ものがたり降る夜 公演情報 ものがたり降る夜」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
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  • 満足度★★★

    鑑賞日2015/12/16 (水)

    ウディ・アレン、岸田國士(くにお)、近松門左衛門、そして、清水邦夫…と、ここんとこ、広く世間に知れ渡ったテキストの再演モノや新解釈モノの観劇が続いてて…そんでもって、昨夜(16日)観て来たのが、鴻上尚史(こうかみ・しょうじ)。
    自分が学生の時分、顔見知りが劇団員だった関係で、生まれて初めて観た小劇場演劇が、鴻上氏主宰の第三舞台だったんですよ♪ そんな鴻上氏の作品『ものがたり降る夜』、ことのはboxさんの手による初日の舞台、上野で観て来ました。

    ネタバレBOX

    自らの意思で男に買われた、独身の若い女
    若い男を買った、妻であり・娘の母親でもある、もう若くはない女
    だが、満たされぬ思いを「性」で埋めたいと願った若い女も、信じていた夫の浮気を知り、「性」に復讐しようとした若くはない女も、心の空洞はかえって深まるばかり。そんな彼女たちが、同じ精神カウンセラーの勧めで、人里離れた山奥に住む、カウンセラーの師匠にあたる人物を訪ねることに…

    ストレートに「性」をテーマにした芝居って、ありそうで…でも実はあまりなさそうで。本作品では、鴻上氏の、かなり大らかな「性」への考え方が、ユーモアを交えつつも、提示されています。
    内容的には、オリジナルの公演で賛否両論巻き起こったのも、むべかるかな、といったもの。私個人の意見も、同氏の考え方、「性」へのアプローチには、あまり同意はしかねるかなぁ。

    まっ、それはさておき、純粋にお芝居としてみてみると、キャストの大半が若手中心のせいか、真っ向から「性」に取り組んだ芝居にしては色気が足りない(笑)というか、サラっとし過ぎている気がしました。もちろん役者陣、とりわけ(テーマがテーマなだけに)若い女優さんたちが各々の役柄、かなり突き詰めたうえで演じられていたのを認識したうえでの、「印象」ですけど(汗)

    ただ、かといって、ねっちり・情念たっぷりでやられては、かえってクドくなりそうで困りもの。このサラっと感の方が、ものがたりの伝承民話的・寓話的雰囲気には適していたかもしれません。

    ヒロインの「若い女」水本なつみ役。
    [Team 葉]の葭本未織(よしもとみおり)さん。
    後日拝見した[Team 箱]の犬井のぞみさん。
    或る意味、カラダを張った役柄故、チカラの入り過ぎた部分も見受けられましたが、お二方とも、この作品世界に生きる、等身大の若い女性像を熱演。素直に、良い女優さんだと思いました、とさ♪
  • 満足度★★★★★

    異空間で大好き!
    真っ向から「SEX」を語っているのが、小舞台ならではのモチーフなので楽しめました。鴻上さんの作品らしく、アウェイなこだわりが感じられた。ラストはもっと過激でもよかった気がします。オープニングであれだけのダンスがあったので、少し期待しました(笑)
    あの上野の場所の雰囲気も劇場も好きな空間でした。若い役者さんの中でひときわ渋く光る奥居元雅さんのファンで、地のままなのか「怪しいジジィ」がぴったりでした。でもダンスはキレキレで長髪で、その違和感が魅力ですね。女性へのメッセージ感が強いのでもっと舞台のインテリアや衣装のセクシーさにこだわってもよいと感じました。

  • 満足度★★★

    違和感が・・・
    どなたかが投稿していましたが、やはり最初のダンスは・・・
    一番前列にいたので視線のやりばに困りました。あそこであのダンスは
    必要だったのでしょうか?
    ストーリーも無理が有ったように感じました。

  • 満足度★★

    品がない
    鴻上作品は好きです。
    どう料理されるのか興味があって出かけたのですが…。

    申し訳ないですが、最初のダンスが汚らしいです。
    笑いは上品に取らなければいけないと思います。

    演技者の品がなく、技術が稚拙すぎると思いました。

    もっときちんと訓練し、生活全般から品位を意識して欲しいです。

    笑いがとれればいい…それは売れない芸人が考えることでしょう。
    コントにしても品がないものは笑う前に引きますよね。

    厳しいこと書きましたが、思った通りを書かせていただきました。
    役者とは本に書かれた人格を演じてみせる存在です。
    基本的なトレーニングと表現の善し悪しをつねに考えながら活動してください。

  • 満足度★★★

    [Team 箱] 観ました
    鴻上氏の作品。未見ですが、いかにも氏の雰囲気に満ちていましたね。しかしながら、多少の違和感を覚えたのは役者さんの力量の差のせいでしょうか。厳しい事を言って申し訳ないのですが、学芸会か宴会芸のレベルの方もいらっしゃるようで。演出はよかったと思います。

  • 満足度★★★

    童話のお話し
    童話の解釈、とても興味深かったです。

  • 満足度★★★★★

    文学的
    過激なあらすじからどんなお話かとおもいきやそこまで激しくなく、童話を鴻上さんの視点から物語に組み込んでいくあたりは上手いな!と思いました。照明とダンスが素敵でした!

  • 満足度★★★★

    仕掛けの面白さと深読み
     男と女を語るのに猿と人の混血を登場させている所が今作の仕掛けとしては基本だろう。この混血、人間のように嘘はつかない。(追記2015.12.23)

    ネタバレBOX

    考えていることは、セックスをすることばかりなのだが、人間のような卑猥さが無いのだ。彼らは楽しく和合している。かつて日本の庶民が持っていた風習としての夜這いなども例示されるのだが、実際、第一回東京オリンピック開催辺りまで地方によってこの風習は残っていたようである。
     基本的に言い寄った相手のOKがなければ夜這いは不成立。一方、合意の上であればOKということだ。このような発想は宗教的に厳格な絶対神を持ち、神が定めたとされる婚姻制度があれば、出てこない。このような大らかな性意識は、律令制を正当化し一種のクーデタをおこした藤原 不比等らが中心となって編纂した日本書記では、当然のことながら否定的見られているが、古事記ではずっと大らかであるのを観ることによって、或いは神道以前にこの倭国にあった鬼道に於いては、普遍的な性のありようであった。
     以上に挙げた事情を鑑みれば、今作の目指したものは、アニミズムが体現していた世界観再考の便ともなろう。即ち、尊い存在とは、命を喰らうことによってしか、己をも己の仲間の命脈をも保つことができないことを知る者であり、それを知ることによって生命全体が生きる環境をも射程に入れるような考え方をする者であると考えるのである。そして、であるならば、現在、世界の利口ぶった国の多くが実践しているような右肩上がりの経済発展や軍事競争が如何に愚かで無益なものであるかに対する痛烈な批判になっているという深読みすらできよう。
  • 満足度★★★★

    行儀がよい性 【箱チ-ム】
    この脚本は1999年6月に初公演されており、当時は世紀末の雰囲気が漂い、電子機器類を始めとして2000年問題の対応に追われていたことを思い出す。今から16年程前のことであるが、10年ひと昔という言葉からすれば、もう過去のこと。その時代状況(今でもか)において、大っぴらに語られることがない「性」のこと...。この公演の説明謳い文句でもある。
    演出はオーソドックスで観客に観てもらう、という丁寧な描き方であるが突き抜け感が乏しいと思う。演出家・酒井菜月 女史から視た、もしくは感じている「性」は、愛らしく、優しく行儀が良いものかもしれない。
    演技は、チーム「箱」にとって初日であったが、全体的にかたく物語の滑稽さが表現しきれていないのが残念であった。
    上演時間2時間15分(途中休憩なし)

    ネタバレBOX

    公演の説明にもあるが、性に向き合った物語であり、「政治」は夜作られるというが、こちらの「性事」(多く)は夜営まれる。どちらも体制(勢)が重要である。

    梗概は、売春行為を通じて性に向き合う若い女、夫の浮気に対する復讐のため、自分も男と性交を試みる中年女、この二人の女性はカウンセリングを受ける。その医師の紹介で山奥にある、とある場所へ行く。そこに民話研究会を名乗るメンバーも来て、「性」と「宗教」問題を民話に絡め、確認していくような作業が展開する。
    この民話の件、差別用語について興味を持った。そう言えば、最近「うどんかるた」の一句「色白太め、まるで妻」が差別だとクレームが。難しい世の中だ。

    現代日本人があまり話題にしない事柄(苦手?)を絡めて、サラッと表現する。性は、(表面的)愛に捉われることなく、もっと自由・開放的なものであると。一方、民話研究会を隠れ蓑にした新興宗教メンバーの活動は、当時のオウム真理教を示していることだろう。
    地下鉄サリン事件から4年。その全容解明を目指している頃。一般的に宗教信仰の自由とその勧誘...信者にとってみれば、良かれと思って入信を勧めるが。
    この「性」と「宗教」は、タブー視するわけではないが、大っぴらに会話することもない。現代日本人が苦手と思っている二大テーマを、民話に絡めて斜に諭す。そんな酒脱さが欲しい公演であった。初演時と時代状況が異なることから、その違いに力点を置いた演出があっても良かった。

    最後に、冒頭のムーブメントが中途半端な動きに感じられた(初日だから?)。多くの人(世間)の中で、違和感を感じている個人...その表現が見えなかったのが少し残念であった。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★

    役者の実力差が気になるかな・・・
    鴻上さんの作品は好きですが、この作品は読んだことがなく期待して劇場へ。セットはストアハウスにしては広がり感があり素敵でした。演出もオーソドックスで私は奇をてらった物が好みではないので好きな演出でした、ですがオーソドックスであるが故に出演者の方々のレベルの差が目立ちます。若い方々は頑張っておられるのですが、坂本なぎさん、奥居元雅さんの台詞力と存在感が強く、若い方々がなんだか少し浮足立っていて舞台というより発表会に参観している気分になり、なんだかストーリーに入り込み辛かったです。以下ネタバレに、、、

    ネタバレBOX

    反してベテランの方々は安心してみていられます、特に林田を演じられた坂本なぎさんの「セックスしたいわよ」と繰り返す台詞は私自身の中に染み入るような強さがあり大変素敵でした、言葉の素敵な女優さんですね。あと灰汁が強く好みが分かれそうですが奥居元雅さん演じる花田が大変印象深く「今日の物語はここまで、それでは」という台詞が夢に出そうです(奥居さんって場面でまったく別人になりますね)。不倫している?先生が枕を抱いて焦ってる場面も思わず笑いました。
    シーンとしては、最初の男性のダンサーの勢いが笑えました、思わずお尻に目が・・・。そして最後のそれぞれが抱擁しすべてが昇華されるような場面は美しく、雰囲気があり素敵でした。全体に照明が美しいなと感じました。
    まだ、これからの団体かと思いますので、頑張ってください。
  • 満足度★★★★

    セックスに向き合うことが出来ないのは
    事前にあらすじから想像していた物語とは随分違った。マザコン、ファザコン、2次元萌え系、草食系男子、潔癖症や男性恐怖などなど。「普通」とはちょっと違う人達の物語かと思っていたけれど、「普通」の私たちがセックスに向き合うことが出来ていない人達なんじゃないかと気付かされた。ストーリーは秀逸だと思う。演技にもう少し個性があればとは思った。

    ネタバレBOX

    ラストシーン。花田照吉と佐伯由里のからみはエロティシズム溢れて、とても良かった。その他のカップルからは溢れんばかりエロティシズムは感じれなかった。恐らくあの暗闇で48手などを演ずるのが本作のセックスに向かい合うをうまく表現することになったのではないかと思うのだが。

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