満足度★★★★
鑑賞日2018/01/27 (土) 16:00
価格3,700円
13時から吉祥寺シアターで演劇を1本観てから移動。
そして16時1分前に『絵空箱』に到着。ふー、こんなにギリギリはさすがに初めて。
公演の案内パンフも貰えなかった(うぐぐ)。1ドリンクも帰りに忘れた(ううう)。
松澤くれはさん脚本演出作品はこれで3度目。
「わたしの、領分」「私を知らないで」と一人称が続きましたが、今回はWe。
今回も含めて共通しているのは、くれはさんの作品は「余白が多い」。
通常「沈黙が多い」と表現するのでしょうが、私は余白と表現したい。
理由は特にないがこのほうがくれはさんの作品にはフィットする気がしてならないからだ。
ではなぜこの「余白」がいいのか。まずは余計な台詞を流し込まないことである。
物語の背景など「説明がくどい」作品は思ったほど面白くない。丁寧に何かを訴えたい気持ちはわかるが、意外にもその説明は作品の鮮度を下げる。
思うのだが、少し客は理解しないぐらいで物語は進んでもいいと思う。
客が考える力やその楽しみを味わってもいいと思うからだ。
しかし限度はある。スピードだ。あまりにも台詞回しが速く、客に考える隙間なく物語が進んでしまっては「何をこの作品は伝えたいのか」全く分からなくなる。10分でその作品は腐る。
話は戻すがくれはさんの作品はその「余白」が客に考える時間を与え、シーンひとつひとつをきちんと飲み、次の展開を凝視することができる。つまり食いつく、演者と客が近づくいい空気感がこのときだ。これは凄い御馳走だ。
今回は短編集のみの観劇。
どれもよかった。
『あたしのまくら』江幡朋子
『あなたの月が消える前に』菅井育美 種村幸 福富朝希
『失われた文字を求めて』鈴木朝代
『生きているって知っていた。』江幡朋子 菅井育美 鈴木朝代 種村幸 福富朝希
まずビジュアルのお話し。全て女性。全て美人。くれはさんうらやましい。
そして作品のお話し。どの作品も好き。嫌いなし。特に好きなのは最後のむいぐるみオフ『生きているって知っていた。』。
くれはさんはこんなミステリーも書けるんですね。「人の心にある恐怖」をこの角度で演じたのがよかった。新しさもあるけど、何かを訴える力が強いのが満足感。
それに演者の皆さんが凄く役にフィットしていた。
10月に「わたしの、領分」が再演されるが、いまから楽しみだ。