ミュージカル 湖の白鳥 公演情報 ミュージカル 湖の白鳥」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-15件 / 15件中
  • 満足度★★★★

    おもしれーっ!
    遊覧船のセットは圧巻。おフザケで、どっか真面目なミュージカル。大いに楽しませてもらいました。

  • 満足度★★★

    本気なのか冗談なのか
    確かにミュージカルなのだが、本気なのか冗談なのかやや判断がつかなかった。それより物語の内容はけっこう奥深かったと思う。ラストのあの仕掛けには声をあげて驚いた。

  • 満足度★★★★

    サービス満点
    何回でも見たくなるような、楽しいことを全部凝縮したようなステキなミュージカルでした。あっと驚く演出は、手品みたいな、サーカスみたいな、紅白歌合戦みたいな、キラキラとワクワクの詰まった舞台空間でした。

    ネタバレBOX

    舞台を占拠して鎮座する白鳥を模した遊覧船にまずは圧倒される。公演パンフにもありましたが、「記憶に残る舞台美術」だと思います。また、この巨大な白鳥の至る所から役者は出てくるし、小道具も飛び出すという仕掛けが楽しいです。

    物語は主人公の白鳥(しらとり)の恐るべき妄想力の話。「やれば必ず成功する、でも成功して自分が完成してしまわないために敢えてやらない」という持論から、もしかしたらこうであったかもしれない圧倒的なサクセスストーリーをトートーと語ります、再現されるその妄想の数々、それは全て粉代湖という大きな湖の上の白鳥を模した遊覧船の上で繰り広げられます。妄想と現実、妄想と妄想同士も時間軸が目まぐるしく変化する様は、白鳥の現実と妄想の狭間で葛藤する精神状態と相関しているように見えます。その現実の白鳥が小さくちっぽけに見えれば見えるほど、妄想の世界はとても大きく見えて。物語の終盤、客席(湖の対岸)から発される「大体の人間はちっぽけだ」という台詞はとても前向きなメッセージだと思いました。1つ1つのミュージカルナンバーも多彩でコミカルで、盛り上がれるものが多くて、サービス精神あふれる作品だなと思いました。

    あおきりみかんの魅力は、誰も思いつかないような特異な設定と、その設定を生き生きさせるような多様なキャラクターが膨張させ続けて収拾つかないような物語が最後にギュッと収斂していく様、そしてその物語を役者のアクロバットかつ洗練された所作で場転までも面白く魅了し続ける演出、空間作りだと思います。そういう意味では、本作は白鳥のちっぽけさが際立つほど、その世界の矮小さが引き立って何だか小さくまとまってしまったなぁという印象でした。また、せっかくの物語の躍動感がミュージカルナンバーで停滞してしまっているように思いました。 エネルギーの詰まったあおきりみかんの舞台とミュージカルの親和性は高いと思います。是非、またミュージカルに挑戦してほしいなと思います。

    名古屋・三重の会場に比べて東京公演は小さい会場ですが、同じ構成で物語が進んでいたのか役者を持ち上げるシーンや、宙吊りになるアクションも見栄えが悪く勿体無いなという感じがしました。そういう意味では8月の座・高円寺での再演は、シアターグリーンより広い会場なので、より魅力が引き立つのかなと期待高まります。
  • 満足度★★★★★

    もう面白過ぎ
    振り返ってみると実は相当にイタイお話で,真剣に考えると自分にも思い当たる点がちらほらあったりしてへこみかねないが,観劇中はそんな思いは感じさせない,いたる所に笑いの要素が満載で,とてもとても楽しく拝見させていただきました。これまでも思ったことですが,あおきりみかんの芝居は噛めば噛むほど味が出てくる(奥が深いのか?)ようで,鹿目さんにはとても感心させられます。あと,舞台セットもいつも工夫されており,これも毎回の楽しみです。

  • 満足度★★★★

    セットが圧巻!
    舞台いっぱいに所狭しと置かれた船のセット。これだけでも素晴らしく一見の価値ありですが、木村さん以外のキャストの歌唱力はミュージカルというほどのものではなかったのが残念。現在と過去の交錯やあがく人間の描写がお見事。

  • 満足度★★★★★

    もうサイコー!!
    客席に入ってすぐ目に付く色鮮やかで華やかな舞台、期待が高まりました。そしてスタートからの楽しい楽曲に一気に盛り上がりました。サイコーです!

    ネタバレBOX

    褒めて育てる、やればできる子などの風潮を皮肉ったようなミュージカル。

    私には芸術の才能がある、やればできるのは分かっているから特にやらない、評価されていないのは評価しない方が悪い、おだてられて育った世代の強烈な屁理屈男の話ですが、大なり小なりみんなそんな言い訳をしながら生きている訳で、他人事とは思えませんでした。

    やらなきゃ始まらないし、始めても上手くいくとは限らない、それでもやる方向で生きていくことが大切だということで、自分が責められているようでした。

    いきなり歌い始めることに疑問を持ってはいけない♪などとちょっとミュージカルをおちょくってみたり、ミュージカル的な歌からムード歌謡や演歌まであって、どれも楽しく、素晴らしい楽曲でした。

    主役の白鳥(しらとり)は才能がないので、どうしても彼の歌のパートが下手くそなのは仕方なく、かつ筋が通っていました。

    さあーっとアンサンブルが登場して、もちろん皆さんちゃんと役はあるのですがアンサンブル的役割としてさあーっと登場するということで、歌って踊ってさーっと退場する、とにかく楽しいミュージカル、恐るべしあおきりみかん、思う存分楽しみました。
  • 満足度★★★★★

    笑いました。
    実際、船上パーティーはどこまでが妄想だったのかもよくわからない、はちゃめちゃなストーリーでしたが、ダメ男(とまで言ったらかわいそうかな?、逃げてる男)の人生と彼が立ち上がるまでをミュージカル仕立てで面白く見せてくれました。楽しかったです。

    木村仁美さんの歌と顔芸が圧倒的でした。
    終演後そばで拝見したら意外に小柄な方で、舞台とのギャップに驚きました。(ステージでは、かなり大きく見えたので)

    前から2列目に座ってしまいましたが、後方の方が見やすかったんですね。
    事前チェックが甘かった。
    もう一度観たいお芝居です。

    ネタバレBOX

    ミュージカルと言いながら、歌が上手い人は木村さんひとりだけ(笑)
    そのゆるさがまた笑えました。
    天井が低くて(船上が高すぎて)、リフトをすると頭がぶつかりそうになるところなども、異常にツボにハマってしまって可笑しかったです。
    百舌沢さんが宙乗りするところも同じく。ものすごく低い位置でポーズ取ってるのがサイコーでした。

    あと、部長のダンスも良かったです。

    雑誌「AOKIRI」とか百舌沢写真集とか、細かい小道具にも笑わせていただきました。
    グッズコーナーで売っていたら買ったかもしれません。

  • 満足度★★★★

    すてきにバカ
    地獄のミサワ風の決め台詞がちりばめられているなかで唐突にミュージカル。しかも歌の上手い人がひとりで他は微妙。
    だが、それが素敵。

    昔、いろいろと揉めたり面倒くさかったりしたシーンで、話し合うのもいやになり「人生のこういうシーンこそミュージカルになればいいのに。みんな主張は歌い上げ、オーバーに踊りまくればいいよ。そうしたらもめ事も悩みもなんか楽しげでいいじゃん」と提案したら即座却下されたことを思いだした。

    たのしかったです。
    たのしかったけれど、思い返したらかなり痛々しい話ではある。
    そういう部分も素敵でした。嫌な奴とか弱虫とかちいさな奴とか痛々しい話こそ、笑いとばしたいよね。嗤うんじゃなく、笑いあげたいよね。
    いいミュージカルでした。

    ところで私は部長(あらため社長)が大好きでなりませんでした。無駄にキレのいいダンス!

  • 満足度★★★★★

    爆笑
    歌い手さんや曲のかんじからあーこの人たちはこのグループに似てるな、衣装をみて、アーいるこんな人と思いおもわず笑ってしまいました。
    歌の歌詞がはっきりききとれてよかったです。おもしろかったです。

  • 満足度★★★★★

    ホントは、キッツイ話のミュージカル
    あおきりみかんって、過去の何回か観ていて、面白いと思いながらも、日程的に合わなかったこともあり、なかなか観ることができなかった。
    あと、なんかビミョー感もあったりして、ムリしても行こうという…。

    ま、とにかく日程合って、久々の観劇。

    26回目の公演にして、初のミュージカルという。
    「ミュージカル?」というキーワードがかなりグッときたこともある。

    ネタバレBOX

    まずは、劇場に入ってどーんと置いてある白鳥号のセットに驚く。
    内容もそのセットに負けないぐらい、どどーんと、とても面白い!

    歌うのは、昭和歌謡感溢れる、デュエットソングやアイドル歌謡、演歌に、フォークというよりはニューミュージックな楽曲。これは楽しい。
    さらに衣装も凝っているし、小道具も多い。
    フル装備の舞台。

    「やればできる」けど、「やらない」という、言い訳で30歳過ぎまでやってきた男・白鳥(しらとり)の物語。
    白鳥はある決意を胸に、粉代湖(こなわしろこ)の白鳥号をチャーターし、湖の中央へと急がせる。
    彼は、この物語の主人公であることで、歌うことを意識しながら(メタな感じな)、自分の過去を振り返る。
    彼の成功物語は、すべて妄想であり、それは「やればできる」のだが、「やらないできた」ことを正当化したものであった。
    彼の前には「女」が表れ、歌うことを促す。彼女は「オデット」と名乗る。彼が「歌う」ことは、彼が気づくことでもある。
    そう、『白鳥の湖』の「白鳥」なのだ。

    とにかくこのオデット役の木村仁美さんが、歌が抜群にうまい。
    それに比べてしまうと、特に男性陣の歌は……である。
    彼女がいるからこの舞台は成り立っていると言っても過言でないだろう。
    だけど、「アイドル」なときの歌の下手さが逆にリアルだったりもするのだか。

    ストーリーの巧みさもある。
    例えば、お芝居のお約束で、一人の人が何役もこなすというのは当然で、「ああ、別の人なんだな」と思って観ていたら、実は同じ人だった、という展開が随所にあって、面白い! と思ってしまう。
    後に書く、キッツイ、テーマの盛り込み方も凄いと思う。
    ラストの本水の使い方や、微妙な高さの宙乗りと、見どころも満載。

    物語は、主人公・白鳥の過去の妄想を関係者たちが繰り広げていくのだが、そこに現実も少しずつ姿を重ねていく。

    マルキューというスーパーで今もバイトのまま働き、舞台に立つ白鳥。
    白鳥の姿は、今現在、バイトをしながら、演劇や音楽活動をしている人たちにとっては、かなりキツイ存在ではないだろうか。

    すなわち、「自分には才能がある」と言い張るしかない。そうでも言わなければ、自分の存在価値が脅かされてしまうのだ。
    かつて東京に出ていたものの、夢破れ(白鳥本人はそれを認めてないが)、故郷に帰り、でも演劇を続けている白鳥は、「東京に行く」という後輩に、歪んだ想いのまま、「行ってもしょうがない」と諭す。
    さらに(ほぼ)同郷で、スターになった百舌鳥沢に対しては、かつて同じアイドルグループにいたという妄想の末、仮想敵として位置づけ、ラストになだれ込む。

    つまり、百舌鳥沢は、成功した者の代表であり、白鳥にとっては、「自分はやれば(やり続ければ)、成功してしまう」と言い続けている惨めさをぶつける相手でもあるのだ。

    彼のこの湖への航海は、まさに「後悔」のなれの果てでもあるのだが、それでも自分の妄想と現実の狭間のまま、湖の中央へ進む。

    ラストは、百舌鳥沢と、白鳥が自分の側にいると思っている男たちとの歌合戦になり、白鳥は、百舌鳥沢に「負けた」と、妄想で言わせるのだが、やはり自分を偽ることはできない。

    自分の側にいると考えている男たちは、すべて「自分の夢を諦めてきた男たち」なのだ。
    つまり、白鳥は、実は芝居も、作詞(歌)も、何もかも、最後までやり遂げなかったということは、途中で諦めてしまった、彼らと同等であるということを知っていて、さらに、「最後までやり遂げなかった」ことは、「自分に才能がないことを知ってしまうのが恐かった」というこにも、薄々感づいているのではないだろうか。

    ここまで物語が来ると、白鳥と同じような境遇で、打ち上げなどで、「才能があってもチャンスが…」なんて、酔っぱらいながら、くだ巻いている人たちは、(ひょっとしたら)舞台を正視できなかったかもしれないのでは、なんて思ったりもした。

    ラストは、白鳥が、当初の予定どおり、湖の中央から、彼が小学生のときに唯一がんばってやったことのある「バタフライ」で、スーパーで働いているときに好意を寄せていた女性のもとに泳いでいく、というもので、それは、彼が原点に立ち戻り、出直すという、強い決意の表れではないかと思ったのだ。

    全員で演奏ってのもよかったな。あんまり上手くはないけど、その上手くなさが逆に主人公の心情や状況にマッチしているようで。

    ここで、ハタと気づくのは、最初に、公演のチラシを全員が手にして歌う「白鳥はこの舞台の主人公だ」と歌う、楽しいシーンのこと。
    最初のほうに書いた、「彼が「歌う」ことは、彼が気づくことでもある」ということは、つまり、「彼が、自分がこの物語の主人公である」ということに「気づく」ということである。

    すなわち、夢破れていろんなことをしている男たちだって、白鳥と同様に、すべて「自分の物語の主人公である」ということをも指しているではないのだろうか。これって深読みしすぎ…?。

    つまり、このキッツイ話のミュージカルは、そういう応援歌的なミュージカルであったのではないかと思うのだ。

    さらに彼がオデットに気づかされ、原点に返って、最後までやり遂げることを決意する、というのは、これを演じている「あおきりみかん」の役者たちの決意でもあるのではないかと思ったのだ。

    「おおお!」と思った一瞬だった。鳥肌   は、立たないけど。

    しかし、そういうストーリーが進んでいくのだか、いくつか腑に落ちない点があるのだ。
    観いてるときにはまったく気にならなかったのだが、帰りながら舞台のことを反芻していくにつれて、いろいろと。

    まずは、彼が思いを寄せた女性・鷺沼には、その気持ちを打ち明けることができないまま、別れてしまう。その後彼女は結婚し、子どもも授かっていて幸せのように見える。
    そんな女性のもとに泳いで行っていいのか? ということだ。
    もちろん、自分の道を見直す決意の象徴としての、彼女であり、実際にその女性に会うかどうかは定かではないが、それでも「変な感じ」がしてしまう。

    それは、彼に自分のことを気づかせた女性、すなわち、オデットと名乗った小学生のときの同級生の女性の存在があるからだ。
    白鳥は彼女がいつも見てくれていたのだ、ということに少し感動しつつも、「気がつかなかった」と言う。それに対してオデットは「興味がないから気がつかなかったのよ」と哀しい台詞を口にする。
    で、「ああ、そうか、自分にはこんな人がいてくれたんだ」と彼女に存在に気づき、彼女(オデット)のもとへ行くのかと思っていたのだ。「白鳥の湖」の王女と王子のように。
    ところが、彼はそんな彼女はなかったように振る舞い、すでに結婚している女性のもとへ泳いでいこうとするのだ。
    これって結構イタイ話になってないだろうか。

    また、主人公・白鳥は最初から最後に行うことを決意して乗船したのであって、船の上の出来事は、すべてこの日までの一連の彼の中のストーリーだとしたら、彼の友人たちや船の副館長との関係がわからなくなってしまう。すべてが白鳥の妄想だとすると、かなり恐い話だし。

    そんなことを思った。

    それとついでに書いてしまうと、最初に「面白いと思いながらも、ビミョー感もあったり」と書いたのだが、その「ビミョー感」の源泉がわかったような気が少しした。

    それは、アフタートークで、ゆるキャラの着ぐるみ衣装は最初なかったのだが、演じる役者が作りたいと言ったのでOKしたというようなことを言っていたのだ。

    つまり、これって、最初は、「ゆるキャラ」という設定で、「素」の役者のまま演じる予定だったのではないか、と思った。したがって、「着ぐるみ」を来てしまったら「素」で出てきて「ゆるキャラです」ということの面白さを消してしまっているのではないかということだ。
    どうやらこの劇団はとても仲がいいらしく、いろいろなアイデアとか出てきたりして、最初のシナリオと役が変わったりしているようなのだ。
    そうやって作り上げていくことには異論はないのだが、ひょっとして、そういう面白さを全部取り上げてしまうことで、全体がぼやけてしまうことになってはいないか、ということがある。
    例えば、白鳥が思いを寄せていた女性は、彼の最初の妄想、次にリアルな現実、さらにスーパー時代と、3つのシーンで登場するのだが、それに合った衣装でわざわざ登場してくる。
    それって、例えば、持ち物とかエプロンぐらいの違いでいいのに、わざわざ変えたりしたのは、(最初からのアイデアなのかもしれないが)やっぱりやりすぎじゃないかと思ってしまうのだ。

    彼女はストーリーの中心にいるのだから、それぐらいはいいのかもしれないが、歌合戦とときに、白い服を着ているオデットが、またその上に白い服を着て、となってくると、それはどうかな、とさすがに思う。
    さらに、ラストに白鳥が飛び込むにあたって、わざわざ水着に着替えるのだが、それだって、もともとそう言う目的で乗船したのだが、プールに行くときの定番のように、下に着込んでいて当然と思うのだが。

    そんな個々のアイデアとか面白さを多く取り上げすぎることが、ひょっとしたら……なんて考えてしまったのだ。
    確かに個々は面白いし、それを見つける楽しさもあるのだが。

    あと気になったのは、登場人物全員が「白鳥」にちなんで鳥の名前かと思っていたら、そうでもないのだが、それってどうしてだろう。別にいいのだが。

    そんなこんなもありながらも、結局のところは、この舞台は、もの凄く面白かった。

    次回は、座・高円寺で、オイスターズとやるらしい。オイスターズも好きな劇団なので、予約するしかないでしょう、と思っている。


    ……しかし、このストーリーって、演じた役者の皆さんは、自分たちに振り返ってみて、どう感じたんだろう。
    自分たちは才能あるから大丈夫、とか、かな?……笑。

    調子に乗って長く書きすぎた。深夜のテンション失礼。
  • 満足度★★★

    う~ん・・・?
    本当に歌の上手い役者さんが歌の下手な役を演じるのと、そうでないのとはぜんぜん違う。面白いストーリーで、アイディア満載で楽しかったですが、ずっとそれが気になった。ダンスも同じ。歌やダンスのスキルが高いともっと楽しめたと思う。

  • 満足度★★★★

    遊び心となんちゃって精神
    固くなりがちな頭を柔らかくほぐすようなギャグが、隋所で、炸裂する。夢を追い小演劇に関わる者の本音と現実対スターダムにのし上がった者の相克に男女の相克が交差する。本音と表向きが「夢うつつの波間」に対立し、それは男女間のジェンダーの差を際立たせる。このような情況の中、白鳥号は海に見まごう湖の中心部へ航行している。
    歌う気になるとも思えぬシチュエイション設定は、所謂ミュージカルへのパロディーともとれる。そのようなつくりであるのは、流石に中京地区演劇の女王ならではの才覚ばかりでない。このような芸当をやってのけられるのは、無論、この劇団のたゆまぬ努力とチャレンジ精神の賜物だ。実際、歌も上手いし、ダンスも上手い。そればかりか、ミュージカルと敢えてタイトリングしている以上、各出演者が、新たな芸を仕込んでいる。座長がベースギターを弾いたり、演劇部の先輩を演じている女優がバイオリンを弾いたり、箱をパーカッションとして叩くリズム、タンバリンのリズムの正確さも中々のものと各々役者陣が新たな事に挑み、舞台に掛けられる所まで修練を積んでいるのだ。その一方、作・演出そして女優迄こなす座長も自らを振り返るということをしているようにも思った。楽しい舞台であると同時に、日本で小劇場の演劇に関わる人間個々人にとっては身に積まされる内容を多く含んだ舞台である。無論、舞台関係者のみならず、そうでない方にも楽しめる舞台になっている。

  • 満足度★★★★

    やりたいこと、思いつくことのすべてを舞台に詰め込んだ作品。
    この作品を創り上げるためにいったいどれだけの時間とエネルギーを要したんだろう?と思った。とにかく、舞台で出来ること、やりたいこと、思いついたこと(アイデア)のすべてを詰め込んだかのような作品。“惰性”とかでは決してできない何か。ああ、こんなことも、あんなこともやっちゃうのね、みたいな。(あえて、ネタバレ欄にも書きません。)

    それから、アンケート用紙の内容(デザイン/レイアウト)がとても丁寧。アンケート用紙なのに、何というか、親しい人から手紙をもらったかのような錯覚のような感覚すら抱いた。“ちゃんと丁寧に、感じたことを綴りたい”と思わせてくれるデザインだった。

  • 満足度★★★★★

    がっちり作りこんでる舞台。
    これは・・・良かったなあ。。。

    話の本筋だけじゃなく、舞台の端の方でやってる小ネタまでおもしろいし・・・舞台装置・音楽・衣装などすべての要素に心が配られているし・・・勢いあるし…歌もダンスも、キャラに合わせたレベルにしてるし・・・とにかく、凄く楽しかった!!!

    この公演の後、鹿目由紀さんの関わる公演が立て続けてあるのも当然のことのように思うわ。

    あっそうそう。全ての要素を拾うには、最後尾の座席をお勧めします。
    ま、場内に入れば「こりゃ最後尾だな」なんだけど(笑)
    開場は開演30分前、最後尾列をゲットだ!!!

    芝居はミュージカル仕立て。

    楽曲を効果的に使ってる。巧く言えないけど、歌パートに入るのが楽しみというか・・・そんな感じ。上演後、何も考えず劇中歌を収録したCD買っちゃったもん(←格安です)。

    役者さんも、バッチリ役にハマってる。

    皆さん良いので、皆さんを称えたいんだけど・・・代表して、鹿目さんを。

    存在そのものが貫録あるというか・・・とにかく芸達者。
    でも、引くときは引いて、主役を引き立てるべく存在感を消すあたりもすごい!

    とにかく皆さん、とても良いキャラでした!

    観劇中も、帰りの電車でも「あおきりみかんのメンバーで、九州朝日放送の名物番組『ドォーモ』みたいな番組をやったら、おもしろいだろうなあ」って思ってた。そのくらい、多種多様で、雰囲気の良い役者さん揃いだったなあ。

    舞台に話を戻すと、けっこう着替えもあるんだけど、このあたりも注目。
    「ここまで、こだわるかァ?」ってくらいに、シーンにマッチした衣装が登場します。
    ミュージカルというだけで、稽古量が半端じゃないだろうに、よくぞここまで衣装に気を回せるもんだよなあ。

    ダンスにも歌にも同じことが言えて・・・「ミュージカル仕立て」には、歌の巧拙じゃなくて、キャラにあった歌い方・発声が必要なんだな、って思った。

    他にもいろいろと書きたいことはあるんだけど、あれもこれもになっちゃうので、ここらへんで。


    サイコー!!!!!


    ネタバレBOX

    はためいたり、しおれたりする旗に意味はあったのだろうか?笑
  • 満足度★★★★★

    あおきりみかん「湖の白鳥」観ました。
    まず入場した時点であっけに取られる(笑)。そして、あおきりらしく、単なるミュージカルにはしない意固地ぶり(笑)。ファンタジーとリアルがザッピングする構成自体が、悲喜こもごもな物語のテーマを浮き立たせる。「主人公は歌わなければならない」というダブルミーニングの深さ。歌がうまくなかったとしても、心を打つ事がある…自分を守ることの無意味さと、旅立ちへの勇気。30過ぎの方が味わい深く噛みしめられる舞台かも。もちろん、若い方もすなおに楽しめます!

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