物語の世界観しかもみんなが大好物のタイムリープ物!で細かい前フリも絶妙でハマカワさんの演技に圧巻でした。
ほんとに笑って泣けるエンターテイメントを堪能ささてもらったという思いです。
次回の公演も絶対に拝見ささてもらいます!
満足度★★★★★
劇にあまり興味ない友達をちょっと強引に連れて行きました。私も初めて観る劇団の公演だったので少し不安だったのですが口コミに惹かれてチケットを買い観に行きました。帰り道友達にまた舞台を観るときは連れていって欲しいと強く言われるくらい面白い舞台で、私自身、観おわって本気で大学を休んでなんとか京都公演も観に行くことを考えるくらいでした。誰もが楽しめる劇だと思います。3.0もやってほしいです同じ友達を連れて観に行きます。
満足度★★★★★
鑑賞日2017/04/09 (日) 17:00
さて、東京公演を見た後、感想でも書こうと思いつつ、仕事の忙しさに感けて
いたところ、面白い(?)情報が飛び込んできた。
アツシ役の役者さんが病気のため降板したというのだ。
まさにこの劇のキーワードの一つである「病気のため降板、そして公演中止」が
一部現実になった。
代役は「ナイゲン 全国版」でアツシ役の役者と共演したMUの古屋敷悠という役者さんで、
タイプが違う。
京都公演もあるけど、特に見に行くつもりはなかったが、ここで見に行く理由が
できてしまった。
東京公演の場所に比べると1/3くらいの客数の劇場(?)でも、集客に苦戦している
らしい、というのもあって、土曜日は会社があったのだが、夜行バスで京都に行って、
月曜朝に夜行バスで東京に戻る、という強行軍で見に行った。
おっさんには6~7時間のバス旅×2はそこそこキツかった。
やはり、熱血・純情少年然とした元の役者さんと違い、古屋敷版の「時かけ」は、
また別のお芝居だった。少しウェットな感じが出ていて、それはまた別の味で楽しかった。
短い間隔で2回見たものの、2回目もまったく同じように楽しめた。
そして、今回はアフタートークあり。
その中で、「本当は一回、前半をけっこう変えたんだよ。でも、最終的に元に戻したんだよね」
という話があった。やっぱり、もっと変えようとしてたんだ。と一人得心。
うーん、やっぱりもうちょっと人気が出て欲しいんだよなぁ。
そんな訳で、お勧めです。
満足度★★★★★
初めて演劇を生で見る前に見たDVDが、アガリスクの
「ナイゲン」と「時をかける稽古場」だった。
どちらも好きだったけど、より好きだったのは「時をかける稽古場」。
青春にほど遠い生活を送った学生時代が題材のものに共感できなかったのかもしれない。
ただそれだけじゃなく、雰囲気だったり暗転・明転の連続だったり、色んな要素が
程よく詰め込まれている感じが好きだったんだろう。
今回、2.0となったものを生で見た。
帰ってから、改めてDVDを見た。
見直してみて、けっこう変わってないところが多くて、また、
前の方が良かったんじゃ?って思うところもあった。
2.0というより1.1という感じだ。
でも、それはもともとの「時かけ」の完成度が高かっただけで、
お芝居自体はとても楽しいものだったし、とても中身の詰まった130分だった。
クマガイ役の得難い存在感、ハマカワ役の小さい体に見合わない、場を支配する声・演技。
ヤブキ役は少ない出番でも、独特の存在感をキッチリ示し、「すみっこぐらし」もワンポイントの
コンテンツとしてちゃんと成立していた。
ホソイ役がなくなったマイナスも、ハマカワ役・ヤブキ役が入ったプラスも、
厳然としてあった。惜しむらくは、黄金のコメディフェスティバルで優勝したのに、
良質のコンテンツをお届けし続けているのに、人気が少し見合っていないことだ。
もう少し人気が出て良い劇団だと、ずっと思っている。