「ヴルルの島 」 公演情報 「ヴルルの島 」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-20件 / 40件中
  • 満足度★★★★★

    心が温まる、最高のクリスマスプレゼントでした。

  • 満足度★★★★★

    2度目の観劇
    普段なら芝居は一度しか観に行かないが、初日を観てからどうも気になってもう一度観に行った。初日もいいと思ったが、観る場所が違ったせいか初めて見る芝居のような感覚になった。それも初日よりずっといいような。観るたびに違った感じがし、さらに心に残るとは不思議な劇団だ。新宿の公演はどんなだか気になる。

  • 満足度★★★★★

    ヴルルの島2回目
    見る場所によってこんなに世界が変わるのね!!普通に向こうに舞台があって、こちらが客席という作りの劇場でも座る場所によってだいぶ印象が変わったりしますが、おぼんろの舞台は劇場の全て。語り部が縦横無尽に駆け回り、お客さんの前後左右はもちろん上下にも出没します(今回は下はありませんが、思いがけないところから登場!)。そしてお話に引き込まれていくのです。

  • 満足度★★★★★

    ヴルルの島
    前説の一部ではないけれど「どこに座ったらいいんでしょ!?」と言うのも楽しいおぼんろのステージ。寓意に満ちた切ない物語。次はどのあたりに座ろうかな。

  • 満足度★★★★★

    心を温めてくれるロボット
    広い会場でゆっくりと楽しめるのはやっぱりいい。そして今回、何より印象に残ったのはあのニヒルな役が多かったとしもり氏のロボット。いやはや、こんな役も難なくこなす、というより元からこの役がはまり役だったのかと思うほど。軽い笑いをあちこちに散りばめてくれ、ほんとに心が温まる。それだけ観に行ってもいいくらいだ。ユニークな演技のりんぺい氏と合わせて、きっと観に行くたびに違う笑いを楽しませてくれるのだろう。また絶対観に行こう。

  • 満足度★★★★★

    その心意気がいいね
    おぼんろの公演を観に行っていつも思うことだけど、何とか少しでも参加者を楽しませてあげたい、という思いがそこにある。今回も、またそんな舞台。演技はもちろん、ユニークなアイデアで存分に楽しませてもらった。笑いと涙、その両方が楽しめるおぼんろの舞台は、何度行っても飽きない。

  • 満足度★★★★★

    期待を大幅に飛び越えていった。
    約1年半ぶりのおぼんろ。
    おぼんろなら面白いものを見せてくれるだろうと
    期待はしていたが、予想のラインを大幅に飛び越えて行ってくれた。
    川崎プラザソルには以前いったことがあるが、
    なんの特徴もないただの箱だった。
    しかし、おぼんろの手にかかれば、ここがテーマパークになってしまうのだ。美術の竹邊奈津子のセンスは逸脱している。
    開場すれば、役者達が客を迎えるスタイルも変わらず、会場中に暖かい空気が生まれる。
    開演前の役者達と触れ合う機会があるゆえに
    おぼんろの 役者=語り部 が 「演じる」ではなく「物語る」 という事にリンクするのだろう。 
    語り部たちの衣装はパダラマジュグラマの時に衣装を担当していた永田光枝。より物語の世界観を高めている。
    主宰の末原拓馬の父である末原康志が作った劇中曲も素晴らしい存在感で物語を牽引する。
    そして、そのすべてにも負けずに存在する語り部達。

    演劇を好きであるならば、
    時間を見つけこの物語に参加した方がいい。
    あなたが見てきた演劇の常識をぶち壊すモノを見ることができるから。

    ネタバレBOX

    前半戦では小気味良いテンポで笑いをちりばめながら進むのだが、
    終盤のどんでん返しに、思わず目と耳を疑う。
    悲しい過去を持つ島で出会った、悲しい過去を持つ人間達と機械人形。
    涙なしには見られない。
  • 満足度★★★★★

    2回目の参加
    前回とは反対側の席から観る。
    ストーリーが判ったところで、今回は一人ひとりの台詞と声に集中して観たかった。
    わかっているのにやっぱり泣けちゃうんだよなぁ。
    それと今作品のビジュアルの美しさは必見。
    一人ひとりの衣装やかつらなどがぴったりハマって、作品の世界観を見事に表現している。
    創意工夫でしのいできた時代も素晴らしいが、このセンスと美しさも素晴らしい。


    ネタバレBOX

    おぼんろの魅力のひとつは、5人の役者さんがみな自立していることだと思う。
    脚本の末原さんが生み出したイメージに対して、他の4人は与えられたキャラを
    自分で構築していく、掘り下げていく、立ち上がらせ動かしていく。
    演出は、その5本の糸を縒り合わせてひとつの世界を創り出す作業だ。
    その結果がこの舞台であり、骨太なメッセージになる。

    トリツキ(わかばやしめぐみ)がシオコショウ(さひがしジュンペイ)に言う、
    「私はあなたがいないと生きていけないけど、あなたはそうじゃない、お勤めご苦労様」
    という台詞には、「死んだお前の兄貴に、トリツキは俺が守ると約束したんだ」という
    男に対する“寂しい抗議”のような女心がにじんでいる。
    シオコショウもまた、“大切なものを奪われる恐怖”を知ったと告白する場面で
    男の心情と弱さをストレートにさらけ出す。
    こういうところに微妙な大人の味わいがあってとても好きだ。

    ホシガリ(末原拓馬)とジャジャ(高橋倫平)の、次第に距離が縮まって行くあたりが良い。
    ジャジャが語る島の歴史に、「しんどいな」というホシガリのぶっきらぼうな共感が
    言葉少ないだけに深く伝わってくる。

    アゲタガリ(藤井としもり)の台詞の一定の音程、鼻歌さえも計算された音程で
    ロボットっぽく機械的でありながら台詞の絶妙な間が秀逸。
    終盤「タスケテアゲル」と船を下りるアゲタガリに、ホシガリが大切な笛を渡したとき
    「モラッテアゲル」と応じる台詞に万感の思いがこもると感じた人は多いと思う。
    ボロ泣きさせる素晴らしい間のひとつだった。
    アゲタガリ、どこかデヴィッド・ボウイを思わせるビジュアルが素敵。

    どんな芝居も好みは分かれるものだが、おぼんろは唯一無二のスタイルを確立した。
    次は“路上精神”と“劇団運営”の折り合いのつけ方だろう。
    そこをどんな風に見せてくれるのか、主催の才能とセンスを信じて期待している。
    この先メンバー5人が全身全霊で表現するものを見逃がしたくない。
  • 満足度★★★★★

    ロボットに笑いロボットに泣く
    大変完成度の高い作品。ビジュアルと音楽の美しさ、陰影のあるキャラ、
    ドラマチックなストーリー展開と、全てがそろった素晴らしいエンターテイメント。
    ポンコツロボット「アゲタガリ」のキャラはとしもりさんの新たな当たり役だと思う。
    無表情と少ない台詞でボロ泣きさせる、“ズルい”キャラだ。
    別サイドからもう一度観たいと思わせる空間の使い方も秀逸。

    ネタバレBOX

    中央には小高いスペース、そこから四方に伸びる通路、
    通路の先にもまた高さのあるアクティングスペースが設けられている。
    いつもより少し広めのスペースで客席もゆったりしている。
    役者が駆け抜ける風を感じながらの観劇が心地よい。

    美しい世界にゴミは相応しくないと、人々はゴミ捨て場を探し
    見つけた場所がヴルルの島だった。
    原住民を殺戮して島を征服、そこにあらゆるゴミを船で運んで棄てるようになった。
    その船に、追われる盗人ホシガリ(末原拓馬)が逃げ込む。
    船はそのままヴルルの島へ到着、ホシガリはそこで奇妙な仲間たちと出会うことになる。
    しかし彼らもまた哀しい歴史を背負い、復讐の炎は消えていなかった。
    彼らの本心は、そしてホシガリの意外な出自が明らかになる…。

    現実の世界を映すような“美しい世界とゴミの島”という設定がまず説得力ありまくり。
    見たくない物は見えなくすればいい、欲しい物は奪ってやる、という現代人のエゴと
    力で制圧され、幸せを奪われる弱者の心が見事なコントラストを見せる。
    ホシガリの、奪っても奪っても「これは俺の欲しい物じゃない」という虚しさがあり、
    生き残った原住民ジャジャの、復讐に燃えながらも
    島の外の世界を見たいという素朴な欲求があって
    みな矛盾と葛藤の中で生きていることをうかがわせる。

    島の怪物“壊れかけの軍用ロボット”のキャラが素晴らしい。
    藤井としもりさん演じるこのロボットは、「コレアゲル」とゴミのようなものをあげたがる。
    スターウォーズに出てくるロボットみたいだが、寡黙で大事なことしか言わない。
    素のとしもりさんを想像させて、どこか愛らしく、不器用な鼻歌は絶品。
    彼の最期が、ターミネーターのシュワちゃんばりに自己犠牲を厭わず、
    淡々と島に残る選択をするところにボロ泣きさせられた。
    機械であるはずのアゲタガリが、完全にヒトと化している。
    あれでラスト、もう一度あの鼻歌が流れたりしたら
    泣いちゃって立ち上がれなかったと思う。
    無表情なロボットのブレないキャラが、実はこの物語の中心だった気がする。

    さひがしジュンペイさん演じる、元はヴルルの島を攻略した軍人で、
    今はゴミを運ぶ船の船長が渋くて疲労感あり、でとても良かった。
    初めて大切なものを失う恐怖に駆られるところ、ダークな顔でありながら
    実はピュアな心を隠しているというキャラがぴったりでとても良かった。
    メンバー5人が並んだ写真のビジュアルが素敵で、
    この人の今後の役どころに期待が高まる。

    わかばやしめぐみさんは、精霊(?)に憑りつかれる女と、憑りつく側の精霊の二役、
    メリハリある台詞で演じ分けが見事。
    全身真っ白な衣装も美しく、この点は予算が増えて楽しくなったなあ。
    「トナカイ」と「仲居」には爆笑したが、こういうところにもめぐみさんのすごさが現れる。

    高橋倫平さん演じる原住民のジャジャ、今回もまた普通の話し方が出来ない役で(笑)
    大変だったとは思うけれど、衣装も可愛くて大好き。
    相変わらず身体能力の高さをちらりと見せて、謎めいた存在の効果絶大。
    復讐を貫くことが出来ない代わりに、仲間を得て新しい世界へ踏み出す、
    でもその前にストレートに号泣するジャジャには感情移入せずにいられない。

    末原拓馬さん演じる盗人「ホシガリ」は、稼業のわりに育ちの良さが出ていて
    素の拓馬さんを彷彿とさせるキャラが面白い。
    今回の作品には、身勝手な現代人の価値観に対する痛烈な批判と同時に
    奪う側と奪われる側、双方の矛盾と葛藤が描かれている。
    ファンタジーに人間の本質を潜ませる、この素晴らしいスタイルを、
    これからもあっと驚く設定で見せて欲しいし、魅せてくれるものと期待している。

    4人が島を脱出して無事帰れるといいなあ。
    そして「アゲタガリ」がいつかどこかに流れ着いて、ガチャリと動き出さないかなあ、
    とずっと思っている。




  • 満足度★★★★★

    おぼんろさんの物語に初めて参加させて頂きました。観劇初心者につき、非常に驚く事、楽しい事ばかりでした。参加者は老若男女と幅広く、物語を共有出来たことはとても貴重な体験でした。パンフレットだけでなく台本も購入すればよかったと後悔しきりです。何度でも観たい。

    ネタバレBOX

    トリツキの少女としての愛らしさは神がかっていて、後半の慟哭と、皆の幸いを願う言葉を紡ぐ様子に胸が潰れそうでした。アゲタガリの夢と修羅場と結末までの展開、ホシガリの苦悩・自省からの変化、ジャジャの本心の吐露と激しい葛藤、そしてシオコショウが終始兎に角格好良く大人の魅力に溢れていて、非常に素晴らしかったです。
    ただ極めて個人的な好みの話になりますが、誰かが犠牲にならねばならない物語の一員となる事は、些か辛い事でした。有り体に言うと、アゲタガリも一緒に脱出できなかった事が悲しくなりました。アゲタガリが、ホシガリ達を救った事で幸せを得た事はわかるのですが。複数回参加すれば見方が変わるのかもしれません、諸事情で1回のみの参加となった事が悔やまれます。もっと早く参加すれば良かったです。
  • 満足度★★★★★

     「想像して下さい」

     いつものように、末原拓馬さんのこの言葉から、物語の入口へと導かれる。

     閉じた目蓋の裏に広がったのは、X'masの夜の森にふわふわの毛に縁取られたフードの付いた真っ白なコートを着て佇む自分の姿。

     白いブーツの足の裏を地中に孕んだ熱がほのかに伝わり、空から降り注ぐ雪のような銀色の月光を仰ぎ、雪の匂いのする風に一瞬目を閉じて開けば、そこは星の砂が敷き詰められた浜辺。

     コツリと爪先にあたる感触に、目を凝らせば、銀色の巻き貝。しゃがんでその銀色の小さな巻き貝を掌に乗せると、銀色の光を放ち、空に光が矢のように真っ直ぐに迸り、掌の銀色の巻き貝は、クリスタルに変わり、水彩絵の具の赤と緑と銀色のX'mas色の3色が互いの色の境界線を滲ませて、染まる見たことのない、美しい巻き貝へと変わっていた。

     頬にポツリと感じた冷たい感触に、空を見上げれば、真っ白い雪が一片、二片と地上に舞い降り、一片の雪が眩い光を放ち、全てが真っ白になり、目を開き現れたのは、『ヴルルの島』の物語の世界。

     昔々、或いは遠い未来、もしくは今現在のどこかの物語。

     物心ついた時から独りぼっちだった孤独な盗人ホシガリはある日、追っ手に追われて命からがら港に泊まっていたシオコショウと、シオコショウが面倒を見て行動を共にしているトリツキの乗っていた船に乗り込み、積み荷ごと船を奪って逃げようとしたが、それは世界中のゴミが捨てられる島に向かう船だった。

     広すぎるほど広い海を渡りようやく辿り着いたのは、見渡す限りゴミの山が広がるヴルルの島だった。

     ヴルルの島でホシガリは、誰かに何かを贈りたいと願う怪物アゲタガリと、自分のすることを手伝えば、船でホシガリが居た場所に返してあげるという島の民ジャジャと出会い、島の星たちに見降ろされ、傷ついた者たちの奇妙な生活が始まる。

     そして、島にまつわる悲しく残酷な過去が明らかになった時、最後に待っていたものとは....。

     こんなにも切なくて、こんなにも美しく、温かい物語があるだろうか。

     末原拓馬さんだから紡ぎ出せた物語、おぼんろだからこそ紡げた物語。

     船に乗り込んで来たホシガリを上からの命令で処分しようとするさひがし ジュンペイさんのシオコショウは、トリツキと自分が生きてゆく事しか考えていない無情な人間の見えながら、ホシガリがヴルルの島をゴミの廃棄所にする為に先住民と戦った時の上官の息子であること、戦争への後悔の念によって、気を狂わせホシガリの父の最後の姿を見ていたシオコショウのホシガリに対する思いと、ずっと面倒を見続けているトリツキが自分にとってかけがえのない存在だと知った時のシオコショウの中にある、後悔による苦しみと温かな情が胸にしみじみと迫って来た。

     そんな、シオコショウとはうって変わった、さひがしさんの弁士。毎回、物語の何処かしらに現れて、会場を笑いの渦に包む弁士。

     私もそうなのだけれど、この弁士の登場を毎回楽しみにしているおぼんろファンは多い。弁士のさひがしさんは、実にイキイキと楽しそう。

     この弁士の登場する場面は、正に塩コショウのように、いつも、最後は感動の涙にくれるおぼんろの物語を引き立てるスパイス。

     その弁士の場面に登場して更に花を添え盛り上がるのが、わかばやし めぐみさんの毎回何が飛び出すか分からない、コスプレ。

     わかばやし めぐみさんの幼い少女のような心と言動をするトリツキ。その純粋無垢な心ゆえ、トリツキの口を通して、ジャジャに死者の霊を慰めるため、ホシガリを生け贄に捧げる儀式の準備をするように告げるヴルルの島の女神にこの島に来る度に、躰を貸してしまうという純真無垢で、儚いような愛しさを感じるトリツキとは、うって変わって、弁士の場面に登場するめぐみさんは、今回はトナカイ姿で、思いっきりキュートに楽しく弾けていた。

     今回のトリツキ、可愛くていとおしくて、とても素敵でした。

     高橋倫平さんの島の民ジャジャは、戦争によって、亡くした家族の霊を慰める儀式の為に、家族の命を奪った兵士の息子であるホシガリを生け贄に捧げるため、騙そうとするが、ホシガリと共に生活しているうちに、情が湧き、ホシガリもまた、気が狂い、人に与えても蔑まれ、馬鹿にされ、奪われて死んで行った父に、必要とされていないと感じ、与えても奪われるなら、奪って生きてやると盗人になる程に孤独で、傷ついていたことを知るに至って、ホシガリの命を奪えずに葛藤する姿が胸に痛かった。

     藤井としもりさんのアゲタガリ。登場人物の中で、今回一番好きなキャラクター。

     戦争のため、殺人兵器として作られながら、いつしか人間のような心を持ち、人を殺めることを止め、ホシガリの父の遺言で、ただホシガリの幸せを祈り、ホシガリを幸せにすることだけを思い、ホシガリが来ることを待ち続けていたロボット、アゲタガリ。

     上機嫌だと鼻歌を歌い、常に人に与えようとするアゲタガリ。次第に心を開いて行ったホシガリに、常に与え続けたアゲタガリは、ホシガリの父の姿でもある。

     最後に、ホシガリたちを助けるため、ひとり島に残って、島から船出するアゲタガリの後ろ姿は、寂しさを覗かせながらも、ホシガリが幸せになることへ満足したような、ホシガリの幸せだけを願う優しさと明るさを感じさせて、温かい気持ちになった。

     アゲタガリが本当に可愛くて、切なくて、愛しかった。

     末原拓馬さんのホシガリは、奪うことで、自分の抱えきれないほどの孤独と痛みから逃れようとしているようで、せつなきった。

     末原拓馬さんのホシガリの孤独の深さに胸が詰まる。信じて心を開き始めていたジャジャに、騙されていたと知った時の深い孤独、けれど、ホシガリを騙し切ることが出来ず、ジャジャもまた、ホシガリに心を開き、心に芽生えた情を裏切る事が出来ず、ホシガリたちと共に島を出ることを選んだジャジャを見て、ジャジャに討たれてもいいと変わってゆくホシガリの姿に、微かにでも人を信じる気持ちが芽生えたこと、ホシガリの孤独がジャジャとただただ、ホシガリの幸せだけを願い、無償の愛を向け続けたアゲタガリによって、優しい気持ちを心に灯し始めたホシガリとアゲタガリの最後の場面が胸に切なくも温かった。

     あなたにとって大切なものは何ですか?大切な人は何ですか?

     私にとって、大切なものとは何か、大切な人とは誰か。

     その事をずっと考えていた。

     元をただせば、美しく暮らしたいが為に、自分達で処理できなくなったゴミをヴルルの島に捨てる、ごみ処理場所するために幸せで穏やかに暮らしていた、ヴルルの島に戦争を仕掛け、先住民からその島を奪った、人間の身勝手がジャジャたちからたくさんの大切な人と物を奪ったゆえの悲劇。

     だからこそ、ただ相手の幸せを望み、惜しみなく与えるアゲタガリの姿に涙が溢れて止まらなかった。

     書いている今も、思い出すと涙が零れる。

     末原拓馬さんからも、「長いの書いてね」と言って頂いたので、今回も長いぶろぐになりましたが、観ている間中、ずっと涙が止まらなくて、最後は声を溢して泣いていた。

     クリスマス・イヴに観た、おぼんろの紡ぐ切なくて美しい物語、『ヴルルの島』は、一生心に残るクリスマス・プレゼントでした。


                    文:麻美 雪

  • 満足度★★★★★

    1回目より2回目、2回目より3回目
    通常の演劇とは違いおぼんろは
    舞台に客席が囲まれています。
    色々な場所に役者が現れ、
    前後上下左右に顔を振らないとそれを全部収めることができません。
    座る位置によっては、役者が本当に手の届くほどそばにいて、その臨場感は他の演劇には類をみません。
    座る位置が違うだけで、見え方が全然違い
    一度見た芝居に新たな発見が生まれるので、
    一回の作品に何度も通いたくなる作用があるのではないかなと思います。
    個性的なキャラクター達が登場します。
    現代において、ファンタジーな世界を体感させてくれる唯一無二の劇団であると思います。
    現実離れしたい人、演劇が好きな人、2次元が好きな人、
    また、演劇の可能性を見てみたい人おすすめです!

    新宿公演がまだあるので絶対に参加したいと思います!

  • 満足度★★★★★

    わくわくする物語
    4日と7日に参加!
    おぼんろは、「ルドベルの両翼」「狼少年ニ星屑ヲ」に続いて3作品目の参加。普段なら観に行かない系統の舞台だけど、おぼんろは別。1回観るとまた次も行きたくなる。なんでこんなにワクワクするんだろう。
    川崎は遠いのよ~新宿に行くからいいよね。と思いつつ、twitterでの誘い文句に誘われて、川崎に行って良かった。楽しくて、楽しくて・・・そして切ない。物語の世界を対面からではなく、一歩足を踏み入れて“参加”するなら、この物語は、とっても楽しめる。

    ネタバレBOX

    どの舞台でもそうだが、席によって、見え方が違う。
    おぼんろの舞台は劇場全体を使うので、普段見慣れている舞台ともまた違った席選びとなる。「どの席が特等席か誰にもわからない」ので、自分でお気に入りの場所を探すしかない。
    4日は、奥の方の、小さなステージの横に座った。帰る前に、7日に座る席の目星をつけておいた。7日は受付開始時間より少し早めに行って、予定していたのに近い席に座れた。次の新宿は、川崎より広い会場なので、ステージと客席の感じがどうなるかわからないけど、川崎の2回とは違う角度から観ようと思ってる。
    船側の桟敷席で、どっぷり浸かるのもいいかもしれないけど、船が正面に見える椅子席がいいなぁ。後は角度の問題。
  • 満足度★★★★★

    場所を変えてまた
    今回も女性同僚を連れて。全く違う位置で観劇。毎回違う位置で観ているとそれぞれに初めて見るような感覚にもなって、何回行ってもほんとに飽きない。同僚は、気分転換とストレス解消に最高に良かったと言って、遠い古河市まで帰って行った。おぼんろの芝居は疲れた人を元気にしてくれるらしい。

  • 満足度★★★★★

    レベルが、上がった
    確かこちら5回目の観劇。今までで一番良かった。脚本も演出も照明も音響も…そして演技も…。そして会場も…(笑) ロボットの設定は特に生きていた。ただ終了時間の大幅な遅れは改善すべき!

  • 満足度★★★★★

    3回目で座布団席へ
    初参加の友人が一緒で椅子席の方がいいかな。。と悩みつつ、席案内をしてる語り部さんにおすすめ席を聞いてみたら、ステージかぶりつきの座布団席を勧められ、友人も快諾☆彡
    1~2回目とは全く違う景色が観られ、感動が得られた。
    ストーリーは同じはずなのに、登場人物への気持ちの寄り添い方、見える表情で揺さぶられる感情がその都度違って、何回も何回も観たくなる。それが、この劇団の強みなのだなぁ。

  • 満足度★★★★★

    懐かしい絵本のような
    過去作の配信を観てチケットを取りました。

    茶色く荒廃した世界で生きているが、それぞれが事情をかかえ、飢えたような感情を持っている世界。奪う事が正しいと信じてきた者達と、奪われてしまった者がそれぞれ自分の存在を探すような物語。

    こう書くとハードに感じてしまいますが、実際に観に行ってみるとなぜか温かみがあります。心揺れるシーンも多く泣きそうでした。登場人物は生きていくことに一生懸命だからかと思います。
    懐かしい絵本のような、愛を感じるお話でした。迷っている方にはぜひに、と思います。

  • 満足度★★★★★

    観に行って!!
    「すごいから!!すごいから観に行って!!というか行こう!!?
    」と、観に行った翌日友人に鬱陶しいくらい訴えました。語彙力が乏し私ですが熱意が伝わったようで、友人は一緒に観に行ってくれて、観劇後ひたすら二人で感想を言い合いながら帰りました。
    【ヴルルの島】を見たら、きっとそのすごさを言いたくてしょうがなくなって、でも何がどうすごいかを言語化するのがどうにもうまくいかなくて、「とりあえず一緒にこい!!」って気がついたら誘ってしまう。それくらいエネルギーが渦巻いてる素敵なお芝居です。
    口コミってもっと具体的に描くべきだと、わかってはいますが正直「もうこんなの読んでないで、四の五の言わずに川崎に行け!!」が私が一番言いたいことです。きっと素敵な出会いになります。

  • 満足度★★★★★


    正直言って、<ルドルフの両翼>が、少し物足りなかったが、おぼんろの紡ぎ出す世界観が好きなので、見ることは決めていた。
    そして、やはり期待通り、大正解でした。

    川崎は、我が家より遠いので面倒。なので、川崎は、ほとんど行ったことがない。
    雨の心配不要の駅直結「ラゾーナ川崎プラザ」は、クリスマスのイルミネーションが、煌びやかに輝いているし、多目的ホールと言っても、どうなんだろう?と、おぼんろの世界観との相性を、心配したが、ゴミ美術と呼ぶには、もったいないほどの雰囲気たっぷり!おぼんろにしか、創りだせない物語の世界が、広がっていた。
    そして何よりも、キャストの秀逸な演技で、たっぷり、ヴルルの島に、旅してきました。

    切なくも、愛おしい、素敵な作品でした。

  • 満足度★★★★★

    ロボットのメイク
    ロボットのメイクがカッチョ良かった。しかも、重要な役柄。
    私はこの劇団の「いつもの」「定型」を「マニエリスム」と呼びたい。

    ネタバレBOX

    ぽんこつロボットが皆を助けた後、健気に生きてるっぽくて感動。

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