値千金のキャバレー 公演情報 ホチキス「値千金のキャバレー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ホッチキス第34回公演:「値千金のキャバレー」
     開場の声と共に、扉を開けると「あらっ、開演時間は19時の筈だけれど?」と舞台上から漂ってくるバンドの奏でるジャズの音。

     それは、まるで、子供の頃にテレビで見た石原裕次郎の映画の中に出て来た、グランドキャバレーと呼ばれた場所で演奏されていたバンドの奏でる音楽そのもの。

     開演前から劇場の中は、温泉街の寂れたキャバレーの雰囲気を醸し出していた。

     この話の舞台は、舞台は寂れた温泉街、神流(かみな)市。昔は、神が疲れを癒すために訪れたとの言い伝えがあり、年に1神を歌で接待するために作られたキャバレーがあった。

    かつては、多くの観光客で賑わいを見せていたが、温泉偽装が発覚し今はすっかり寂れてしまった温泉街にかつての賑わいを取り戻すため、市役所は、温泉復興委員を設立。観光客の呼び戻しを図る。

     委員は話題作りにとイベントを催すことに。そこで会場として寂れたキャバレーに白羽の矢が立つのだが、そのキャバレーには重要な秘密が隠されていた…。

     その秘密が、この舞台の軸になってキャバレーを舞台に絶縁したはずの母娘、人間に見えて実は...のアイドルグループ、町興しを企てる市役所が入り乱れる、破天荒なストーリーに、20人を超える出演者、生演奏にダンサーが舞台で織り成す、ド派手でゴージャス、ドラマチックな夢の空間が繰り広げられるミュージカル。

     31日迄の公演なので、内容に詳しく触れられないのだけれど、2時間5分笑いっぱなしの楽しくて、面白くて、スペクタクルもあって、歌も芝居もダンスも演奏も最高の舞台。

     服部翼さんの組長の息子、北郎は、80年代の最近話題になったアイドル事務所のアイドルに憧れ、自分の名前になぞらえて、名前に東西南北をもつメンバーを集めて、コンパスというアイドルグループを作ろうと一見、お気楽な昭和アイドル好きな少年?に見えて、なんだかんだ最終的にある意味ピュアなそのお気楽で強い思い込みの力が、村を変える力に一役かって活躍する、憎めない存在。

     末原拓馬さんの組員東風綿吉は、北郎に半ば無理やりアイドルグループに入れられ、最初は渋々ながらだったのに、衣装を着せられ、歌って踊るうちにすっかり、アイドルを楽しむようになるその変化が面白い。拓馬さんの歌とダンスが、正にアイドルになっていて、楽しそうにきらきらして見ているこちらも、何だかとても楽しくて、幸せな気持ちになる。

     片山陽加さんのメルト、以前ブロ友さんの今西哲也さんと春川真広さんが出演していた舞台「リボンの騎士」の時とは全く違う、はっきりキッパリした性格と強さを持ちつつも、自分を捨てて出て行ったと思っていた母に憤りを抱きつつ、幼い時の優しい母の面影を忘れずにいる故に憤りと恋しさのせめぎ合う気持ちを抱えなんがら、真っ直ぐに物を見つめる強さと明るさがあった。

    小玉久仁子さんのヌラリは、再会した娘メルトと丁々発止を繰り返しながらも、娘メルトを大切にいとおしく思い、メルトを守るためにひとり、メルトを置いてこのキャバレーに戻って来た、強くて優しくて、不器用な母。

     北郎、ヌラリで何となく、解る人は解ると思いますが、人間じゃない、墓場で運動会をするあのアニメのキャラクターたちを中心に、あれやこれやを彷彿とさせるパロディや細かな笑いのしかけがあちこちにあるこの舞台。

     そして、もうひとつ、私には、共通点のあるキャストが3人いました。

     「リボンの騎士」に出演していた、末原拓馬さん、片山陽加さん、大河内美帆さんがその3人。

     大河内美帆さんは、村役場の女性所員、秋田紅葉で出演されていて、今回もキレがあって、しなやかなダンスも見せてらした。大河内美帆さんは、こちらもさらみさんが出演していた「野郎華」のこはるを観たのが最初で、役と共にとても印象に残っている女優さん。
    舞台を見た途端に、もしや大河内美帆せんではと思ったら、やはりそうだった。「天満月のネコ」にも出ていたように錯覚していたけれど、「野郎華」「リボンの騎士」そして「値千金のキャバレー」で大河内美帆さんを見るのは三度目。毎回、印象が見事に違う。

     よく、面白くてあっという間と云うけれど、この舞台は本当にあっという間で、2時間5分、休憩なく座りっぱなしであるにも関わらず、時々ハラハラ、ドキドキ、時にしみじみしながらも、ほとんど笑いっぱなしの楽しくて、華やかで、面白くてお尻が痛くなる間もなく終わった初めての舞台。
     
     実は、この日酷い頭痛だったのですが、お腹の底から笑って、楽しんでいるうちに
    劇場を出る頃には、頭痛がぶっ飛んでいた。

     本当に最高に面白い舞台です。

     個人的にツボに入ったのはぬりかべの壁ドン(*'∀`*)v
    「ぬりかべの壁ドンって何?」と気になった方は、31日迄公演しているので、ぜひ劇場に足を運んでみて頂きたい、素敵なエンターテイメントな舞台です。

                             文:麻美 雪


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    2016/01/24 20:28

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