ルルドの森(平成28年版) 公演情報 ルルドの森(平成28年版)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-20件 / 21件中
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2016/02/20 (土)

    テレビの2時間サスペンスのような構成。でも、あれを舞台でやるとなると相当な工夫が必要だっただろう。緊張感を保ちつつ、終盤につなげる伏線群の配置は観応えあり。客入れ駄目過ぎ。キャスト表が当パンにないのも不親切。制作ガンバレ!

  • 満足度★★★★★

    良かったです!
    5回目の再演だけあって大変見応えのある作品でした!
    映画を見ているような、また深い森の中にいるような舞台だった。
    カーテンを使った演出や音楽など色々と凝っていてその点でも楽しめた。

    結局、香乃子はいったい何者だったのだろうか?とか色々頭の中を整理しないとすぐに理解できないこともあったがあれやこれやと想像できる舞台でした。何度か観ると色々謎が解けたり、違う見方が出来る内容なのかと…。

    男性陣の骨太な演技も良かったが、清水みさとさんの笑顔が単にカワイイからラスト近くから狂気を含んだ笑顔に変化していくのにゾクッとさせられた。

  • 満足度★★★★★

    こういうのが観たい
    2012年に観た舞台よりもだいぶ肉付けがされて解りやすくなった気がする。
    整然とした場面転換や、ブラインドの光と影で場所を示す的確な照明など
    無駄のない演出が美しい。
    人間の弱さと欲望が生み出す狂気の沙汰を第一級のエンタメにした舞台。
    バンタムクラスステージには、他劇団にないこの路線をキープして欲しいと
    切に願う。

    ネタバレBOX

    遺体の一部がきれいに持ち去られるという連続猟奇殺人事件が起こる。
    警部補の三島と黒船のコンビは、捜査に当たるうち
    かつての人気テレビドラマ「ルルドの森」のファンクラブに行き当たる。
    その主人公を演じた元女優、菱見玲子と付き人の勉、
    殺された女性のルームメイトなど謎の多い人々を追いつつ
    暗い森の中へと足を踏み入れた三島と黒船は、
    やがて自分たちが事件の核心に捉われていることに気付かないまま、
    翻弄されていく…。

    猟奇殺人の動機が1冊の本の記述から始まり、
    それが歴史的に裏打ちされた事実であることが
    犯人の行動に説得力を与え、単なる想像力を超えた恐怖を突き付ける。
    “変態の狂った好み”ではなく、誰もが抱く喪失への怖れや
    他者への憧憬が根底にあるという設定が実にドラマチックで、
    観客も一気に深い森の中へ引きずり込まれてしまう。
    犯罪者の思考回路に焦点を当てるキャラ設定が、この作品の特徴であり魅力。

    この強力な設定に役者陣が良く応えている。
    事件を捜査する側にもヒーローはいない。
    弱さにつけ込まれて自らも取り込まれていくのを見ているとハラハラする。
    また巧みに他者を操った結果、目的を果たしたにもかかわらず
    ラスト、うつろな犯人の視線を見ると“どうしても塞ぐことのできない穴”を
    見る思いがした。

    犯罪者に対する強い憎悪を持て余し職場で“厄介者”扱いされる三島役の福地教光さん、
    「あー、そうなっちゃうかぁ…」という展開でどんどんヒーローから遠ざかるし、
    (そこがまたいいのですが)
    三島を軌道修正するはずの黒船(西川康太郎)もちょっと隙を見せたら
    あんななっちゃうし。
    彼らの人間らしい弱さがまた、それを利用する犯人の強靭な思想をさらに際立たせる。
    ゲイのママ(沖田幸平)のキャラが良かったなあ。
    闇で銃を入手するような飲み屋のママという設定がクライムサスペンスらしくて好きだ。

    カーテンで仕切る場面でちょっと違和感を覚えた。
    白い透けるカーテンならまだしも、あの色柄はどうだろう。

    照明と場転は素晴らしく、銃声も完璧。
    ストーリーは解っているのに、黒船が撃たれる場面は全身でびくっとした。
    あの緊張感、複雑怪奇な犯人像、強制終了の銃声、
    これらバンタム鉄板のアイテムが最高。
    こんな舞台、私はほかに知らない。



  • 満足度★★★★★

    バンタムらしさ
    さすがは劇団の代表作です。
    何度見ても物語に入り込んでしまいます。
    そして、独特な台詞、照明、セット転換。
    どれをとっても見事だなって思います。
    これこそバンタムらしい、映画的な映像美です。
    素晴らしかったです。

  • 満足度★★★★★

    クライムサスペンスの傑作
    バンタムさんの大阪時代の代表作という事であったが、深く暗い話ながら、大変見ごたえがある舞台でした。まだ数回しか観ていないバンタムさんですが、この世界観は癖になりつつあります。
    以下、公演中なのでネタバレで。

    ネタバレBOX

    猟奇殺人が物語の主軸ですが、クライムサスペンス特有の謎解きも楽しめ、またその結末にも余韻(想像含めて)が残ります。
    照明、場面転換と音響といつもながら素晴らしく、この舞台を彩っておりました。そして、この舞台の凄さは役者さん達の演技力によるものが大きいと思います。基本的に、殺人現場や死体などは全て想像で見せておりますので。
    主演の福地教光さんは勿論の事、相棒である西川康太朗さん、ヒロイン役の清水みさとさん、情緒不安定な元女優役の田中良子さん、父親的な上司のガラかつとしさん、部下の緒方ちかさん、映像的?役割の藤堂瞬さんと宮島小百合さん等、名前を挙げればきりがない位、皆さん素晴らしい演技に魅了されました。
    次回公演も、今から楽しみです。
  • 満足度★★★★★

    ネホリーハホリー☆
    (^^)/27日(土)の夜、池袋で
    [バンタムクラスステージ]の、
    【ルルドの森(平成28年版)】を観てきました☆
    面白かったです。
    圧倒的なクライムサスペンス!
    人物関係、役者の役作り、台詞回し、
    クラシカルなBGM、味わい深い演出と、
    大人が大満足な舞台でした☆
    こういう舞台が観たかった♪

  • 満足度★★★★

    辿りついたところは
    2012年に観た「ルルドの森」とは少し趣きが変わっていたけれど、美麗な美術や照明のなかで描きだされる愛と狂気の物語はやはりとても好きな世界でした。愛のかたちも幸せのかたちも、人によって様々。内容はなかなかショッキングではありますが、人間の弱さと狂気を美しく描いていているところがやはりたまらなく好きです。
    映画のような、という文言は敢えて使いたくないような気もしますが「映画のよう」に魅せるためのスピーディで美しい場面転換は惚れ惚れ。テンポが崩れると「映画のよう」には見えなくなってくるのでとても緻密で大切な役割を担っているなぁと感じました。前回公演を観た者としては、今回はより多く方に受け入れられやすいように、よりエンターテイメント化されているなという印象。黒船も三島も優しくなっているし、笑いのシーンもあって、それが良いとか悪いとかではなく個人的にはこれもアリだなと思って楽しみました。安心して芝居の世界にいざなってくださる役者さんが多かったけれど、少し説得力に欠ける部分も感じてしまったことが残念。大好きな劇団の大好きな作品なので☆5にしたいけれど、愛をこめて4にとどめます。

  • 満足度★★★

    何とは無しの古さも感じましたが概ね楽しめた
    好みの海外犯罪ドラマ風で好みにストライクだったが
    細かさや「それど~ゆ~経緯で判明したの?」と突っ込みたくなるトコも多々あり
    残念感も感じられた約2時間

    &アフターイベントが40分近く付いてて
    本編とは異なり笑いを多く提供してくれて楽しかった♪

    話のインパクトよりも説得力を
    おもんはかると~星は3つにしますね

    ネタバレBOX


    「アナザヘブン」とか”怪獣ノーマン”を思い出します・・・・

    でもね話し始めの脳みそ抜いたという遺体の頭頂骨だとポコッと脳は頭蓋から取り出せないと思うんですよ・・・電ノコで帽子の縁状に頭骨切開しないと・・・と思う・・舞台上では手のひらサイズの骨と6か所のドリル+糸鋸ってインカの頭蓋手術ではないんだから・・・ここは脚本から変更した方がと強く感じたね~まぁカンシとかで掻き出しましたってならいいけどね・・・・・でね次の被害者の頭部煮込んだ炊飯器・・・小さいなぁ・・と・・・あのサイズだと脳のみとかにセリフ変えた方が・・・首=頭蓋骨は入んないでしょう・・・・と初めの方から突っ込みが多々あり・・・小道具の拳銃は結構楽しめた= 米軍横流しで現行品でなく旧世代のガバメントってとこが受けました=でも基本買い取りでなく犯罪利用銃としての使用としたらリアリティ増したかも・・・・犯罪使用後に戻せば預り金が幾ばくか戻るという小物犯罪者に優しいシステム=実際現実にやってるらしいし・・・ステージガンで火花出すのは嬉しかった 女刑事さんはグロッグ17のようでしたがワルサーPPKのような小型拳銃かリボルバーの方が似合うと思ったデス(警官の銃は好みに変更可能な事もあるらしが真偽は不明っすね) でバディの肉を主人公には食べさせられる時間的ゆとりは無かったように思うけど・・・と突っ込みの一部を供述
  • 満足度★★★★★

    怖いのは・・・
    男の嫉妬と、ひとつ考えに取り憑かれた女。今回はその後者の怖さがどんどん浸み込んで来る。上質の2時間ドラマを観た感じがする。キャスティングも実に良かったし、演出、特に照明プランがそれぞれの心情を良く描いていたと思う。ただ狭い舞台、レースのレースのカーテン越しに見せたかったのか?それてもそうではなかったのか?はっきりしない。いずれにしても使われたシーンを考えると茶の薔薇柄は似つかわしくない場が多かったような気がするが・・・・。個人的には田中さんの熱演が間近で観られただけでもかなり満足!

  • 満足度★★★★★

    凄い緊張感
    バンタムクラスステージ、「ルルドの森」良かったです。
    あの緊張感ある舞台、場面転換も上手くやってるし、映画を見ているみたいな感じ。
    それが賛否両論でしょうが、私は好きな作風です。
    ラストのまくし立てられる展開と、ラストのラストではヒロインのセリフに恐怖まで感じました。
    役者が適材適所で、演技が上手い。
    演出さんが役者に合わせて本を変えてるのかな?
    凄く自然だからリアリティあって怖い。
    照明も良い感じでした。

  • 満足度★★★★★

    また迷い込みたい・・・
    ちょっとした笑えるセリフはあるものの、日頃あまりお目にかかれない舞台だったのは私のチョイスにそう言う舞台がないだけで、実はけっこう存在する物なのでしょうか?現実として医学的にそれは可能なの?と言う疑問は残りましたが・・・

    ネタバレBOX

    女の若さや美に対する執念がそうさせるのでしょうか?それに操られて犯罪を繰り返す者。あのかわいらしさ純真さがどう見ても怪しい・・・と思ったのはテレビの2時間サスペンスもので鍛えられているので(笑)。でも三島さんのためにそれは私の誤解であってほしいと祈りつつあんな結末に・・・。黒船さんのあのシーンでは悲鳴あげそうになりました。
  • 満足度★★★★★

    初、本公演。満足です。
    謎を残したまま、結末の展開についてはスッキリしない人も居そう
    個人的にはあの結末が好きですね、ネタバレするし多忙なので
    TBは後日Tになりますが、なかなかしっくりくる内容でした。
    テンポも良いし、なんとなく黒幕は解ってるんですが細かい部分では
    予想をハズされて、楽しめました。
    リバース機能とかアソビもありましたが、演出が上手いですね。
    コメフェスで劇団員さんが上手いのは解っていて安心です。
    正直、劇場に行列が出来ていて、アイドル公演?と引きましたが
    主演の清水さんもなかなか良かったし、あの役であれば
    アイドルの笑顔が、効いてくるんでしょうねー
    色々検証したい事もありますが、忙しくて・・・・・もう1回見たかった。
    TB終わったけど、書きたい事上手く書けてないかも・・・

  • 満足度★★★

    パーツは星五つ
    光の当て方、光量など装置も含めて外国映画的な見せ方が上手い
    頻繁に場面転換があったがテンポよくかつシッカリした転換で頭が混乱することもなかった。
    個々の役者さんの芝居も良かった。(特に女性陣は上手い)ダンスも歌もなく場面によってはセリフ喋る時客席のほう向いたりするザ 芝居みたいな公演で「芝居見たー」とはなった
    シーンごとの演出は多分好きな感じだとは思う
    ただ一点だけ、シナリオが好きになれない。

    ネタバレBOX

    結果ああなる訳ですがそこに至る過程に驚きはなかった
    せいもあってか2時間やる意味がわからない。詰め込み過ぎな感もあり、すべて解決するべきなんてことは言わないし、あえてとかないほうが面白い謎もある、すっきりした結末や訴えたいテーマなんてなくても過程が面白ければ芝居としては十分なのかもしれないが、そうであればあそこまで緊張感ある(笑という笑いは無い、ダンスも殺陣も歌もない)作品を集中して見られるのは90分が限度だと思う
  • 満足度★★★★

    いまだに霧けぶる森の中…
    あの小さな劇空間の中で起こる事件を目撃して体感してほしい。
    観ているのは生のお芝居なのにドラマや映画を見ているような感覚。
    あざやかな場面転換、次から次へと飽きさせることもなく物語が進み、こうだろうと予測していることが二転三転とひっくり返される。
    事件の謎は解けていってもとてもスッキリしない結末。
    いまだに霧が晴れない森の中を迷っているようなもやもや感…でもそれがとっても心地好い余韻。
    どう思うか感じたかは観た方に委ねるって好きです。

    バンタムクラスステージと言えば
    その扱う銃。
    役者が銃を撃つ時の動きで入る音と光。
    撃たれた方の演技。
    とてもリアルで匂うことはないのに薬莢の匂いを感じるかもしれないです。

  • 満足度★★★★★

    霧けぶる森に迷い込んだような舞台
    ずっと見たいと願っていた、劇団の代表作です。
    はやる気持ちを抑えきれず、初日に観劇しました。
    最大限持ってた期待を裏切らない素晴らしい作品!
    ジャンル的にはホラーやスリラーのように思われがちで、内容的にも衝撃的で息を飲んだり力が入ったりもするのですが、
    それだけでなく登場人物の心情、その中に秘めた思いなども丁寧に描かれていて、
    また役者さんも皆さんすばらしくとても見ごたえのある舞台になっていました。
    見ていて、閉塞感、圧迫感、霧にまとわりつかれる感覚になります
    一見難解にも見えますが「謎」は回収されます・・ただすっきりするかどうかは受け取りかたにもよるのかも・・・
    内容的に確かに評価も分かれるでしょうし、苦手な方もいるとは思いますが、一度観劇するに絶対損はしない作品だと思います!

  • 満足度★★★★★

    舞台演劇の魅力満載!
    過去に大阪で観劇し衝撃を受けた作品が28年版となり、バージョンアップは予想をしていたが、予想をはるかに越えていた。
    これぞ小劇場の舞台演劇の魅力満載!映画では表現できない演出には驚きと感動すら覚えた。
    キャストさん、スタッフさんが一致団結しなければ、ここまでの作品は無理かも。
    派手なセットや映像、華麗なダンスなどショータイム的な舞台が多い中、改めてガチ芝居の魅力を認識できた舞台でした。
    バンタムクラスステージの皆様とこの作品に携わった全ての皆様に感謝!
    絶対に観て欲しい作品と言い切ります。

  • 満足度★★★★

    迷宮のその先に。
    人間の冷ややかさと温かさをヒリヒリと感じる舞台でした。賞賛と共にアリかナシかの物議を醸すというのも納得の、戦慄さが流石。
    宣伝コピーの
    『あなたの目の前で、予測不能の恐怖がはじまる。』
    というのが、ズバリその通りでした。
    真相へ向けて、ゆっくりと、時に急激に、事態が展開していくので目が離せない。

    良い意味で演劇的怪物しかいない作品。
    バンタムの劇団員4人は勿論好きですが、客演で田中良子さんが出るというのが今回のとても大きい動機。シリアスなシーンで捲し立てたり、じんわり話したり、纏う空気を一瞬で切り替えるのが大好き。お姿も美しい。絡みの多い早田さんが羨ましい。
    6C藤堂さんとさゆりんの組合せが絶妙。とある演出ギミックの所で、うひょー!となる。相当苦労したのではなかろうか…。昼公演はこの2人が前説登場でラッキー!
    緒方さんのイライラ感の表現とか良かったなぁ。心の底からイライラしているとこと、ちょっと心配が根底にあるとこと。
    ガラさんと上杉さん。お二人の滲み出る存在感が上質。ガラさんの、冷静に居ようとするのに隠せない熱さというか人情。上杉さんの、職業が染み付いた感。
    奥田さん・清水さんの熱のない熱演(見た人には伝わると思うのだけど…)。若いのに良くできるなぁ、と感心するばかり。
    教光さんは陰を持つ役だと本当にゾッとしてハッとする。人間らしい場面との温度差よ。シーツの場面の声、役者として幅の広さを感じます。
    対を成す役だった西川さん。ゲキバカの方なのね。真実に一番近い存在となっていくのに、どこか飄々としている役が素敵。本について語る辺りも良かったな。
    どうしてそんな役で早田さんが出てくるの!?と最初にシーンでは思ったけれど、話が展開すると、これは早田さんだわ。って納得。深い。背負ってるものがいろいろありすぎる。
    同様に沖田さんもどうしてその役!?って思ったけど、一周回ってハマってた。出てきて一言二言でキャラが伝わるしね。
    結束さんが、あまり見ないポジションだったので新鮮。バンタムの新入り、大変ですね。でも、愛されてますね。Tシャツのデザインも手がけたそうなので、ぜひ物販を見てくださいな。

    バンタムさんは、舞台セットと照明と音響が素敵。透けて見える感じとか、無駄に凝ってる格子とか、好き。時制と場所が分かる明かり、世界に引き込む音楽。計算高い。

    そして、制作さんがスマートにスムーズに仕事をしているのが良いです。その時に客が知りたいことを的確に発信してくれてる。

    ネタバレ回避しながらだと書けることが限られるけれど #ルルドの森 はネタバレ無しで見て欲しい。そして2度見たくなればいい。そうやって伝染していけばいい。
    終わった後に検討会をしたくなる感が、映画「ストロボライト」に近しいので、ストロボライターは来ないと損ですよ(笑)。

    ネタバレBOX

    最後の場面で、あまりもテンポよく真実が見えてくるので、初見の状態では、
    え?
    ええ!?
    えーーー!!!
    ってなって、頭の中が整理し切れなかったことも事実。
    後から思い出して整理して、
    ああ、うん。なるほど。
    となった。

    とは言え、あのテンポ感は失えないので、多少の取りこぼしを生じてもあの展開で正解なんだろうな。
  • 満足度★★★★★

    つながり、癒やし、こころを求めて
    いつものバンタム公演にある「画の美しさ」はそのままに
    連続殺人事件を追う刑事たちに軸を置いた実にエンタメ要素の多い作品である。
    エンタメではあるが舞台には緊張と美が必ず在り眼前に並べられた道具たちが背筋に冷たいものを這わせる。

    バンタム公演にしては小道具が多い印象。
    バンタムといえば、な椅子も多用されており、今回も場転を見せるスタイルながら完全な暗転もある。
    場転が多いのも初期作品の特徴か。(場転の多さ・場面の多さがより映像的な印象を見る者に与える)

    演劇である以上演劇の要素は当然多いのだが、
    起こったことをわりと時系列でそのまま見せてくれるので
    連続ドラマを見ているような気分にもなる(よくこの作品は「映画のよう」と評されるが、個人的にサスペンスといえばテレビドラマな印象)。

    刑事たちの立ち位置、性格などとてもわかりやすくえがかれているし話の筋もわかりやすい。
    二転三転する「追う相手」が観客にわかるように作られていて観客が「こうなるだろう」と予想する方向へ話が進む快感もある。
    それでいてラストがああなのだ。面白い。とても面白い。
    裏切られたようなラスト、でありながら、実は観客を裏切っていると言い切れるわけでもない。うまいラストだ。

    本作品は五度目の上演で、実に丁寧に練られた感がある。
    確かなキャスト陣で贅沢に作られた作品だった。

    パンフレットも見事。
    役柄をよく表現した見事な写真たちでした。
    対談が非常に興味深かったです。
    以下、ネタバレ欄にとりとめなく雑記。(今後の再演に備え、決定的なネタバレ部分は削除しました。)

    ネタバレBOX

    特筆すべきはあらすじにある通り扱われている事件が猟奇殺人事件ということだが「物」はあまり見せず、「言葉」で観客に想像させる表現。
    これが後半になると逆に「言葉」ではなく「物」を持ってくる。

    細川作品はある種「家族」が軸である。
    今回も父性と母性は大いに作中にあらわれる。

    三島と香乃子、マコトとメイ、あるいは黒船と菱見玲子もか、惹かれ合う描写を削ぎ落とした物語になっていることで、観客は納得できず状況を冷静に眺めてしまう状況になる気がする。
    作品に観客が入り込みすぎないようにしているようであり、ある種だましうちを仕掛けているのでもあり。なんにせよ、感情描写を抑えている部分がこの「ルルドの森」の気持ち悪さの一端であろう。

    終盤に行くにつれ、物語から「救済」「癒やし」を感じるようになる。
    「連れて行って」という台詞にある切なさがたまらない。
    最後の台詞も救済なのだろうと思うとわたしにはハッピーエンドに思えた。が、そこからの「彼女」の表情である。
    次の目的を得たという意志、のようにも、自分がとらわれているものからの解放は果たされなかったという怒り、のようにも取れる… きっとほかにも推論は出てくるだろう。
    こうやって見終わったあとにいろいろ想像がかきたてられる作品は良い作品だと思う。

    舞台装置。
    まさかあそこが動くとは。
    昭和レトロ感のある床に、くすんだ色の薔薇柄レース。良い。
    ただし見にくさが難点。「見せない演出」に細川さんのSさを感じた。笑
    もどかしい。

    音楽。
    いつもながら美しい。

    銃器、あれがないと始まらない!
    調子が悪いときがあったのか、ときどき光らないことがあったのが本当に残念。
  • 満足度★★★★

    行き当たりバッチリ
    コメディの舞台が好きで、ほとんど見ないジャンル。
    つまらないと感じやすく、持病の腰痛が発生することが多いのですが、
    今回の舞台は難しい話だな、と感じつつも飽きさせることなく考えてるうちにいつの間にか終わっていた感じ、
    時間を感じさせない舞台ってのはほんと素敵だ。

  • 満足度★★★★★

    「秀逸」ルルドの森 (バンタムクラスステージ、初見者の印象)
    「秀逸」ルルドの森

    (バンタムクラスステージ、初見者の印象) 

    バンタムクラスステージ、初見。

    代表作の「ルルドの森」初日

    2016/02/19 金曜 19:00の回、観劇。

    制限の有る舞台空間を、最大限活かした、
    舞台美術、音響、照明、場面転換、秀逸。

    思わぬ人物の本性が、明らかになるまでの、流れが見事。

    登場人物は多いが、それぞれの個性が、きちんと印象に残る。

    劇団員、客演陣、共に、好演が光る。

    この世界観は、とても、好きです。

    いい舞台でした。

    ありがとうございます。

    2016/02/19金 初日 

    記:トランクウィル

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