全段通し 仮名手本忠臣蔵 公演情報 全段通し 仮名手本忠臣蔵」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
1-10件 / 10件中
  • 満足度★★★★★

    3時間、休憩1回。簡素な道具を駆使、簡素な衣装と相まって主張しすぎないつくりが、原作の良さを引き立てる。最初は時代言葉にとまどうも、四段目あたりからは気にならなくなった。予備知識があるとよく楽しめるので、鑑賞に当たっては「忠臣蔵」ではなく「仮名手本忠臣蔵」の予習を強く推奨する。

  • 満足度★★★★★

    花5つ星 必見!
     2011年中津川での初演から毎年朗読形式で上演されてきた今作だが、

    ネタバレBOX

    今回は、初めて台本を持たず、演劇形式での上演である。構成・演出・美術は、遊戯空間を主宰する篠本 賢一氏。シンプルだが、工夫の行き届いた美術に、今回は下手に和楽器、上手に洋楽器のチェロを配した生演奏で、実力のある演奏家たちの作品内容に合った音曲を聴きながらの観劇である。今回は、声の良い役者を集めることにも意を用い、シンプルな舞台装置故に、多彩な彩を盛り込み、象徴や観客のイマジネーションを生み出す種を提示することで抽象的でありながら、実に雄弁な舞台を作り出している。役者陣のレベルが高いこともあり、武士道の理の持つ残酷さに対して、人の情の多用な襞が浮き彫りになり、いやがうえにも観客の魂に食い込んでくる。音曲・照明の効果的で頗るセンスの良い演奏・技術が更にこの効果を絶大なものにする。
     オリジナルテキストが人形浄瑠璃の為に書かれたものであり、史実としての赤穂浪士の討ち入りがあった約50年後に、本当は武家体制批判として書かれた作品であるから、わざと時代をずらし、場所も鎌倉に移してあったりするし、登場人物の名なども無論、史実を類推できるが、実名は使われていない。まして、歌舞伎の演目として全十一段のうち、演じられる段は、実は余り多くなかった。全段通しは、遊戯空間が朗読形式で毎年演じてから、少しずつ広がってきているのだ。更にジャニーズではないが、歌舞伎の場合は、時代、時代の花形役者を引き立たせる為に、実に多くのアドリブが入ってしまって、全体としての統一に問題が生じることが多い。これらの弊害を避ける為に、遊戯空間では人形浄瑠璃オリジナルのテキストを用いているのである。実際、江戸時代の科白で語られるので、最初は少し戸惑う向きもあろうが、ついつい引き込まれて見ているうちに、数百年の時の差が言葉に与えた変化は問題でなくなる。そんなことより描かれている内容の普遍性が、演者・演出・効果などの統合によって観る者の内部にカタルシスを起こし、実に感動的な浄化を成し遂げてくれる。必見の舞台だ!
  • 満足度★★★★★

    3時間と聞いて長そうだと思いましたが、終わったら短く感じました。
    区切りがあるので観やすく、脇にいる人の説明で状況がわかり、入場時のチラシのあらすじでおぼろげだったことが、劇の進行ではっきり分かって繋がりました。
    衣装や舞台の簡素な作りが、ちょっとした工夫で着物になり羽織になり、場所が変化するのも驚きでした。

  • 満足度★★★★★

    長すぎがの作品を引き締まった三時間の現代的演劇にまとめていて、楽しめました。楽器も、適度に活躍。

    歌舞伎もいつか拝見したいところです!

    ネタバレBOX

    お軽と勘平の話。主君のピンチに間に合わなかった。お軽は、身を売る。その金は、仇討ちグループになかなか届かない。お軽の父親は、盗賊に襲われる。その盗賊を、勘平は撃ち殺して、なにくわぬ顔で、仇討ちの資金に差し出す。しかしながら、お軽の母親は、勘平こそとんでもない食わせ者だと騒ぎ出す。窮地に陥った勘平は、自害に追い込まれるが、死ぬまぎわに、身の潔白は晴れた。やがて、義士列伝に加えられることになるのであった。

    チェロ・笛・太鼓に、やたら聴き取りにくい古典調、しかし、さっそうと義士が討ち入りを果たすと忠臣蔵だなあと感じる。
  • 満足度★★★★★

    始めは時代言葉に戸惑い私にこの芝居が理解できるかと危惧しましたがだんだん違和感がなくなります。6枚のパーテーションを使いこなしいろいろな場面に変化させています。3時間夢中で観てくたびれました。ともかく面白かったの一言に尽きます。役者さんたちの演技力もさすがです。

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2017/02/16 (木)

    歌舞伎の派手な衣装と違って、地味などっちかというと文楽の人形遣いみたいな衣装(もちろん顔は出してます)。長い話の本質だけが心に伝わってきます。ときどきテレビの歌舞伎放送で仮名手本忠臣蔵の一部を拝見しましたが、勘平が何で主要な配役なのかわかりませんでしたが、この芝居でようやく理解できました。竹本の語りはテレビで字幕がないと聞き取れませんでしたが、この舞台ではなんとなく全部判ったつもりで観劇できました。これで仮名手本忠臣蔵ってこんな話だぜ、って周りに吹聴できます。

  • 満足度★★★★★

    ジグソーパズルのように11個(段)のピースをはめ込むことによって物語全体(主筋)が観えてくる。もっとも一つ一つのピースが大きいこともあり、その一片(脇筋)だけでも楽しめる内容になっている。
    この仮名手本忠臣蔵は江戸・元禄14年に起きた赤穂事件の史実を基に、それから47年後に注意しながら著されたもの。当時は幕府批判になることから、事件の場所、人物名などを変えて上演している。本公演はその魅力を余すことなく全段を観せる。
    (上演時間3時間 途中休憩10分)

    ネタバレBOX

    舞台セットは、可動式(キャスター付)衝立6枚を自在に動かし、その並びや色合い(衝立に単色の布を掛け)を変えることで情景・状況を描き出す。また小物(扇子など)は、脇差、文などをイメージさせるなど、状況をわかり易くしている。

    この道具に対して、衣装はその状況下にある登場人物は皆同じような物を着ている。赤穂浪士という装束による「制服時代劇」は、その制服に象徴される帰属意識こそ、和合と結束を尊ぶ日本人の心をつかむ。また敗者(弱き者)を美化することを好む日本社会特有の精神的傾向を最も顕著に表している物語。その外見ではなく、役者の体現を通して人物像を表現している。(浄瑠璃)形式なのか、その歩き方や所作はある型のように思える。しかし伝統的な芸能を模しているが、そこには自由度、創意工夫を凝らした面白さを観ることが出来る。

    一段ごとは個々の人物状況、例えば早野勘平・お軽という浪士とその女の挿話という視点で観て取れるが、全段を通して観ると、そこには当時の武家社会という視座に変わってくる。至誠を全うする死生観、そこにある武家社会の理不尽さが江戸町民の好奇によって支えられている。

    大序から討入りまで、エピソードを割愛することなく全ての段を網羅して主要人物を漏らさず登場させた、という。浅草の舞台ではリーディングであったが、本公演は”聴く”という魅力に”観る”という視覚の刺激を加え、より物語を分かり易くしていた。もっとも視覚に訴えることは、その観たことが全てで、物語の情景なりを想像するという楽しみは少なくなるが...。それでも初めて「仮名手本忠臣蔵」を堪能するのであれば、本公演の試みは素晴らしいと思う。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    佐々木梅治に☆5つ!大星もよかったが、なんといってもお軽の母!あのまま歌舞伎座の舞台でやってほしいほどである。チェロを使った音楽、着物風の衣装(着物だと所作が難しいので正解)、障子のような板を使った舞台転換などとてもセンスがよい。ただ肝心のセリフ部分が朗読から抜けでられていなかったのが残念。特にト書きを俳優が読むのは演劇としてはどうかな?もっともこれも俳優の演技力によって差があるが、ベテランさんたちはやはり皆素晴らしかった。

  • 満足度★★★★

    忠臣蔵の内容をほとんど知らないまま観劇してしまったため、古典の言い回しなどわからず戸惑いましたが、迫力の演技と衝立の使い方に魅せられました。
    きちんと理解してから見たらもっと面白かっただろうと後悔・・・

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2017/02/19 (日)

    とてもよかった。迫力があり、演出も光っていた。

このページのQRコードです。

拡大