ものがたり降る夜 公演情報 ことのはbox「ものがたり降る夜」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    行儀がよい性 【箱チ-ム】
    この脚本は1999年6月に初公演されており、当時は世紀末の雰囲気が漂い、電子機器類を始めとして2000年問題の対応に追われていたことを思い出す。今から16年程前のことであるが、10年ひと昔という言葉からすれば、もう過去のこと。その時代状況(今でもか)において、大っぴらに語られることがない「性」のこと...。この公演の説明謳い文句でもある。
    演出はオーソドックスで観客に観てもらう、という丁寧な描き方であるが突き抜け感が乏しいと思う。演出家・酒井菜月 女史から視た、もしくは感じている「性」は、愛らしく、優しく行儀が良いものかもしれない。
    演技は、チーム「箱」にとって初日であったが、全体的にかたく物語の滑稽さが表現しきれていないのが残念であった。
    上演時間2時間15分(途中休憩なし)

    ネタバレBOX

    公演の説明にもあるが、性に向き合った物語であり、「政治」は夜作られるというが、こちらの「性事」(多く)は夜営まれる。どちらも体制(勢)が重要である。

    梗概は、売春行為を通じて性に向き合う若い女、夫の浮気に対する復讐のため、自分も男と性交を試みる中年女、この二人の女性はカウンセリングを受ける。その医師の紹介で山奥にある、とある場所へ行く。そこに民話研究会を名乗るメンバーも来て、「性」と「宗教」問題を民話に絡め、確認していくような作業が展開する。
    この民話の件、差別用語について興味を持った。そう言えば、最近「うどんかるた」の一句「色白太め、まるで妻」が差別だとクレームが。難しい世の中だ。

    現代日本人があまり話題にしない事柄(苦手?)を絡めて、サラッと表現する。性は、(表面的)愛に捉われることなく、もっと自由・開放的なものであると。一方、民話研究会を隠れ蓑にした新興宗教メンバーの活動は、当時のオウム真理教を示していることだろう。
    地下鉄サリン事件から4年。その全容解明を目指している頃。一般的に宗教信仰の自由とその勧誘...信者にとってみれば、良かれと思って入信を勧めるが。
    この「性」と「宗教」は、タブー視するわけではないが、大っぴらに会話することもない。現代日本人が苦手と思っている二大テーマを、民話に絡めて斜に諭す。そんな酒脱さが欲しい公演であった。初演時と時代状況が異なることから、その違いに力点を置いた演出があっても良かった。

    最後に、冒頭のムーブメントが中途半端な動きに感じられた(初日だから?)。多くの人(世間)の中で、違和感を感じている個人...その表現が見えなかったのが少し残念であった。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2015/12/19 11:33

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