満足度★★★★★
あらためて再演、望む!
きたむらけんじさんの作演出「泡」。福島県小名浜のソープ街の震災前後を描いたお芝居だ。あの時、あそこで何があったのか?
そこにはわれわれの図り知れない、強い思いが、そして訴えが、あったのではなかろうか。ソープ嬢や原発作業員らの本当の心が、舞台に『こだま』した。あらためて再演、望む。
満足度★★★
みんなが観れば良いのに
日常に流されて、彼の地の諸々を忘れがちなわたしたちに、
いろいろなことを考えるきっかけをくれる作品。
この劇団の作品は大上段に構えることなく社会派であること、
結末の後味が良いところが気に入っています。
今回も期待を裏切らない素晴らしい作品だったと思います。
天宮良さんは、昔の印象が強く
ナイーブなイメージだったのですが
久々に拝見したら渋い素敵な役者さんになられていたのですね。
満足度★★★★
批評性というより、ほっこり
評価か難しいです。
人情話が好きな人には文句なくおすすめできる。
社会的な問いかけを、演劇を通して広く多くの人に発していくという意味では、こんなに素晴らしい舞台はない。
誰が見ても、感動できる。
演技や演出もとても完成度が高い。
そういう意味では、★5つです。
ただ、大上段に構えた社会的テーマではなくそこにある日常を描くということや福島のソープという設定から、
痛烈な批評性が、内容的にも、その表現技法にも、あるのではないかと思って期待して見に行ったが、それはどちらもなかった。そういう意味では、期待と違っていた。
また、誰もが感動する落としどころというのも、ひねくれ者の私にとってはそれほど惹かれなかった。
そういう意味では、個人的には★3。
ただ、作品内容というよりも、こういう作品が多くの人に観られることで、福島の問題を考える人が少しでも増えることは素晴らしいことだと思うので、そういう部分も含めて★4つ。
天宮良さんの演技が、仲良い友人の茨城(福島じゃないのだが)のおじさんに酷似していて、とってもリアリティがあった。
満足度★★★★★
間近に感じる福島のリアル
登場人物8人がとっても生きてる感じあり、生活感などが伝わってきました。
漁業の話、原発の話、
舞台でもあるのソープの話など折りよく程よく混ぜて表現されていました。
う~んマイナスするとこ無かったなぁの約2時間。
満足度★★★★★
喜劇ですがメッセージあり。
あえて原発色を抑えつつ、決してメディアには取り上げられない小名浜の人々の生活を表現した田舎のソープランドというシチュエーションが良い。それを彩る昭和歌謡が何とも味がある(実際どのソープ店でも流れてたとのことです)
事実がベースなので自然な会話がとてもリアルで面白かった。
しかしながら、この震災と事故を絶対忘れてはいけないと言うメッセージは確かにある。
舞台セットも素晴らしく、特に店名の書かれた看板の名が面白い。
役者陣は皆お上手で申し分なし。とっても良い芝居で感激しました。
満足度★★★★★
笑って泣いた
震災を基にした作品という事で、重い場面も有るのかと思って観に行きましたが、なんとも感動的でさわやかな話でした。
もっと東電を悪者にしているのでは、とか勘違いもしていましたが。(笑)
みんながそれぞれに前向きで、なんだか元気をいただきました。
良い物を観せていただきました、ありがとうございました。
満足度★★★★
もう少しエッジを立てても?
小名浜は、嘗て遊郭のあった地域である。風営法改正で、他の遊郭地域同様、ソープが多く建った。所謂浜通りにあるが、漁港でもある。今作では、3.11、3.12以降にここで働くソープ嬢、経営者、従業員と客の日常を描くことでドラマとしているが、やや、地元の人々のメンタリティーに配慮し過ぎた感もある。(追記2013.9.19)
満足度★★★★★
客入れの昭和歌謡も楽しんで!
政治ものを得意とするきたむら氏だが、今回は私の大好きな「幸福な職場」に次ぐ「良い職場」シリーズ第2弾と言ってもいいかもしれない。店長が何より良い人で、通ってくる客もなんだかかわいいおじさんたちばかりで、ソープ嬢たちには働きやすそうな職場だ。そんな職場を襲った地震、原発事故。取材が綿密で、深刻になりがちな話をユーモアを交えて進めるのがほんとうにうまい。客は自然に泣かされたり、笑わされたり、終わった後には「去年より今の方が状況が悪くなってるんじゃないの?}とか憤ったりしながらも、満ち足りた気持ちで劇場をあとにできる。
満足度★★★★★
面白かった
3.11の震災後の小名浜が舞台とあって、復興の厳しさや辛い生活を観ることになるだろうと少し身構えていた。しかし、そんな気持ちはすぐにほぐされる。目の前で繰り広げられている景色に特別なことはない。どこにでもある、人と人との触れ合いそのまんまを観ていたからだ。
恵比寿と小名浜は近所と呼べるような距離ではないのに、この『泡』を観てると客席と舞台ほどの距離に縮めてくれる。遠い異国の話ではない、地続きで当たり前の日常がそこにはあり、その日常で起こっている問題は我らの問題でもある。
被災地の話なのに「面白かった」と抵抗なく言えるのは、深刻な問題を抱えつつも前向きな作品だからにほかならない。