値千金のキャバレー 公演情報 値千金のキャバレー」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-18件 / 18件中
  • 満足度★★★

    残念ながら乗り切れず
    動き出しまで冗長に感じてしまい、動き出した後もミュージカル風に乗り切れませんでした。

    ネタバレBOX

    分析すると歌部分なのかと。私が考えるミュージカルの歌は、登場人物の感情表現としての歌や物語を進めるうえで必要な歌等、あくまで「物語のための歌」、つまり歌が物語に奉仕すると思うのですが、今回は物語が歌に奉仕しているようでした。

    「物語のための歌」では無く「歌うための物語」の感じ、どこかで観たなと思っ
    たら演歌歌手の歌謡ショー若しくは歌謡演劇と言うのでしょうかあれに近かったです。あれは、純粋なミュージカルと違い歌で物語を推進させることはなく、歌になると悉く物語が止まるのです。でも、そこは本職演歌歌手ですから「歌」自体に力が有り、歌自体が観客全員共有した有名曲ですから待ってました感が半端ないのです。
    しかし、この演劇は、申し訳ないですが歌手が本業で無い方の初めて聞く曲では乗りようがなく、物語を止まるを煩わしく感じてしまったのだと思います。

    とは、言うものの小玉女史の本当に御嬢張りの存在感と化け物感、片山嬢の歌唱力&キュートさ、良い年した男たちも含めたアイドルのホッピング技術?とタップダンスの華麗さやラッパー2人はまあ良しとして、やっぱり演者陣は素晴らしかったですし、何より生演奏は掛け値なしに素晴らしかったです。だから、何のかんの言っても、肌に合わなくても、今回も楽しめなかったわけでは無かったです。

    ただ、最後に苦言として片山嬢の生歌で子守唄で魅了した後にクライマックスがあったからしょうがないのですが、同じ歌をマイクを通して歌うのはどうかなと思います。中身が変わったから意味合いが違うとは言え、演じる人は同じで片山嬢の凄さを観た後だと拍子抜けしてしまいました。
  • 満足度★★★

    小玉さんが文字通りのラスボス
    ストーリーはホチキスらしく荒唐無稽で楽しんだもの勝ちの力技。
    タイトルのキャバレーにあんまり必然性ないやん、といった感じ。
    劇団員はもちろん、ゲストも個性的で良かった。
    加藤さんはアイパッチさせたら右にでるものなし。

    ネタバレBOX

    妖怪と人間が一緒に暮らす村。
    村を支配する神はヌラリの歌声を気に入り、村人から歌を奪ってしまう。
    日々神に歌を捧げ続ける中、ヌラリと人間の男との間に生まれた娘が、
    永く会っていなかった母に会いにやってくる。
    神は、老化し歌声が衰えたヌラリと、ヌラリの若い頃に生き写しの娘の中味を入れ替えてしまう。
    歌を奪われた村人達とヌラリ母娘は協力して、神から歌を取り戻そうとする。なかなか決着が付かないところへバードウォッチャーがやってくる。
    彼は神のウォッチャーでもあり、次の神を決める権限も持っていた。
    バードウォッチャーは村人達を苦しめる神を退け、戦いで散ったぬらりひょんを次の神とするが・・・。

    開場時間と共に、ステージ上ではバンドによる生演奏、ダンサーによるダンスパフォーマンス、テーブルジョークによる漫才が行われ、中々楽しかった。

    座・高円寺1にしては客席数を絞り、ステージの奥行きを広く取っていた。
    バンドの生演奏で音楽劇、セットも大掛かりで豪華だった。
    小玉さんのラスボス姿は似合いすぎていて爆笑。
    バードウォッチング→野鳥の会→紅白歌合戦の連想は
    ベタ過ぎてかえってお見事。

    劇中のアイドルグループ「コンパス」は某アイドルグループのパロディ的な出で立ち。ローラースケート代わりのホッピングが地味にスゴイ!
    続けて飛ぶだけでもすごいのに、なんと振りつき!!どれだけ練習したんだろう。
  • 満足度★★★

    初ホチキス。こういう感じ。
    「今回は」との断り書きは見ないからおそらく毎度の「ミュージカル」なのでありましょう。音楽とストーリーと小ネタとメッセージで引っ張る。高揚させるツボを押さえて技を繰り出す。 今回の悪者は「神」と呼ばれる輩で、こいつを倒さん事には埒あかぬ、という説明が序盤で明確になっている。いつこの悪と対決することになるか・・というお膳立てが早々に出来ていて、この骨組に乗っかって、いろいろと遊んでいる。
     「歌を禁じられた町」を舞台に進むストーリーはかなりラフ。だが観客の中に「歌の素晴らしさ」を否定する者など居らず、ギャグも織り交ぜ登場人物たちに共感をよせたからには、その彼らの努力や挑戦を「応援する」という選択肢以外、観客に残されていなさそうである。でないと入場料がフイになってしまう。 まぁそんな半強制な仕掛けがミュージカルという代物ではあるのだけれど、「強制」に従うに値するだけの、芸をいかほど披露できたかが、点数の根拠になるのだろう。
     その大きい部分をなす「演奏」の技量と楽曲のレベルはなかなかである、と評価できた(私の好みではなかったりするが)。歌唱力、ラップ、その歌詞も考えられている。
     一方、印象として際立つのが4人組のアイドル結成で、ローラースケートの替りにアレ(名前を知らないがハンドル握って一か所でピョンピョン跳ぶやつ)を手に、短パンとジャンパーの出で立ち。つまりパロディだ。歴史遺産(光GENJIをそう呼ぶなら)と照合して「アイドル」と認知させ、オリジナルでの勝負は降りている、ということは、アイドルのくだりはギャグの範疇になるのである。物真似芸を真剣に評価する文化がなければ、これは成立するのだろうか・・と思わず考えた。 それでも、何より歌唱力が武器になっていた。
     もっと書けば、、アイドル的な存在と、それを慕う人々の「慕い方」について、う~む・・と考えさせられた。「日本的」と私が感じるものがそこにあって、昭和の時代から昨今は精神文化も変遷を遂げているとはいえ、「原形」となるものは連綿と生きている。このミュージカルの「仕掛け」に拍手を送っている人たちを見ながらそう思ったものだった。それがはっきり「何」である、とは説明できないが。。
     このタイプの「ミュージカル」は世に多く、その中で完成されたモデルを提供するグループであるかも知れない。「参加型」の仕掛けも仕込まれていたが、厭味がなく、こちらに負担感がなかった。色々と配慮が考えられ、サービス精神の賜物とみえる。

    ネタバレBOX

     ストーリー上の難点は、「神」は万能でありながら、負けてしまう、という事がどう成立するのか。ファンタジーでは通常、困難の克服にはクリアすべき条件があって、具体的だ。「神」の弱点が何で、どう克服しようと彼らがしているのか、よく分らなかった。試練に真剣に立ち向かう、という動機は、そうしなければ排除できない窮状、悪弊、理不尽な現実から立ち上がってくる。 その点、舞台となる町では「歌が禁じられた」のに、選ばれた歌い手一人だけはキャバレーで歌を歌っており、なぜかそれが彼女に課せられた重荷のように描かれているが、なぜ喜びでないのかが説明しきれておらず、また、歌は歌えないが「聴く」ことはできるのに、人々が歌に餓えて彼女の歌を聴きにくる、といった様子もない。 そうした脚本上の「舌足らず」を補完するものが音曲や演出にあったかどうか・・。確かに笑いは武器で、そうした不備を忘れさせるものだが、一定のリアルな現実に根を張ったところから(人物の)行動の意味、目的を形作るのでなければ、その瞬間は楽しくても劇場を出た直後、感動を支えているメッセージは土台を失い、早くも消えている・・ということにならないのだろうか・・。そんな事を考える自分にとって感動できるミュージカルと出会う事は、果たしてあるのか。。(呟)
  • 満足度★★★★

    ホチキス版ミュージカル
    開場から過去作の歌を生バンドで弾いてくれちゃったりするし
    否が応でもテンション上がっちゃいますよね。

    内容は「歌」をテーマにしているだけあって
    ミュージカル仕立てではあるんだけど
    がっつりミュージカルってワケでもなくて
    あくまでホチキス風ミュージカル。

    片山さんが出ていても
    あくまでホチキスという根っこは
    変わっていないので好きです。

  • 満足度★★★★★

    ホチキス、凄い!
    このところ、ドンドンパワーアップしていく感じのホチキス。伝説との距離くらいから観てると思うのですが、『伝説~』もそうでしたが、ホチキス、音楽を絡めてくと
    とてもイイ感じになるんです。当時、一緒にやってた少年社中が躍進中ですけど、ホチキスも負けてない!そんな気がしました。頑張って欲しいです。

  • 満足度★★★★★

    とにかく楽しかった!
    とにかく楽しくてしょうがなくて、3回観ました。
    好きなポイントが多すぎて書ききれない。
    まさかの妖怪の話だったのにまずびっくりでした。
    劇中で誕生するアイドルグループ最高だったし、ラップも良かったし、突然のハカにはポカーンでした。
    そんなに複雑なストーリーでもなかったですが、母と娘の物語にはちょっと目頭熱くなった・・・けど、じんわり感動の余韻に浸る間もなくラストの紅白、圧巻のフィナーレ。
    あー、こういうのホント好きですー!

    無駄に情報量が多い作品なので、これは後からDVDで観てもいろいろ新しい発見があって長く楽しめそう。

  • 満足度★★★

    うーん
    ストーリーの組み立てで序盤ダレた部分があり、眠くなりました。ミュージカルと言いながらハンドマイクを持って歌うのに違和感を感じました。母と娘の奇跡の描き方も弱かったと思います。
    最後は劇場の天井の高さを活かしていてよかったです。

  • 満足度

    初ホチキス。私には楽しめず/約140分
    ミュージカルとしてはスタンディングオベーションが起きるほど盛り上がっていたが、ギャグもストーリーも大味で雑。
    特にストーリー。
    もっと緻密に組み上げて欲しかった。

    ネタバレBOX

    村のキャバレー、村役場、地元のヤクザ、妖怪、歌姫、神。
    これらが互いにどんな関係にあるのか、説明が充分でないために頭の中が疑問符だらけで、最後まで劇に没入できなかった。
  • 満足度★★★★★

    見所いっぱいの舞台
    歌 ダンス 生バンド演奏に魅了され、コミカルで、個性的なキャストの魅力に引きこもれ、時間が過ぎるを感じさせない、笑いあり、涙ありの感動的な作品でした。開演前の生バンド演奏 ダンス 前説も楽しめるので、少し早めに劇場に行くことをおすすめします。

  • 満足度★★★★★

    コンパス!
    秋に観た「逆鱗アンドロイド」が、とても賑やかで楽しかったので、今回も期待してた。ミュージカルだし!
    開場して、開演を待ってる時から、生演奏が始まって、ちょっと得した気分。
    やっぱり、衣装がカラフルで、惹きつけられるし、何より、楽しい。
    ミュージカルとはいえ、歌いながらセリフを言うようなくすぐったい感じではなく、歌とダンスが盛りだくさんなところがいい。
    当日パンフの役名が、なんて古臭い・・ヤクザと役場の戦いって・・って思ったけど、ちゃんとひねってますねー。
    楽しみにしていた、末原さんの歌とダンス。良かったです!

    ネタバレBOX

    客席に赤い封筒が配られていたこと。
    なんて丁寧な劇団なんだ。と、感心してたんですよ。
    上手い使い方を考えますね。
    帰りに回収されるかと思っちゃいました(笑)
  • 満足度★★★★

    ホチキス!!
    色んな、色んなエッセンスが盛り込まれたホチキスのお芝居。





    米山代表の書くホンは 全力で、遊んで、そこに演者が、全力で応えて、

    尚且つ、きっと、今まで出てなかった新しい魅力を引き出す

    魔法をかけるんだな~って私は思う。




    客演さん方のはっちゃけぶりが楽しいし、

    ホチキスの皆さんの毎回の爆走・爆笑に観ながら、わくわく、どきどきする。




    米山さんが描く「親子」って、素直に愛情を伝える事が下手くそだけど

    めちゃ、愛がつまってる親子像だと思う。




    これは、米山代表が意図しているかわからないが

    「禁止」というか「出来ない」とされた事柄に対して

    人は少なからずストレスや、その状況を 理論では

    「しょうがない」と諦めているけど

    本能では押さえる事が出来ないのが 生きていく中で幾度も、

    幾度も、ぶつかるモノなのではないかと思う。

    だから、好きな事とか、 まっすぐに出来る状況って大切だなって。




    リアルなとこで、

    「神」が奪った「歌」は

    「権力」が奪った「自由」と

    なぞる事も出来るんだなって。

    そんな事、ぼんやり考えてしまった。

    これは、私の勝手な解釈ではあるが・・。

    ネタバレBOX


    齋藤さんと村上さんの コンビ芸も、結構ぐっとくる立場でした。

    一瞬、流されちゃいがちなんですけど、実は、結構 あの村の表と裏の均衡を保つのに、かなり、重要。

    今回ミュージカルと、謳っている「値千金のキャバレー」なので

    ソロで、みんなで、色んな曲を披露している。




    テーブルジョークのお二人は

    ラップに!!!

    役場側の齋藤さん、伊祖賀枝組側の村上さんの

    どうしても、ラップが面白単語になっている。




    今回開演前の前説も担当しているTable Joke も、要check it out!!!




    https://www.youtube.com/watch?v=PUKZX7Z3REE&list=PLZhzFgyPQupzTASv6nPIa18vhoMStllGO








    妖怪が住んでいる村の

    歌姫が人間と恋におちて、可愛い娘を授かった。




    その歌姫は

    神様に気に要られて、毎日、毎日、キャバレーで

    唄っていた。




    自分の娘も、歌姫にさせられては可哀想と、

    村から逃げ出した。




    神は怒り、村から

    「歌を奪った」

    そんな不思議な村で起こった

    お話・・。




    歌が奪われた村の中でこんなことが起こり始めた




    過去にそのキャバレーを作って

    神を接待しようと考案した伊祖賀枝組の組長。

    その息子がかつてから好きなアイドルグループを作ると

    言い始めた。

    周りの人達を巻き込んで

    『コンパス』という4人組のグループが結成された。

    過去の光GENJIのようなコスチューム。ローラースケートではなく

    ホッピング。

    メンバーの中に、おぼんろの末原拓馬さんがいて

    美しいのだけど、かなり、壊れてる加減が良かったです。




    山崎雅志さんが、含まれてたのもなかなか、衝撃的でした。




    歌姫こと、ヌラリに神の裏ミッションで15年仕えている鉄鼠に、X-QUEST:塩崎こうせいさんがいらしたのですが、やはり、上手い・・。

    多分、「森の風子」など観たのが最初だったのですが、出過ぎず、でも、きちんと、空気感を作れる役者さんであるな・・・と。







    今回女性陣もダンサーの方も含めて、多くいましたが

    とても、にぎやかで、可愛い方が多く、眼福でした。




    メルト役の片山陽加さんは

    今回小玉久仁子さんのヌラリと、途中、入れ替わる演技をするのだが

    かなり、パワーがあって、良かった。

    小玉さんの可愛いキャラも、個人的は可愛く、普段観られないので、楽しめた。




    今回生で演奏があり、生音、良かったな。
  • 満足度★★★★★

    極上のエンターテインメント作品
    ホチキスワールド全開の作品。ミュージカルは初めてということだがそういう事を感じさせない完成度。各所にちりばめられた小ネタで笑いが絶えないが締めるところはきっちり締めてその対比が素晴らしい。千秋楽も観劇予定。チケットをとっておいて良かったと思える作品です。

    ネタバレBOX

    アイドルユニット「コンパス」が面白すぎ。あの歌が耳について離れません。DVDとCDも発売決定なので早速両方とも予約しました。
  • 満足度★★★★★

    熱い!
    主演の片山陽加さん、小玉久仁子さん始めキャストの皆さんとにかく熱い!
    ホチキス初のミュージカル作品ということで期待と不安が入り混じっていましたが、従来のミュージカルにホチキスならではのコミカルさと熱気を織り交ぜた素晴らしい作品に仕上がっていました。
    是非たくさんの人達に観てもらいたい!

    ネタバレBOX

    コンパスの面々や随所にちりばめられたゲゲゲの○太郎のオマージュで笑い、後半ヌラリとメルトの母娘のやりとりでホロリとさせられます。
    片山さんの優しい歌声が涙を誘いました。とっても良かった。
  • 満足度★★★★★

    楽しい大騒ぎ舞台。
    開演前パフォーマンスからラストまで生の迫力をあらためて強く感じる舞台でした。映画「フェイスオフ」でニコラス・ケイジを見ながらトラボルタ頑張ってるな。と思った感覚を思い出しました。観劇のきっかけになったゲストの塩崎こうせいさんの活躍も嬉しかったし「きっと塩崎さんも歌うハズ!」と思って観てたら意表を突かれたけど面白かったし。演者さんの全力感が伝わってくる舞台でした!

  • 満足度★★★★★

    生演奏&ナマ歌
    余裕がある人は、奏者の方も観ると面白さ倍増だと思う。
    みんな楽しそう。観ているこっちも声出して歌いたくなっちゃう感じで、1回観ただけじゃ物足りない。
    ※ホチキスの過去作品を知っている人は、ぜひ客入れ時の生演奏を聴いてほしいです。開演前に毎回涙してますw

    ネタバレBOX

    コンパスはズルいw
    大爆笑です。ホッピン(?)大変そうだけど、乗りながらフォーメーション帰るところがたまらなくスキ。
    母と子の話は涙なしじゃ観れないけど、組長の何とも言えない漢気も泣ける。

    …漢をオトコと呼ぶヤツは ろくでなし♪
  • 満足度★★★★

    Oh!ミュージカル
    楽曲はノリが良く、全員で歌うシーンなどは爽快でした。

    ネタバレBOX

    惚れ込んだ娘にだけ歌を歌わせ長年に亘って歌声を独占していた村の神様に反抗して立ち上がった娘の子や妖怪、村人たちの話。

    ラストの小林幸子ばりの大がかり衣装、あるいは美空ひばりの不死鳥のような衣装を見て、全ては小玉久仁子にこの赤い衣装を着せたいがための構想だったのではないかと思いました。

    神様もわがまま過ぎると更迭されるのですね。
  • 満足度★★★★

    参加できるライブエンタテインメント
    初めて見る人にとっては、想像をはるかに超えるライブエンタテインメントだ。衝撃のラストは観客参加型。体験の価値は、あります。オーバーな言い方だけど、ひょっとしたら、演劇の固定観念を破壊してくれるかも。

    歌と踊り、涙と笑いというフレーズは、よくある宣伝文句だろう。座高円寺が出したこの舞台宣伝にもあったと思うが、私はこの舞台の真髄は意外性、驚きだと思う。驚きを先に開陳するわけにはいかないから仕方ないのかもしれないが、これに気づくまでは少し眠い。だが、一旦走り出したら止まらない。
    最初から、いや、途中からも今ひとつ乗り損ねてちょっと損したというか、早く真髄に気付かなくてごめんなさい。

    ネタバレBOX

    紅白歌合戦を体験できます。ホントです。
  • 満足度★★★★★

    ホッチキス第34回公演:「値千金のキャバレー」
     開場の声と共に、扉を開けると「あらっ、開演時間は19時の筈だけれど?」と舞台上から漂ってくるバンドの奏でるジャズの音。

     それは、まるで、子供の頃にテレビで見た石原裕次郎の映画の中に出て来た、グランドキャバレーと呼ばれた場所で演奏されていたバンドの奏でる音楽そのもの。

     開演前から劇場の中は、温泉街の寂れたキャバレーの雰囲気を醸し出していた。

     この話の舞台は、舞台は寂れた温泉街、神流(かみな)市。昔は、神が疲れを癒すために訪れたとの言い伝えがあり、年に1神を歌で接待するために作られたキャバレーがあった。

    かつては、多くの観光客で賑わいを見せていたが、温泉偽装が発覚し今はすっかり寂れてしまった温泉街にかつての賑わいを取り戻すため、市役所は、温泉復興委員を設立。観光客の呼び戻しを図る。

     委員は話題作りにとイベントを催すことに。そこで会場として寂れたキャバレーに白羽の矢が立つのだが、そのキャバレーには重要な秘密が隠されていた…。

     その秘密が、この舞台の軸になってキャバレーを舞台に絶縁したはずの母娘、人間に見えて実は...のアイドルグループ、町興しを企てる市役所が入り乱れる、破天荒なストーリーに、20人を超える出演者、生演奏にダンサーが舞台で織り成す、ド派手でゴージャス、ドラマチックな夢の空間が繰り広げられるミュージカル。

     31日迄の公演なので、内容に詳しく触れられないのだけれど、2時間5分笑いっぱなしの楽しくて、面白くて、スペクタクルもあって、歌も芝居もダンスも演奏も最高の舞台。

     服部翼さんの組長の息子、北郎は、80年代の最近話題になったアイドル事務所のアイドルに憧れ、自分の名前になぞらえて、名前に東西南北をもつメンバーを集めて、コンパスというアイドルグループを作ろうと一見、お気楽な昭和アイドル好きな少年?に見えて、なんだかんだ最終的にある意味ピュアなそのお気楽で強い思い込みの力が、村を変える力に一役かって活躍する、憎めない存在。

     末原拓馬さんの組員東風綿吉は、北郎に半ば無理やりアイドルグループに入れられ、最初は渋々ながらだったのに、衣装を着せられ、歌って踊るうちにすっかり、アイドルを楽しむようになるその変化が面白い。拓馬さんの歌とダンスが、正にアイドルになっていて、楽しそうにきらきらして見ているこちらも、何だかとても楽しくて、幸せな気持ちになる。

     片山陽加さんのメルト、以前ブロ友さんの今西哲也さんと春川真広さんが出演していた舞台「リボンの騎士」の時とは全く違う、はっきりキッパリした性格と強さを持ちつつも、自分を捨てて出て行ったと思っていた母に憤りを抱きつつ、幼い時の優しい母の面影を忘れずにいる故に憤りと恋しさのせめぎ合う気持ちを抱えなんがら、真っ直ぐに物を見つめる強さと明るさがあった。

    小玉久仁子さんのヌラリは、再会した娘メルトと丁々発止を繰り返しながらも、娘メルトを大切にいとおしく思い、メルトを守るためにひとり、メルトを置いてこのキャバレーに戻って来た、強くて優しくて、不器用な母。

     北郎、ヌラリで何となく、解る人は解ると思いますが、人間じゃない、墓場で運動会をするあのアニメのキャラクターたちを中心に、あれやこれやを彷彿とさせるパロディや細かな笑いのしかけがあちこちにあるこの舞台。

     そして、もうひとつ、私には、共通点のあるキャストが3人いました。

     「リボンの騎士」に出演していた、末原拓馬さん、片山陽加さん、大河内美帆さんがその3人。

     大河内美帆さんは、村役場の女性所員、秋田紅葉で出演されていて、今回もキレがあって、しなやかなダンスも見せてらした。大河内美帆さんは、こちらもさらみさんが出演していた「野郎華」のこはるを観たのが最初で、役と共にとても印象に残っている女優さん。
    舞台を見た途端に、もしや大河内美帆せんではと思ったら、やはりそうだった。「天満月のネコ」にも出ていたように錯覚していたけれど、「野郎華」「リボンの騎士」そして「値千金のキャバレー」で大河内美帆さんを見るのは三度目。毎回、印象が見事に違う。

     よく、面白くてあっという間と云うけれど、この舞台は本当にあっという間で、2時間5分、休憩なく座りっぱなしであるにも関わらず、時々ハラハラ、ドキドキ、時にしみじみしながらも、ほとんど笑いっぱなしの楽しくて、華やかで、面白くてお尻が痛くなる間もなく終わった初めての舞台。
     
     実は、この日酷い頭痛だったのですが、お腹の底から笑って、楽しんでいるうちに
    劇場を出る頃には、頭痛がぶっ飛んでいた。

     本当に最高に面白い舞台です。

     個人的にツボに入ったのはぬりかべの壁ドン(*'∀`*)v
    「ぬりかべの壁ドンって何?」と気になった方は、31日迄公演しているので、ぜひ劇場に足を運んでみて頂きたい、素敵なエンターテイメントな舞台です。

                             文:麻美 雪


このページのQRコードです。

拡大