Weのために 公演情報 Weのために」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★

    短編集の方を観劇
    自分というものを誰かに伝えるための手段、誰かを知ろうとする手段、落語だったり文字だったりぬいぐるみだったり
    少し不思議を混ぜた物語は知ろうとする気持ちを沸き立たせる良き触媒
    鈴木さんのひとり芝居「失われた文字を求めて」がなかなか優秀なテキスト
    たとえ文字が伝える手段としての価値を失っても、誰かに何かを伝えたいという気持ちがあるだけで意味は後から付いてくる
    馬鹿とだけ記されたラブレターだってきっとある

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/01/26 (金) 19:30

    価格3,700円

    【あなたの短編集】
    各編とも切り方が絶妙で「え、するとこの後は……」な余韻が残る。

    1編目のメタ落語はいかにも噺家っぽく「本来は即興的なものである」マクラを語り、しかし本作の場合はすべて台本通りなのであろうことを考えると「予め決められた即興」という矛盾する概念が生じて堂々巡り状態(ゲシュタルト崩壊?)に……(笑)

    2編目は生のピアノ演奏に乗せての台詞が衣装も相俟ってリリカルというかメルヘンチックというか……が、その衣装のまま1編目のアタマから三方客席の角と言おうか演技エリアと客席の境界と言おうかな位置でスタンバっているのがシュール。(笑)

    3編目の答辞のヤツは中盤の「(これは)筆というものです」という台詞でおや?と思わせ「イメージでなく実物です」と続けてやはりこれはかなり未来の設定なのか、と悟らせるのが巧い。
    また、その後の「書」も(書道経験がある訳でなく初演時に練習したとのことながら)若手前衛書家のもののような味わいがあってステキ。

    4編目はある趣味によって繋がっている4人の「お茶会」で起こる「事件」を描いており「共同体の壊し方」という感じ。ちょっとフーダニットなミステリー風味もあって独特な味わい。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/01/26 (金) 16:00

    価格3,700円

    【わたしの長編劇】
    初演時(2013年6月)は世界観的なものが強く印象に残ったが、今回はそれを踏まえていたからか「伝播型の怪談とネット社会の怖さや進歩したテクノロジーの邂逅」が印象的。
    初演は天井の低いギャラリー悠玄が悠理の引きこもりっぷりを強調していたが、今回は天井も高めで三方客席という開放的な空間での上演であることが受け取り方に影響したのかも?
    その電子怪談的な内容に映画化もされた小説、ホラーとSF各1編を想起したりも。

    ネタバレBOX

    現代的なアイテム(片やビデオ、片やネットとその時期の旬(?)のもの)を使って「コワいもの」が人々に広まってゆくことに「リング」を、AIが自我を持つあるいは故人の意思を継ぐことに「アンドロメディア」を想起。
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/01/27 (土) 16:00

    価格3,700円

    13時から吉祥寺シアターで演劇を1本観てから移動。
    そして16時1分前に『絵空箱』に到着。ふー、こんなにギリギリはさすがに初めて。
    公演の案内パンフも貰えなかった(うぐぐ)。1ドリンクも帰りに忘れた(ううう)。

    松澤くれはさん脚本演出作品はこれで3度目。
    「わたしの、領分」「私を知らないで」と一人称が続きましたが、今回はWe。

    今回も含めて共通しているのは、くれはさんの作品は「余白が多い」。
    通常「沈黙が多い」と表現するのでしょうが、私は余白と表現したい。
    理由は特にないがこのほうがくれはさんの作品にはフィットする気がしてならないからだ。

    ではなぜこの「余白」がいいのか。まずは余計な台詞を流し込まないことである。
    物語の背景など「説明がくどい」作品は思ったほど面白くない。丁寧に何かを訴えたい気持ちはわかるが、意外にもその説明は作品の鮮度を下げる。

    思うのだが、少し客は理解しないぐらいで物語は進んでもいいと思う。
    客が考える力やその楽しみを味わってもいいと思うからだ。
    しかし限度はある。スピードだ。あまりにも台詞回しが速く、客に考える隙間なく物語が進んでしまっては「何をこの作品は伝えたいのか」全く分からなくなる。10分でその作品は腐る。

    話は戻すがくれはさんの作品はその「余白」が客に考える時間を与え、シーンひとつひとつをきちんと飲み、次の展開を凝視することができる。つまり食いつく、演者と客が近づくいい空気感がこのときだ。これは凄い御馳走だ。

    今回は短編集のみの観劇。
    どれもよかった。
    『あたしのまくら』江幡朋子
    『あなたの月が消える前に』菅井育美 種村幸 福富朝希
    『失われた文字を求めて』鈴木朝代
    『生きているって知っていた。』江幡朋子 菅井育美 鈴木朝代 種村幸 福富朝希

    まずビジュアルのお話し。全て女性。全て美人。くれはさんうらやましい。
    そして作品のお話し。どの作品も好き。嫌いなし。特に好きなのは最後のむいぐるみオフ『生きているって知っていた。』。

    くれはさんはこんなミステリーも書けるんですね。「人の心にある恐怖」をこの角度で演じたのがよかった。新しさもあるけど、何かを訴える力が強いのが満足感。
    それに演者の皆さんが凄く役にフィットしていた。

    10月に「わたしの、領分」が再演されるが、いまから楽しみだ。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2018/01/27 (土)

    27日16時の回『あなたの短編集』(80分)を拝見。

    ネタバレBOX

    4本の短編に関して、それぞれに感想を述べると…

    最初の『あたしのまくら』は、今回、唯一、自分の理解の範囲内にあった作品。
    当初、滑らかだった江幡朋子さんの口調がだんだんと押し寄せる感情に心もとなくなっていき…「まくら」で流れを断ち切ったラストが、その後の「演目」への想像力を掻き立てた。
    ストーリーとは別の意味でだが、江幡朋子さん、「女流」落語家の「女流」を武器にせずとも高座に立てる資格、充分かと。八つぁん・熊さんの長屋モノ、一度、マジで聴かせてもらいたいなぁ。

    2本目の『あなたの月が消える前に』は、オスカー・ワイルドの『サロメ』に捧ぐ詩、とのことだが、当方の読解力不足のせいか、『サロメ』と相通ずる雰囲気にただ浸るのみで終わってしまった。
    そんな観客なもんでぇ、自席すぐそばにおられた、「美少女」な福富朝希さんをただ見つめるためのみに伸ばした首を、いきなり斬られてお盆に載せられても、あんまし文句は言えねぇなぁ。

    3本目『失われた文字を求めて』は、鈴木朝代さん演じる女子高生の、良い意味でのはっちゃけぶりが印象的で、そんな彼女が卒業式で蘇らせた「奇跡のコトバ」には思わずニヤリ。
    ということで、今度、限定の「鯛とあさりだしの塩らぁめん」でも食べに、あのノリの鈴木さんがおられる、らぁめん山と樹さんに足を運ぼうかなぁと。

    ラストの『生きているって知っていた。』。
    「悲劇」の動機は、結局、謎のままで残ったが、それはそれで、各々の観客の想像力に委ねるって意図なのだろうか。余韻が残る、というよりも消化不良な感じがした。
    あと、江幡朋子さん除く4人の女優さん、私の思い過ごしかもしれないが、リラックスした雰囲気の愉しいお茶会であるはずの序盤から、中盤以降の「熱演」に備えて、グ・グ・グッとチカラがこもっていたような印象を受けた。
    ところで、リアルな世界での自分にとっては、何がアノ「ぬいぐるみ」に当たるんだろう?…上演中、ストーリーの本筋とは離れたところにも想いを巡らせた作品だった。

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