その王国の夜は明けない 公演情報 その王国の夜は明けない」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
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  • 評価は良いようだが。
    掛け合いが軽快に感じたところもあったが、自分にはしっくり来なかったのが正直なところです。従業員が主張だけ一人前にしていたり、時間軸とか人数とか妙な違和感が残ってしまいました。テーマであろう、働くということ、王国を持っていること。ここは納得したところが多い。題材としては結構好きな部類。

    ネタバレBOX

    前半はただ言葉を並べているような個所が見受けられ、ただ出たり入ったり、そんなに時間を使う必要があるのか疑問でした。そういう意図だとしても観ている側としては退屈に思えた。
    反旗をひるがえす上で赤いテーブルクロスだとしても、空間的には青の方が素敵だなとか、段ボールの重さは統一した方がいいと個人的には思います。店長の最後の方の台詞、儚い思いというか、あの個所はとても良いなと。
  • 満足度★★★★

    静かな空間。
    音響照明ほとんど使わずで様々な会話が展開していく様子は面白かったです。

    いろんな思いが重なって・重ならないでの人間模様。
    「だったら、どうして?」と思ってしまうこともありましたが、面白かったです。

    ほろ苦いというか耳が痛いところも多々ありましたが(笑)

  • 満足度★★★★

    観劇の感想です。
    とても面白かったです.演劇で表現するのがふさわしいと言うか、観ていて刺激を受けました.前回も面白かったので期待していましたが,年末にふさわしいような題材でした.昨日は賃金のデモとかあったようですが,そんなことともリンクしていますね。ラストは救いがあるような...どうなのでしょうか?観ながら観ているこちら側の人生とシンクロしていく感じがいいです。

  • 満足度★★★★

    シアターノーチラスの「今」が今作=いろいろと右肩上がりかな(^^)と感じました
    EX:個々の登場人物の作り込みは凄かったと・・・・・

    BGMの少ない作品で=台詞と雰囲気が重苦しい感じで、
    緊張感を観客に強くしいるかしら?と思えた1時間50分。

    体調=特にメンタルな方が万全でないとダメージを食らうかも・・とも思えたデスよ

    ネタバレBOX

    内容は簡単に言うと「店長、カフェ閉めるってよ」って感じかな(^^;)

    WORKING!!・・・みたいな登場人物群ではあるが・・・、
    そんな明るいコメディさは微塵も無いのが本作であります(^^;)。

    開店30分前に全スタッフが集められて1週間後の急な閉店を知らされ、
    各々が思うところ・仕事・生き方等に考えさせられ動くお話=
    で開店準備し、さぁ店を開けるぞってとこで終演となる物語。
    (「はたらく魔王さま」のように特に能力や志の高い人物もいなかったなぁ・・)

    生きる事に足掻いて悩んで苦しんでるといった群像劇ですかね
    (「暴力脱獄」の主人公みたく全力で生きるってことも知らなそうな・やらなそうな多数の従業員さんらが、とこが皆残念系って感も受けたデスよ)でも中では自分の欲望に忠実で、その欲の達成に全力ではあるが。それが自分の”生”だと思うと虚しさを感じてしまうというOLさんは何か哀愁でしたなぁ・・・。

  • 満足度★★★★★

    お見事!
    初演版とはかなり改稿されているようですが、よりパワーアップして洗練された気がします。以前も感じたイライラ感(登場人物を通して、自分自身の不甲斐なさに苛立っているんでしょうが)を覚えつつも、今回は割りと客観的に楽しむことができました。5年後にまた観たいですね。

  • 満足度★★★★

    “ドラマ”の描写が不足している
    “シアターノーチラス”は本作が初見。

    “カフェ”と“王国”とがどういう繋がりを持つのか観ていたが、
    なるほど、そういうことなのか・・・。

    見応えのある“群像劇”だったが、
    登場人物の“人となり”、“ドラマ”の描写が不足しているように感じた。

    終盤、“店長”の独白からエンディングにかけてのシーンが、心に響いた。

  • 満足度★★★★

    働くとは...問い直し
    ”働くことは”を命題にしたような喫茶店の話。この喫茶店を王国になぞらえて動く群像劇のような...なぜか某国の経済危機を想起するようなシュールな展開は、日々の仕事の中で、いつも何のために誰のために働くなど強く意識していないと思う。意識の確認は、何らかのキッカケがあって行うと思う。その契機が...。

    ネタバレBOX

    いつもある職場が無くなるという衝撃宣言。今まで”働く”を通じて自分自身の生きがい、生活のあり様を顧みる。働くは、人の暮らしの糧を得ると同時に、その存在の意義でもあろう。日々変わらぬ日常が、一瞬にして非日常に追いやられる恐怖と滑稽さがしっかり描かれる。人は過酷な状況に直面すると理性より感情が勝るようだ。

    梗概は、従業員全員に対し早朝出勤するよう連絡があり、オーナーからこの喫茶店を2週間後に閉店する旨告げられる。働き場所を失うことになった従業員...その途端、各自が抱えている状況が次々明らかになり、また人間関係の蟠りや桎梏が吐露され右往左往する。当たり前にあった場所(職場)がなくなる。多少デフォルメしているが、どこにでも居そうな人々。そして世間的には大した事件でもなく、という日常空間・時間の綻びであるが、その行間の中で必死に生きている人々の呻きがコミカルに描かれる。この個々人のキャラクターの確立、生活環境・状況を明確にしているから面白い。

    なぜか、ギリシャ経済危機(2009年10月以降に始まる一連の危機)を想起した。ギリシャは、緊縮財政等の厳しい改善に努めてきたが、一方で景気は落ち込み、国民の生活はさらに苦しくなり、大規模なデモや暴動が頻発した。公演にもあった蜂起騒動がその状況を連想させる。国家でさえ危機に陥る時代、働かされているという受動的姿勢では生きられないという教えと、自立しての夢追いの両方を問いかける。教訓臭ではなく、あくまでドタバタコメディという観せ方の中にしっかり主張する、見事な公演であった。
    次回公演を楽しみにしております。

  • 満足度★★★★

    見応え有るが・・
    近年の作品を全て拝見しているが、本作は面白味が伝わりにくいかも。芸達者を揃えて見応え十分ではあるのだが、時折集中力が途切れそうになった。
    登場人物各々の人物造形が作り込が過ぎて設定を飛び越えてしまった感じ。
    ・・照明も、やや暗いかな。

  • 満足度★★★★★

    締め付けられる面白さ!
    なるほど、たしかに王国である。いまや王国の時代ではない、とはいえあの怖い顔の王様からにこやかに語りかけられてもぞっとしない、それでは別の国になってしまう・・・金太郎飴のごとく同じ顔の国が埋め尽くす想像に暗澹となる。余裕のない貧しい国になり始めたことへの気付きが民衆の、そして王様の不安と苛立ちに映し出された。そもそも他者の笑顔を夢とする国は豊かなのか。求める相手を‘差別’するエゴな夢を押しつけ合うなかで見失われたものが王様の独白によぎり、思わず目が潤んだ。王国を支持しながらも民主国でコーヒーをすする自分への言い訳に、正しいなんて誰にも言えない答えをひねくってみる。せめて出国のときには「ごちそうさま」と声をかけることにしよう。

  • 満足度★★★★

    良い題材だと思う
    あなたの人生の目的はなんですか?

    この題材は普遍性があるし、誰もが悩んで眠れぬ夜を過ごした経験があるのではないだろうか。

    PCに向かってさえいれば、仕事をしていると思い込んでいるサラリーマン・OL。
    参考書を開き問題集を解き、志望校に合格するためだけに勉強し続ける学生。

    本来の目的は?それに即答できる人がどれだけいるのか?

    少々ニヒルに問いかけるこの作品は貴重だと思う。

    ネタバレBOX

    少しだけ整理したほうがいいかもしれないと思った。
    登場人物たちの設定は好感が持てたし、バリエーションにも無理がない。

    でも、自分を語るトーンが一緒なのが残念。
    その人特有の語り口があるはずだと思った。

    例えば、ミュージシャンの彼なんかは、ちょっと人気が出てデビュー寸前のタイミングで調子に乗りすぎたって自戒をもっと語って欲しかった。
    Bassが火を怖がったから…には何か無理無理感があるし、響かなかった。

    OLの女性が一番解り易かったか。
    教師の女性も何故生徒をそこまで追い込んだのかが不明瞭。

    その辺りをもっと踏み込んで欲しかった。

    整理した方がいいと思ったのは、ひとりひとりの吐露のパターンが似通っているのでくどい感じがしたから。
    もっとバリエーションを見せて欲しかった。

    最後、店長の独白が沁みた。
    しかし、その後で女優が語りだすのは何だったのか?
    勘違いのかたまりとしてクローズアップしたのか???それならもっとはっきり勘違いして欲しいか…。
    そういえば、彼女のアジテートは下手だった。あれでは主役はとれないでしょと納得してしまう。
    語り口の強さ、メリハリ、姿勢、狂気…もっと勉強してほしい。
    長すぎる。魅せられないのに延々とやるのは飽きる。

    もっと良くなる要素がたくさんある作品だと思う。
  • 満足度★★★

    もっと苦いコーヒーが欲しい
    役者さん皆上手いなぁ凄いなぁって思いつつ、かと言ってこの人のこのシーンが良かった!というのが無かったです。主役が曖昧なのが良かったのか悪かったのか、最後にお客さんに答えを求める終わり方がいつもは良い余韻になってたんですが今回は尻切れトンボのように思いました。個人的にスカイが好きなのでそれに比べちゃうと物足りなさを感じました。現実的なようでどこか詩的で抽象的な台詞回しが好きなんですが、今回のテーマ、場所を考えるともうちょっと明確でも良い気がしました

    ネタバレBOX

    他の方の感想見てて思ったんですが、一人一人スポット浴びてる割には登場人物の意志がなかなか読み取れなかったです。店長にしても、じゃあなんで店員さんに対してもっと熱心に教育しなかったの?したのに言う事聞いてくれなかったの?と疑問に思ってしまったし、最後にこの舞台のテーマであり議題を投げかける女優志望の方もオーディションやバイトに落ち続けただけじゃなんとなく感情移入しづらかったです。ベタですけど、良い役貰えない内に身内が倒れて家族孝行が出来なかったとか…あれば最後の「このままでいいんだよね?」に深みが出たんじゃないかなって個人的に思いました。
  • 満足度★★★★

    拝金主義の行き着く場所の先の微光
     企業や学校等、人が集まる立地条件の良い場所にあるカフェ。珈琲は不味くて有名。(追記2015.12.11:01:28)

    ネタバレBOX

    従業員の殆どが、金の為にのみ働き拝金主義の悪しき例に漏れず、表層的であるから、アイデンティファイすることができない。エパーヴのような存在であることだけは感じているから、自らに自信を持つことができず、他人の揚げ足取りや根拠の曖昧な噂話などをして、自らの虚ろを観ようとしない。オブローモフとまではゆかなくとも、何やら気怠い雰囲気の中を海月よろしく漂っている。面白いのは、誰も彼も、決定的に自己と対峙していないことである。従業員は、総て自己の総てを対象化する位置に立つことを選んでいない。即ち悩みも所詮他人事なのである。回りの人間から嫌われるとか排除されることが恐ろしくて、自らが宇宙的な孤独と向き合うことを1度たりともしていない。無論、チャンスは総ての個々人にあった。だが、敢えてそこに踏み込まない所が日本人的特質なのだと言えよう。その為、不良債権処理がいつまで経っても片付かず、原発問題がとんでもなく誤った方向を向いても正道につかせることができない。作中、1週間後には締めると決まったこの店に大量のコーヒー豆が配達され置き場に困ったスタッフが殆ど全員で、それをあちこち移動するシーンが長く続くが、このシーンを観ていてカミユの「シーシュポスの神話」に出てくるシーシュポスを思い出してしまった。シーシュポスは神の怒りに触れて大岩を山上に上げては落とされ、また上げるという作業を永久に続けねばならないという罰を課されたのだが、あのシーシュポスである。この従業員たちのしている他のことも総て基本的に反復。いつ終わるとも知れぬ反復で、偶々、1週間後に店を畳むと店長が発表したものの、それで最後に有終の美を飾ろうなどというインセンティブは微塵もない。それどころか、賃金が本当に貰えるのか?  
    働く場所が無くなって生活はどうなるのかと切羽詰った金銭問題ばかりに縛り付けられ、縛り付けられていることが何を阻害しているかについての思考も働かない。遂に、彼らは、店長を王になぞらえ、このカフェを王国になぞらえて反乱を起こす。気勢が一旦収まるのを待って店長が、彼らのアイデンティティーを問うと誰一人答えられる者が無い。そこで店長が話し始めたのは彼がここにこの店を開いた当時の抱負であった。立地は良い。そこで、サラリーマンや学生たちが、ふっと立ち寄りいつものコーヒーを飲んで、命を新たにするように外へ飛び出してゆく。そんな願いを込めて開店した当初の自分の気持ちを。店長は、喫茶店の話を通して人として生きる方向性を示した。唯一、リーダーとして為すべき方向性を示したのである。今作は、このラストで、何の希望も生きる目的も無くなったように見える現在の我々に生に微光を灯してみせる。
  • 傷口をガシガシえぐる感じ
    心当たりのある人は、凄く傷口に塩を塗りこんでガシガシされているように感じる。
    私には大変キツかったです。
    でも、それが嫌だという事ではなく、むしろ再認識するいい機会な気がしました。

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