満足度★★★★★
あまりにも素晴らしい!
会場に入ると個々の観客椅子にラップで綺麗に包んだ真紅のバラが置いてある。
およそ生まれてこのかた、真紅のバラなんてプレゼントされたことがないワタクシは、なんだかとっても嬉しくなった。そして平幹二朗主演の舞台を4000円というチケット代で観られるという設定も良心的だと思う。そのせいもあってか、この日はキャンセル待ちの観客が受付で列になって並ぶという反響振り。
以下はネタばれBOXにて。。
満足度★★★★★
「老い」ることで、向き合わなければなければならないことが、ずっしりとのしかかってくる
「喪失」「後悔」…。
そして、辛すぎる物語。
平幹二朗さんの圧倒的な存在感が、素晴らしい舞台。
満足度★★★
みた
役者陣がいいものを見せてくれた分、場面転換の雑音が残念だった。この作品には、きちんきちんとした美術より、(たとえばイキウメが得意としているような)柔軟に転換できる装置を考えた方が良かったのではと思った。
また、笑いを誘う場面が散りばめられていたから、3時間近くを乗り切れたが、一方で、本来はもっと暗く、静謐な雰囲気のまま進んでいく作品かも知れないと感じもし、少し違和感があった。一幕での人間関係の成立過程に、結構な力技を感じたが、戯曲のせいか演出のためか分からなかった。
満足度★★★★
清水脚本と平幹二朗はすごい
平幹二朗の存在感がすごい。芝居全体のバランスもよい。しかし、暗転の多さと暗転の中での場面転換の音が集中を切ってしまう。もったいない。もう少し演出を考えた方がいいのでは。
満足度★★★★★
胸打たれるほろ苦さ
観劇の前日に、清水邦夫氏の盟友でもあった蜷川幸雄氏と、同時代に新宿を拠点として活動した唐十郎氏による初の公開対話を聴きに行き、60年代後半当時の「時代の熱気」を懐かしく思い出した。
平さんは先日の劇団四季でのシャイロック役のときもそうだったか、今回も「お芝居を観た」という以上の想いが心の中に残った。
それは私自身が年をとり、「老いの苦さ」を悟り始めたことが大きく関係していると思う。
清水さん、蜷川さん、唐さん、平さんそれぞれの演劇に対する熱情を自分の中で反芻しながら観劇したという点で、感慨深い公演となった。
蜷川さんと清水さんが一緒に芝居していた当時は、映画が終わった夜9時半から新宿文化のアートシアターで上演されていたこともあり、観たことがなく、
旧作は大学生によって上演されたものを観て、とても好きになった。
いくつか蜷川演出による作品も観ているが、本作は、これまで私が観た作品とは少し違う感じの作品だった。
だが、「記憶」について書かれている点では共通している。
可児市は私の父の晩年の思い出につながる土地で、二度ほど所用で訪れたことがあり、いただいた名産品の薔薇を見て胸がいっぱいになった。
満足度★★★★★
上質な芝居に心洗われる2時間半
上質なお芝居に心が洗われるようでした。平幹二郎さんの台詞は一言一言がとても豊かで、人としての奥行までもが感じられもので、沈黙の演技から聴こえる声は、しんしんと降り積もる雪のように静かに心に落ちてきました。激情からではなく、静かに、ただ静かに言葉が降り積もるのです。不器用なまでに実直な人生には笑いも悲しみも同じように在って、それは時に微笑ましく、時に涙をさそう切なさとして、心に迫るのです。台詞の外側から伝えることの多いお芝居に、平幹二郎さんの懐の深さと色気を感じました。
「エレジー」は28年も前に書かれた戯曲だそうですが、いい戯曲は時間を超える力もあるのでしょう、すこしも色褪せてみえません。 そして、お花はいついただいても嬉しいものですね。観劇でお花を贈ることはあっても、いただくことはめずらしいので、とても、とても嬉しかったです。帰宅してさっそく花びんにうつしてあげました。可児市の薔薇園、いつか行ってみたいですね。
満足度★★★★
詩の塊
清水邦夫の戯曲は、詩の塊のようだと思う。
美しい言葉や情景が、でもなめらかでなく、ゴツゴツとぶつかってくる。
美しい舞台だったと思う。
身近にありそうな卑近な想いを、平幹二朗さんの圧倒的な存在感が、ただのホームドラマではないところに昇華してくれる。
(正直、平さん存在感あり過ぎのところも。。。(^^;)
ただ転換時間がかかり過ぎで、集中がとぎれてしまうのはちょっと。
あと、これは好みの問題だけど、もう少し抽象的なセットの方が、この作品には合う気がした。
名優ぞろいで、みなさんすばらしい演技だったのだけど、どこかにもう少し”今”の空気が欲しかった。
充分”今”に耐えられる本だと思うのだけれど。
満足度★★★★★
最高です。
名優揃いの珠玉の舞台。
平幹二郎さん。
凄い!凄い!!凄い!!!
平さんの所作。表情。背中。
そのひとつひとつがボクの体の心底まで染みていく!
どの台詞も、文学作品の名文のように吸収されていく。。。
舞台上の平さんが「プリン冷えてるか?」と言うだけで、深い意味を探ってしまいそうなくらいに、平さんの口から発せられる一言一言が深く感じられるんだよなあ(←当然のことながら、「プリン云々」のセリフはございません)。
「シブイ」という言葉が陳腐に感じるほどの存在感!
でも、堅苦しい小難しい芝居ではありません。
家族の情を描いたホームドラマといっても良いのではないかと。
普段、芝居をご覧にならない人を誘っても、充分存分に楽しんでもらえるようなお芝居です。
もちろん、良いのは平さんだけではなく・・・出演する俳優さんすべてが良い!
そして、交わされる会話のテンポ、内容ともに良い!!
舞台装置も良い!
仕掛け装置なので、暗転は長いけど、その間はストレッチができるし・・・なんと言っても、舞台の余韻に浸る時間を与えてくれるから・・・この暗転の長さは、ボクは好き。
つまり、全部良い!!!笑
あまりの至福に、ボクは思わず、販売ブースを出していた岐阜県可児市(←主催者)の薔薇ジャムを買ってしまった(笑)
東京公演初日だけあって、観客のほうも豪華。
ミーハーなボクは、休憩中のロビーでキョロキョロ周りを見てた。
何人かの俳優さん、演出家さんとは、ド厚かましくも握手していただいたけど・・・出演者のひとりである角替和枝さんの御主人には声をかけられなかった。
大大大ファンで、息子さん(二人ともご主人ソックリ)の芝居を見に行くくらいにファンなのに・・・緊張して声かけられんかった。無念じゃ!!!
あっそうそう。
座席に当日パンフに薔薇が一輪添えられています(ラッピングされてます)。
その薔薇は、決して意味深なものなのではなく、岐阜県可児市の名産が薔薇だから。
これから観劇なさる方は、薔薇をやさしく持ち帰れるようなバッグを持っていかれたほうがよろしいかと。
ま、隣の女性に手渡したい方は、ご自由に!笑
(休憩挟んでの2時間45分の芝居です)
満足度★★★★★
名戯曲と名役者のコラボ、期待に違わず
平幹二朗さんと山本郁子さんの共演にひたすら興味が湧き、観に行きました。
素晴らしい!!
大人向きの情感溢れる名舞台で、わけもわからず、何度も涙が頬を伝いました。
とにかく、キャストが素晴らしい!!これには文句のつけようもないのですが、反面、スタッフワークが、雑で、その点が非常に残念でなりませんでした。
それに、いつも感じるのですが、どうして、西川さんの演出ってこうも野暮ったいんでしょう?文学座の「モンテクリフト伯」の舞台が、あまりにも庶民的で絶句したのを思い出します。
塩子の劇中劇シーン、ちょっと目のやり場に困りました。
もっと演出の工夫で崇高なシーンになりそうな所が、非常にもったいない!!
できれば、この作品、鵜山さんの演出で拝見したかったと思いました。
客席に、1本づつ丁寧に包装されたバラの花が置いてあって、私は、家に直行するだけで、ありがたく頂戴しましたが、中にはありがた迷惑な方もいるのでは?と気掛かりでした。大きな袋とかないと、観劇中、花を膝に置いていなければなりませんし…。
たとえば、終演後に、スタッフが、お客さんに手渡しで観劇お礼を述べつつ渡し、不要な方には辞退できる機会も与えて下さった方が、せっかくのご厚意が生きるのではと感じました。
チラシのセンスもイマイチで、これでは、せっかくの佳作への誘い度が低下するように思います。