満足度★★★★
「愛」を論じて文学的
地球外知的生命体による侵略というSFサスペンスホラーの1つの典型的なスタイルをとりつつ、最終的には「愛」を論じて静かに終わるのが文学的。
また、G-up版とも青山円形劇場版とも異なる具象的な装置によって別の味わいが生まれた気がする。
満足度★★★★★
感想を見失う前に。
観劇後、即座に感想など語り合える機会に恵まれ、メモなど録るのを忘れてました…
突出して感心(生意気ですが)した部分は、文化やコミュニケーションのとり方、価値観などでなく「のり移った対象の生態が持つ言葉の意味は分かるが、概念として取得したい」という異星人(?)の発想。
言葉のもつ意味は薄っすらわかっている。
それはごく短期の一過性健忘のようでもある。
言葉と現象が繋がれば「ああ、それは知っている」と言うのだが、本質的な部分が結合しない。
これは恐ろしい。
「概念」というのは、ほとんどの人が共通して認識している場合もあり、また、ものによっては個人の価値観から形成させた「概念」もある。
感情に密接したものは後者が多いかと思う。
だからこそ、鳴海から「概念」を奪った時の激しい反射に(内面ではそこまで!)という驚きが起き、同時に受け取った真治の激しい嗚咽と続く慈愛の行動がその深さを裏付ける。
鳴海の「愛の概念」=「真治への愛」を理解した途端に、二度とそれを得ることができないと知った真治の悲しみが、痛々しかった。
「愛の概念」を理解したとき、おそらく真治も自分の中に生まれていた鳴海への愛を自覚したんだろうな…と。
最後の言葉を言いながら、ゆっくりと振り返り、鳴海へ歩いていく真治。
ここから次の物語が始まるのだという予感を与えてくれる余韻が、絶妙だと感じた。
セットチェンジ無しでも、ここまでできるのか、という妙技も堪能しました。
満足度★★★★★
やられた
ラストシーン、やられました、としか言えないくらい、最後で心をわしづかみされた感じです。あの1シーンで、まわりの人何人泣いてるの?ってくらい。役者さんもいつも素晴らしいですし。途中までは怖さだけでしたが、あんな結末を考え付く前川さんに脱帽です。前作の食べ物連鎖はちょっと自分の中ではいまひとつでしたが、今回は完璧でした。
満足度★★★★★
インベーダー・ゴー・ホーム!
演劇でSF作品が成功した例は少ない。小説のようにどこまでも読者のイマジネーションに頼ることもできないし、映画のように主にSFXによるスケールアップも困難である。下手にセットや仕掛けに凝ってもかえってチャチになるばかりだ。
必然的に、舞台を限定した日常SF、ワンアイデア勝負の作品が多くなるが、プロでもSF作品に通暁している劇団は必ずしも多くはなく、傑作が生まれにくいのが現状だ。ヨーロッパ企画の舞台など、この程度のレベルで演劇人たちが賞賛するのはどうかと疑問に思わざるを得ない。他のジャンルに疎すぎるのが現代演劇人の大きな欠点であろう。
その点、「イキウメ」に期待できたのは、タイトルで既に『ウルトラマン/侵略者を撃て!』や『ウルトラセブン/散歩する惑星』などを連想させていて(劇中、ちゃんと『ウルトラマン』にも言及されている)、観客にSFファンを視野に入れていることが明示されていたからだ。脚本・演出の前川知大の、これは観客への大胆な「挑戦」である。
結果、私たち観客は、見事に前川氏の前に「敗北」することになった。『散歩する侵略者』は、数ある日常SF、侵略SFのジャンルの中で、斬新なアイデアを盛り込んだ傑作になり得ていた。
宇宙人と地球人の邂逅を描く場合、文化の違い、価値観の違い、存在の成り立ち自体の違いから起きるディスコミュニケーションをモチーフに描くのは基本中の基本だが、ともすればそれは「どちらの文化が優秀か」という優位性の問題に収斂されがちだ。
本作の場合も、観客はうっかりすれば情動的に「“愛”の優位性」を感じて涙を流すことになるかもしれない。しかし、本質的にはこの物語は「奇跡」や「感動」を拒絶し、極めて理知的な整合性のみで成り立っていろ点に最大の面白さがある。「愛」は事態を解決する手段としては、実は全く機能していない。「愛」がもたらすものは、むしろ「混乱」なのである。
「愛は地球を救う」という陳腐な結末になりそうになった寸前で「止める」、その「抑制」がなければ、この物語は凡百な既存のSF作品の中に埋没してしまうことになっただろう。ラストの一言こそが本作のキモである。聞き逃してはならない。
未見の方には、小説版(メディアファクトリー/1400円)も出版されています。戯曲版との相違点もありますので、ご一読を乞う次第です。
満足度★★★★
気に入った
同じ舞台上で登場人物が交錯したまま別の場面が演じられたりと面白かった。
はじまり方や暗転の使い方も面白い。
話の展開も引き込まれていった。
宇宙人の認識間能力がアスペルガー的であったりしたことに面白さを感じたが、「概念を奪う」ことでの人間側の変化には観客を納得させるには少し足りなかったのではないかと思えた。
ラスト近くの妻の「愛」についての概念は、彼女のそれまでの演じ方から見ていると、それこそ愛が足りないのではないかと思えた。
「愛」なんて人それぞれだとは思うが、それこそ「概念」も個人でずれがあるのではないか、それを宇宙人たちはどうするのか、というところに穴があるように感じる。
ラストがハッピーエンドだけを感じる終わらせ方ではなかったところもよかった。
満足度★★★★★
やっぱり いい!
こういう作品ばかりだと、『演劇を観る人がどんどん増えていくだろう』と思わせてくれる作品だった。
余分なキャストも場面もなく、演出も文句のつけようもなく、しっかりと計算された芝居だった。前の席ということもあるが、役者の滑舌が良いため、聞き取れなかったセリフが一つもなかった。基本的なことも、しっかりと練習されているのだろう。
満足度★★★★★
ご時世にて
名前を言ってはいけないあの劇団、のような感じです笑。が、言いますがイキウメ(きゃー!)作品(&前川作品)は、よほどの初期でないかぎり、観てないものはないと自負している者のひとり。小劇場を脱したイキウメのセットはいつもクールで実にうまく構成されている。今回はとくにカラーの統一もあり、日々観る芝居の中で最も美術がイケてるんじゃないかと思う(大きくてメジャーな劇場のたっかいチケットの芝居をも含めて)。以下ネタバレへ
満足度★★★★
観にいけた。
雨の高速で事故るかと思った。舞台、白だったと思うが一面に塗られていて、役者の切り替えで場面を変える。結構好きな演出。ラストはわかりかけてはいたけど、ウルっときてしまいました。
満足度★★★★★
のめりこみMAX
ずーーっと余韻を引きずっている、観劇後に知り合いと
話したことも、今読み終えた台本と対談も全てがパーフェクト。
もう大好きです、イキウメ。
まだ舞台では3回しか観たことがないのだけど、
いつも人間臭いことを突拍子もない方法で表現している感じがする。
現実離れしてるけど現実。
満足度★★★★
初イキウメ
今まで行こう行こうと思いながら、行きそびれ続けた劇団です。
久しぶりの立ち見席でした。ちょっと疲れましたが、
最後まで飽きずに引き込まれました。
役者さんたちは安定感あっていいですね。
今回が初見だなんて、今まで本当に損していたなと思いました。
今度はきちっと前売り予約するぞ!っと
満足度★★★★★
観ました。
イキウメ3回目ですが、毎回はずれがなくチケットが安く感じます。話を聞くたびに前回の「散歩する侵略者」を観てみたくてたまりません。アマノ役の大窪人衛の成長がめざましいと思いました。
満足度★★★★
期待通り!
面白かったです。イキウメは冷やっとしてるのに温かさを感じさせる微妙なバランスが好きです。ようできてます。私もホロホロきましたが、隣の人は号泣してはりました。
満足度★★★★★
鳴海と真治
面白かった、最高レベルです。
普通、場面が終わった後、次の場面になります、このお芝居では、舞台中央では次の場面が進んでいる その横で、少しだけ前の場面が続きます、 台詞はありません、アルバムを見ている、本を探している、かたずけている、そこには、このお芝居の大事な部分が演じられています。 この演出で2時間のお芝居の中に3、4時間分の内容を入れることが出来ております。
決して観づらい物ではない作り方で、場面をダブらせていきます。
面白いお芝居を有難うございました。
満足度★★★★
何かが欠けている感じ
面白いのだけれど、物足りない。すっと入ってこない、想像が広がらない。宇宙人ではなくて、なんかもっと気持ち悪い何かを想像させてくれれば。。もっとイキウメならできるはず。もっとワクワクさせてよ。