アクアリウム 公演情報 アクアリウム」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
41-51件 / 51件中
  • 満足度★★★★

    1982
    チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。

    ネタバレBOX

    1982年生まれなハウス住人6名。慣れないパーティの夜、北池袋で起こった猟奇通り魔事件の調査で刑事がやってきて、一同困惑するが…。
    ゆかり(中林舞)…シェアハウスの発起人。商社勤務。金に細かいらしいが、ハウスではまともに振舞う。
    すみ(百花亜希)…余命短い病人。アクアリウム好き。
    ゆう(堀奈津美)…ひきこもり経験のある生活保護受給者。てつとは微妙な関係。
    しんや(渡邉亮)…根暗なフリーター。殺害意識の高さを自覚し、警察に捕まりたいと願う。
    てつ(東谷英人)…週末DJ。事件発覚でハウスから出て行こうとする。
    ゆうき(中間統彦)…十代。クリスマスパーティの発起人。ゆうにキレる。
    わに(中村梨那)…未届。
    とり(若林えり)…KFCに涙する。
    部長(大原研二)…熱海的な部長。70年代。
    菊地(一色洋平)…部長の部下。冷静であったり熱かったり。
    A(清水那保)…少年A

    ゆうが言ったように、ダメな人間の掃き溜めってハウス。なんか閉塞感漂い、それでいて希望も絶望もない、ふわーとした人生を送る。対する部長の傍若無人さが心地よく爽やかに感じるような、湿気た空気感が充満する。
    内向的だって言い切っちゃえばそうなんだけど、なにかを拗らせてて、自分だけじゃどうにもならないけど、その先どうしていいかわからんで、ひたすら薄暗い道歩いている面々が、そんなに嫌いじゃないというかわからんでもないという錯覚に陥る。感覚として。
    メインの殺害意識のとこは、Aの扱い含めて、もうちょい印象的でも良かったかな。

    「安定したアクアリウム」のようにそこに居る人が無駄なく生きていける世界と、真逆に向かっているかのような世間(人生)を泳ぎ続けないといけない若者の静かな狂騒って作品。120分。
  • 大原さん素敵
    あらすじの前半読むと、あれ?ファンタジックな話?と思ったけど、あらすじの後半ではあれ?リアルな話?ってなったのとおんなじように、
    芝居も2つの芝居が楽しく融合する。
    大原さんが素敵。存在しえないキャラなのに、しっかり存在してて素敵。
    そして女優がかわいい。憎たらしい気持ちになるくらいそれぞれかわいい。

  • 満足度★★★

    あれっ!
    言いたい事は大よそ理解できるのだが、細部に気になることがあった。
    刑事ふたりは熱演だったが、犯人の所在場所の講釈がこの芝居において必要なことなのか。
    ワニと鳥の存在が無くても問題ないのでは?
    シェアハウスの住人の過去が暴かれたあとにもう一工夫欲しかった。
    アクアリウムとシェアハウスを重ねたのだろうが、シェアハウスの住人は家族のように互いに助け合うことは難しくはないか。
    一色洋平さんは滑舌いいですね。

  • 満足度★★★★★

    プレ観劇してきました
    金曜日、風姿花伝にて、プレ観劇してきました。
    この作品は、ちょっとした感想がネタばれになりかねぬ稀有な作品だと思うため、ネタばれ防止機能に書かせて頂きます。

    ネタバレBOX



    前説から、『素直に身を任せて観ればいいのかな』と感じ、身を任せたら多重構造が実に楽しくて。

    役、個人の中のバランス感覚、シェアハウスの中の人間同士のバランス感覚、現代口語と、動物と、70年代演劇のバランス感覚

    その均衡の揺れがスリリングで、言葉での笑いとそのスリリングさから生まれる笑いと極上のエンタメでした

    終幕のアクアリウムについての百花さんの台詞で全てがストンと落ちて。

    パンフレットでは部長となってましたが、木村には爆笑でした

    でも、つかさんの亜流でなく、台詞も、お二人の芝居も谷さんのフィジカルな面の色を強く感じて、好きですね

    谷さんの動と静の芝居のミックスという感じが色濃く受けたのは、言葉の選び方なのかなとも思いますが

    ワニとトリが、シュールに見えずに納得できちゃうのも特徴というか

    あくまで個人的な感覚ですけど、子どもでも面白くみられそうな感じすらしました
    エンデのはてしない物語読んだ感覚にも似た後味のせいかもしれません

    極上の演劇エンタメ、できれば凱旋公演を。
  • 満足度★★★★

    カツカツとガサツ
    両極端、それがどうしたって感じ。

    ネタバレBOX

    生活力の弱い人たちが集まるのがシェアハウス。1982年生まれがジャスト酒鬼薔薇世代で、この年代の人たちは結構気にしていたことが分かりました。

    ごっつい体型でがなり立てる売春捜査官にでも出てきそうな刑事が来ましたが、練馬区の人が犯人ではなく、結局港区の人が犯人だったってなんだよーって。やはり遠隔操作でもやられたのでしょうか。

    生活保護を受けて貯金までして、そんな違反までしている引きこもりが急に家賃が払えなくなる理由が分かりません。

    温度管理と酸素と僅かな餌で魚や藻が住める永久環境が維持できるのがアクアリウムですが、微妙なバランスの上に成り立っているシェアハウスも大変です。それにしてもOLの大家さん、不動産経営を甘く考え過ぎです。入居者不在リスクを忘れています。
  • 満足度★★★★★

    プレビュー観劇
    120分、惹きこまれっぱなし。

    「え!?つか!?」な驚きから始まる「つか!」れない人たちの話、食物連鎖から外れ餌を与えられて安定させられ続ける苦しみについての話、に見えた。
    『くろねこちゃんとベージュねこちゃん』をさらに進化させた、みたいな語り口のうまさはさすがだなあ、ホント。

    もう一回観に行きたいけど「少年A」ゲストが誰の時に観に行こう?
    大原さんの喉と魚たちの健康を祈ってます。

    ネタバレBOX

    谷さんの書く「頭のいい」設定のキャラクターって、ホントに頭がよく見えるのがすごいなあと、今更ながら。

    しかしまあ、わにとりカップルの微笑ましさにホワホワな気持ちになっただけに、あのラストには解りやすく「この世界の残酷さそのもの」的なモンを感じちゃったなあ・・・
  • 満足度★★★★★

    (やっぱり)でっかい芝居だった
    ここ数年、演劇の魅力に取り憑かれたもうすぐ50歳間近の者です。
    なんで演劇は身近なことをねちねち大声で語っているんだろうという疑念が高校時代にトラウマのようにあったからだったんですが、でかい演劇ってのがあるというのを知りました(見ているものはごく一部なのですが)
    野田地図と谷賢一の芝居は比べちゃどちらにも失礼なんでしょうけど。
    オリジナルの脚本でもここまで持って行けるってのは流石(ちょっと褒めすぎですけど、必見の演劇でしょう)
    プレビュー公演と、本公演では変わりそうなシーンがちょっとありそうな予感がするので、また見に行きたい。
    (同じ芝居は2期はみない主義なんですが、これは見る価値ある)

    ネタバレBOX

    1982年生まれ
    この特異な現象をこのような描写はすごい。
    今回は、つかこうへいのパロディ?というところとか、役者さんも笑ってしまうようなシーンもあったりと魅力山積でしたが、タイトルの意味はエンディングにわかりました。
    あの水槽(っていっちゃいけないのかな)、終わったら観客にプレゼントということだけはやめて欲しい(^_^)
    今年は50本ほど芝居を見たけど、印象に残った5本の一つであることは間違いないです。
    前回のDULL-COLORED POPの「黒ネコちゃんとベージュネコちゃん」のお母さん役があんなに憑依できることと、ワニとトリの道化役が核心に迫るあたりが流石(しかもあのシーンで)。
  • 満足度★★★★★

    最上の空気
    最上の作品は空気を作る。この芝居の空気の作り方は心臓に来る。えも言われぬ恐怖に苦しくなる。でも笑える。1か月のロングラン。日々進化することが運命づけられている芝居。何度も観てこちらも進化したいと思える芝居であった。

    ネタバレBOX

    現代口語演劇の継承とその向こう側に行こうとする挑戦を笑いのめしながらやっているところもぐっときた(笑)。ちゃんと観客を喜ばせながら、その向こうも狙っている。そこに勇気をもらう。

    チェーホフの喜劇、悲劇のことを考えていたので、ダルカラの「アクアリウム」を観た時、「これだ!」と答えを得た。でもあれをやるのは相当大変だろうと思う。
  • 満足度★★★★★

    素晴らしい演出と演技(追記あり)
    さりげなく、ポップな作風なれど、その奥に強い現代への問いかけがある脚本。
    緩急の絶妙な演出。
    共に、素晴らしかった。

    個性的で、力のある役者たちも、とても魅力的だった。

    冒頭から中盤までは文句なく素晴らしかった。
    後半<あと一歩、、、>と思う部分があったが、それは、プレヴュー公演だからだと思いたい。

    ※ネタバレの最後に、生活保護を受給して生活している田所優美の描き方についての違和感、その違和感から生じた作品全体についての印象の変化を追記しました。(12/18)

    ネタバレBOX

    冒頭から中盤までは、文句なく素晴らしかった。

    何と言っても、演出の緩急が絶妙だった。
    動的演技と静的な演技の切り替えの妙。
    谷賢一氏は、音楽的な感性のある演出家なのだと思う。

    ここで、警察を演じた大原研二さんと一色洋平さんのエネルギー溢れる動の演技も素晴らしかった。
    その一方で、シェアハウスの人たちの淡々とした静の演技も素晴らしかった。
    両者のバランスが絶妙だった。

    内容面でも、現代の若者を巡る問いかけが良かった。
    警察がある事件の捜査のために、クリスマスパーティをやっているシェアハウスに乗り込む。
    正義を振りかざす警察を、熱烈な演技をさせることで、極めてコミカルに描いているが、その裏には痛烈な批評性が隠されている。
    ひとつは、権力への批評性。警察の横暴な振る舞いを痛烈に批評している。痛烈と言っても、笑いの中に毒を含ませているので、堅苦しくなくとても痛快。
    奇しくも私が観た12月6日は、「特定秘密保護法」が成立した日。
    このような社会情勢の中にある空気感を、この作品はうまく捉えている。

    もうひとつは、年配の世代が押し付ける価値観への批評性。
    「最近の若者は、根性が足りない」「熱さが足りない」に代表される年配の言うガンバリズムへの批評性も見事に描かれている。
    ここで面白いのは、この批評性は両義的で、観ている間も、観終わった後も、この年配刑事の上から目線が嫌な反面、どこかで彼の言うことも一理あるんじゃないかと思えてしまうことだ。これは、さまに、物語内の話だけでは済まされず、今の社会が抱えている問題を的確に捉えているからこそ生じたものだろう。
    勿論、ブラック企業なども多く存在し、雇用・労働環境の変化によって、「若者の根性が足りない」という意見はナンセンスだという場合も多々ある。
    だが、本当に「根性がないだけ」という場合も存在する。おそらく、どちらか一方が問題なのではなく、その両者が問題なのだろう。
    この作品でも、その両者の間を揺れながら、物語が進んでいく。

    ただ、後半は少し乗り切れなかった部分もあった。
    それは、警察に「シャアハウスの住人の中に、先日起きた猟奇殺人の犯人がいるかもしれない」と言われ、シェアハウスの面々は動揺し、しんや(渡邊亮)が「出頭します」と言い始める部分から。しんやは事件を起こした訳ではないのだが、「今のままの生活をしていると、そのうち殺人をしてしまうかもしれない」という想いから、事前に出頭したいと言い出す。
    そこで神戸連続児童殺傷事件(酒鬼薔薇事件)や秋葉原事件のことが語られる。両事件とも、犯人は1982年生まれ。しんやを含め、このシェアハウスに住む6人中4人が1982年生まれの31歳。理由なき犯罪などとも言われる事件を起こしてしまうこの世代の闇が、しんやの述懐を中心に語られる。それに呼応する形で、てつ(東谷英人)、ゆう(堀奈津美)の想いも加わる。(同じ年なのに、ゆかり(中林舞)はその感覚が理解できないというのも良い。)更に、少年A:酒鬼薔薇聖人(清水那保)も登場し、彼の犯行時の言葉も語られる。
    だが、私はここで、しん、てつ、ゆうの言っていることが、理屈上では「その感覚わかる、、、」と思う部分もあったが、それ以上には身につまされることはなかった。
    ここが、いまいち入り込めなかったので、ラストにかけての展開が物足りなく感じてしまった。

    また、ラストに、「アクアリウム」の生態系の話が、人間社会(シェアハウス)の人間関係の話と重ねて語られるのも、よくできていると思う反面、ちょっとキレイに終わりすぎかなという気がしないでもなかった。

    と不満も書いてしまったが、全般的に素晴らしかった。

    わに(中村梨那)やとり(若林えり)など、動物を擬人的に役として登場させると陳腐になる場合も多いが、この作品では、ファンタジーではないのに、うまくその世界が成り立っていた。

    私は、台詞をしゃべっていない時の役者の演技(聞き役など)を観るのが好きなのだが、そういう観点から見ても、役者さんたちはとても魅力的な演技だった。

    【追記】(12/18)

    観劇後、どうしても引っかかっていたことが、とても重要なことのように思えたので、追記する。
    生活保護を受けて生活している田所優美という人の描き方について、違和感を覚えた。
    確かに、生活保護を受けて楽をして生活している人も中にはいる。人気お笑い芸人の親が、生活に困っている訳ではないのに受給していた例も確かにある。
    だが、それは一部であり、多くの人は本当に苦しくて生活保護を受けている。それどころか、本当に生活が苦しいにもかかわらず、生活保護を受け付けてもらえない例もたくさんある。
    更に、私がこの芝居を見た12月6日に、改正生活保護法も成立し、改正の名の元に更に受給者の首を絞める施策が行われる。
    そのような社会情勢の中で、少ない登場人物の一人として、生活保護を受けてぬくぬく生活しているという人を描くというのは、とても危うい描き方だと思った。勿論、フィクションであるから、解釈は観客に委ねるということで構わない。
    実際、観劇直後は、私もこの点に引っかかってはいたものの、敢えて批判的なことは書かなかった。そうやってぬくぬく生活している人も確かにいるのだろうし、フィクションというのはそういう部分があっても仕方がないと思っていたからだ。だが、よく考えると、フィクションだからこそ、このような問題を扱う時は慎重になるべきだし、片方の見方に寄らない描き方はできたはずだと思い直した。

    そう考えると、この作品全体が、単に根性がない若者を上から批判的に観ているだけの作品のようにも見えだしてしまうのだ。
    雇用環境やブラック企業などによる過剰労働などの問題が背景にあって、若者が簡単に会社を辞めてしまう。それは根性の有る無しと関係ない部分も大きい。勿論、単に根性がないだけという場合もある。この点は、キワキワで両論が描かれていると観ている最中は好意的に観ていたが(わざわざ批判的に見ようと思って芝居を観ることはないので)、よくよく考えると、どちらかと言えば「根性がない」という方にウェイトが置かれていたのではないだろうか。
    いずれにせよ、現代の過酷な労働環境に関する言及はほんの少ししかなされていない。

    厳しく見ると、全体的に上から目線で描かれている作品のようにも見えてしまったのだ。
    ただ、これは批判的に見ようとした場合なので、その判断はきわどい。
    また、観劇時に好意的に見ていた時は、そのキワキワさこそが面白いと思っていたので、私が重箱の隅を楊枝でほじくっているだけなのかもしれない。

    好意的に見れば、作者も若い作・演出家なので、自己批評を含めて同世代を描いたというのなら、批判すべきもないとは思う。

    それに、上記のことを批判的に見たとしても、演出や演技の妙に関しては、その素晴らしさを損ねるものではないとういのは強調したい。
  • 初ダルカラ!
    すごい面白かった。
    ほんとに面白かった。俳優さんがみんな素敵で、一人一人見応えあって。
    台詞がまた、嚙みごたえがあるというか。台詞を聴いていて、情景が淡い色彩で浮かんでくるようなかんじ。
    あと、渡邊亮さんがよかった!長台詞がぬめっとしてて、気持ち悪いかんじが素敵。キモ愛おしいかんじ。

    あと、制作さんにご親切に対応していただいて、ありがとうございました。

  • 震えて眠れ
    いやぁ〜、興奮しました。ヤバすぎる。DULL-COLORED POPの、というよりも谷賢一の作品、という印象を抱きつつ観ていたのだけれど。表現における禁忌、そこに分け入ろうとする意思を強く感じて震えた。エンタテインメントの衣を着てとんでもないことやってるんじゃないかしらん。そして初日だというのに、シェアハウス住人(動物含む)の演技の質感がすごく良かった。フリーフォームというか自由な感じがして相当好ましかった。物質的な距離感に初日ぽさ、手探り感みたいなものは感じたけれど。ゲストがゲストである意味も納得の使い方がされていて、これは全キャスト観てみたくなる。今月の予定を再考しなければ。余談だけれども、タイトルコールで清水那保さんの声がいちばんよく聴こえたような気がするのは空耳だろうか笑

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