満足度★★★★
鑑賞日2018/01/26 (金) 19:30
価格3,700円
【あなたの短編集】
各編とも切り方が絶妙で「え、するとこの後は……」な余韻が残る。
1編目のメタ落語はいかにも噺家っぽく「本来は即興的なものである」マクラを語り、しかし本作の場合はすべて台本通りなのであろうことを考えると「予め決められた即興」という矛盾する概念が生じて堂々巡り状態(ゲシュタルト崩壊?)に……(笑)
2編目は生のピアノ演奏に乗せての台詞が衣装も相俟ってリリカルというかメルヘンチックというか……が、その衣装のまま1編目のアタマから三方客席の角と言おうか演技エリアと客席の境界と言おうかな位置でスタンバっているのがシュール。(笑)
3編目の答辞のヤツは中盤の「(これは)筆というものです」という台詞でおや?と思わせ「イメージでなく実物です」と続けてやはりこれはかなり未来の設定なのか、と悟らせるのが巧い。
また、その後の「書」も(書道経験がある訳でなく初演時に練習したとのことながら)若手前衛書家のもののような味わいがあってステキ。
4編目はある趣味によって繋がっている4人の「お茶会」で起こる「事件」を描いており「共同体の壊し方」という感じ。ちょっとフーダニットなミステリー風味もあって独特な味わい。